少年は、悪夢に魘されてしまい、その気分を紛らわす為に懐中電灯を手に持ち、夜の街を歩いていた。
この街の治安はとても悪化していた。
言ってしまえば、山向こうの二つの街なんかよりも悪い。
そこらへんには動物の死体が多くあるが、それはこの街に訪れるDQNな奴等がやっていることであった。
この街には出るかはわからないが、心霊スポットがとても多く、そこに肝試しをする為に訪れるDQNがとても多い為である。
最近になり山向こうにある二つの街は発展してきたことで、より多くの人が心霊スポットに訪れることである。
もちろんDQNの中には完全にイかれた奴等もおり、其奴らはよく野良猫や野良犬を平気に殺している。
その為、其処らへんには死体が距離を置いて放置されていた。
異臭も漂い、昼にはカラスや虫が死体を貪る。
しかし、少年はそんな匂いも日常茶飯事な為、すでに慣れていた。
少年「ふぅ……匂いは相変わらずだなぁ」
少年は何の恐怖も抱かずに夜の街を歩いていた。
今まで少年は夜に出歩くことは
その為、この街に異界な存在がいることには
だが……
少年「それにしても……僕はあの場所の前に
少年は眠っていた場所の前の記憶がなくなっていた。
なぜ少年はあの場所で寝ていたのかも知らずにいた。
しかし、少年は思い出さそうともせずに、そのまま気分展開をしていた。
少年「しかし、この夜の街物騒だなぁ……動物の死骸が転がってるし、夜の世界がこんなにヤバイのは知らなかったなぁ」
と愚痴のような言葉を吐いた。
だが……
なぜか一度
前にこの暗闇の中を通ったことがあると感じた。
なんてことを考えていると、突如少年の足は止まってしまった。
少年「なっ?何だろう……この先とても嫌な感じがする……」
何故かわからないが、前に何か危険なものが潜んでいると、直感で感じた。
その証拠に今まで平常であった心拍が何故か上がり始めた。
目の前には何も見えないはずなのに、何かがそこにいる……そんな恐怖が彼に伝わってくる。
少年「懐中電灯をつければ何がいるのかわかるかもしれない、もしかしたら野良犬かも…」
少年は手に持っていた懐中電灯を付けて前を照らしてみた。
するとそこには黒い物体で仮面のような顔をした化け物が突如現れた。
少年「!?」
化け物は少年の方を見ると、ゆらぁ〜ゆらぁ〜と近づいてきた。
少年は目の前の化け物に一瞬怯えていたが、すぐさま正気に戻り、後ろへと駆け出していった。
化け物も少年を追い出した。
少年(ヤバイ!あれはヤバイよ!あれに捕まったら間違いなく殺される!!)
まだ幼い少年である彼は、化物の危険を感じ取り、命がけで逃げていた。
しかし、化け物が出てから心臓はバクバクとなり出しており、息もとても荒くなっていき、足が遅くなってきていた。
すると、後ろから追いかけてきた化け物が…
オイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデオイデ
いきなり声を出し出した。
少年は、そんな声を聞いても、捕まったら殺されると知っていた為、逃げるしかなかった。
少年(ヤバイ……疲れてきちゃった……このままじゃ捕まっちゃう…どうすれば?)
すると少し先に、看板が見えた。
少年(一か八か、あの中に隠れるか!)
少年は賭けに出し、残された力で踏ん張り出し、看板へと向かっていった。
少年は看板の裏にすぐさま隠れた。
化け物は看板へと向かうが、通り抜けられないのか、周りを動いていた。
諦めたかと思うと、またこちらに近寄ってくるのを感じた。
少年(早くあっちにいってくれよ!!)
そして諦めたのか、来た道へと戻っていき、その姿を消した。
その様子を見た少年は、看板から出てくる。
少年「ふぅ……危なかったぁ」
目の前の危機を回避したことで安心したのか、地面に座り込む。
少年「あの化け物一体なんだ?あんな悍しいの今まで見たことがない。これは早く帰ったほうがいいかな?」
少年は立ち上がり、家に帰ろうとする。
すると。
少年「……あれ?なんか光っている?」
化け物が去っていった場所に一つの光る何かが転がっていった。
少年はその光っているものを拾い上げる。
少年「これは……ガラス玉?」
それは、赤色のガラス玉であった。
ビー玉とは違い、中には模様が入っていないただのガラス玉のように見えた。
少年「でも何でこんな所にガラス玉が。さっきまでは無かったはずだけど」
少年は摘んでいるガラス玉を覗き込むように見詰める。
すると、その中に自分が写っていた。
少年「え?」
少年は一度目を離し、目を擦りもう一度見る。
もう一度見ても、それは自分の姿であった。
それには、夕暮れ時に山向こうの街へ行き、その街にある大きな山の入り口に入って行こうとしている自分の姿であった。
中の映像がここで終わり、目を閉じる少年。
少年「あれ?山向こうの街のあの山、行ったことある気がする?」
抜けていた記憶の一部が戻ってきた感じがしていなかった。
だが、何故かあそこに行ったことがあるという意識があった。
少年「あの山にもしかしたら、何かあるかもしれない……家に帰る前に一度行ってみるかな」
少年は家に帰る前に山向こうの山に行くために山道へと向かっていった。
この際にも、他のお化けに遭遇し、途中で拾った石を使ったり、物陰に隠れたりしてやり過ごしていった。
中には狭い道で大きな人の顔をしたお化けが突然現れたり、毛むくじゃらで赤い足が何本もある巨大なお化け、地面から生えている白い顔に赤い口をした鯨のようなお化けには失神するほど怖がっていたが、何とか耐えていた。
そして、ようやく山道にたどり着いた。
少年「ようやく山道にたどり着いた。こっから先も何かいるかもしれないなぁ。何もいませんように」
そう良い、山道へと入っていった。
その少し後ろに、中学生の少女二人と二匹の犬がいることに気づかずに……