西暦2202年冬。
太陽系へと次々小規模な艦隊を送り込んでくるガトランティス艦隊。そんな中ある地球連邦の艦隊がこれを迎撃するため、アステロイドベルトの中に潜み、ひっそりと敵を見つめていた。
そしてその艦隊の中にはドレッドノート級前衛武装宇宙艦の改良型発展型、スーパードレッドノート級宇宙戦艦の姿もあった……。

宇宙戦艦ヤマト2202の妄想設定戦艦の短いお話です。
拙い出来ですが見ていってください。

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リメイクされたドレッドノート級主力戦艦ってかっこいいですよね笑
そんなドレッドノート級をこうした方がかっこいいんじゃないかな、強いんじゃないかなと妄想し、拡大発展型としてスーパードレッドノート級宇宙戦艦(まんま)をでっちあげ、その設定的なものと短いお話を書きました。
結構頑張った方だと思う(自画自賛)のですが、何かアドバイスや感想をいただければ幸いです。
描写が拙いですがそこもご指摘いただけると嬉しいです。


スーパードレッドノート級宇宙戦艦

スーパードレッドノート級高能力武装運用システム

超ド級航宙戦艦

全長330m

40.5cm3連装収束圧縮型衝撃波砲

甲板部×3

艦底部×4

収束/拡散波動砲×2

近接戦闘用パルスレーザー照射器×20

対艦グレネード発射機×8

垂直発射装置艦全体 32セル

魚雷発射管×8

改良型ロケットアンカー艦首部×2

その他

 

ドレッドノート級の拡大発展型として開発された航宙戦闘艦艇。

より大型化した艦体に、より凶悪な武装を搭載、さらに砲戦能力を意識した結果、より戦艦らしい殴り合いに特化した艦艇になっている。

これまでの艦艇は少なからず主砲の死角があったが、この艦は死角をなくすよう砲塔配置を工夫し、正面から見た時の艦影を三角形とすると各頂点に砲戦甲板が存在し、上部甲板前部に背負い式で2基、後部甲板に1基

右、左艦底部甲板にそれぞれ2基(内1基は全周旋回可能)となるように搭載、

正面に18門

側面に15門

後方に9門

艦底部に12門

と全周に主砲火力を投射することが可能になっており、別次元の戦闘能力を持っている。

 

主砲は基本設計をアンドロメダ級が搭載していた砲塔を踏襲し実弾発射機構をオミットしさらなる小型化と効率化、耐久性を兼ね備えた改良型を搭載。砲塔内には緊急時のマニュアル砲撃用の操作盤があるものの、高度な自動化や艦橋からの統制により、砲術部員用の砲塔内スペースを削除し、ある程度の柔軟性を諦めることで火力の向上に務めている。

また、砲塔内には強固な隔壁が装備されており、多少スペースを圧迫するものだったが、ヤマトの戦訓からショックカノンへの被弾により砲塔ごと使用不能になるのを防ぐ目的で砲塔内に1番砲2番砲3番砲を区切る形になっている。実弾を搭載していないため弾薬の誘爆による被害は発生しえないため、砲塔の耐久性はヤマトと比べても大きく向上していると考えられる。

小型化された波動機関を2基搭載することにより、砲塔へのエネルギー伝導を過不足なく行うことが出来、また機動力も著しく向上した。

波動防壁は潤沢な機関出力に支えられ安定して長時間展開することが可能である。

機関を2基搭載したことによりダメージコントロール上都合がよく理論上は耐久性が向上していると考えられる。

艦後部のメインエンジンノズルは地球艦艇としては珍しい双発スタイルであり、その艦型は特異なものとなっている。

機関の双発化や防御上の問題からやや横幅が広く取られており、ドレッドノート級のスリムな艦型からは離れてしまっている。

補助エンジンはヤマトのように艦底部に2基装備され主に戦闘機動に用いられ、艦全体に装備されたスラスターの推進剤やエネルギーを生み出している。

 

艦首には決戦兵器たる拡散型連装次元波動爆縮放射機が装備され、波動砲艦隊の一翼を担う能力を持つ。

しかし本艦にとっての主任務は波動砲の統制射撃などではなく(あくまでも副次的な任務に過ぎない)戦隊単位無いし比較的少数の艦隊による敵艦隊への遊撃兼殴り込みが主任務と位置付けられており、装甲防御力はアンドロメダ級を優に凌ぎ、ガミラス軍のゼルグート級一等航宙戦闘艦の正面装甲に匹敵するとされている。勿論艦体全てがその様な超重装甲という訳ではなく、所謂ヴァイタルパートを主として艦底部はヤマトからの戦訓により特に重装甲に固められている。間接防御として艦全体を細かなブロックに分け、艦内に大量の作業用オートマタを配備、多少柔軟性にはかけるがダメージコントロール能力の向上と乗員の削減に大きく寄与している。

本艦には最新の波動防壁機構が装備され、稼働時間は2時間を優に超えるとされている。しかしこれは理論上の連続稼働時間であり、被弾などにより減少する。しかしながらヤマトから比べれば格段の進歩を遂げており、中性子星カレル163宙域におけるガミラス軍の襲撃の際にヤマトがこの最新型波動防壁を装備していればゼルグート級を含む艦隊中央を強行突破できたのではないかと言われている。

本艦にはこれまでのような航空機部隊を搭載せず、2基の汎用内火艇(主に調査や救助に使用)を艦底部格納庫に装備するのみで、ドレッドノートやアンドロメダ等航空隊を装備していたこれまでの地球艦艇とは異なっている。これもひとえに本艦の主任務のためであり、万能性を捨て単能でもより砲戦に最適化された艦艇を欲したが為であった。

本艦の想定任務の危険性などのため、出来うる限りの防御性能、全周囲攻撃性能、そして撃沈破された時の人的資源への影響を減らすため出来うる限りの少人数化が進められ、乗組員は交代などを含めると60人を少し越す程度である。

勿論少人数で運用する為の各種システム等はこれまでの経験を生かし、更には民間の技術(ゲーム等)を応用、新型のコンピュータとFCS等々を組み合わせ高度に効率化された戦闘システムが完成した

このシステムの完成度は軍内部からもはやシュミレーションゲームのような簡単さ、と揶揄されたほどである。

本艦は戦闘能力の極大化のため大胆な割り切りや運用システムの導入により、戦艦と言うよりは航空機のような運用をされることになる。(かつての磯風型突撃宇宙駆逐艦が良い例)

乗員の削減は想定任務の危険性ゆえという面もあるが、本艦の直接防御力を高めるためであり、乗員数が少ないため居住性が悪いとは言えないが、300mクラスの大型戦艦としては破格の小ささである。

艦内には単能艦としての施設しかなく、長距離航海は厳しいものがあるものの、正面切っての戦闘であればアンドロメダ級だろうがゼルグート級であろうがスクラップにすることが可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

濃密な星間物質と岩石が漂う宙域に全ての航行灯を消し、ひっそりと進む艦隊があった。

第23任務部隊

それが彼らの名前であった。

スーパードレッドノート級宇宙戦艦6隻、ドレッドノート級戦艦12隻、護衛艦20を含む艦隊はとある任務のため灯火管制、電波管制の上この障害物の多い空間を隠れ蓑にしながら時が来るのを待っていた。

 

「先遣艦、DD-042より入電。

”我敵艦隊を補足”、観測データ来ました」

 

「解析にまわせ」

 

無機質なアルミニウム合金によって囲まれ、薄暗い照明とディスプレイに照らされた艦橋内に通信手の声と艦長の声が響く。

我々第23任務部隊から数光時間離れた宙域にいる、偵察用の装備を増強した地球連邦防衛艦隊 汎用護衛艦 クラスCの強行偵察型、通称パトロール艦から敵艦補足の報が超空間通信により光の壁を乗り越えて入る。

 

「敵艦隊の規模は?」

 

艦橋奥の一段高いところに位置する艦長席に座る若い男が問う。

 

「未知の大型艦3、既知の戦艦8、巡洋艦13、空母2、駆逐艦48を確認、現在速力22sknotで太陽系へと進行中との事です」

 

「ふむ、未知の大型艦か……。

これより敵大型艦を”大戦艦”と呼称する」

 

先程までの息を押し殺していた空気とは打って変わってパトロール艦からの膨大な量の情報が流れ込む。

先遣艦からの情報には未知の艦影、おそらく戦艦だと考えられる500mを超える大型艦の情報もあった。

戦いが始まる。

誰もがそれを肌で感じとっていた。

 

「そうか……。山本司令」

 

艦長が旗艦用に改装され増設された指揮官用のスペースに仁王立ちし、窓の外をじっと見つめる壮年の男性に声をかける。

 

「あぁ。電波管制解除、各艦データリンク再開。

これより本艦隊は統制ワープの後戦闘宙域に突入する。

全艦ワープ準備」

 

山本信儀(やまもとのぶよし)宙将、それがこの艦隊を預かる司令官の名であった。

彼はガミラス戦役からの生き残りでもあり、今の地球防衛軍にとって貴重なベテランと言うべき人材であった。

 

その彼の命令により活動を制限していた艦隊が動き出し、データリンクにより多数の艦艇が情報を共有、1つの巨大な戦闘システムを形成した。

 

「機関出力、上昇。ワープ準備完了」「ワープアウト座標確認」

「各武装異常なし、何時でも撃てます」

 

機関長、航海長、砲雷長の報告が艦橋内に木霊する。

ワープのために出力が上昇した波動エンジンの鼓動が艦を揺らし、艦橋にも響く。

 

「スーパードレッドノート級各艦、重力子スプレッド発射用意。

前方の障害物を吹き飛ばせ」

 

艦首に格納された重力子スプレッド発射機が展開され、うちぃかたぁー始めという砲雷長の独特な復唱に続き艦首方向で青白い光が瞬く。

6隻のスーパードレッドノート級から発射されたエネルギー弾はコンピュータの計算通りに発射され、前方に広がっていた岩石を吹き飛ばし、通路を作り出した。

先程までの大量の岩石の中にワープ時の速度で突入すれば如何に重装甲のスーパードレッドノート級と言えども傷だらけになるのは避けられない。

それが他のドレッドノート級や護衛艦ならば尚更であった。

 

「全艦ワープに備えよ」

 

「ワープインまであと10秒」

 

航海長のカウントダウンと共にかつての核融合機関のような機関とは正に別次元の出力を誇る波動エンジンが唸りをあげ、艦橋外に見える数多の恒星が光の筋となって後方に流れる。

ビリビリと艦が揺れるほどの加速が続き、艦尾にある2つのエンジンノズルでは橙色だった噴流が青白い光へと変わり後方へと伸びてゆく。

他の艦も同様に加速を続け、戦艦18、護衛艦20の艦隊は美しい立体陣形を描き、前方には人工的に生成されたワームホールが視認できる。

 

「ワープ!」

 

航海長の声と操縦桿を操作する音が響くと大きな揺れが艦を襲う。

通常空間から異空間へと飛び込んだのだ。

とは言っても突入と脱出がほぼ同時であるため彼らにとってはほんの一瞬視界に違和感を覚えた程度であった。

眩い光と共に第23任務部隊の全艦がほぼ同時に通常空間へと飛び出した。

艦体を覆っていた真っ白な氷がバリバリと剥がれ後方へと砕けながら散っていく。

外から見ていたらさぞ美しいのだろうが、艦の中にいて分かるのは真っ白だった窓が通常状態へと戻る様だけである。

 

「機関異常なし」「ワープアウト座標との誤差プラス0.2」「各武装異常なし」

 

次々とワープによる異常が無いのかを報告していく。

波動エンジンというイスカンダルよりもたらされた新たな翼を人類は使いこなしつつあった。

 

「全艦異常なし」

 

「よろしい。全艦攻撃を開始せよ」

 

第23任務部隊38隻は先行していたパトロール艦に誘導され丁度敵艦隊の側面へとワープアウトしていた。

 

 

「宜候、攻撃目標 敵艦隊。主砲撃ち方始め!」

 

各艦のコンピュータで並列計算された目標の未来位置がデータリンクで共有され、自動的に割り振られた目標に向けそれぞれの砲塔が指向しその長大な砲身から陽電子の光芒が迸った。

ガミラス戦役時から格段に進歩した火器管制装置により、統制された陽電子の束はその多くが敵艦に命中する。

それはかつての貧弱な光線砲からは望むべくもない破壊を敵艦にもたらした。

 

「敵艦隊中央部の戦艦2巡洋艦7駆逐艦10に命中!」

 

地球がこの3年で新たに開発、配備した収束圧縮型陽電子衝撃波砲はショックカノン譲りの大威力もさることながら連射能力や砲塔旋回速度、ビームの収束率等の向上により、攻撃力の大幅な底上げを実現していた。

ガミラス軍の陽電子ビーム砲を凌ぐ性能を持つ新型砲だ。

それは当初の目論見通り敵艦に甚大な被害をもたらし、初撃で甚大な被害を与えていた。

 

そして戦果を機械が認識するとさらに目標が各艦に割り振られ、計算された旋回角度、仰角に主砲が指向され、陽電子の光芒が次々と放たれる。

初撃で命中しても撃破が叶わなかった敵艦を光芒が貫き火球へと変貌させた。

 

「我々はこのまま敵艦隊側面へ突撃する。

波動防壁艦首へ最大展開、その他の艦は我々を援護しつつ後方の敵空母を撃破せよ」

 

司令の命令が即座にデータリンクに、そして艦隊行動に反映され6隻のスーパードレッドノート級が高速で敵艦隊へと突入する。

その6隻は一矢乱れぬ輪形陣を描き艦首方向から青白い光を纏いながら、各部に搭載された戦術機動用大出力スラスターが細かな進路変更と軌道修正を繰り返し、敵艦隊へと肉薄する。

その間も前方に指向可能な主砲は狂ったように攻撃を続け、新たに敵戦艦4、巡洋艦2、駆逐艦4に被害を与え、うち半数は機関部に命中したのか火球へと姿を変え、味方を明るく照らし破片を撒き散らす。

だが、敵艦隊も座して死を待つだけではない。

未だ混乱しているのか散発的な砲撃しかないがガトランティス特有の半球形砲塔から緑色の破砕エネルギーがばら撒かれる。

しかしその殆どが見当外れの方向に飛んでいき、僅かに命中した砲撃も波動防壁に受け止められ被害はなかった。

 

しかし運の悪い艦もいた。

スーパードレッドノート級の後方、援護射撃を行いながら空母のいる敵艦隊の後方へと回り込もうとしていたうちの1隻に大戦艦からの明らかに他より強力な砲撃が命中、比較的薄い波動防壁を突破され機関部を抉り取られた。

 

「護衛艦0013機関部に被弾、大破!」「すぐに下がらせろ」「艦首魚雷発射管一斉射、てぇ!」

 

目まぐるしく動く戦場。被弾した護衛艦は即座に慣性航行に切り替え、スラスターをうまく使いながら敵艦隊から距離を取るように航行する。

砲雷長の声とともに艦首から伸びてゆく噴煙が艦橋の窓から見えた。

6隻から一斉に放たれた空間魚雷は幾らか撃墜されたが、敵艦隊へと到達。

橙色の巨大な火球を生み出し敵艦隊を照らす。

突入する6隻の前方には未だ健在の敵戦艦2、巡洋艦4、駆逐艦20と未知の大型艦3隻が。

そして左手側、つまり縦に長く伸びた敵艦隊後方には空母2隻と駆逐艦4隻が続いていた。

 

そして未だ混乱の残る敵艦隊にスーパードレッドノート級6隻が接触する。

残存する敵駆逐艦は大半がその高機動力を生かし敵を迎え撃つため回頭を終えていたが、巡洋艦や戦艦、未知の大型艦は未だ回頭中であった。

 

「食い破れ!」

 

司令官の一声の後6隻の砲撃は激しさを増し50本を超える陽電子のビームは割り振られた目標に向かい、1隻1隻に幾筋も突き刺さり次々と火球が生まれ破片が飛び散り辺りを明るく照らす。

急速に撃ち減らされた敵艦隊はそれらを全く気にしていないかの如く襲いかかる。

数隻の駆逐艦から煌めく光球が発射された。光子魚雷と呼ばれるそれは命中した物質と対消滅反応を起こし膨大な破壊を生み出す強力な兵器である。

 

「高エネルギー体本艦に急速接近、直撃コース、避けられません!」

 

レーダー士の報告を聞き操舵手がどうにかかわそうと舵を切るが、ワープ前のような高速で航行する宇宙戦艦の進路は容易には変わらなかった。

何発かの光子魚雷は後方に飛んでいったが、2発の光子魚雷が艦首部の波動防壁へと命中した。巨大な爆発が発生し艦橋内を橙色の光が照らす。

 

「波動防壁避弾経始圧低下、あれを何発も食らうと持ちません!」

 

技術科の士官が報告したとおり彼のディスプレイには波動防壁の避弾経始圧が先程まで90%台であったのにたった2発の攻撃で80%台にまで低下していた。

勿論波動防壁が突破されたからと言ってすぐさま撃破されるという訳では無いが、未だ多くの敵艦が健在の中不利になることには違いない。

 

「敵巡洋艦からも高エネルギー体発射!」

 

コンピュータが即座に判断を下し射線上に居たスーパードレッドノート級は回避行動をとるが、6発迫っていた光子魚雷の内3発を躱しきれず艦底部に被弾してしまう。

 

「戦艦011艦底部の波動防壁消失との事です」

 

「なに?まだ耐圧限界は超えていないはずだぞ?」

 

「どうやら波動コイルが焼ききれたようです」

 

「なるほど、不良品によるトラブルか。

怯むな、攻撃を続けろ」

 

急速な復興による不具合のひとつがこれだ。

巨大な工業製品である宇宙戦艦を構成する部品に少なくない数の不良品が発生していたのである。

この3年間でいくらか改善されたとはいえ、未だ復興の途上事は否定出来ず、更には次々と改良、追加される装備に地球の工業力がついてきているとは言いがたかった。

 

勿論、これ程の大艦隊を整備したからくりは時間断層工場によることが大きいが、防諜上の理由やそもそもあの空間では人間の活動に制限が出るため、技術開発に時間断層が生かせないという建造に関してとのアンバランスな側面もあり、その事が不具合や不良品の多さに繋がっている一因でもあった。

 

「側面ミサイル発射機、一斉射撃!」「敵艦隊全艦回頭完了、我々の前方に集結していきます」「主砲エネルギージェネレータ内の残量まもなく欠乏、通常射撃切り替えまであと10秒」

 

矢継ぎ早に報告が飛び交い、ディスプレイ上の情報が次々と更新されていき、前方のメインモニターには敵艦隊が迎え撃つ用意が完了したことを示していた。

 

そして遂に敵艦隊と突撃する6隻が接触する。

敵艦隊は突撃してくる6隻と後方からの陽電子の弾幕により撃ち減らされ、多数の駆逐艦を擁していた強力な艦隊はその多くが残骸に変わり戦艦2隻、巡洋艦3隻、駆逐艦16隻と大戦艦3隻、そして後方の空母2隻と護衛らしき駆逐艦4隻にまで減っていた。

今だ強大な戦力を持っているとはいえ、半数が撃破されるという憂き目にあっており、地球の常識から言えば組織は崩壊しもはや組織的な反撃は出来ない状態であった。

しかし、彼等の特殊なメンタリティと軍の組織構造がこのような甚大な被害を与えられても尚反撃を可能にしていた。

彼等には死への恐怖などなく、ただ何があっても命令を遂行するというある種機械のような面があった。

そのためガミラス軍からはその戦闘への狂気的なまでの執着等から蛮族と罵られるほどであった。

 

「敵戦艦より巨大ミサイル、その他多数接近!」「迎撃しろ」

 

漸く体制を立て直した敵の戦艦、コレは地球やガミラス軍に無いミサイルを主兵装とした言わばミサイル戦艦とでも言うべきもの、から艦首に搭載された2発の大型ミサイルが発射され、もう1隻からは巨大ミサイルと共により小型のミサイルが多数発射される。

隊列の中にスーパードレッドノート級が食い込んできているというのにである。

同士討ちすらも厭わないと言わんばかりの無茶苦茶な攻撃に地球艦隊側は彼等が蛮族と罵られる所以を身をもって理解する。

予め設定された迎撃距離にミサイルが入ると、迎撃用のミサイルやパルスレーザー砲が飛び交い多くがスーパードレッドノート級に届く前に火球へと姿を変える。

 

「2発の小型ミサイルが迎撃を突破、直撃します!」

 

右側を航行していた艦の艦首部に直撃するが、波動防壁がこれを受け止める。

お返しにと突撃する6隻から発射されたミサイルは噴煙を引きながら敵へと到達、意外なまでの対空火力の強力さにおよそ9割が撃ち落とされた。

しかし残りの1割は直撃し、1隻の巡洋艦と4隻の駆逐艦を仕留める。

これで厄介な光子魚雷を放つ艦は駆逐艦12と巡洋艦2隻である。

 

「後続艦空母2を撃破、しかし少数の艦載機が発艦した模様」

 

「護衛艦に始末させろ。こちらの駆逐艦も巡洋艦も任せて我々は敵戦艦群を叩く」

 

司令官は残りの駆逐艦と巡洋艦は後続の艦艇に任せ、戦艦と3隻の大型艦へと目標を変更する。

6隻の主砲はエネルギージェネレータ内のショックカノンようのエネルギーが切れ、波動エンジンからの直接伝導による射撃に切り替わった為先程までの猛連射はなりを潜めたが、それでもなお4秒に1発というスピードで陽電子ビームを放っていく。

目標を統制されて放たれた幾筋もの光芒はその多くが敵ミサイル戦艦に着弾、巨大な構造物をバラバラに引き裂き戦闘能力を失わせた。

もう目と鼻の先にまで接近した敵艦郡に今まで使用されなかった後部甲板の砲塔が動き、陽電子ビームを吐き出す。

先程よりは少ない本数が命中したが当たりどころが悪かったのか爆発する。

 

「敵戦艦撃破しました」

 

「未知の艦へ照準を合わせろ。

ところで敵艦隊は降伏の呼びかけに応じないのか?」

 

「ダメです、先程から呼び掛けを続けているのですが、降伏する気は……」

 

「やはり、死ぬまで戦うつもりか」

 

「どうやらそのようです」

 

レーダー士や通信士の報告が上がり、尚も戦闘をやめようとしない敵艦隊に山本は何か不気味さを感じた。

 

「照準よし」

 

「よし、撃て!」

 

「射ぇ!」

 

復唱と共に6隻から放たれた50を超える陽電子ビームは未知の大型艦へと向かう。

そして半分以上が命中した。

 

「そんな、弾かれた!?着弾艦に損傷認められず!」

 

「バカな!」

 

艦長が声を上げ、山本が見つめていたメインモニターには敵大型艦にたしかに命中した陽電子ビームが何の破壊をもたらさない様を見て、脳裏にかつてのガミラス戦争時の光景が蘇る。

いくら命中させても全て弾かれ、こちらが一方的に撃沈される様を。

 

「慌てるな、攻撃を弾かれた訳では無い。

であれば攻撃を続けることによりダメージは蓄積されいずれ壊れるはずだ。

攻撃を続行しろ」

 

「は、はい!」

 

山本の一声で艦橋内の浮ついた雰囲気が静まる。

しかし先程の言葉は山本にとって自分に向けて言った言葉、自分を落ち着かせるために言った言葉でもあった。

嘗ての悪夢を追い払うために。

そして主モニターが第2射が命中した敵大型艦を写す。

やはり撃破は叶わなかったが50近い陽電子ビームを浴びた艦首付近は損傷が認められ、高温になったことにより赤く光を放っていた。

 

「なんだあれは……?」

 

「どうした?」

 

「敵艦の周りに何かが……」

 

艦長が言うように拡大投影されたメインモニターの映像には未だ健在の3隻の大型艦の周りに小さな何かが徐々に回転数をあげながら旋回している様が映し出される。

そしてその小さな何かは輝きを増しながら1つの巨大なリングのように見え始め、そのリングが1隻に何列もある事が認識出来た。

 

「何が始まるんだ……?」

 

通信士の小さな呟きが全員の心情を表していた。

大型艦からの輝きが段々と強まると遂にその時はやってきた。

今までに見た事がないような緑色の破壊エネルギーの雨が6隻を襲った。

 

「ッ!?」「敵艦からビームが大量にばらまかれています!」「波動防壁避弾経始圧大幅低下、間も無く臨界点!」

「後続艦に被害!護衛艦0010、0012、0015、0022、0032、0041轟沈!クラスD 011、014も轟沈しました!」「後方から敵駆逐艦が接近!」「敵大型艦沈黙!」「本艦の波動防壁避弾経始圧8%、同行する戦艦011波動防壁消失!」

 

状況が一気に悪化した。

敵の隠し玉にまんまと引っかかった形になってしまった。

更に間の悪いことに先程後続艦に任せた駆逐艦たちがこちらに舳先を向けて突撃し、空母を撃破しこれを攻撃する予定だった後続艦達

に大きな被害が出ていた。

波動エンジン出力に余裕のあるドレッドノート級の波動防壁は距離が離れていたこともあり、なんとか先程のビームの雨を多くが耐え抜いた様であったが、出力に余裕のない護衛艦の多くは一瞬で波動防壁を突破され被弾し6隻が一気に轟沈してしまった。

 

山本の脳内では様々な考えが浮かんでは消えていった。

この状況を打破する方法……。

そして1つの言葉が浮かんできた。

かつて地球を救った最初の光速突破宇宙戦艦 ヤマトの偉大な艦長の言葉だ。

”死中に活を見出す”

彼等の航海を記録した書籍は山本の愛読書の一つであった。

あの不可能とも言える航海の最中に沖田十三が放った言葉であった。

ーこれしかない。

山本は一か八かの掛けに出た。

 

「進路このまま!敵艦に突っ込め!」

 

「し、しかし司令!」

 

「死中に活を見出さなければこの窮地を脱することは出来ない!」

 

「ッ!航海長、進路そのまま!」

 

「よ、宜候!」

 

6隻はそのままの速度で突撃を続行し、輪形陣を描いていた艦達は紡錘陣を形成してゆく。

大戦艦は予想外の地球艦の行動に動揺したのか、散発的な砲撃しか出来なかった。

 

「後方より駆逐艦近づく!」「高エネルギー体急速接近、命中します!」「後部主砲とミサイルで迎撃、前方火力を最優先にしろ!」

「砲雷長、敵駆逐艦を近づけるな!」「宜候、後部主砲撃ち方始め!艦尾魚雷発射管、撃ぇ!」

 

大戦艦からもう目と鼻の先にまで接近した6隻は大戦艦への攻撃と後部からくる敵駆逐艦たちへの攻撃という離れ業をやってのけながらも次々と被弾する。

しかし過剰なまでに高められた防御力と波動防壁は攻撃を悉く跳ね除け、戦闘能力を維持したまま大戦艦の元へと到達する。

 

「ロケットアンカー射出の後、近接戦闘用意!大戦艦の艦首が抜けないとしても他の場所なら抜けるはずだ!」

 

「航海長!!」

 

「は、はい!ロケットアンカー射出!」

 

「波動防壁臨界点、消失します!」

 

「構うな、本艦の重装甲ならば十分に耐えうる!総員対ショック姿勢、衝撃に備えろ!」

 

突撃する6隻が突如として進路を変更し間隔を取ると艦首からロケットアンカーが射出、1隻の大戦艦に2隻のスーパードレッドノート級のロケットアンカーがしっかりとくい込んだ。

同時に激しい衝撃と慣性が艦全体を襲う。

いくら慣性制御されているとはいえ、ここまでの高速力で突如ブレーキを掛けるかのような機動は想定されていなかった。

しかし人間がかろうじて意識を保っていられる程度には慣性が制御され、戦闘に支障はなかった。

ロケットアンカーで繋がった大戦艦と2隻は巨大なチェーンが張ると同時にさらなる衝撃が艦を揺らし合力の方向へ運動を始める。

 

「近接戦闘!!」

 

砲雷長が叫ぶと側面に配置された発射管や対艦グレネード発射機、主砲や果ては対空用のパルレーザー砲までもが火を吹き、大戦艦の表面をボロボロにしていく。

レーダーだと思われる非装甲部位は粉砕され、比較的装甲の薄い箇所は主砲の陽電子ビームにより貫かれ、内部で爆発が広がる。

勿論スーパードレッドノート級も無事ではない。

窓から直接見えるような超至近距離で打ち合いをしているため多数の被弾が発生していたが、重装甲がそれを寄せ付けず、比較的軽装甲の箇所に命中しても内部の重要区画には破壊は及ばなかった。

複雑な軌道を描きながら運動するそれぞれの大戦艦と2隻のスーパードレッドノート級はコンピュータが計算した通りにスラスターを吹かし無理やり姿勢を安定させていた。

 

そして遂に大戦艦が内部から爆発を起こし真っ二つに折れてゆく。

3つに別れたものや爆散したものもあった。

艦をさらに激しい慣性が襲う。

先程まで運動にブレーキを掛けていた大質量が減ったり爆散したため6隻はてんでバラバラの運動を始める。

 

「航海長、姿勢を安定させろ!」

 

「宜候、スラスター噴射!」

 

「ロケットアンカーに損傷、回収不能ですがどうしますか?」

 

「切り離せ」

 

「分かりました」

 

グルグルと回転していた艦体をスラスターの噴射とメインエンジンノズルからの噴流を曲げて強引に回転を止める。

結果艦橋から外の景色が回転していた状況から通常状態へと復帰した。

そして先程の激しい戦闘と耐荷重以上の負荷がかかったためロケットアンカーのチェーン部分は変形し、巻き取り機は故障し回収が不可能なため、5隻のロケットアンカーが宇宙空間へと放出された。

体制を整えた6隻は多少の損傷はあるものの、戦闘能力に影響は殆どなく、舳先を後方から迫っていた敵艦隊に向ける。

敵艦隊は先程から更に撃ち減らされ巡洋艦1隻、駆逐艦10隻になっていた。

 

「通信士、降伏勧告をおこなえ。」

 

「……ダメです、やはり聞く耳を持ちません」

 

「敵艦発砲!」

 

「やはり、か……。友軍への誤射に注意しつつ、敵艦隊を殲滅する!」

 

「砲雷長!」

 

「艦首魚雷発射管一斉射、撃ぇー!」

 

挟み込まれた敵艦隊は自分たちの圧倒的なまでの不利を気にしないかの如く攻撃を続ける。

前後を固めた地球艦隊は空間魚雷を放ち、敵艦に命中。

太陽系に向けて航行していたガトランティスの艦隊は殲滅された。

 

「山本司令、もう彼らとの大規模な戦闘は避けられないのでしょうか……?」

 

「どう転ぶかわからんが、奴らは我々の領土を犯し、人々に少なくない危害を与えた。

いくら平和的に解決しようとコンタクトを取ろうと帰ってくるのは砲撃。

君も見ただろう、外交使節を載せた船が沈められるのを。

それに例の占拠された浮遊大陸の件もある。

もう、避けられないと思うね」

 

「やはり、そう思いますか……」

 

「本艦隊は任務を完了した。

現時刻をもって作戦を終了する。

生存者の救助とサンプルの回収、損傷艦の曳航と修理を急げ。

2時間後に現宙域を離脱する」

 

「各艦に通達します」

 

 

 

 

 

時に西暦2202年11月18日

第8浮遊大陸奪還作戦が実行される前の出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
艦長がどうのとかちょっと気を使ったのですが、ああいうのって良く分からないんですよね(^_^;
アドバイスや感想お待ちしています。

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