藤丸立香ちゃんの無個性ヒロアカ   作:夢ノ語部

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ヒロアカって1場面の人数多すぎて、
脳内と文章の乖離が凄い。
そういうのを処理できる文章力と、毎話1万文字書けるセンスと、毎週投稿できるスピードが欲しい。

それよりそのぐらいやってる小説が増えて読み専になりたい


vs脳無

「あっぶ! なぁ!」

 脳無の右のテレフォンパンチ。それを立香ちゃんは、先程先生を助けた時のように横からの打撃で打ち落とすつもりだった。しかし、結果は先程とは違い、脳無の拳は撃ち落とされる事なく、咄嗟に首を捻った立香ちゃんの髪の毛を数本持っていった。

 今、避けれたのは運が良かった。もし欲張ってカウンターを決めるつもりでいれば、立香ちゃんの顔は胴体から離れていただろう。

 

 立香ちゃんの体勢が崩れた所に左のパンチで追撃が来るが、イレイザーヘッドが捕縛布で立香ちゃんを回収し距離をとった。

 

「大丈夫か」

「な、なんとか」

 

 時間稼ぎは得意とか言っておきながら即効で沈む所だった。フラグ回収にはまだ早い。

 

「来るぞ!」

「ああ、もう!『抹消』お願いします!」

 

 幸い、脳無の体術は素人以下だ。

 それを補って余りあるほどのパワー差とスピード差だが、そういう相手を想定した模擬戦闘の数では誰にも負けていないと自信を持っていえる。

 この脳無以上の相手に実戦せざるを得ない状況もあった。

 だから出来るのだと鼓舞をする。

 

(落ち着いて、よく見る!)

 

 さっきと同じ右の大振り。同じように左の打ち下ろし気味のフックで横から叩き落とす。

 打撃は、通った。狙い通り、脳無の体勢が崩れる。

 

(『抹消』が効いてる)

 

 明るい情報だが喜ぶ暇はない。相手には多少の体勢の崩れならば気にせずに打ち込んで来れるほどの筋肉量がある。

 

 左、スウェーで距離をとる。

 追いかけてきての右、弾いて脳無の背中側に回る。

 振り向いての右、屈んで避けて、捕まえる。

 

「しゃああらぁ!」

 

 投げっぱなしジャーマン一閃。

 体重差をものともせずに、頭から一気に落とした。

 

 首の骨が折れる可能性があるので良い子は真似しないように!

 オレンジ色の髪が燃える闘魂を表しているようないないような……

 尚、黒霧は死柄木を連れて帰宅したので、正史のような黒霧による支援はない。

 

◇◇◇

 

「すっご……」

「言ってる場合か緑谷くん! 避難するぞ!」

 

 飯田の声にハッとしたのは何も緑谷だけではない。

 いきなり目の前で起きた殺人が衝撃的で、殺し方が圧倒的だったのだ。目を逸らせば次に死ぬのは自分ではないかと思わせる力があった。

 それだけに藤丸立香の戦う姿は彼らに少なくない衝撃を与えていた。

 

 スペースヒーロー13号も例外ではない。

 殺人が発生した後に(ヴィラン)達は逃亡する為に散り散りになった。

 逃げる中で多くの(ヴィラン)が向かっているのが、生徒や13号のいる入り口方向だ。

 

 そんな現状にスペースヒーロー13号は選択を迫られていた。

 多勢の(ヴィラン)から生徒を守るのは大前提として、その時、死にたくないと逃げている(ヴィラン)達をどうするのか。最大の脅威である脳無と戦い始めた二人に助力しに行くのか。

 

 普段ならば(ヴィラン)に対しても避難誘導を行うと即断していただろう。

 しかし、脳無のような(ヴィラン)とは相性の悪いイレイザーヘッドと、無個性の少女では時間稼ぎも難しいだろうという考えがよぎった為の一瞬の迷いだった。

 

 そこで投げっぱなしジャーマンが見えた。

 

 絶句である。

 避難誘導するにしても言葉がでない程の絶句だ。

 無個性だと知っているからこそ余計に思考が真っ白になる。

 

 だから警告が遅れた。

 

「避難なんてする必要ねぇだろ」

「ま」

 

 轟焦凍が動く。

 一瞬で(ヴィラン)達の足元を凍りつかせ、脳無すらも氷柱の中に閉じ込めてしまった。

 あまりの早業に、圧倒的な制圧力。それは本来称賛を受けるものだった。

 

 しかし、相手が悪かった。

 

 パァンと乾いた音が響く、氷柱が砕かれた。砕かれた氷は弾丸となって藤丸立香とイレイザーヘッドを襲う。

 

「くっ!」

「くそっ、13号! 生徒をしっかり下げさせろ!」

 

「ふっざけんな! 見殺しにする気かよ!」

「それでもヒーローの卵かよ! くそぅ、死にたくねぇよぉ!」

「かあちゃんごめん! ごめぇん!」

「嫌だ嫌だ嫌だぁ!」

 

 脳無だけが被害なく、動いている事に気付いた(ヴィラン)達から怒声が飛ぶ。

 

 轟焦凍は、己の短慮が状況を悪化させたことにただ立ち尽くしていた。

 

「そんなつもりじゃ……」

「デク!」

 

 誰もが氷柱と脳無に意識を奪われていた中、いきなり飛び出した緑谷に気付いたのは爆豪だけだった。

 珍しく心配するような雰囲気が声に乗っているように感じたのは緑谷の気のせいだろうか。

 しかしもう止まれない。

 

「うわあああああああああああああ!」

 

 怖い、正気じゃない、飛び込んでどうする、無理だ、死ぬぞ、怖い、叫ぶ、意識を引く、脳無がこっちを見る、怖い、涙が出る、目を閉じるな、足が痛い、左足が折れた、もう走れない、飛び込め、脳無が腕を引く、狙われている、いやにゆっくりだ、もう方向転換もできない、空中だ、正面から当たるしかない、怖い、僕はなんて馬鹿なんだ、もうやるしかない。

 

「緑谷!」

「ガンド!」

 

 捕縛布が脳無の腕を捉え、氷の礫が脳無の目に突き刺さる。

 二人共凄い。砕かれた氷はかなり深く突き刺さったように見えた。それでもここまで動けるんだ。

 

 脳無の動きが止まった。

 

「SMASH!」

 

 緑谷の一撃は、脳無の右腕を粉砕し吹き飛ばした。

 

 ◇◇◇

 

「やりすぎだあああああ!」

 

 叫んだのは爆豪だけだが、他の面々も同じように感じていた。

 

 ◇◇◇

 

「いったあああ! あわわわわうええええ、ぐっ……僕、僕は、なんてこと……」

「落ち着け緑谷、何かが違えばこっちが殺されていたんだ。責任は……俺がとる」

 

 それに最初に気付いたのは、やはり藤丸立香だった。

 嫌な話ではあるが人が死ぬ場面に立ち会った経験は豊富な為、冷静さを保っていたこと。そして再生(・・)する敵との戦闘も多く経験してきたからだ。

 

 出来た事は、相澤先生と倒れている脳無の間に縮地で体を滑り込ませる事だけだった。未熟な縮地では次に繋がる行動をとることができない。

 

(こういう時は、どうしていたんだっけ)

 わずかな違和感。

 聖杯探索でも似たような局面はあったはずだ。その時はどうしていたのか思い出せない。

 

 地面から跳ね上がるように繰り出された拳は、そんな違和感ごと藤丸立香を打上げた。

 

 ◇◇◇

 

 平和の象徴はまだ来ない

 




ガンド(物理
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