藤丸立香ちゃんの無個性ヒロアカ   作:夢ノ語部

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エタ復活って、またエタるんでしょみたいに感じる時あるので、
結構短めだけど連続更新


雄英体育祭

『さー! スタートゲートが開放されて盛り上がってきたレースだが、ロボインフェルノを突破した先頭集団にカメラを戻して見ていくぜyeah! ってはえーなおい!』

『予想通りだが、あっさり突破したな。足を止めなかったから連携される前に抜けれたんだ』

 

「チィッ!」

 

 実況を聞いて、藤丸立香がスタートゲートを抜けて来た事を知ったA組の面々に動揺はなかった。

 

 あいつならやる。

 

 あの氷を砕いた方法は分からなくても、藤丸立香は何とかするだろうと思っていたからだ。

 

「くそがぁ! どうなってやがる!」

 

 それよりも分からないものがあった。

 2位の爆豪が、前を走るクラスメートを観察するが、何か特別な事をしているようには思えなかった。

 しかし、USJの時は間違いなくああ(・・)ではなかった。急成長というには異質。違う『個性』を使っていると言われた方が納得できるほどの。

 

「待てやこの、クソポニーテール!!!」

 

『1-A! 八百万百が現在一位! 足が速すぎるぜガール! 後続を置き去りにしていくぅ!』

(おい、『創造』ってあんな事もできんのか? まるっきり増強型じゃねーか)

(わからん……少なくとも俺は知らん)

 

 個性にはまだ分かってない事がある。個性伸ばしの特訓で新しい事が出来るようになる事例も多く、一概に出来ないと言える話じゃない。

 しかし、それでも『創造』が成長して、増強型のように走れるようになるとはイレイザーヘッドには思えなかった。

(なんだ、あれは……)

 

 ◇◇◇

 

(オールフォーワン……!)

 

 オールマイトには新しい個性が付与される現象に心当たりがあった。

 宿敵、AFOの『個性を奪い、与える個性』。

 まさか、そんなはずはないと思いながらも、敵連合から感じ取った底知れぬ悪意に既視感を覚えていたオールマイトは、その考えを振り払う事ができないでいた。

 

 ◇◇◇

 

(身体強化魔術は神経を使いますわね。もっと慣れないと、まだ咄嗟に切り替えるのは出来そうにないですね。ルビーさんは空を飛びながら『創造』で鉄杭を出したりしていましたが……はるか先の話ですね、成長しなければ)

 

 大体、愉快型魔術礼装(ルビー)が悪い。

 

 オールマイトのただでさえボロボロの内蔵に負担をかけながら、八百万百はルビーに体を操作されていた時の記憶を思い出し、魔力を『創造』で生成していく。

 

 ここで少し魔術回路の話。

 魔術回路は魔術師が体内にもつ疑似神経のことで、その役割は生命力の魔力変換と、魔術基盤へのアクセスだ。

 当然、魔術基盤にアクセスできなければ魔術を使えない……というのが普通だが、一部の天才は魔術式を「その日その瞬間だけしか成立しない魔術基盤」にして魔術を発動させたりする。

 

 愉快型魔術礼装(ルビー)もクリエティ☆モモと遊ぶ際、多元世界からその方式を持ってきて、魔力だけでも成立する魔術として発動させていた。

 それを体感したからといって簡単に真似できてたまるかという芸当なのだが、八百万百も天才の類であり、魔術基盤を創り上げる事に成功していた。

 

 更に八百万百は、生命力を魔力に変換するのは、魔術回路を通さずに『個性』として行える為、魔術師が感じる負担を軽減している。

 世の魔術師が発狂する魔術適性の高さだ。

 

元凶の愉快型魔術礼装(ルビー)すら自分なしに八百万が魔術を再現できると思っておらず、まさかの誤算であったりする。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 『創造』を知ってる人間がのきなみ「何あれぇ……」ってなってる事を除けば、増強型並の強化手段を手に入れた八百万百は、A組の誰より先んじて壁を一つ乗り越えていた。

 

「がああああああああ!」

 

 爆豪も汗の分泌量が増えて加速してきているが、それでも尚追いつけない。

 勝つ為にきた。勝つ、勝つ、勝つ……!

 どうやって?

 

「ーーーーーっ!」

 

 過る弱音を振り払う。考えるのを止めれば負けるだけ、頑張ったけど負けたなんて言い訳にもならない。そう知っているから。

 

 だから、チャンスが来たときにすぐ掴む事ができる。

 

『もう第二関門が見えてきたぞ! 階段を登れば、ザ・フォーーーール! 落ちればアウトの地獄谷だぁ!』

 

 大穴に立った柱にロープが張られている第二関門。

 飛べる個性持ちに有利なフィールド。

 

「行けます……!」

「行かせねぇ!」

 

『八百万ハイジャーンプ! ロープなんて関係ねーーー!! この独走体勢を止められるのか!?  2番手爆豪も飛んで猛追……しない! 着地して!?』

 

「止めるんだよ! 死ねぇ!!!」

 

 振りかぶった爆豪の手から一際大きい爆風が起きる。そこから拳大の石が八百万に迫る。

 

「なっ!?」

『投石!? おいおいどういう教育してんだイレイザーヘッド』

『何でもアリなんだろ、勝つ為に妨害は必要だった。合理的だな』

『シヴィー!』

 

 爆豪の頭を過ぎったのは藤丸立香が「ガンド」と呼んだ投石術。

 自身の個性が強いからといって、個性だけに頼る必要はない。あのUSJの戦いは爆豪の視野を広く持たせていた。

 

(油断しましたわ……!)

 

 爆豪が追いかけてきている事は分かっていたのに、距離があるから有効な妨害はないと判断して、ジャンプして逃げ場のない空中に出てしまった。

 身体強化のおかげで投石のダメージはそこまでではないが、着地地点がズレて体は奈落に向かってしまっている。

 

(飛行魔術……! いえ間に合いませんわ、とにかく固くて長い棒……!)

 

 とれる手段が増えたために起きる一瞬の判断の遅さ。『創造』が遅れた為に八百万は体勢を立て直すのが遅れる。

 

 爆豪が着地した事で起きたタイムロスを補って余りあるほどの時間が。

 

「ハッハーー! 俺が一番だ!!」

「くっ、お待ちなさい!」

 

『ここで先頭が変わったぁ! ブーイングが心なしか多いが、これが何でもアリの雄英体育祭障害物競争だ! やりあってる隙に後続も追いついてきたぞぉ!』

 

 身体強化を『創造』しなおした八百万と、爆豪のデッドヒート。

 

「すごい2人共、でも負けない!」

「かっこ悪い様はみせられん!」

 

 それに続くようにA組の面子が続く。

 

「■■■■■■■■■■■」

 

 かすかに聞こえる咆哮に追い立てられるように。




超改造クリエティモモがやりたかった。
轟くんはここに居たはずなのにね。うへへ
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