雄英体育祭がはじまって以来の大金星。
ヒーロー科を抑えての第一種目1位、普通科、心操人使。
普通科の
◇◇◇
(生きてる生きてる生きてる生きてる生きてる!)
体感時間が遅くなって、人生で体験した色々な事が頭の中で流れてきた中に、吹き飛ばされたヒーローがぐるりと回転しながら地面の衝撃を和らげる姿を思い出し、一か八か実践した心操くん。
奇跡的にある程度の衝撃を逃がす事に成功したが、途中で逃しきれず地面からバウンド。体が空中で高速回転するのを体感して
あ、死んだわ。
と覚悟を決めたところ、ミッドナイトのクッションに包まれ停止。
感触を楽しむどころじゃない心操くんは、自分の体を確認する。
それをミッドナイトは普通科の彼が1位をとったことを、まだ信じられていないのだろうと受け取り
「おめでとう心操人使くん、あなたが1位よ」
と語りかけた所あたりで、心操くんは自分が五体満足で生きていることに気付いて号泣。
後日、新聞の1面を飾る事になる写真はこの時撮られたものだ。
◇◇◇
「やられた……人をあんな風に投げるなんて……。OFAを使えば同じようなことが出来るかもしれない、けど、個性なしでなんてどれだけ鍛えれば……ううん、鍛えるだけでできる事なのか……? 遠すぎる、背中が……」
「オレが、さんい……クソナードどころか……モブにも……クソ……クソが……っ!!! いや、モブじゃねぇ、アイツだ、なんのつもりだクソが」
(走る事を犠牲にしてまで出せる最高硬度の氷を張った。それでも壊されて……抜かれるのか。くそっ、これじゃああいつの鼻をあかすことなんて……もう負けない、負けられない)
「藤丸さん!」
「バーサーカー女!」
(藤丸!)
◇◇◇
「テメェ飯田ゴラァ! 八百万の体はどうだったんだええおい! 妬ましい羨ましい変われ畜生!」
「峰田くん、僕はそんな……」
「あ゛あ゛? いい子ちゃんぶりやがってよぉ。男は乳尻ふとももの誘惑には勝てねぇんだよ、オイラに正直に言っちゃいなぁあぁん?」
「峰田くんサイテー」
◇◇◇
続々とゴールしていく生徒たち
障害物競争は上位46名が1次予選勝ち抜きとなった。
1位心操人使。
2位〜22位がA組。
23位〜43位が原作のA組以外(氷の妨害が念入りだったのとスタートが遅れた為)
44位〜46位が作者都合のモブくんたちだ。
◇◇◇
「ゴールシーンを凄い雑に飛ばされた気がする」
「立香ちゃんがまた変なこと言うとる……ほんまに正気に戻っとるんか?」
「判別が難しいですわね……しかし、洗脳ですか……厄介な個性ですわね」
「うん、洗脳されたらもう試合終了だもんね、警戒しなきゃ」
ホログラムで投影された順位表を見ながら、悲喜こもごもでざわざわと話をしていると、パンパンとミッドナイトが手を叩く。
「さ、順位は確認したわね。予選通過は上位46名。第一種目から大波乱だったけど本戦は今からよ! 取材陣も白熱してくるわ! キバりなさい!」
◇◇◇
第2種目は騎馬戦。
原作通りなので説明は省略。読んでね!
◇◇◇
「予選通過1位の心操人使くん!! 持ちP1000万!!」
オォ……
何でさ!?
心操人使くんは頭を抱えたい衝動にかられるのを必死で抑えていた。全国放送の真っ最中で、注目の的なのがわかっているからだ。
生きてるだけで号泣するという醜態を晒して、更に醜態を重ねたくはない……が、この騎馬戦のルールのせいで無様な姿を晒す未来しか見えなくなった。
(Plus Ultraって簡単に云ってくれるが……正直、あのヤベェ入試1位を運良く洗脳できただけで何もしてないんだぞ俺は……。そもそも洗脳は初見殺しでしかない。こんなに目立って警戒されるつもりなんて無かったんだ、くそ)
もちろんまだ洗脳の発動条件に気付いてない生徒も多いだろうし、何が起こったのかも分かっていない生徒もいるだろう。
だから1回は洗脳は使える。はずだ。
だが全員から警戒されている今、その1度を使えば二度と洗脳にはかかってもらえなくなるだろう。
(たった1度をどこで使うか……。いや、その前に俺から話しかけようにも1000万Pってだけで避けられてるから、その1度のチャンスもあるか分からないな……)
試しに声をかけようとしてみれば露骨に避けられて、思わず笑ってしまった。
なんだか懐かしさまで感じる。
個性を知れば、誰もが離れていった。俺が洗脳を使わないようにしていたって、使われるかもしれないという恐怖だけで彼ら、彼女らにとって俺は危害を与えてくる人間だったのだろう。
変わりたい、俺もヒーローに。
そう思って雄英ヒーロー科の受験を受けるも、実技は相性最悪の対ロボット戦闘。何とか普通科に縋り付いて、
それがどうだ、雄英でも何も変わらない。
目をそらされて、話もできない。
これは俺が悪いのか?
この個性がある限り、何も変わらないのか?
どうすればいい、何をすればいい。
そもそも変わるべきなのは、変えるべきなのは……
俺じゃなくて、■■の方なんじゃないのか?
「いたーーーーーー!!」
響く声。驚いて皆がそちらを見る。
障害物競争で洗脳した入試一位女が俺を指差していた。
「ハッ」
鼻で笑ってしまった。
洗脳した事への文句でも言いに来たのか。
入試一位様は勉強はできてもバカなようだ。
身体能力の化け物さは体感した。話しかけてくるなら洗脳して味方にすれば心強い。
もう洗脳にはかかってくれないだろうと諦めていた相手だったが、都合よく来てくれた。
「何か文句でも」
「私とチーム組もう!!!」
「ある……のか?」
なんて言ったこいつ。
思わず自分の個性の暴発を疑ったが、そんな訳もない。
「やっぱ集団戦闘だとスタン要因がいるだけで全然違うからさぁ、最初峰田くんも良いかなって思ったけど私はモギモギくっつくわけだし、落としたところ警戒しないといけないからさ。誰かいないかなーって思ってたら、そこにいるじゃん! って」
指をパチンと鳴らしてくる入試1位。ウゼェ。
「それに1000万Pとか守るだけで良いんだよ。私はそっちのが得意だし、君もそうでしょ?」
「はぁ?」
俺が、何だって?
「ん? あー……なるほどなるほど、自覚なし、かぁ……」
うーん、あーでもないこーでもないと少し悩んで見せたこいつは、すぐにバッと顔をあげニマーっと笑ってきた。
「よし! バランス編成で考えてたけど、特化編成にしちゃお。えーっと、ヤオモモと、サポート科の子かな。やっぱ優秀サポートよ、マーリン孔明マーリン孔明」
「何言ってるんだ?」
頭がおかしいのか?
そう思ってると、入試一位様は今度はニカッと大きく笑ってみせた。
「君の見てる世界を変える話だよ!」
……頭がおかしいのか? じゃなかった、頭がおかしい。
入試一位様に「さ、行こう」と促されて着いていってしまう俺も、大分おかしくなっているようだが。
変わろうと思ってきた。
変えようと思ってきた。
今までずっと願って叶わなかったことなのに、入試一位様が言うと本当に変えてしまうんじゃないかって……信じたくなってしまった。
「あ、そうだ。君、名前は?」
「……心操人使」
「ひとしくんね! 私は藤丸立香! 無個性! よろしく!」
「心操で頼む、入試一位様……は?」
「藤丸立香! はいはい時間ないから行くよー! ヤオモモー! サポート科のゴーグルちゃーん!」
「おい、待て! おい!」
発目女史は原作だと緑谷チーム
ヤオモモは原作だと轟チーム
人数多いねぇ……!
書いてる人すごいねぇ……!