北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far

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今回、ちょっとシモネタ気味です。


やりたい事を全部やってたら、名誉とかなくなるぞ。

 気付けば俺は、実験台を求めて走り出していた。

 今ならかつてのアミバが、村人をデクと呼んで北斗神拳の実験台にしていた気持ちが分かる。

 あったんだ。

 解説:4で北斗神拳:4の内容をくわしく調べていたら、あったんだ!

 

 指先ひとつでダウンさ(意味深)なR18な秘孔がっっ!!

 

 だよな! そうだよな! 北斗神拳二千年の歴史だもんな! そういう意味での秘密の孔も見つかるよな!

 そもそも秘孔の数からして708個とかいうワケのわからん数だし、その上まだ未発見の秘孔まであるみたいだし。

 そういやアミバも激振孔っていう、心臓を激しく動かす秘孔を見つけてたな。色々実験してたし、ひょっとするとオリジナルなR18秘孔も見つけているかも知れん。

 尋問用の秘孔だって複数あるんだし、そういう方向の秘孔も、当然あるよね。

 

 そら継承者に選ばれなかったら、拳を封じられるわ。

 

 習得段階に応じて、手を壊されたり、記憶を壊されたりするらしい。怖いね。

 まあ、今は世紀末になっちゃったから、ノーカンノーカン! 気にしない!

 そんな事はいいから、とにかく秘孔だ! 俺に秘孔(意味深)を突かせろ!

 

「ヒャッ―――」

 

 配下を呼び集めて、誰か女を連れてこさせようとしたが、さすがに踏みとどまった。

 いかんいかん。テンションが上がりすぎて、ただのモヒカンになってたぜ。

 普段は、そういうヒャッハー行為はやめろって命じてる俺が、率先してヒャッハーしてどうする。

 それが許されるのは、種モミがカラんだ時だけだ。

 種モミだから仕方が無かったんだって言えば、きっとケンシロウだってわかってくれるさ。

 

 「今日より明日なんじゃ!」という名言を残した、原作で種モミを集めてた爺さんが、一袋の種モミを集めるのに10年かかったって言ってた気がする。

 そんだけ難易度上がってた理由って、どう考えてもモヒカンだよな。原作でも、モヒカンは種モミに目が無かったらしい。

 

 さて。少し落ち着いたぞ。

 

 だが試したいという気持ちは、どうにもならん。ぶっちゃけ、ムラムラする。

 どうしたもんか……

 と、そこへちょうど通りがかった少年少女がいた。

 

「おう、モヒカンじゃん。何やってんだ?」

 

 人懐っこく、しかしなれなれしく声をかけてきたバットと、ペコリと無言で頭を下げてあいさつするリン。

 二人のそれぞれの性格が、見て取れるようだった。

 

 ふむ。リンか……

 

 うん。手を出したらアウトだな。色んな意味で。

 

 年齢的にはもちろん、ケンシロウの被保護者であり、実は天帝の双子の姉妹という後付け設定。

 うん。アウトアウトアウト。スリーアウト、来世にチェンジ! 待ったなしだわこれ。

 生足をむき出しにした、上着のすそをスカート代わりにしている美少女という、冷静に考えるとかなりアレな格好だというのに恐ろしい子だ。

 

 ふむ。せめて、その格好だけでも何とかしてやりたいが、おいちゃんが服を買ってあげようとか、事案にしかならない。

 うん。俺がどうにかしようとしても、どうやっても事案にしかならんな。

 あとでケンシロウに、たまには服のひとつも買ってやれって言っとくか。あいつもバーテンのバイトで、金はあるだろ。

 女の子なのに、いつも同じ服ってどうなの? と言っておけばいい。何なら、ユリアって人に言いつけるぞと言えば、何とでもなるだろう。

 

 ちなみに、原作ではケツ拭く紙にもなりゃしねぇ。でおなじみの、もはや紙幣に価値などないはずの世紀末世界だが、金はあるのだ。

 コイン限定でな。金属自体に価値があるという事で、丸いお金が流通している。

 旧時代の、1円玉から500円玉までの硬貨と、サウザーが作ったに違いない銀貨と金貨だ。

 なんでサウザーの仕業だと思うかって? だって金貨にアイツの顔が彫ってあるんだもん。

 銀貨には知らない爺さんの顔が彫ってあるが、ひょっとしたらあれがサウザーの師匠の顔なんだろうか。

 

 っと、いかん。

 

「な、なんだよ?」

 

 少しぶしつけな目線になっていたのか、リンが後ずさって、バットがかばうように前に出た。

 少し傷付いたが、確かに一瞬そっちの事も考えてしまったので、正しい反応なのが困る。

 だが俺は謝らない。ごまかすとしよう。

 

「ちょっとこっち来い。バットだけな。ちょーっと聞きたい事が、な?」

 

 わざとイヤらしい顔をして、バットを手招きした。

 向こうもピンと来たのか、ニヤリと笑って歩いてくる。

 

「え~? なにぃ? 何の話?」

「お前、ちょっと娼婦とか、そっちの商売やってる女、知らないか?」

 

 リンから少し離れて、しゃがみこんでヒソヒソと小声で話す。

 秘め事というのは、コッソリとするものだ。そういう意識が、この世紀末でも生きているんだろう。

 まあ、そうした方が楽しいしな。こういうのは、コッソリやった方が、なんでか興奮するんだ。

 

 しかしだ。世慣れた少年という設定のクセに、バットは娼婦の居る場所を知らなかった。

 

「今の世の中、女が少ないからさあ。そういう事しなくても、誰か稼ぎのいいの捕まえるか、周りにチヤホヤされて貢がれてたりするから、娼婦やる必要がないんだよね」

 

 マジかよ。やっぱリアルってクソゲーだわ。

 

「でも酒場の女をやってるヒトならいるじゃん? あれじゃダメなの?」

「う~~む…… なあ、バットよ。俺の目的は、女を抱く事じゃなくてな? エロスな秘孔を教わったんで、ちょっと実験してみたいだけなんだ」

 

 正直に言ったら、なんかバットがすげー食いついてきた。

 こいつも男だったか。

 

「おいおいマジかよ! そんなんあるのかよ! スゲー!」

「おう。北斗神拳スゲーだろ。夜も無敵だ。で、なあ。飲んで騒いで、ゲーム的なものとして、つついてイカせまーす! とかやって、本当に女をアレな状態にしちゃった客ってさあ」

「叩き出されるよな」

「しかもウワサになる。北斗神拳をそんな風に使ったってトキ先生やラオウの耳に入ったら?」

「叩きのめされるよな」

 

 だから一対一で、密室で実験できる娼婦を探していたわけなんだが。

 そっかあ、いないのか。困ったなあ。

 しかし思ったよりも話せるな、バット。さすがはこの年で、しかも世紀末で放浪やって生きてるだけはあるわ。さすがのコミュ力だ。

 

 あっ、そうだ。いるじゃん。女。

 

 ユダだ。南斗六星のひとりで、俺は誰よりも美しいとか言っちゃう、血で口紅とか化粧してる変態。

 アイツが、女を集団で周りに侍らせてたはずだ。

 しかもちょっと傷が出来たら、ポイ捨てするような扱いだったはず。

 

 あれなら、いいだろ。

 最悪ユダをブン殴ったらイケるだろ。

 

 よっし。ちょっとユダんトコ行って来るわ。

 

「いや、待てよ! ユダだぞ! 一応は南斗聖拳の達人だぞ!」

 

 止めるな、バット。男には、例え無理そうでも立ち向かわねばならない時がある。

 

「いやいやいや。それ違うから! それ、絶対に今じゃないからぁー!」

 

 よーし、いいぞー。いいツッコミだー。

 そのツッコミなら、サザンクロスにいる北斗と南斗の集団だって任せられる。

 

「あとは頼んだぜ、バット! ヒャッハーーー!!」

 

 ツッコミ的な意味でな!

 バット! 君に決めた!

 

「ちょっと待って! 待てよコラァー!」

 

 HAHAHA! 大人をからかっちゃイケないよBOY! そう言われて待つわけが無いだろう。

 バイク召喚! エンジン始動!

 ではさらばだ、ヒャッハーー!

 

 

 


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