当小説はニコニコ動画に投稿されている本体氏の動画の三次創作となっております。動画を未だご視聴なさっていない方は動画を見てから当小説をお読み頂く事を強くお勧めします。
大体題名通りの話です。デュエルシーンは殆どありません。

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題名通りの話。
ジュノンさんがブイブイ言わせていた頃を描きたかった。


世紀末ジュノンさんが初めてブラスターと出会った時のお話

この話は、私が若かった頃の話。

征地にて吼える竜を。

抵抗を嘲笑う奇術師を。

連立位相体の果てにて至る多元宇宙を。

未だ、知らなかった頃の話。

面白いものでも無い。聞いて心地の良いものでも無い。

でも『彼』に問われたのなら、答えるのも吝かではない。

そんな話だ。

 

そう、始まりは私が破門の印を押される前にまで遡る──

 

 

 

私は魔導の研鑽を積む者達の拠点にして最大の魔導書院──ラメイソンの一角にて、魔導書の蒐集と記録の役を担っていた。

与えられた小さな書庫(私の図書館)の中、発見、開発された魔導を基に日々新たな魔導書を編む。出来た魔導書は纏められ、自分の小さな書庫からラメイソンの一部へと変化していく。そして誰かがその魔導書を手に取り、新しい魔導の道を拓く。

私の図書館はその営みを繰り返す為だけにあった。

昔日の私にとって、その様なただ繰り返すだけの日々に物足りなさは感じていたものの、それでも十分幸せな毎日ではあったのだと思う。

 

全てが変わったのはあの日。

冥界の闇を研究していたラモールが、実験の失敗によりその闇に呑み込まれかけた事があった。話を聞いた二人の皇──法皇と皇聖の名を冠するラメイソンの管理者、ハイロンとトリスは、研鑽された魔導を以って別次元の神の力を引き出し、見事その闇を打ち払った。

私はその時、死神の力という闇をも晴らす光に、新しい次元の扉を見た。

彼等の魔導に、新たな可能性と訪れるであろう魔導の革新を理解したのだ。

 

『是は、新たな魔導書足り得る』

 

そう判断した私は、研究を重ね、彼等を相手に自らの意見を論じた。

だがしかし、彼等は私を認めなかった。

それどころか私が論じた魔導を禁呪として、永遠に封じるべきだと断じた。

理解出来なかった。

蒐集すべきモノが在りながら、どうしてそれを諦める事が出来るのか。

私には、認められなかった。

 

だから、その力に手を伸ばした。

 

龍を、絶対を屠る力を

 

闇を、混沌を統べる力を。

 

神を、万象を超える力を。

 

 

今こそ、新たな魔導書を──

 

 

気付けば私は破門されていた。

多くの仲間達が、私から離れていった。それでも私の周りに居たのはバテルやシスティ位だった。

 

「いやだってジュノンさん、破門にも何も言わずにラメイソンから出て行っちゃいましたし。これは書士として真意も何も聞かずにはいられない、って追っていたら、何時の間にか自分も同罪になっていたと言うか……ぶっちゃけ自分が一番の被害者ですよ、全く」

 

「私は教士として、道を違えた者を正さなくてはならないからです。無論、貴女の言い分にも一理はある事でしょう。けれども世の中、全ての物事が正位置で成り立つ訳では無いのです──ジュノン。私は、貴女にその事を知って欲しくて、貴女と共に歩んでいるのです」

 

それでも、私は一切構わなかった。

──思えば私は、自分が手に入れた万能感に酔っていたのかもしれない。戦場から戦場へ駆け、数多の死体を築き上げて。誰もいなくなった虚無の荒野で、一人酔い痴れた。

 

 

 

そして、彼に出逢った。

 

 

 

「『ブラスター』効果ッ!伏せカードを破壊!」

 

赤き暴竜がその身を焔と化して、フィールドを駆け巡る。

 

「チェーンで『ゲーテ』ッ!対象は『テンペスト』!」

 

焔が全てを焼き尽くす前に、使用された魔導書の残滓を利用して新たな魔導書を起動する。起動された魔導書は空間を歪め、嵐纏う竜を次元の彼方に消し飛ばした。

 

「除外された『テンペスト』効果ァ!『ライトニング』サーチでそのまま『ライトニング』効果ッ!再臨せよ、『テンペスト』!」

 

が、竜は舞い戻る。転生を繰り返し、自らの征地へと何度でも降り立つ。

 

「なっ……まさかっ……!」

 

「『テンペスト』と『レドックス』で『幻獣機ドラゴサック(サック)』!『サック』効果でトークン生成、トークンを生贄に『光と闇の竜(ライダー)』!バトル、『サック』と『ライダー』でダイレクトアタックッ!」

 

機械仕掛けの幻獣がその兵装を解放する。混沌にして秩序の竜が最果てに向け咆哮を挙げる。その爆撃が、号咆が、全てを焦土と化す暴圧となって私を減し潰す。

 

「私が……ッ!?」

 

「『焔征竜─ブラスター』でダイレクトアタック!」

 

焔が迫る。

回避する術はない。

身を守る術もない。

 

「っ……ぁぁぁあああッ!」

 

私はこの日、初めて壁という物を思い知った。

 

 

──────────────────────────

 

 

「……──ノンさん?ジュノンさーん!」

 

「っ。……はい、何でしょう」

 

彼の声で目を覚ました。

 

「大丈夫ですか?もしかして、結構疲れてます?」

 

「……いえ、少し考え事をしていただけです」

 

時は世紀末。

自分もあの頃から大きく変わった。

あの環境を超え、最終戦争を経て、世紀末に至り、多元宇宙にまで辿り着いた。

それなのに、何故、自分はあの頃の夢を見ていたのだろう。

 

「いいえ、確かに寝ていましたよ。全く……働き過ぎなんですよ、ジュノンさんは。大会の準備に忙しいのはわかりますが、もっと休み休みでも良いじゃないですか」

 

「それは貴方が働かないからなのですが」

 

「うぐっ……いや、招待状出したり、土地の整備したりしてますし……一応」

 

「他は全部私に任せっきりだったじゃないですか……」

 

まぁ、それでも。確かに

 

「少し、根を詰め過ぎたのかもしれませんね」

 

彼の言う事にも、一理はあるだろう。

 

「ここらで一回、休養でも摂りますか」

 

「あ、良いですね。どうせですし、一緒にどっか出掛けてみます?」

 

「ふむ、それも一興ですね……どうでしょう?一緒に映画鑑賞等してみるのは。兼ねてから噂されていた新作が公開されたようですし」

 

手元に前売り券を創造しつつ、彼に尋ねる。

 

「あ!良いですね!自分も気になってたんです!いやぁ、デッキに入る様なカードが出て来てくれると良いなぁ!」

 

彼はそう言いながら、懐から前売り券を取り出した。

 

「……一枚、飛びっきりのカードがありますが」

 

「え?!本当ですか!」

 

「貴方は本当、外の情報に疎いですね……」

 

そんな他愛のない雑談を交わしながらも、現世に通じる回廊を創り上げる。

 

思えば、こうやって彼と話すのも何時振りだろうか。

 

「……ジュノンさん?」

 

「いいえ、何でもありません──ただ、少しだけ」

 

 

休養次いでに夢の追憶をしてみるのも悪くはないかもしれない。

 

あの日の自分がいたからこそ、今の自分があるのだから。

 

 

少しは思い出に浸っても──罰は当たらないだろう。

 




劇場版といえば、そういう事だ

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