北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far
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気付けば、イヌネコ動画のサイトを巡っていた。
昨日投稿出来なかったのは、あいつらが可愛すぎるからいけない。


ネット上での人間関係は大体本物じゃないけど、そこで感じた自分の感情だけは本物だ。

 

 気付いたら、また料理の世界に突入していた。秋山師匠が張り切っているんだよな。

 いや、あれは張り切っているというか、苛立ってる? イキってる? まあ、そんな感じだ。

 

「ポッと出のヨガなんぞでクリアされたら、俺の負けだろーが! お前にゃ料理を極めてもらう!」

 

 うん。こんな感じだ。理不尽。

 いや、確かに初期から半ばまでは、調理技術ルートでやってきましたけども。

 その後は、麻雀打ったり、南斗の拳法作ったりと色々あったんですけども。

 それと北斗ワールドなんで、北斗神拳も極めておきたいんですけど。

 というか、クリアって言っちゃってるんですけども。それでいいんですか、秋山師匠。

 あとこの際だから言っちゃいますと、正直秋山って言うと、ガルパンのあの娘が思い浮かんで仕方が無いんでありますけども。どうしましょうか、秋山師匠。

 

「いや、知らねーよ。クリアうんぬんは、システムのヤツが言っちまったらしいからな。もう解禁だとよ!」

 

 テンション高くケケケと笑いながら、隠し包丁を入れてから塩水に15分ほど浸して、常温にした鶏肉を沸騰した鍋へと投入。

 即、火を止めて。余熱で茹で上がるのを待つ間に、ごま油やショウガ、ニンニク、オイスターソース、酢、醤油、砂糖などを混ぜ合わせ始めた。

 

「フランス料理でソースが命とか言うが、中華にもソースはある。片栗粉を使って餡かけにしたり、スープみたいになってる事が多いけどな」

 

 ああ、確かに。餡かけとかもソースっちゃソースですよね。

 それで解禁って、どこの誰まで適用されるんでしょうか? この世界、たいがい自由すぎたんですけども。

 北斗ツインバスターライフルって言って、両手からビーム撃っちゃったり、我こそは北斗神拳伝承者だと叫んじゃうトキとか。

 ちゃっかりその弟子になって、リアクション担当やってるアミバとか。麻雀にハマッた修羅の国とか。あとヨガとか。それに料理関係のアレコレとか。

 

 そっから更にナニカが解禁されたとか、もう考えたくも無いんですけども。

 

「それこそ知らねえよ! お前が自分で確かめな。プレイヤーなんだろう? ゲームを楽しめよ。っと、そういやお前、辛いのにはあんまり強くなかったな。んじゃラー油とコショウは控えめにしとくか」

 

 その心遣いを、なぜ料理以外には使ってくれないのか。作っているよだれ鶏は実にうまそうなのに、本人の言動ももうちょい辛さ控えめだったらなあ。

 そうそう。お米はササニシキでいいですか?

 

「おう。そこのおヒツに入れて、少し冷ましとけ」

 

 こちらを見ずに、秋山師匠はネギを刻み、同時進行で杏霧酒に漬けたトマトとクラゲの甘酢あえなど副菜を仕上げていく。

 料理に真剣に向き合っているその表情は、とてもNPCなどには見えない。

 意思と精神、感情を見て取れる。

 

 今まで、この世界で出会ってきた人たち。彼らも人間味にあふれていた。

 一緒に飲んで騒いで、笑った。抗争の中、ヒャッハーと叫んで恐怖を吹き飛ばしてともに戦った。

 麻雀卓を囲んで、緊張感を共有した。上がれば喜び、振り込めば嘆いた。

 殴れば怒ったり怯んだし、話せば色々とあった。家庭板案件とか家庭板案件とか。あと家庭板案件な。

 

 そういう方向での人間味は、正直過剰ですらあった気がする。世紀末の人間、家庭に問題抱えすぎぃ!

 

「なにハゲ頭抱えてやがる! 麻婆豆腐は出来たのかオラァ!」

 

 ハゲてません! モヒカンなだけです! 中央だけはフッサフサですぅ!

 あとスイマセン、麻婆豆腐はもうちょっと待っ―――あれ? ほぼできてる。無意識に作っちゃってたのか。

 

 [P:16→12 調理技術(中華):4を習得しますか?(Y/N)]

 

 身に付いた技術は、慣れとともにどんどん脳を使わなくなっていく。歩くのに、まず右足を上げて。と身体の動かし方を確認しながら歩くやつは、普通居ない。

 気を付けないとそれが雑な作業につながるが、大まかな流れを気にせず、細かい部分にだけ神経を使えばいいんで、決して悪い事じゃない。

 今回、それが出来たという事は、調理技術が確実に俺の身になっている、という事なんだろう。久々に納得のいくタイミングでのスキルレベルのアップだ。

 

 無想で出来たからね! 北斗ワールドで無想は強いからね! という単純な理由ではない事を祈る。

 

 [P:16→12 調理技術(中華):4を習得しました!]

 

 さて。仕上げに豆腐とタラの白子を入れて、ひと煮立ちさせて、水で溶いた片栗粉でトロみを付けて~。ラー油と花山椒と刻みネギをくらえ!

 出来ました、秋山師匠。これが俺のタラの白子入り麻婆豆腐です。

 

「よっしゃ食うか! 極めろっつったが、そう簡単に料理は極められねえからな! 精進しろよ!」

 

 う~い。いただきまーす。

 あ。ビールいります?

 

 

 

 さて。

 今、調理技術のスキルが7で、調理技術(中華)が4。ヨガが☆になったのが5の次なんで、調理技術(中華)の方はあと1上げればいいとして、だ。

 問題は、調理技術を上げるのに必要なポイントだな。調理技術(中華)が5になった所で、残りポイントが7。

 そして調理技術が、5の倍数で10まで上げると考えると、8+9+10=27ポイント必要になるわけで。うん、20ポイントも足らないわ。

 どっから調達したもんか。

 

 所詮ゲームじゃないかって割り切れたなら、料理に毒でも仕込んで南斗や北斗のキャラを倒してポイント稼げるんだがなあ。

 ムリだろ。

 顔も名前も知ってて、話して一緒にバカやって戦って、割とそこそこ付き合いがあったんだぞ?

 サウザーなんか、よその町から毎週俺のカレー食べに来るんだぞ?

 でも修羅の国すらも、もう行っちゃった後だしなあ。あとなんかイベントあったっけ。

 

 ん~……

 

 そういえばケンシロウとは、まだほとんどカラんでなかったな。

 あれも原作主人公。何か残ってるかもしれんし、行ってみるか。

 

 でもアイツ、住所不定無職なんだよな。どこにいるんだ。

 俺が紹介したバイトも、路銀が溜まったからって、辞めてどっか行っちゃったらしいし。

 しゃーない。探してみるか。

 

 [クエスト:救世主を探せ この広い荒野で、ケンシロウを見つけてみましょう]

 

 なんかクエスト始まったー!?

 うっわ、懐かしいなミニゲーム。前のは、確か中華鍋を振るヤツだったっけ? かなり前だな。

 ウィンドウさんめ。ゲーム要素解禁したとたんに、ゲーム性を出してきやがったか。そういうの、キライじゃないぜ。

 

 ポイントもらえそうだしな。

 

 待ってろよケンシロウ! ヒャッハー! すぐに見つけてやるぜー!

 

 

 



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