北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far
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知らないうちにツケは溜まっているものらしい。それはふとした時に爆発する。

 気付けばレイと戦う事になっていた。ですよね。

 あの後にマミヤが起きてきて、話し合った結果。お互いに記憶が無いので、無かった事にしようと話はついていたんだがなあ。

 タイミング悪く、俺を起こしに来ちゃった人がいたんだな、これが。

 

 朝飯はまだか、と俺を訪ねてきたサウザーが。

 

「キッ、キサマ何をしている! ハレンチだぞ!」

 

 大声で叫ばれてしまってなあ。

 それで駆けつけてきたのが、風のヒューイでね?

 部屋を覗き込んで、状況を瞬時に把握。そのまま無言で走り去ってな?

 三十分もしないうちに、サザンクロス中に広まってしまった、というわけだ。

 

 風のうわさだけに、足が速いですねって、やかましいわ。

 

 いかんな。このままだとモヒカンネットワークで、わりとシャレにならない範囲にまで広まってしまうかもしれん。

 意外な所まで広がってるんだよなあ。モヒカンのウワサでのネットワーク。そこらの村の村長が、なぜか暗殺拳の北斗神拳の存在を知ってたりするのも、これのせいだとか。

 

 さて。ウワサを消す方法は、もっと大きなウワサをぶつけるか、それとも続報を次々と打ち出して流れを変えるか。

 あるいは、そっとしておいて自然に消えるのを待つか。

 そうだな。人のウワサも七十五日。最近は四十九日とも言ったりするらしい。現世から成仏するまでにかかる時間とおんなじってか。

 

 まあ放置でいいかな、うん。

 マミヤも女として生きるつもりは無いとか言ってたし。迷惑だろうけど、許容範囲じゃないかな、うん。

 砂糖でもkg単位で渡しとけば、許してくれるだろ。

 

 そう思っていた時期が俺にもありました。

 

 レイがね。暴走しちゃってなあ。

 なんというか、初期の顔をしていた。

 

「あ、あの目! あれは昔のレイの目よ! 人を助けるような人の目じゃない!!」

「ああ。大悪党の目だぜ! 間違いねえ! 昔の野盗の手先の頃のレイだ!」

 

 リンとバットのお墨付きだ。

 そういえば、初登場時のレイって牙一族のスパイだったよな。それで、マミヤのいる村に用心棒として雇われる事で潜入。

 でも潜入先での同僚にケンシロウがいたんで、村をヤるよりも牙一族ヤった方が楽だな、と悟って、そのまま用心棒として牙一族と戦うという華麗なる寝返りをカマしていたっけ。

 

 そんなコウモリムーブをしながらも、ケンシロウと背中合わせで戦ったり、探してた妹が人質に取られてうろたえたり、そこからケンシロウと一芝居打って逆転したりと、盛りだくさんのセットで立場と人気までゲットして成り上がった男。

 

 そんな男が、全てを投げ打って怒っていた。

 うん。正直すまんかった。でも覚えてないし、そもそもお前マミヤには振られてなかったか。

 

「うるせえ。お前の血で化粧がしたいんだよぉ!」

 

 いや、それユダさんのセリフ。落ち着いて。

 ほら、ここに麻雀牌があるから。これでやろう? 勝負しよ?

 

「よかろう。レートは1000点、1秘孔な」

 

 なにその斬新なレート。

 ていうか、レイが勝ったら誰が突くのさ。俺が自分で突くの?

 

「その時は、私が突こう。弟子の不始末は師が片付けねばな」

 

 ゲェッ! トキ先生!

 待ってくださいよ! マミヤに責められるというのなら解りますが、レイにというのは、理解できるけど納得できませんよ!

 だって彼氏ならともかく、そいつ彼氏(候補)じゃないっすか!

 

 一理ある。

 

 そう理解を示してくれたトキ先生によって、残り一人のメンツはマミヤに決定した。

 違う。そうじゃない。

 でもあってる気もする。なにこの不思議感覚。

 

「それで? レイ。あなた、私に何か言う事があるんじゃないの?」

 

 そんな感覚も、呼び出されたマミヤがレイに話しかけるまでだった。

 え? なんでマミヤの方がキレてんの?

 

 ちょ、隅っこにしゅーごー。マミヤとレイ以外みんなこっちこっち。

 

「バット、リン、わかるか?」ヒソヒソ

 

 トキ先生すらも体を小さくして、小さな声で話している。

 理不尽にキレている女性相手にだが、北斗神拳が敗北した瞬間だ。

 でもなんで俺には聞かないんですか。いや、確かに聞かれてもわかりませんでしたけども。

 

「とりあえず、自分が一番にされてないと感じると女はキレるから、それじゃねーか?」

「自分の事をほったらかしだったのが、気に入らなかったのね」

 

 そんでもってわかるのかよ、お子様ーズ。すげえなキミら。伊達に世紀末を生きてねえぜ。大人の顔色をうかがうのはバッチリだ。

 

 ふむ。この場合、レイは怒りに任せて俺を責めるよりも、まずはマミヤを気遣わねばならなかった。そういう事か。

 優しさって大事なんだね。

 

 思えばマミヤも、レイが最初雇われてた牙一族に弟を殺されてたり、ユダに村を襲われて両親を殺された上にさらわれて焼き印押されたり、南斗には思う所がありまくるしなあ。

 溜まってしまった、黒いナニカとかもあるんだろう。そういえば俺も一応は南斗だし。

 

 さて。このままレイをイケニ、もといマミヤの怒りを静められるまで、そっとしておこうと思うんだが、反対する人ー?

 うん。いないね。では、ここで解散。各自、こっそりと退散するように。

 あっ。その前に、みんなでレイに敬礼。ムチャシヤガッテ…

 ではトキ先生、ご一緒に。ヨガテレポート。

 

 

 






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