北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far

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一瞬だけ! 帰ってきたぜ!


人生色々あるもんだけど、いつだって三丁目の夕日(謎)

 

 気付けば、三年が経っていた。

 おかしいな。クリアまであと少しだったはずなんだが。

 でもしょうがないんだよ。考えてみてくれよ。

 俺が攻略してるルートってさ。アレじゃん。料理じゃん。で、料理ってさあ。

 

 一年や二年で、極められるもんだったっけ?

 

 うなぎ一つとってもだ。串打ち三年、裂き八年、焼き一生とか言われてるんだぜ?

 それを極めなきゃクリアできないって、お前、どんだけ時間かかるんだよ。先に寿命が来るわ。

 

 なかなかなかなか調理技術(中華)が上がらねえなあ、と思ってたら、そんな事に気が付いたわけだ。

 だが解決方法までは思いつかなくてなあ。結局は、地道に修行を積んだわけよ。

 

 

 それで三年もあると、色々とあったわけだ。

 

 

 復活の味将軍として再び立ちはだかってきたジャギを、本格的にジャン師匠の弟子になってたアミバが返り討ちにしたり。

 俺? 俺は八木さんと一緒に、審査員やってた。

 

 鍋物、というお題にフグを持ち出してきたジャギに、免許持ってんのかとリハクがキレていたが。今思うと、なぜアイツがキレてたんだろうな。

 しかもジャギは免許持ってたし。核戦争前のジャギの人生に、何があったのか。家出時代に、漁師か料亭の世話にでもなってたのか。

 紙幣がケツ拭く紙にもなりゃしねえ、この世紀末で。ヤツが何を思ってその免許を持ち続けていたのか。少し気になる。

 

 だがその免許の確認をやってる間に、アミバがキムチ鍋を出しやがってなあ……

 豚肉と白菜に、よくスープが染みて辛美味いし。絶対美味いからと、俺が出した冷えたビール(冬物語)にもよく合ったんだが。

 

 そんなもん食った後に、フグの味がわかるかって言うと、なあ……

 

 

「卑怯者めぇ~!」

 

 

 そう叫ぶジャギに。みんながお前が言うなと思いつつも、内心賛同していたと思う。

 口に出して擁護した奴はいなかったけどな。

 

 

 泰山の、ほぼ人間から退化して猿になってたヤツらの襲撃とかもあった。

 集団で押しかけて、食糧を奪っていくという野生の猿みたいな奴らだったな。

 

 食糧だけでなく、物資や人も奪っていく野生のモヒカンよりはマシだな。

 

 技能ポイント稼ぎに、俺も退治に乗り出したんだが。意外な奴も動いていた。

 ユダだ。

 なんでも、北斗の拳究極版の表紙からハブられた哀しみをブツけるためとか言っていたんだが……

 

 リボルテック・フィギュアのシリーズからハブられた方はいいんだろうか。

 

 義理があるからと、修羅の国でラオウの代わりに内政を頑張ってるはずのリュウガが泰山側で出てきちゃったんで、ガチってたが。

 鳥の名を冠する南斗の拳らしく、鳳凰拳ほどじゃあないが、身軽に飛び回り、伝衝裂波や手刀による切り裂きでヒットアンドアウェイに徹するユダ。

 機動力では劣ると悟り、攻撃の速さがウリの泰山天狼拳でのカウンターに賭けるリュウガ。

 両者の戦いは、実に見ごたえがあった。

 

 俺? 俺は八木さんと一緒にザコ狩りしてた。

 一応、体の大きなボスっぽい固体もいたけど、正直違いが良くわかんなかったし。

 ほら、一応俺も北斗神拳極めてるから。この程度だと、人質でも取られてなければ何とでもなるから。

 むしろ、巨大オールマイトな八木さんに先に倒されて、ポイントをゲットできない恐れの方が大きかったぜ。

 

 なお二人の勝負は、書類仕事で運動不足だったリュウガのスタミナ切れで終了した。

 リュウガは力尽きながらも、幹部待遇で修羅の国の政府にユダをスカウトしようとしていたが。

 さすがのユダも、権力がもらえるとしてもブラックな労働はイヤだと断っていた。

 

 まあ、俺は誘われすらしなかったんだけどな。

 

 

 他にも、モヒカン・オブ・モヒカンという、モヒカンの中でのトップを決める謎の大会に運営として巻き込まれたり。

 肩パッドを専門で盗む、謎の怪盗をサウザーと一緒に捕まえるハメになったり。

 そういえば南斗六星の誰も、後継者とか育成してないんじゃと気付いたシュウが、南斗聖拳の道場を再建したり。

 なぜかバットが後継者候補として、シュウとレイとの間で取り合いになったり。

 

 サウザーが側近さんに、そろそろどなたかと結婚を、と勧められて。そうだ天帝と結婚すれば、我は真の帝王にとトチ狂って。

 天帝ルイの保護者として、父親になり切っていたシンに死力を尽くして挑まれてしまった事もあった。

 あの時は、誰もサウザーの味方をしなくて、サウザーが涙目になってたっけなあ。

 愛などいらぬけども、カマって欲しいし味方はして欲しいという面倒臭い自己中だからなあ。

 最終的には、愛が無いのに、結婚するの? というリンちゃんのセリフで心を折られていたけど。

 次の日には元気にカレー食ってたあたり、メンタルが強いのか弱いのか、よくわからん男だ。

 

 

 そうして三年が過ぎて。調理技術(中華)が6に上がった日のことだ。

 俺は、ふと気付いた。気付いてしまった。

 

 

 あれ? ひょっとして 水影心で、調理技術もパクれたんじゃあ……

 

 

 脳裏に、走馬灯の如く記憶が高速でよぎる。

 鍋を振るい、かき回し、火加減を覚えて。包丁を操り素材を整え、細かい細工も何度も練習して。調味料の組み合わせと加減を何とか目で盗んで。

 あれらは全部、無駄じゃあなかったけども。メチャクチャ遠回りだった、のか……

 

 うおおおお。なんだこの絶望感は。

 まずい。心が折れそうだ。

 酒だ。酒を飲もう。今日はもう、飲んで寝よう。そうしよう。

 

 ああ、でもその前に、調理技術も上げようか。ポイントはあるし。

 ウィンドウさん、上げれるよね?

 

 

 [P26→16 調理技術:10を習得しますか?(Y/N)]

 

 

 ああ、上げれるのね。もうたいがいのモンは出せるけど、どうなるのかね。Yっと。

 では解説スキルっと。何が出せるのよ。

 

 えっ? その他?

 うん? その他って何だよ。

 えっ? 何でも出せるの? 何でも?

 

 なにそれ怖い。

 

 

 

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