壊し屋 俊秀   作:遼明

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 お久しぶりです。遼明です。
 最近更新できないのが悩みですが、とりあえずゆっくりでも完結までいきたいです。
 それではどうぞ


第二章 冥府の炎王に三本矢は集う
もう一つのプロローグ 超合金シリーズによって口封じされた者達


 

 

「うおおおおおおおッ!! ここから出せ、俺は財布を拾っただけだぞ!! 今からケーサツに届けないといけないんだッ!!」

「それ、明らかに懐に入れようとしてましたよね!?」

「お前等、少し静かにしたらどうだ」

 

 辺りは暗く、何も見えない場所で別々の檻に入れられた二人の男と黄金の玉座に座るイケメンが言い争っていた。

 いや、正確には一方がぎゃんぎゃん騒ぎたて、一方はそれを止めようとし、もう一方は先程まで傍観者となっていたわけだが、黄金の玉座に座るイケメンは耐え切れなかったようだ。額にはっきりとした青筋が浮かび上がっていた。

 

「このままほっといてもいいが俺は忙しい。単刀直入に言わせて貰う。お前達は死んだ」

「それは嘘だな。俺は何者かに頭を殴られたがそんな事では死なんッ!」

「信じられんようだな。残念ながら俺がお前の頭の上に水の入った超合金のバケツを落とさせてもらっ――――」

「そんなもの俺の頭の上から落ちてくるわけないだろ? あそこにはマンションも何も――――いや、そう言えば俊秀の頭上にタライが降って来たような……」

「やっと思い出したようだな。その口封じの為にお前は死んでもらった」

「嘘だぁぁぁぁぁああああああああ!!」

 

 突きつけられた真実に先程まで騒いでいた男は地面に伏した。相当ショックだったのだろう。男は地面を己に罰を与えるかのように何度も殴り続けた。

 

「くそう。久々の下界に、はしゃぎ過ぎたかッ!! 1キロ先にいた俊秀を見つけなければッ! 奢ってもらおうと思わなければ俺はまだ生きていたのにっ!!」

「まあ、そんな邪な考えを持ったのが運の尽きだっ――――」

「そうだ! 慰謝料を請求だ。間違いなく裁判を起こせばこちらが勝てるッ!! 殺人未遂に拉致監禁、完璧だ。ふふふ、諦めるんだな金ぴかイケメンお前に勝ち目はない」

「俺の話を聞けッ!!」

「ノォオウッ!!」

 

 余りに話を聞かない男に黄金の玉座に座っていた男はその玉座を投げ、うるさい男を黙らせた。やっと静かになった空間に一息ついた男は、檻に入ったもう一人の男を見る。

 その男は一瞬だけ玉座に潰された男に哀れみの視線を向けていたが、何かを悟ったかのように近付く男を見抜いていた。

 

「貴方は何者ですか?」

「俺は死神だ。その冷静さ、俺の目的がわかっているみたいだな」

「勿論です。貴方達の会話を聞けば、誰でもわかりますよ。私を口封じの為に殺されたのでしょう、二人が殺される場所を目撃したわけですから」

「ふふふ、手間が省けた。最近ここに来る奴はみな、騒ぎ立てるからな説明しなくて助かる。その通りだ。しかし、お前には手間をかけられた。なかなか隙を見せないからな」

「それはそうですよ。突然現れる凶器。警戒しない理由がありません」

「しかし、お前は入った電話ボックスで密かに仕掛けておいた超合金の板(未加工)であっさりとお陀仏だ」

「…………あれは不覚でした。まさか天井が抜けるとは思いませんでした」

「くっくっくっく、あれは笑いだったぜ」

 

 死神は檻に入った男の顔の悔しそうな顔に満足したのか、軽い足で玉座を元に戻す。そして、いつものようにそれに腰掛けると堂々と偉そうに口を開いた。

 

「さて、本題に入ろう。お前等を転生させようと思う。勿論ただで転生させようとは言わない。特別に三つ特典をつけてやろう」

「本当かッ!? ならば俺は願いは唯一つ、特典三ついらない。手に余る程のお金が欲しいッ!」

 

  先程まで地に伏せていた男が急に起き上がり、特典を催促する。まさにその様子は金の亡者と言えるだろう。しかし、この男はこの死神の性格を見抜いていなかった。

 

「いいだろう。望み通りお前には五百円札二枚と二千円札一枚をくれてやる」

「少ないッ!? そんなの詐欺だぁぁぁぁぁぁ―――ぎゃふん!?」

「お前はもうさっさと転生しろッ!」

 

 うるさい男を黄金の玉座を投げる事で早急に鎮圧した死神は額に浮かび上がっていた汗を拭う。ここまで振り回されたのは初めての経験だった。

 やっと自分のペースで話を進められる。

 そう思った。死神は残った男に視線を向け――――。

 

「さて、お前は何を――――」

 

 死神は言葉を失った。

 

 ――――檻に入っている男が恐ろしくイケメンだったからだ。

 

 それはもうとんでもないイケメンだった。全てのパーツはまさに愛の女神の手で作られたと思わせるように精巧でいままで見た事のない類のイケメンだった。死神もイケメンではあるが、彼と競い合ったら間違いなく見劣りするであろう。

 死神は知らず知らずにドス黒い感情、嫉妬を高まらせていた。

 

 ――――神でもないこの男が死神であるこの俺を超える事など許される筈がない。

 

「貴様の特典はなしだぁぁぁあああ!!」

「私、何かしましたぁぁぁあああ!?」

「ふふふ、代わりにお前には呪いを授けてやる。そうだなぁ、イケメンのお前には後ろから包丁を刺され死ぬ運命がお似合いだ。そんな呪いを――――」

「大して怖い呪いじゃありませんね」

「………………お前もさっさと転生しろっ!!」

 

 死神が手を上げると、その男の上に超合金の鉄板が降り注ぎ、無残にも鎮圧される。こうして目撃者は転生したのだった。

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