あんなに楽しかったデートの時間も、もう終わり。
ソーラー式の間接照明が照らす我が家が、少し、また少しと近づいてきます。
……家に帰っても、二人は一緒にいられます。
……私が他校に進学しても、お家では、ずっとお兄ちゃんと一緒です。
でも、今日という日は特別で。
恋人として外で過ごした、記念すべき日で。
玄関が近づく度に、一歩の歩幅がだんだんと狭くなっていきます。
そして、ついに玄関に到着して。
ゆっくりと、家の中に入ります。
開けた家の中は、暖房もついていなくて肌寒いです。
その中で、お兄ちゃんの手だけが、あたたかい。
その事実が、とっても愛おしくて。
「お兄ちゃん」
「……うん」
「……お風呂、入りますか?」
先程のお兄ちゃんの発言を、頬を熱くしながら、確認します。
するとお兄ちゃんも、頭が茹で上がったかのように顔が真っ赤に染まっていって。
「……うん。入ろう」
「じ、じゃあ、ちょっと荷物を置いてきちゃいますねっ!」
「あ、お、俺も行くから……先に入ってていいよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
お兄ちゃんは、私のカバンを丁寧に受け取ると、二つのカバンを手に二階へと向かいます。
一方、お兄ちゃんに見られる前に体を綺麗にしておける権利を貰えた私はといえば。
少しでも綺麗な自分をお兄ちゃんに見てもらうため、そして、あわよくば間違いを起こして貰えるような色っぽさで迎えられるように、お風呂場へと急ぐのでした。
「お兄ちゃんとお風呂〜♪ ふんふんふ〜ん」
京香の、機嫌のよさそうな鼻歌が聴こえてくる。
こんこん。
「京香ー? 入るぞー」
俺は、バクバクと重厚に鳴る心臓の音を押さえつけて、京香に自らが入室することを知らせる。
すると、それに対して京香は。
「……は、はい! ばっちこいです!」
ば、ばっちこいって……。
今の返答で完全に緊張が解れた俺は、もう一度だけ深呼吸をすると、ゆっくりと扉を横に引いた。
風呂の中を、確認する。
洗い場に京香の姿は確認出来ない。
……つまり、湯船に使っているということか……。
俺は、先程解れたはずの緊張を、今度は振りほどく必要のない、心地のいいものであると認め、その緊張を纏いつつ、湯船に視線をやる。
すると、そこに居たのは。
……肩まで湯船に浸かって俺の股間を真っ赤になって凝視する、めちゃくちゃかわいい俺の妹であった。
「え、えーと……俺も湯船に入っていいかな?」
「だ、だめですっ! もうちょっと観察させてくださいっ!」
……俺が風呂に突入してから、約五分。
未だに俺は、京香のわがままで湯船に浸からせてもらえない。
「あのー、さすがに寒いんですけど」
「もうちょっと見せてくださいよ!」
と、いうのも。
京香は俺の息子に興味津々なようで、真っ白な肌を真っ赤にしながら、指でつんつんとつついている。
「なぁ、湯船に入ってからでも見せてやるから」
「んんんんっ、もう、仕方ないですね!」
やっと入浴が許可された、権限の少ない兄、俺。
「あっ、ふにゃふにゃになりました」
「ちょっと黙っててくんねえかな!」
俺のを観察していちいち声に出すんじゃないよっ!
「あっ、今度は鉄みたいに硬くなってきましたよ……?」
「お、お前……それは……」
京香が、面白そうにつんつんとし続ける。
つんつん。
つんつん。
京香のぷにぷにしたあたたかい手が、こそばゆい。
「なぁ、ちょっと……ほら、もうやめようぜ」
「だめです〜♪ そうですね……あと、1時間くらいはこうしててもらいましょうか!」
「地獄かよ! そんなにつんつんされてたら出ちゃうよ!?」
「えへへ〜♪ お兄ちゃんに、拒否権はありませんよ〜♪」
いつもより十度くらい高く感じるお風呂の熱さの中、熱くなった俺のモノをつんつんしながら京香が満面の笑みで言う。
「だってお兄ちゃんは、全部、わたしのものですからっ!」
終わり。