マダオ戦士Goddamn 作:はんがー
急に立ち止まった江戸川君は、眼鏡を光らせながら口を開いた。
「入間君、人差し指の第2関節と左の手のひらにタコがあるよね?それって、相当使い込んでいる手だよね?」
江戸川君はおれの手を掴みながら、不敵に笑う。何をと明言しないのは、わざとなのか、じわじわとおれに狙いを定めたらしい。
「ゲームダコだよ、これは」
平静を装いながらおれは腕を払い、江戸川君から距離を取った。こわ。探偵の観察力。さっきまで平和だったのに、Come Back おれの平穏ライフ……………!
「ぼくもはじめはゲームダコかとおもったよ。だって、入間君はゲーム大好きだもんね。でもね、そこのおじさんーーーー次元大介にもまったく同じタコがあるんだ。
人差し指の第2関節と左の手のひらにね。」
ピリッと空気が張り詰めた。保護者ーー次元大介ーーは、片目を覗かせながら手をポケットに入れて聞いている。
「ヴェスパニア王国で次元大介は元傭兵の経歴でヴェスパニア軍の教官をしていた。
弱体化した軍を3倍近く強くした 教官 だって兵士の人が言ってたよ。そして入間君もいくらサバゲー好きだからといって、動きはプロのそれだ。これってたぶん身近に誰か教えた人がいるんだよ。緊急時の対応も手慣れていたしね。」
Oh………………思い出される記憶たち。おまえ、もっと自重しろよ……………
「カリオストロ公国のゴート貨幣の発覚。あれは、銭形警部が全世界に中継して告発されたよね。そのときのリポーターは峰 不二子。そしてほんの数秒だけど、映っていたんだよ。逃げ惑う観衆のなかに子どもの姿がね。その子どもは金髪に透き通った蒼い垂れ目、少し日に焼けていた。これって、入間君じゃないかな?」
かわいらしい子どもの声だけど、尋問されている気分だ。赤ジャケットの男が助け船をだすように「何が言いたいんだ、ガキンチョ」と問う。
「偶然なのか、その当時、おじさんたちもカリオストロ公国で目撃されていた。ーーーーーつまり、入間君と次元大介には共通点が多すぎるんだ。」
ガッデム!!
とっつぁん。江戸川君はとんでもないものを削りました。おれのSAN値です……………
もうここまで推理されたら仕方ない。白状しよう。おれにはまだ厄介ごとの種を抱えているんだ。それに比べたらまだマシだろう。腹をくくれ、おれ。
「そりゃあ、共通点あるよ。何しろ次元大介はおれの保護者…………オトンやねん」
「ーーーえ?」と江戸川君はおれとオトンを見比べた。オトンも表面上には出さないがギョッとしている。当然だ。いままでオトンと呼んだことがない。さらにオカンはさっきまで我関せずな態度だったが、保護者=オトンと説明したときクワッと目を見開いた。…………すまぬ、オカン。苦情はそのオトンに言ってくれ…………赤ジャケットの男ーールパン三世ーーは、ぷっと肩を振るわせている。じりじりと追い詰められたおれは、″発作″によって、関西弁を発動した。
「堪忍やわ~。おれのオトン、ちィと後ろ暗いことしているさかい、言われへんかったんや。」
おれは周囲の反応は無視して、張り付けた笑みで続ける。保護者は、今度は顔全体でギョッとしたようにおれをみた。「オトンって………」ガシリと保護者を掴み、目線で「あわせろ」とアイコンタクト。しぶしぶながらつきあってくれた。東都タワーの件は忘れたとは言わせない。あれのせいで劇場版にキャスティングされて、おれ下手したらしんでたからな!(必死)
ルパンはとうとう腹をかかえ始めた。江戸川君は拍子抜けしたように「………お、おやこ…………」とつぶやいている。見た目はまったく親子にみえないから、彼の中では衝撃の真実(笑)だったのだろう。おれもびっくりした、まさか江戸川君にここまで突き止められるとは…………警戒レベルをもっと引き上げないと、おれのマダオライフに支障を来すおそれがある。…………ガッデム!!