北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far
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楽しんでやっていたはずなのに、いつしかやらねば、という義務感が混ざって
その比重が高まって、めんどうという意識が芽生えた時に、止まってしまう。

そんなソシャゲのデイリークエ消費みたいな気持ちでした。
とりあえず一話更新。



それが問題だ。

 気付けば、デビルリバースを毒殺するための毒を真剣に考えていた。スイセンの毒なら手軽に手に入るな……

 いや、違うんだ。カン違いしないでくれ。別に、手を変え品を変え料理を作り続けるのが、いい加減面倒になったってわけじゃない。

 確かに面倒ではあるが、それで殺しまではしねえよ。

 

 しかしいい加減ネタが尽きてきた感はある。

 牛豚鶏と肉を変え、ステーキに照り焼きに、大量のキャベツで包んでの擬似的な蒸し焼きに、ハンバーグ風に、ユッケに、小麦粉で衣を付けてのから揚げ風に。

 なんせ量を作らねばならないせいで、鉄板くらいしかまともに使える調理器具が無いんだ。

 寸胴ナベでさえも、デビルリバースにとっちゃ小ナベにもならない。俺らにとってのカップ麺よりも小さいんだぞ?

 元はなんかの壁だったんじゃねえかって鉄板での、大量調理。これくらいしか俺には対策が思いつかなかった。

 味付けも定番の醤油、ソース、ポン酢、マヨネーズあたりから塩麹、山掛けや酢味噌、マヨとケチャップのオーロラソース。中華あんかけなどまで、幅広く使い倒している。

 実質焼き一択しかないんだ。しかも大雑把にしか調理できない。そらネタも尽きるっちゅーねん。

 

 え? 野菜はって?

 

 あいつが 「肉だ! とにかく肉をよこしてくれ!」 ってリクエストしやがってなあ……

 まあ、久々の食事だろうし。好きなものを好きなだけ、好きに食べさせろってのもわかるけどな。

 白メシも要求されたが、そっちは秋山師匠らが用意中だからと、待たせる事に。

 何百人かがやってくるサザンクロス食堂の炊飯手段が、フル稼働中だよ。ここまで大量の米を一気に消費するのって、サザンクロス始まって以来、初なんだろうなあ。

 

 ところでだ。デビルリバースの言葉使いに、違和感を覚えなかったか?

 

 ああ、別についでとばかりに別の人間、例えばサウザーあたりがリクエストしたセリフじゃない。

 内容だけそのままで、言葉を変えたわけでもない。

 間違いなくデビルリバース本人の言葉、そのままだ。

 

 それと、デビルリバースの外見。それにも違和感がある。

 

 まずは髪型だ。だいぶんハゲが進行、もとい額が広くなっておいでだったはずの、その髪がだ。あるんだよな。

 しかも二本の長いフサがあるほどに。前髪が、あるんだよ。

 それに髪の色も、なんか金髪になってるんだが。

 

 体型だって、筋肉質ではあったものの手が長く、全体のスタイルとしてはバランスが悪かったはずなのに、妙に整っている。

 ボディビルダーのような、上半身が逆三角形の筋肉モリモリマッチョマンな体型になっている。

 

 

 さて。結論から言おう。

 

 あいつね。 (なか)の人 がいやがったよ。

 

 

 うん。マジで。

 

 しかも、なんか…… うん、なんつーか、こう…… 普通の中の人じゃないってーか……

 

 別の世界のキャラっぽいっていうか……

 

 別世界の No.1 ヒーローっぽいっつーか……

 

 

 

 ほぼ、オールマイトです。

 

 

 

 いや、マジで。

 

 とっさに毒殺を考えた俺の気持ちも、わからない事もないだろう?

 

 ダメだろ。あんなん北斗ワールドに持ち込んじゃあ。しかも弱体化してるのか、ひっじょ~~に怪しい。

 もしも個性も持ち込んでいた場合、どうなると思う?

 

 あの巨体+ワン・フォー・オール=これはヒドい

 

 この公式が成り立つと思うんだ。もう何も説明しなくても、余裕で証明完了だよ。むしろ、世界終了だよ。

 

 

 ああ、一応説明しておこう。

 オールマイトは、僕のヒーローアカデミアという作品のキャラクターで、全盛期なら世界最強だ。

 闘気とかは使えない、と思う。だがそんなものは彼には必要ない。

 

 だってただのパンチで 剛掌波 撃てるもん。

 

 しかも出力全開じゃないぞ。だいたい15~20%くらいの出力でイケるらしい。

 背筋にフンッて力を入れて撃って、その反動で空を飛んだりもするぞ。

 まあ、胃やら肺の片方やらを戦いで無くしちゃって、弱体化してたけどな。

 それでも短時間ならムリヤリ全開で動けたらしい。

 

 

 そんなバケモノが今。デビルリバースの肉体を手に入れております。

 フフ…… 怖い。

 

 

 ビビッた俺が、今なら殺れるか? と真剣に算段している気持ちを、ワカっていただけただろうか。

 

 食事の提供がてら、少しばかり会話をしてそこいらを知ってしまったわけだが。

 正直もう、どうしていいのかわかんねえ。

 

 ただ、俺と同じく記憶が無いらしいのよな。

 

 ここへ来たのは、なんか悪のニオイを感じたかららしい。

 悪は倒さねば。このコブシで殴って倒さねば。そんな強迫観念があったんだそうな。

 

 ああ。ここって、南斗の幹部連がちょくちょく顔出してるもんな。ちょっと前まで、ラオウも住んでたし。

 正義の集団です、とはとてもじゃないが言えないからなあ。

 でも単純に悪ってだけでもないんだよ。この世紀末を統治するのに力はもちろん、悪も必須なんだよ。たぶん。

 

 さて。とりあえず、シンを紹介して倒すべき悪かどうか判定してもらおうかなあ。

 最近では、天帝ルイとバット似の少年レンへの庇護欲を暴走させて、ムダに殉星を輝かせている我が上司。

 ケンシロウへの想いをこじらせていて、成り行きでケンシロウをシバきあげて、その恋人ユリアをさらってしまった前科持ち。

 フィギュアマスターでもあり、1分の1 ハイパーリアルタイプ ケンシロウを隠し持ち、そのカモフラージュに1分の1 リアルタイプ ユリアを堂々と飾る男。

 南斗六星拳のひとりで、この世紀末の世に暴力で関東をまとめあげ、このサザンクロスという都市を造り上げた暴君。

 

 あれ? なんか倒すかどうかは置いておいて、一発くらい殴ってもいい気がしてきたぞ?

 

 いや待て。デビルリバースの一発だと、それでもう死にかねん。シンは意外と打たれ弱そうだし。

 ならばやはり、今のうちに殺るべきか。いや、しかし。

 

 ん~~…… これが To be or not to be. That is the question. というやつか。

 まさしく、シリアルプロブレムだぜ。

 

 どうしたもんかなあ……

 

 






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