北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far
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不定期連載、のはず。


酒場でなくても、出会いはある(仲間との出会いとは言っていない)

 

 気付けば、俺は首領になっていた。

 ドンとかヘッドとか呼ばれているな。一人だけカシラと呼ぶやつもいる。

 モヒカンというのは、群れると一人、ネタ枠が生まれる習性でもあるのだろうか。

 

 ああ。モヒカンだ。

 

 俺の配下は、100%モヒカンで出来ています。

 

 どうしてこうなったかって? こっちが聞きたいくらいだよ。

 いや、やっぱりいい。聞きたくない。

 心当たりはあるが、理解したくないんだ。

 もう少し。現実から目を背けさせてくれ。

 

「ヒャッハー! ヒャッハッハー!!」

 

 そういうわけにもイカないようだ。配下が敵襲だと報告してきた。

 別に暗号とか、そういうのではない。ヒャッハー言語というか、モヒカン語だ。

 

 うん。モヒカン語。なんかね。モヒカン同士なら、ヒャッハーだけで会話できるらしいよ?

 

 道理で、やたらとヒャッハーヒャッハー言ってたわけだ。

 アレだな。ショッ○ーの戦闘員の「イーッ!」と同じだな。

 一種の圧縮言語と考えると、逆に高度なのかもしれない。

 

 たださすがに文字に書き起こすと、ヤツらもわかんないみたいだけどな。

 

 まあ、今はそんな世紀末豆知識はどうでもいいんだ。

 敵襲と言っていたが、その詳細を聞くほうが大事だ。

 北斗やら南斗の拳士だった場合、バイクに物を言わせて逃げるしか手は無い。

 だがうちのチームじゃない、よその野良モヒカンだった場合。勝っても負けても、面倒なことになる。

 ゲンジロウみたいな、オカしなキャラが殴りかかってきても、それはそれで困るし。

 

「ヒャッハー!」

 

 で、何が来たんだ? 俺もモヒカン語で聞き返した。緊急時には、一言で全部伝わるモヒカン語は、意外なまでに優秀だ。

 2人だけ引いて、敵の裏へ回れ。他は全力で食い止めろ。とかの細かい指示さえ「ヒャッハー」の一言ですむからなあ……

 あらかじめ暗号を決めて、覚えておく必要が無いというあたり、すごい便利ではある。

 

 敵もモヒカンだった場合は、バレてしまうんだがな!

 

 それはさて置き、今回の敵はヤバかった。

 

 クソデカイ黒い馬に乗っていた。

 両横から前に向かって湾曲した、クソデカイ角を生やした立派なカブトをかぶっていた。

 その体躯もクッソデカかった。胸板も厚く、手足は太く、よく鍛えた筋肉が付いていた。

 

 ていうか。ラオウだった。

 

 

 いきなりラスボスかよ。

 

 

 パチンコのリーチじゃねえんだから、こんな序盤に出てくんなよ。

 勝てねえよ。馬じゃなくてUMAじゃねえのっていうくらいの黒王号もあるから、バイクでも逃げれるか怪しいよ。

 

 じゃあ降参しろって?

 コイツさあ。最初から諦めて、食糧差し出した村を、その媚びた態度が気に入らんって滅ぼしてなかったっけ?

 じゃあ戦った後で、降参しろ?

 北斗神拳は一撃必殺やぞ。

 

 Q:つまり? A:詰んだ。

 

 くっそ。ここでゲームオーバーか。コンティニューはあるのか? それともリスポーンかリトライか? セーブポイントらしきものは、見当たらなかったぞ?

 

 ひたすら混乱する俺に、ズン ズン とゆっくりと地響きを立てて、黒王号に乗ったラオウが近づいてくる。

 どうでもいいが、絶対に馬の足音じゃない。

 

「お前ら、手を出すなよ」

 

 モヒカン語ではなく、通常言語で命令を出す。ラオウにも、理解できるように。

 配下が勝手に仕掛けて、戦闘が始まったら、それが終了のお知らせだ。何が終わるのかはわからんが、確実に何かは終わる。

 フリじゃないからな? 仕掛けるなよ、モヒカンども。

 

「まずは、はじめまして。昨日できたばっかりの、この小さなチームに何の御用で?」

 

 バトルすると死ぬなら、トークすればいいじゃない。

 同じく荒廃した世紀末を生きるゲームのキャラクターの誰か。アクマと戦ってるっぽい誰かがそうささやいてくれた気がしたので、話しかけてみた。

 

 なお、チームはマジで昨日できた。というか、モヒカンを4に上げたら生えてきた。

 どこからともなく集まってきて、勝手に配下になったのだ。

 

 あれはマジで意味が分からなかった。今でもわからない。

 

 これでまたポイントは0になったが、後悔しかない。

 種モミを盗んだことで、経験値がたまったかフラグが立ったかで、モヒカン:4を習得しますか、という例のウィンドウが出たんだ。

 あの時のテンションは、我ながらオカしなことになっていたから、つい、そのままYを押しちゃってねえ……

 勢いだけで行動してたら、やっぱり後悔ってするもんだよ。気を付けような。

 

 さて。ではあらためて、トークに入るとしようか。

 まずはアイサツだ。そして用件を聞く。

 できれば、穏便に問題を解決して、大人しく帰っていただくのだ。

 ガンバレ俺。やれるな、俺。舌先から出る言葉に、魂を込めろ。

 

 激しく緊張する俺に、ラオウがゆっくりと口を開いた。

 迫力と威圧感が増す。ゴゴゴ… という効果音すら聞こえるかのようだ。

 

「ウヌは……

 

 誰に断って、ここをナワバリにしておる?」

 

 えっ。

 あれ? これって、もしかして…

 

「ヒャッハー?」

 

 これって、ミカジメ料を払えって事?

 コッソリと配下に確認した。

 

 まさかとは思うが。これって、古典クラスのヤクザの定番セリフ「誰に断ってここで商売してんだ」という、アレなのか?

 それである程度のお金なりを渡すと「わかりゃいいんだよ」と去っていくという、アレ?

 地回りのヤクザの、守り代の徴収?

 えっ。それって、むしろ現場に出るのって、下っ端の仕事……

 

 えええ~……

 

「ひゃ、ヒャッハー?」

 

 配下もうろたえている。

 そういうことなんですかね? とハッキリしない答えだ。

 

 よし。ひとまず様子を見よう。

 

「あの、とりあえずお飲み物をいかがでしょうか。水くらいしかありませんが。あっ、馬にも用意しますね」

 

 調理技術:1でなぜか水と塩と手鍋が出せる。

 どうもMP的なものはないらしく、少量ずつではあるが、この世紀末で貴重なキレイな水がいくらでも出せるのだ。

 人が生きるのに欠かせない塩も、同じくいくらでも出せる。

 

 水と塩。この二つを取り引き材料にして、どうにかこのヤバいヤクザのタカリを、切り抜けてみせる。

 俺は、生き残るんだ―――

 

 

 

 そう気合を入れていた時が、俺にもありました。

 

 

 

 今? 今は平和ですよ。

 ラオウさんも用心棒になってくれましたし。

 ええ。用心棒の先生です。

 ピンチの時に「先生、お願いします」っていうと「どぅ~れ」と出てきて、殺ったり、殺られたりするアレです。

 

 なんかね。弟さんに負けちゃって、率いていた軍団も解散しちゃってね。

 そうしたら、食っていく手段が無くなっちゃってね。

 でも村を襲ったら、また弟さんが来ちゃうからってね。

 モヒカンを狩ったり、脅してカツアゲしたりして生きていたそうだよ?

 

 ヤダ。この(元)世紀末覇王、甲斐性無しだわ。

 

 トークの結果、そこまで聞き出したらなんか悲しくなっちゃって、気付けば面倒見させてくれって仲間に引き込んでたよ。

 この結果に、後悔は無い。だが、どうしてこうなった。

 とりあえず、ツッコミを入れようか。

 

 だから勢いで行動するなと言ったろう、俺ぇ!

 

 

 




原作崩壊タグを入れようかと思ったけど
イチゴ味ってもともと壊れてるから、入れるべきかわかんないというw
ならもっと壊すべきかというと、意味不明なまでに壊れても面白いとは限らないわけで。
どうするべきなんだろうなー。と考え中。
まあ続くかどうか怪しいし、いいか……





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