北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far

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日刊ランキングの威力スゴイね。
新規の方々は気に入っていただけたら、過去作もよろしくね!


色々書いてる おーり氏 の ※この物語は二次創作です を推してみる。
まだ4話しかないんで、サクッと読めます。最強魔法師の隠遁計画という原作を、むしろ知らない方が楽しめます。昨今のラノベって、もうここまでと、目を覆う事間違いなし。


脇役が強敵相手に輝く展開は燃えるけど、そのまま倒されると、その、なんだ。困る。

 

 気付けば、北斗と南斗の頂上決戦が始まっていた。

 ラオウとサウザーが、デュエルの途中でリアルファイトを始めてしまったのだ。

 竜の渓谷で墓地に送っておいたレッドアイズダークネスメタルドラゴンを、死者蘇生で特殊召喚はアリかナシかで揉めたのだ。

 

 [注意:できます]

 

 そうなんだ。でもはよ言え。無駄な争いが起きて、終わっちゃった後に言うな。

 もう2人とも、トキ先生に殲滅された後じゃねーか。

 

「私を支えておけ」

 

 暴れる2人を見るや、俺にそう言って背中を支えさせたトキ先生が、両手からごん太ビームを発射してラオウもサウザーもあの丸いバイクごとなぎ払ってしまったのだ。

 北斗ローリングバスターライフルならぬ、北斗ツインバスターライフルってところか。

 って、ああっ。バイクが! 満足さん仕様のD-ホイールが! 側面に「最高のSatisfactionを貴方に」って書いてあったのに!

 

 まあ、いっか。

 

 またライディングデュエルでも始まって、遊戯☆時空にでも侵食されたら困るしな。

 シンクロ時空とかとの時空融合でも起こされたら、色々と方向性に困るし。ほら、行動の指針とか。

 

 [P:18→16 本当に決闘者(デュエリスト):1を習得しませんね?(Y/N)]

 

 はいはい、しませんよ、N―――じゃねえ! アッブねえぇ! Y!

 引っ掛けかよ! 今までは習得するかどうかだったじゃねえか! なんで聞き方変えてんだ。どこまでデュエル推しなんだよ。

 あんまルールくわしくないから、やりたくねえんだよ。さっきラオウとサウザーがリアルバトルに発展しちゃったみたいに、ルールも解釈が解りにくいようにできてるし。

 

 まあ、その辺もスキル取ったら解るようになるんだろうけどさ。

 すでに麻雀に侵食されてしまったこの修羅の国を、デュエルで侵食するとかないわ。

 

 他にも碁やら将棋やらビーダマンやらミニ四駆やらガンプラファイトやらベイブレードやらセクシーコマンドーやらオッポレ大会やら、ワラワラと持ち込んでカオスにするという戦略も、アリっちゃアリだけどよ。

 だってそんだけ色々持ち込んだら、たぶん変わるだろ。

 修羅の国の決着を決める方法が、戦闘から、他の何かに変わるだろ。

 

 世界観とか、常識とか、色んなナニかを犠牲にしてな。

 

 しかも種類が増えすぎるとさ。相手とのバトルの方法が噛み合うとは限らないわけじゃん?

 チェスボクシングとか、囲碁将棋麻雀とか、ガンプラ四駆ブレードとか、オッポレマン碁とか出来ちゃったらどうすんだよ。誰がそのルール考えるんだよ。

 

 そうなった場合さあ。考えなきゃいけないのって、ウィンドウさんじゃね?

 

 [      ]

 

 なんか言え。

 まあ理解したなら、もう決闘者(デュエリスト)推しはやめろよ? やめとけよ? ましてや、引っ掛け問題とか論外だからな?

 

 さて。

 サウザーとラオウの治療をしてる、トキ先生の手伝いでもするか。

 移動中にゲームして、マジのケンカになったせいで戦力低下とかアホな理由でカイオウに負けるとかイヤだからな。

 

 

 そう思っていた時期が私にもありました。

 

 

 ここに、麻雀でも戦闘でも、五車星にボコられたカイオウがおるじゃろ?

 

 

 いや、マジで。

 

 

「なにがあったのだ、兄者」

 

 ラオウが倒れているカイオウに話しかけた。その声は、今まで聞いた事が無いほどに優しかった。

 口には出さずとも、大丈夫か。という声が聞こえそうなほどに。

 サウザーは両手の平で口元を隠して、驚きの表情をしている。魔闘気だけで自分を追い詰めたバケモノを、一応は南斗の身内のイロモノ集団が倒してしまったのだ。そりゃあ驚くだろう。

 正直、俺も驚いている。どうすればいいのか、反応にすげえ困っている。どうすりゃいいのさ、これ。

 そんな中、トキ先生は。

 

「殺るか…?」

 

 ボソッと、そんな事をつぶやいていた。

 どうやら、今のうちにカイオウにトドメをさすかどうかを冷静に考えているらしい。

 あれ? これ暗殺拳の方の北斗神拳も普通に継げるんじゃ……

 表向きは医者で、裏では暗殺者とか仕事人スタイルでイケそうだな。でもそうなると、俺の北斗の拳士としての立場がなあ。

 

 でも今はそんな事はいい。あとで考えればいい。問題なのは倒されちゃったカイオウの始末だ。

 

 とりあえずラオウが事情を聞きだそうとしているが、カイオウが弱っていて、こっちまで話が聞こえない。

 どうしたものかと困っていると、ひとりの老人がしゃしゃり出てきた。

 

「お困りですかな?」

 

 すぱぁー。と紙巻きタバコをふかしながら、肉付きが良いが、まだ筋肉質な老人がムカつく感じでこっちに来た。

 海のリハク。前にもどっかで言ったが、やらかしまくった上に自分だけ生き残った男。

 バットとリンたちが作った北斗の軍に参加していたんで、ああバットはコイツが鍛えたのかなと思っていたら、最近パチスロの方で「かつてバットを鍛えた男」という肩書きを持つオグルというかっこいい爺さんが出てしまい、その功績すら無くなった男。

 

 そんな男が、自分の指揮下にある五車星でカイオウを倒すという大金星をあげたのだ。

 もうこの上ないドヤ顔で、ニヤニヤとしながら「聞く? ワシの武勇伝聞いちゃう?」と書いてある顔で近付いてくるんだ。

 

 思わずヒザにボウガン撃っちゃった俺は、悪くないと思うんだ。

 

「ああっリハク様! ザマァ!」

「そこのお前、何をする! よくやったぁ!」

 

 五車星の赤い人と青い人からも、賞賛の声が漏れまくっている。

 

 ついでとばかりに、強制的に自白させる秘孔 新一(シンイチ) も突いておく。手柄のために話を盛られても困るし。

 

 さて、聞かせてもらおうか。キミたち、カイオウに何したのさ?

 え? 一服盛った? 毒?

 ふんふん。対局中に、風上からコッソリとリハクとフドウが毒を撒いて、ヒューイが風を操って自分とシュレンとジュウザの3人の被害を回避した、と。

 

 3人? 羅将のヒョウってのいなかったの? ああ、いなかったのね。

 そっかあ。意外と効いたのかな。あのテキトーに言った「ヤッたのはカイオウだ」って言葉。確かめにでも行ったのかね。

 

 ところで北斗の使い手に毒って効きにくいはずだけど、何撒いたのさ。

 

「さあ? 元は軍の施設だったと思われる場所で見つけた、ボンベに入っていたガスを複数やりましたので」

 

 おい。おい。

 このあたり大丈夫だろうなあ。汚染されてないよな? ないよね?

 

 [大丈夫ですよ]

 

 おお、ウィンドウさん! ありがとうウィンドウさん! あんたに感謝したの久々だよ!

 怖いんで、何を撒いたかまでは聞かないけど。

 

 しかし軍用の何かか。そらカイオウにも効くわ。

 普通なら色やらで見破れたかも知れんけど、魔闘気で見えなかったんだろうな。

 で、弱ったカイオウに好き放題して倒したところへ、俺らが来たと。そういうわけか。

 

 やべえ、どうしよう。倒したって言っても、こんなやり方だと修羅の国の人らが納得しないかも。

 修羅の国だけに、これもアリだと判断するかも知れんけど、その場合もあとの統治が面倒だぞ。

 だって、こういうやり方もアリって言ってるようなもんだもん。

 今後は、何でもアリでやっていくって宣言してるようなもんだろう?

 

「ラ、ラオウよ…… お前が、お前が、俺のあとを……」

「ああ。兄者。安心してくれ。我が天に、立つ」

 

 まあ、いっか。

 苦労するのは、あそこでなんか兄弟のアレコレがあったらしいラオウだし。

 うん。いいや。これで修羅の国編、完! でいいや。

 

 よっしゃ、みんな撤収ー! 焼き肉しようぜー! 鶏と豚で、牛はないけどな!

 じゃ、お疲れっしたー!

 

 

 


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