藤丸立香ちゃんの無個性ヒロアカ   作:夢ノ語部

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藤丸少女人気すぎぃ!

ヒロアカはジャンプと二次創作知識で書いてたので、
単行本買ってアニメ見ました


続いた

「雄英合格しました」

「」

 

 先生はスタンした。

 クラスメートもスタンしたし、これは色々使えるかもと立香は考えたが、両親は「へーそうなんだ」ですました事を思い出し、実践投入は見送る事にした。

 

 ◇◇◇

 

「つ、疲れたぁ」

 

 放課後。立香はようやく解放されたことに息をついた。

 スタン後に解除不可のバフがつくだなんて聞いてないと愚痴を吐く。

 大体の人が合格を疑ってかかってきた上、説明しても信じてくれず無限ループするのは立香ですら心が折れそうになった。

 

「無個性なのにどうやってあのロボット倒したんだよ!」

「殴って」

「嘘吐け! そんなので壊れるわけ無いだろ!」

「私もまぐれかと思って、その後は鉄パイプでこう……」

「嘘吐け! そんなので壊れるわけ無いだろ!」

 

 無限ループである。

 最終的にこの男子生徒はルチャで黙らせたが、反省文を書くことになってしまった。解せぬ。

 

 その反省文も終わって、今は机でゴロゴロしている所だ。

 

「……雄英かぁ」

 

 正直……一番信じられていないのは自分自身だと立香は思っていた。あの雄英に合格して、しかも首席合格との事。

 何かのドッキリという線も未だに脳の片隅に残っている。

 

 一年前、ただの無個性だった藤丸立香なら、きっと何も出来ずに不合格だっただろう。

 そして仕方ないのだと口元に笑みすら浮かべられたんじゃないだろうか。

 

 何も、無かったのだ。

 

「ふぅ……」

 

 今は期待を向けてくれる人がいる。信頼してくれる人がいる。僅かばかりの自信もある。

 何も無くなったあの世界で、今日の自分を手に入れた。

 

「マシュ……私、頑張るから」

 

 嘘だったかのように何も無かった事になったあの一年を、嘘にしない為に。

 立香は教室を後にした。

 

 ◇◇◇

 

 雄英高校1-A。

 立香ちゃんは新しい出会いに胸を膨らませ、ドアに手をかける。

 

(虹演出来いっ!)

 クラスメートはガチャじゃない。

 

「おは」

 

「机に足をかけるな! 雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」

「思わねぇよ! テメーどこ中だよ?  端役が!」

 

「よぅ……」

 

 意気揚々と教室に入る彼女は、目の前の光景にショックを受けた。

 新生活に対する期待と勢いが挫かれる。

 

「もう仲良くなってるっ! イベントに出遅れたんだっ!」

 

 新生活はイベントじゃない。

 

 カルデアでも極小特異点とかレムレムする時に「夏イベ良いよね」「ボックスきたー!」「コラボかー」とか言ってるものだから、奇行、迷言は今に始まった事じゃないのだが。

 

「誰が仲良しだっ! このクソフシアナ女が! ぶっ殺すぞテメェ!」

「えー、だって……」

 

 矛先が変わった事で視線が集まる。

 大体が心配している目線だが、一部はどうするのか興味深いと静観している。

 立香が落ち着いて対応しているのも静観するに足る要素だ。それが個性なのか技術かは分からないがきっと何とか出来るのだろうと思えたのだ。

 

「ぶんぶん振ってる尻尾が見える」

「生えてねぇわ! 尻尾はあっちのモブ顔だ!」

 

 そんなの無かった。

 マイペースな立香ちゃんは爆豪くんと相性が悪かった。

 

 実際、登校初日にイキってた爆豪くんはテンションが上がりきっており、立香ちゃんの人を見る目は実に的確だったのだが。

 そして、そんな爆豪くんを良く知る少年が一人。

 

「ぶふぅ!」

 

 耐えろというのが無理なのだ。少年を責めてはいけない。

 

「デェクぅぅぅ……テメェ」

「あ、あわわ、ぐ、ごめんかっちゃん、ぐっふ……わざとじゃ」

 

 怒りで真っ赤になって迫ってくる爆豪くんが、実際見透かされた事への恥も含んでいる事に、幼馴染である緑谷少年は気付いてしまう。

 もう尻尾と耳が幻視できるほど、中身がピッタリ過ぎるのだ。

 表面と行動は今にも暴れまわる(ヴィラン)以外の何者でもないので、緑谷少年と立香ちゃん以外の生徒には笑いどころが一切分からなかったのだが。

 

「喧嘩をする元気があるなら先に進めてしまっても構わないか……?」

 

 ◇◇◇

 

『個性把握テストぉ!?』

 

 個性を使った身体能力テスト。

 ソフトボール投げのデモンストレーションは爆豪くんがやったよ。

 最下位は除籍。説明終わり。

 

「はっ」

「どうかしたの藤丸ちゃん」

「何かスキップされた気がする」

(((不思議系女子だ……)))

 

 50m走、握力測定、立ち幅跳び、反復横飛び、ソフトボール投げ、上体起こし、長座体前屈、持久走。

 全八項目の個性把握テストが今始まる……!

 

 藤丸立香以外の記録は原作で見れるのでスキップだ!

 

 ◇◇◇

 

 相澤消太、ヒーロー名『イレイザーヘッド』は藤丸立香の事を増強系の個性の持ち主ではと疑っていた。

 

 病院の個性検査が間違っていたというのも例が無いわけではない。

 もし増強系の個性の持ち主だとすれば、実技試験の際に時々見せていた瞬間的な加速やパワー、スタミナも説明がつく。

 そうすれば『無個性』についてまわるアレやコレやの面倒がなくなる。実に合理的だ。

 

 藤丸立香。

 ㊿m走、5秒00。

 

 ほら、個性禁止の大会の世界記録を抜いてきた。

 相澤は自分の考えが間違っていなかった事に確信をもった。

 

「藤丸、もう一度走れ」

「え? あ、はい!」

 

 こうして『個性』を消せば、なんて事もない……。

 

 4秒85。

 

 相澤は藤丸について考える事をやめた。実に合理的な判断だった。

 

 尚、魔術による身体強化も藤丸立香は習得していない為、素の身体能力である。

 合言葉は『ケルトすごい』。

 

 ◇◇◇

 

 握力102kg。

 立ち幅跳び5m05。

 反復横飛び、峰田と1回差の二位。

 

 実に人外な数字である。

 立香自身は、反復横飛び以外の種目で、クラスメート達に負けてるので悔しがっているぐらいだが。

 反復横飛びは歩法についてミッチリ師匠に鍛えられているのと、このぐらい急に切り返しが出来ないと物理的に(師匠達に)殺されていた。必死だった日々の賜物である。

 

「反復横飛びは自信あったのに……!」

「立香ちゃん凄いよ、私なんて全然だったもん」

 

 お茶子ちゃんが隣でフォローするが、そう言われても悔しいものは悔しい。

 こうしたファイティングスピリッツが、脳筋サーヴァント達に受け入れられた所以なのだろうが……。

 

「有利な個性じゃないと中々数字は伸びないよね」

「個性……そうか! お茶子ちゃんありがとう! よしっ」

「え? ちょ、立香ちゃん!」

 

 ガバリと、勢いよく体操服を脱ぐ。下は薄いアンダーシャツでブラが透けて見えた。

 

「ウヒョー! サープラーイズ! シンプルなフリルがポイントたけぇぜぃ!」

「見んな男子!」

 

 周りがうるさいが立香ちゃんは気にせずソフトボールを手に取る。

 そのままジャージにソフトボールを包んだ。

 

「見様見真似! 五つの石(ハメシュ・アヴァニム)!」

「「ええええええ!?」」

 

 石じゃなくてソフトボールだし一つだし、というツッコミはこの場で出来る人間はいない。

 手持ち投石機の要領で思いっきりぶん投げたソフトボールは、そのまま勢いよく飛んでいく。

 

「ああ、軽いから失速しちゃうかぁ……」

 

 651m。

 

「おおお、すげぇ!」

「あんな方法が、もう普通に投げちゃったよ俺」

「でも、ありなのかアレ」

 

 ざわめく生徒達に、嫌々ながら相澤が動く。

 

「藤丸、どういうつもりだ」

「手で物を掴んで使える個性です!」

「「「それは普通だ!」」」

 

 

 

「ハァ……今の記録は記録としてつけといてやる。ただソレは個性把握テストの趣旨から外れるから禁止な」

 

 真似をしようと準備している男子を見て釘をさす。

 相澤的には嫌いじゃないやり方だが、この場で推奨するわけには行かなかった。

 

「あと、2回目投げる前に上着を着ろ」

 

 もちろん、そのままソフトボール投げに戻ろうとした立香に注意するのも忘れなかった。

 

(全く手間のかかる……)

 

「見様見真似! 蹴り穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク・オルタナティブ)!」

 

 どがぁん

 

 わー地面が抉れたぞ!

 めっちゃ跳んだよな今!

 上着がめくれ上がって、今ちろっと生ブラが……!

 サイテー!

 

(……こいつらの担任かぁ)

 

 壊れた機材を見て「ハァ……」とため息をついた。

 

 ◇◇◇

 

「ステ……ステ……ラ……うっ、頭が」

「藤丸さん、大丈夫ですか?」

 

 緑谷少年のソフトボール投げを見て、立香は平行世界の剪定事象的な記憶のアレを受け取った気がするが、体調に問題は無かった。

 

 個性把握テストは続き、上体起こしでは

 小規模な爆発で上体を起こす爆豪

 モギモギで反発して体を起こす峰田

 尻尾で普通に起き上がってくる尾白

 黒影が常闇を上げて降ろしてるだけの常闇

 等の強豪を抑え、ただの筋力の立香が一位になった。

 

「凄いね! 増強系の個性なの?」

「筋肉があれば何でもできる! って師匠が言ってた」

 

 筋肉凄い。

 

 長座体前屈は、そもそも物理的に梅雨ちゃんとかに勝てないので。八百万百とか棒出してるし。

 しかし、ここはカルデアの(筋肉)マスターとして足掻かなくてはなるまい。

 

「唸れ筋肉! うおおお!」

 

 衝撃波出して計測器を奥に押しやったが相澤先生に不正扱いされた。解せぬ。

 

 持久走。

 バイクを出したヤオモモ。それとデッドヒートを繰り広げる立香ちゃん。

 

(無個性とは……)

 

 哲学的問題にぶち当たる相澤先生。

 

 疲れを知らない英霊達に、生身でついていける立香ちゃんは、他の何よりスタミナお化けなのだった。

 

 ……決して、バイクに乗ったお尻を追いかけている訳では無いのである!

 

 ◇◇◇

 

 個性把握テストが終わって合理的虚偽とか終わった後の緑谷少年。

 

(凄かったな、あの娘が実技首席……あれで僕と同じ『無個性』だなんて)

 

 緑谷少年は入学前のオールマイトとの会話を思い出していた。

 

「少年、私は一つ訂正しなければならない」

 

 そして話された『無個性』の娘の首席合格。

 オールマイトですら不可能だと思っていた無個性ヒーローの可能性。

 そして……。

 

「……きっと君は比較してしまうだろう、同じ無個性として。しかし忘れないでくれよ。君を選んだのは私で、その手を掴んだのは君なんだってことをね」

 

 ……

 

(凄かった。でも、僕も負けられない。逆に無個性でもあそこまで出来るようになるんだったら、僕にももっと可能性があるって事だ。もっと……もっと、頑張らないと……!)

 

 ◇◇◇

 

 決意を新たにする緑谷少年。一方その頃。

 

「思っていた以上に藤丸少女とんでもないなぁ……うーん、緑谷少年大丈夫かなぁ、ここで励ますのもなんか違うしぃ、ああああどうすればっ!」

 

 平和の象徴《新米教師》は頭を抱えて思い悩んでいた。




体育祭ぐらいまでならなんとかマッスルフォーム出来そう
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