セルヴァルちゃん   作:くにむらせいじ

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 まえがき

 これは後編です。検索サイト等、何らかの理由で、前編を読む前にここに来てしまった方は、
セルヴァルちゃん 前編」を先にお読みください。





セルヴァルちゃん 後編

 

 

 夜。

 

セルヴァル 「なんでそんなもったいないことするの!?」

 ベッドにあおむけになったかばんの上に、セルヴァルが馬乗りになっていた。

かばん   「一応食事はしたから、体力は回復したみたいだよ」

セルヴァル 「そうじゃなくて、やり残したこと、あったでしょ!」

かばん   「今日は、なんか頭がぼーっとしてて、何もしたくなくなっちゃったんだ。ベッドに横になると、昨日の夜のことばっかり思い出すんだよ。昨日のセルヴァルちゃんの爪、すごかったなーって」

セルヴァル 「そりゃあ、初めてだったからね。…………でも、それでだらだらするなんてなまけ者だよ。もう一日だけチャンスをあげるから、がんばってみなよ?」

かばん   「そこまでしなくて大丈夫だよ」

セルヴァル 「……早く死にたいの?つらいことがあるの?」

かばん   「つらいことはあんまりないよ。そこそこ幸せだよ。やりたかったことはほとんどやったし、目標も達成しちゃった。やり残したことなんてほとんどないよ。だから、今すぐ死んでもかまわない」

セルヴァル 「……つらいことがないのに死んでもかまわないなんて言うの!?」

 セルヴァルが怒りをあらわにした。

セルヴァル 「わたし、死にたいって思っている人もたくさん見てきたけど、痛くてたまらない病気とか、まわりからのけものにされてるとか、一番の生きがいがなくなってしまったとか、みんな、すっごく苦しんでたよ! かばんくん、贅沢なんだよ! やりたいことはまた見つければいいでしょ! 消極的すぎるよ!」

かばん   「……お説教するの? なんかセルヴァルちゃん、変だよ、大丈夫?」

セルヴァル 「あれ?なんでこんなこと言ってるんだろ?……かばんくん、なんで?」

かばん   「なんでって、言われても……確かに贅沢で消極的なんだけど、それが正直な気持ちなんだ。…………それに、やり残したこと、昨日の夜に達成しちゃったんだよ」

セルヴァル 「童貞捨てた、ってこと?」

かばん   「それもあるけど、それだけじゃないんだ」

セルヴァル 「なにそれ?」

 

間。

 

かばん   「僕…………セルヴァルちゃんのこと、…………好きになっちゃったみたい」

セルヴァル 「……へ?…………ええええ!!…………それ、恋じゃないよ!わたしにえっちなことされたから、勘違いしちゃったんだよ!」

かばん   「そうなのかな?よくわからない……経験がないから、わからない……」

セルヴァル 「そうだよ!変なこと言わないでよ!…………ジャギュアに言われたよ。たまに勘違いしちゃう人がいるから、気をつけろ、って」

かばん   「ふしぎな気持ちだから、勘違いじゃないと思うんだけど…………僕、今まで、本気で人を好きになったこと、無かったんだ。…………たぶん、これが初恋」

セルヴァル 「その歳で!? 片思いくらいあったでしょ!?」

かばん   「無かったよ。それがやり残したこと」※12 

セルヴァル 「そんなことありえないよ! 普通に暮らしていたら、自然に誰かを好きになるものでしょ? コントロールできるものじゃないよ!」

かばん   「好きになったことに、気づいていなかっただけなのかもしれない。家族愛は理解できるけど、恋愛はわからないから。LoveとLikeの違いも全然わからない。でも、本当の恋って、気づかないような軽いものじゃないでしょう? たぶん、僕が子供のままだったからなんだ。だから恋も無かった。それに、人をまっすぐに見ようとしなかったからね。逃げ回ってた。見ないものを、好きになるはずないでしょう?」

セルヴァル 「……どうりできれいなわけだ……でも、そんなの極端すぎるよ!」

かばん   「そうだね。僕は変わり者なんだ。でもセルヴァルちゃんも相当な変わり者だよ? ………… そんな、セルヴァルちゃんのことが、好き」

セルヴァル 「……嘘だ…………勘違いだよ……勘違い……………」

かばん   「…………えっと……手だけでも自由にしてもらえないかな。夢の中からの脱出は不可能でしょ?」

セルヴァル 「…………全部自由にしてあげるよ……かばんくん、この夢のマスターはかばんくんなんだよ。サキュバスは、夢の中にいる獲物のにおいを感じて、目星をつけたら、ダイブ!して、記憶へ割り込むの。そして、マスターから夢のコントロールを奪う。だから、かばんくんがその気になれば、わたしを追い出すことも……消すこともできるんだよ?」

かばん   「……僕を試すの?」

かばんは起き上がり、ゆっくりとセルヴァルに抱き着いた。

かばん   「すっごい勇気がいるんだよ、これ」

 かばんは、体を離し、セルヴァルに顔を近づけた。

 ふたりの唇が重なった。の浅いキスから、深いキスへ。

 唇が離れた。

セルヴァル 「汚れてる……汚しちゃった……」

 

 間。

 

かばん   「セルヴァルちゃんは、僕のこと、どう思ってるの?」

セルヴァル 「…………嫌いだよ。大嫌い」

 

 間。

 

かばん   「……ふられちゃった…………ほんとに痛いんだね、これ。知らなかったよ……」

 かばんがうつむいて、声を震わせた。

セルヴァル 「ご、ごめん…………嫌いじゃなくて、えっと、お友達。……ごめんね。両想い、経験したかったよね?…………やっぱり現実で、人間に恋してみたかった?」

かばん   「やさしいんだね。やっぱり変な悪魔……サキュバス」

セルヴァル 「やさしくないよ!」

かばん   「僕はセルヴァルちゃんが好き。それだけ。それで満足」

セルヴァル「……もう手遅れなんだよ。かばんくんの寿命は縮んでしまったの。命を返してよ、って言われても返せない。それに、一度吸ったら、最後まで吸いつくさなければ気が済まなくなる。 ……かばんくんにわかりやすく言うなら、麻薬みたいなもの、かな」

かばん   「さっきもう一日待ってくれるみたいなこと言ってたけど、それってすっごくつらいんじゃないの?」

セルヴァル 「へーきへーき。一日くらいなら大丈夫、だよ……」

かばん   「……大丈夫じゃないんだね?」

セルヴァル 「…………」

かばん   「セルヴァルちゃん、僕の命をもらうんだよね?続きをしようよ」

セルヴァル 「…………手足が自由になったから、いろいろできるね。…………かばんくんの好きなようにしていいよ」

 

 かばんの夢の中。かばんとセルヴァルのいるアパートが、灰色の中に浮かんでいた。

 

かばん   「好きな人の前で全部脱ぐのって、なんていうか……」

セルヴァル 「服のままする?わたしは脱いだほうが好きなんだけど」

 

  パチン、指を鳴らす音がした。

 

セルヴァル 「ひどいよー!かばんくんも脱ぎなよ!」

 

 ふたりのいるアパートの周囲には「背景」の名残の灰色の球体がたくさん浮かんでいた。

 

かばん   「セルヴァルちゃんの胸、やっぱりおっきいねー、でもまあ、騒ぐほどでもないか」

セルヴァル 「その言葉、昨日のお返し?かばんくんの好きな大きさにすればいいよ」

かばん   「僕はデフォルトのままがいいの」

セルヴァル 「かばんくんそれゲームの話でしょう……」

 

 アパートの周囲にあった灰色の球体が、消えていった。

 

セルヴァル 「あっ……んん……かばんくん……うまくなったね」

かばん   「セルヴァルちゃんまかせじゃ、だめだからね」

 

 アパートが、ふたりのいる部屋を残して形を失い、消えていった。

 

かばん   「……んっ……んっ……んっ」

セルヴァル 「……そうそう……あっ、あっ……がんばって……」

 

 ふたりのいる部屋にあるテーブルや棚、テレビ、壁掛け時計などがぼやけて、消えていった。

 

かばん   「はあ、はあ、はあ…………」

セルヴァル 「ここでちょっと休憩!」

かばん   「いいよ……続けよう」

セルヴァル 「まあまあ、気軽にいこうよ」

 

 ふたりのいる部屋の壁や天井がぼやけて、灰色に変わり、消えていった。

 

セルヴァル 「負けないぞー、もう一回!」

かばん   「あの、ひとつ思いつきが……」

 

 ふたりのいる部屋の床も消えて、ベッドが灰色に浮かんだ。

 

かばん   「背中から、おしり……きれい……しっぽは上げたほうがいいのかな?」

セルヴァル 「この恰好あんまりやらないから、恥ずかしいよ……」

かばん   「かわいい……」

 

 夢の中の世界が、周囲からゆっくりと、灰色から黒へ、「無」へと変わっていった。

 

かばん   「ふう……さすがに、ちょっと、キビシイねー……」

セルヴァル 「今日はここまで!」

かばん   「さいっこーに楽しかった……。まんぞく」

セルヴァル 「……あぶなかった……わたしもすっごい楽しかったから、もらいすぎちゃったかも ……ちょっと苦しいかな?体は痛くない?」

かばん   「気遣ってくれるの?やっぱりやさしいじゃない。大丈夫だよ。この疲れた感じも気持ちいいよ……命は三分の一以下になったのに、ふしぎ……」

セルヴァル 「夢の中だからね。……朝起きたらびっくりするよ」

かばん 「…………セルヴァルちゃん、セルヴァルちゃんは、どのくらいの人、殺してきたの?」

セルヴァル 「かばんくん急になに言いだすの?…………112人、だね。 かばんくんは、113番目だよ」

かばん   「自分の歳は覚えてないのに、殺した人の数は覚えてるんだね。それもやさしさからじゃない?」

 セルヴァルが笑顔になり、明るい声で言った。

セルヴァル 「殺した人の数はスコアなんだよ! たくさんだと自慢できるの!」

 セルヴァルが笑顔を消し、冷たい声で言った。

セルヴァル 「次に“やさしい”なんて言ったら、本当に目玉くり抜くから」

 セルヴァルは、左手の人差し指の爪を、かばんの右目の前に持って来た。かばんは、一回まばたきしただけで、目を閉じなかった。

かばん   「僕はかまわないよ。セルヴァルちゃんにされるならかまわない。どうせもうすぐ死ぬんだし。痛いのは嫌だけどね。“下の玉”を潰すのだけはやめてね」

セルヴァル 「かばんくん、今日はかっこいいね!じゃあ、次にやさしいって言ったら、おしりにセルリアン突っ込むよ!」

かばん   「だから、なんなのそれ、ギャグ?」

セルヴァル 「ギャグじゃないよ!」

 

 

 翌朝。

 

 かばんがベッドに寝ていた。かばんは目を開け、ミイラのようにやつれた、震える右腕を持ち上げ、それを見つめた。右腕がベッドに倒れた。かばんは目を閉じた。

 

 

 夜。

 

 かばんの夢の中。そこには、あおむけになった裸のかばんと、その上に馬乗りになった裸のセルヴァルしか存在せず、周囲は「無」だった。かばんの姿はやつれていなかったが、ピントがずれた写真ように少しぼやけていた。

 

セルヴァル 「もう動けない?……もう少しだけ、おはなしできるよ……なにも無いとさびしいから、ちょっと色をつけるね」

 

 セルヴァルが左手を上げ、パチンと指を鳴らした。

 

 ふたりの周りに色がついた。オレンジから赤、赤から紫、紫から青へ流れる複雑なグラデーション。オレンジ色の、低い太陽。オレンジ色の光を受けて、立体感を増した雲。眼下は全て海で、太陽の光を受けてオレンジ色のキラキラした線がのびていた。

 

かばん   「すごい色……ちょっと怖いけど、きれーだねー」

セルヴァル 「これ作るの、大変だったんだよー。楽しんでもらえるといいんだけど」

かばん 「セルヴァルちゃん、おもしろいもの作るんだね……でもちょっと過剰演出じゃない?」

セルヴァル 「ひどいよー。こんなにがんばって作ったのに、いいじゃない!」

かばん   「今日はちゃんと指が鳴ったね」

セルヴァル 「練習、したから……」

かばん 「…………ほんとに変なサキュバス。セルヴァルちゃん、ちょっと雰囲気が変わったね」

セルヴァル 「それもやだなー。かばんくんのせいだよ?」

 

 「背景」の太陽が、ゆっくりと低くなりながら赤くなっていき、海面の反射も赤くなっていった。

 

かばん   「最後まで、ずっとつながったままなの?」

セルヴァル 「そうだよ。命をもらうんだからね」

 

 間。

 

かばん   「セルヴァルちゃん、サキュバスも恋をするの?」

セルヴァル 「するよ。もちろん。……今それを訊くの?」

かばん   「この背景のせいかな。セルヴァルちゃんを、もっと知りたいなって思ったんだ。 セルヴァルちゃんの初恋は、どんなだったの?」

セルヴァル 「…………訊かないで」※13

かばん   「……ごめん………………ちょっと……その人がうらやましいな…………」

 

 「背景」の色が、ゆっくりと変化していった。オレンジが赤へ、赤が紫へ変わっていった。

 

セルヴァル 「かばんくん……えっと、えっとね………………ほんとは……」

 セルヴァルが目を閉じて、小声になった。

セルヴァル 「やっぱ無理だ……」

かばん   「なに?」

 

 「背景」の太陽が、ゆっくりと水平線に沈んでいった。海面の赤い反射が消えた。

 

 セルヴァルが笑顔を作った。

セルヴァル 「…………楽しかった。かばんくんといると飽きないから、産まれ変わって、どこかで出会えたら、また遊びましょ」

かばん   「すっごくうれしい。いつ死んでもいいって思ってたのに、もっと生きたいって思えるよ」

セルヴァル 「ふふっ、それは普通、逆じゃないの?…………逆……じゃないの……」

 

 「背景」の赤が消えていき、紫が増えていった。

 

かばん   「短い間だったけど…… ありがとね。………… ほんとに、セルヴァルちゃんが、来なかったら、僕……」

セルヴァル 「ありがとねって、そんなの……自分を殺す相手に、言っちゃだめなんだよ」

 セルヴァルの声が震えた。

かばん   「……セルヴァルちゃんの……そういうところ……好き」

 かばんが目を閉じて、笑顔になった。かばんの目から涙が、耳に向かって流れた。

セルヴァル 「く……」

 セルヴァルが歯を食いしばった。かばんが目を開けた。

 

 「背景」は、赤紫から、青紫、青へ流れるグラデーションになった。青かった部分が黒に変わっていき、星が見え始めた。水平線から月がのぼってきた。

 

セルヴァル 「ここまでよくがんばったね。自慢の爪の、本当の使い方を教えてあげるよ」

 セルヴァルは、かばんの顔の前で両手を広げ、全ての指の爪を出した。爪は今まで出してきた時よりも長く、指の長さの三分の二ほどあった。

かばん   「こわい!、こわい!、こわい!」

セルヴァル 「大丈夫。すっごく気持ちいいから!……じゃあ、いくよ!」

 セルヴァルは、両手の爪を左右からかばんの頭に突き刺した。小指が耳たぶの後ろ、親指が耳の前やや上に刺さった。クリームにフォークを突き刺すように、爪は簡単に根元まで入った。出血は無かった。

かばん   「!」

 かばんの体がぴく、と反応した。かばんはまぶたを強く閉じた。

 

 「背景」を広く覆っていた紫が、青くなり、黒へ変わっていき、「背景」全体が星空に変わっていった。月がゆっくりとのぼっていった。眼下の海は暗くなり、月の光を反射してキラキラと光っていた。

 

セルヴァル 「……ふぅー……これ、心も体もつながっちゃうから、お互いに気持ちいいんだよー。すっごく甘くて、とろけちゃうよね?」 ※14

 かばんがうっすらと目を開けた。

かばん   「気持ちいいねー……あったかい……ふわふわ、してて……すっごい、気持ちいい」

セルヴァル 「最初に言ったでしょ?……気持ちよく、死なせてあげるって」

かばん   「……やさしい………………ありがとう…………元気で……」

 かばんが目を閉じ、最後の涙がこぼれた。

 

 月が高くのぼり明るくなった。海が消えて「背景」が完全に星空に変わった。

 

 セルヴァルが、かばんにキスをした。セルヴァルの喉が動き、こくん、こくん、とかばんの命を飲み干していった。かばんの体がやせ細っていき、ミイラのように骨と皮だけになった。やがて皮が砕けてぼろぼろと崩れ落ち、かばんの体は骨だけになった。セルヴァルが唇を離し、頭の骨から爪を引き抜くと、かばんの骨が砕けて、粉になった。セルヴァルが軽く上体をおこし、粉になったかばんの遺物を見つめると、それは星空に溶けて、消えていった。

 

 「背景」の星と月が消えて、「無」に戻った。

 

 泣き崩れるセルヴァルの姿も、「無」に溶けて、消えた。

 

 

 

 

 真っ黒な空間に丸いテーブルがあり、セルヴァルとジャギュアが向かい合って座っていた。セルヴァルはテーブルに突っ伏していた。

ジャギュア 「セルヴァル、またやってしまったねえ」

 セルヴァルは肩を震わせて、すすり泣いていた。

セルヴァル 「……どうして!?……どうしてこんなことに……うう……ぐす……わたし、また相手間違えちゃったの? ……ぐす……」

ジャギュア 「だから言ったんだよ、気をつけろって」

セルヴァル 「……うう……だって、だってコントロールできるものじゃないもん!」

ジャギュア 「その三日ルール、やめればいいんだよ」

 ジャギュアは、テーブルに突っ伏すセルヴァルに顔を近づけた。

ジャギュア  「ね。かんたんでしょ」

 セルヴァルが顔をあげ、泣き腫らした顔をジャギュアに向けた。

セルヴァル 「…………わたしには、ちょっと無理かも。

       一日目は、出会いの日。

       二日目は、未練を無くす日。

       三日目は、お別れの日。

       これは、変えられないの」

ジャギュア 「変わった子ね」

 

 

 

 

 おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※12 ケビンくんにとって、恋愛や結婚はそれほど重要なものではなく、いつかでいいかな、と思っていました。また、彼は恋愛以外のやりたいことはほとんどやったから、いつ死んでもかまわない、と考えていました。ただ、恋をしてみたかった、という小さな心残りがあったのです。

 

 ※13 セルヴァルちゃんの初恋は、彼女が「三日ルール」を始めるきっかけになりました。

 

 ※14 ケビンくんの夢(記憶)に、セルヴァルちゃんが割り込んでいる時点で、すでにふたりの心はつながっているのですが、ふたりの気分が乗らないと、心がとろとろに溶け合って気持ちよくなることはできません。そのための物理的(疑似)行為が、セルヴァルちゃんの場合は爪を頭(脳)に突き刺す、なのです。ふたりの心が溶け合った状態になると、サキュバスは命を奪いやすくなります。(心が溶け合った状態にならなくても、命を奪うことは可能です)同様のことを、ジャギュアさんは舌を使って行います。

 




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 原作とのつながりがほぼ無い物語を、原作の要素(主にセリフ)でデコレーションしました。無理をして原作のセリフを挟んだために、不自然になってしまった所が多いです。
 セリフを大幅にアレンジしていたり、単語だけを切り取って挟んだ所もあります。セリフの引用ではなく、似せて書いた所もあります。歌の歌詞も混ぜています。
 こんなことやっていいのか?という不安がありましたが、二次創作は自由なんだから、と言い訳をして、書いてしまいました。二次創作とは呼べないパロディのような気もしますが。
 この中から原作のセリフを探す、という遊びができそうですが、かなり見つけるのが難しそうな所もあります。筆者も忘れてしまった所があるかもしれません。

 「きれい」についてですが、無垢なものよりも、色がついた、少し汚れたものの方がきれいなんじゃないか、と、思います。
 ケビンくんが、セルヴァルちゃんと出会わずに年を取っていったらどうなったでしょうね。80歳を過ぎてから初恋、なんて嫌すぎます。でもそれはそれでロマンチックかもしれません。
「いい子にしないと、おしりにセルリアン突っ込むよ!」というセリフが気に入っています。

 このおはなしは元々は短編集「ジャパリ・フラグメンツ」の中にあったものですが、少し長めなので、分離して再投稿しました。



 < セルヴァルちゃん > オリジナルキャラクターの設定

 セルヴァル

 サキュバス。外見はけもフレのサーバルの毛色が黒くなった感じ(ブラックサーバル?)で、頭の上に、けもの耳のかわりにコウモリのような羽(夢のツバサ)がある。背羽は無いが、空は飛べる。しっぽはけもフレのサーバルに似ているが、黒くてうっすらと縞模様があり、先端が曲がっている(かぎしっぽ)。細長くて光る鋭い爪を持ち、出し入れが可能。左利き。正確な年齢は不明で、360~390歳くらい。外見の年齢は「標準」の状態で10代後半くらい。相手の好みに合わせて、外見を多少変化させることができる。 実はサキュバスのフレンズ。
 明るく天真爛漫な性格。悪いことを笑顔で行うが、根はお人好しで真面目。サーバルと違って「みゃみゃみゃ」などは言わないが、「うぎゃー!」は言う。一人称はわたし。好きな食べ物はたこ焼き。
 「セルヴァル」はサーバルをフランス語風に読んだもの。


 かばん(ケビン)

 無気力な青年。おそらく日本人。かばんはあだ名で、本名はケビン。性は無い。一人称は僕。年齢は20代中頃。身長は170cm強で少しやせ型。顔はけもフレのかばんにちょっと似ていて、やや童顔だが、中性的ではなく完全な男。精神面は、無駄な知識が多いだけの子供で、人付き合いが苦手。地方都市の住宅地にあるアパートで一人暮らし中。自動車部品メーカーで設計の仕事をしている。


 ジャギュア

 サキュバス。セルヴァルの親友であり先輩でもある。年齢不詳(セルヴァルより年上)。毛色が黒いがブラックジャガーではない。舌が長く、キスが得意。セルヴァル同様、サキュバスのフレンズ。
 「ジャギュア」はジャガーをイギリス英語風(アメリカ英語ではジャグワーみたいな発音)に読んだもの。攻撃機の名前で有名。


 ラック(ボス)

 インキュバス。サキュバスたちから慕われてるが、セルヴァルとはあまり仲が良くない。似たようなやつがたくさんいる。




 おまけ


 う゛ぁんぱいあどうぶつこうえん もりがんおねえさん(かぷこん)

 セルヴァルはねえ、基本的には東洋の日本とかいう、地域に過ごしていて、若干ゃアニメが栄えてるとこだから、そういう所で夢に入りやすいようにセルヴァルはあの可愛らしい顔で、あと胸も大きいから若い、男を誘惑できるように(中略)器用さぁ、でしょうねぇ。深い所にスッと、爪を突き刺せるサキュバスで、けっこう痛めつけることが好きだから、怒ると、目玉の一つや二つ、余裕でくり抜いちゃうわね。


使用楽曲コード:22493352,71665714,71700897


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