チユリ「何冷静にストーリー語ってんのよ、自分が葛城巧未を殺したかもしれないのに!!」
兎美「あんたね...あらすじ紹介に私情挟むんじゃないわよ」
チユリ「あんたが葛城を殺ってるなら、ハルとは一緒にいさせないわよ!!」
兎美「だからそれは!!本編見ないと分からないでしょうが!!てなわけでどうなる第7話!!」
その日ハルユキは、どうやって残りの授業を受け、お昼に何を食べ、どの道を通って帰宅したのか、殆ど思い出せなかった。
ハルユキは今、自分の部屋のベッドに制服のまま寝転がり、ぼんやりと天井を見上げていた。
1日の記憶の全てが、半透明の緩衝材に包まれ、音もなく暗闇の中に転げ落ちていくようだった。
まるで、何もかもが夢だった、とでも言うかのように。
――そうだ、夢なんだ。
現実の筈がないじゃないか。
声に出さずにそう呟く。
もちろん、今すぐ加速し、マッチングリストから適当な相手を選んでデュエルすれば、事の真偽は容易く明らかになる。
背中に羽根があるかどうかなんて、見なくても解る。
しかし、実際に確かめる気にはならなかった。
それにスタークとの戦いで、クローズドラゴンが調子が悪くなってしまい、現在は兎美が修理中だ。
兎美は自分が殺人犯かもしれないと不安になってるにも拘らず、自分が出来る事を頑張ろうとしている。
こんな所で寝てる場合じゃないと考えベッドから出ようとした、その時。
聴覚に直接、軽やかな来客チャイムの音が響いた。
母親宛の届け物か何かだと思ったが、視界に来訪者の映像が小さなウインドウが表示されその考えが消えた。
そこには赤いアンテナのような髪型が、ちょこんと映っていた。
突然の来訪者に驚きつつも、ハルユキはホロダイアログの開錠ボタンを押した。
のそのそと廊下に出ると、ちょうどドアを開けて玄関に入ってきたニコと目が合った。
「久し振り、お兄ちゃん♪」
天使モードで話しかけてきたニコだったが、ハルユキはそれ所では無かった。
「いやいやいやいや!!!こんな所で何してんだよ!!?」
《プロミネンス》のレギオンマスターである赤の王、《スカーレット・レイン》が家に訪れた事にハルユキは驚きを隠せないでいた。
「何だよ、用がなきゃ来ちゃ行けないのかよ」
「いや...別にそういう訳じゃないけど...」
拗ねるニコに、ハルユキはそう呟いた。
「こんな所で話すのも何だし、さっさと部屋に行こうぜ」
お前の家じゃないのに何で仕切ってんだよ、とそんな事を言える度胸が無い為にハルユキは胸の内に仕舞い込む。
「所で、お前以外に誰もいないのか?」
出てきたのがハルユキだけだったので、ニコは質問する。
「いや、皆兎美の部屋に居るよ」
「皆?」
そこでニコは、いつもより靴が1つ多い事に気付いた。
「誰か来てるのか?」
「ニコは一度会ったことがあると思うけど、俺の幼馴染のチユリが来てるんだよ」
ニコは初めてこの家に来た時に会った、2人の幼馴染の事を思い出した。
「なるほどな、じゃあさっさと行こうぜ」
勝手知ったる他人の家、ニコは自分でスリッパを取り出して兎美達の部屋に向かう。
「よう!!お前ら久し振り...だな...」
ニコは部屋の扉を開け、元気よく挨拶するが部屋の現状を目に入れた途端、語尾がどんどん弱くなっていった。
なぜなら...。
机の上で兎美がクローズドラゴンの修理をしてるのを、柱から隠れてチユリが覗いている姿が目に入った。
兎美が道具を取りに席を立ち、また元の場所に戻る。
その間も、チユリは兎美の後ろを追いかけ回している。
「えっと...チユリだっけ...?どうしたのあいつ?」
「帰ってきてからあんな感じ、まるでストーカーだよ」
帰ってから何も変わってない部屋の状況にため息を付きながら、ハルユキは説明する。
「あんたが葛城巧未を殺ったんでしょ?」
「そのフレーズ、帰ってきてから28回目」
兎美はクローズドラゴンの修理を終え、別の作業へと入る。
「何度言ったら分かるのよ、私が殺ったって言う証拠が何処にあるのよ」
「あんたに決まってるでしょ!!能美だってそう証言してたんでしょ!?」
チユリにそう言われ、兎美は能美に言われた事を思い出す。
『まさか有田先輩...兎美先輩が葛城巧未を殺した殺人犯だったなんてね』
それと同時に、兎美の後輩である岸田立弥の言葉も思い出す。
『姉貴が消えた9月5日...新薬のバイトで姉貴を車で送って行ったんですが...、それが...葛城巧未っていう科学者の部屋なんです...』
「え?ちょっと待て」
そう言うと、ニコは今までの事を整理する。
「1年前の9月5日、この日から葛城巧未は行方不明になっている。けど、その日に兎美が葛城巧未の部屋に訪れていた」
「えぇ、恐らく記憶を失ったのも拍子に殺してしまったショックで失ったんじゃ...」
「だから勝手に決めつけないでよ!!私が帰った後で事件に巻き込まれたかもしれないでしょ!?」
チユリの話を聞いていた兎美は我慢が出来なかったのか、興奮気味に反論する。
「それに記憶がないんだから」
「またそれね、都合よく記憶喪失に逃げて...あんたが本当に人殺しだったら、これ以上ハルと一緒に住まわせる訳には行かないわ」
声を荒げ、チユリは兎美を責め始める。
「もしあんたのせいでこれ以上ハルを傷つけるなら私だって許さ「バッァァァン!!!」きゃあっ!!」
声を荒げるチユリを止めようとハルユキが動く前に、ボトル製造機の扉が勢いよく開いた。
「人が喋ってるときに、爆発するんじゃないわよ!!」
チユリが文句を叫ぶ中、兎美は出来たボトルを確認すべく扉に近づく。
扉の中には、『パンダフルボトル』が入っていた。
「おおっ!パンダ!可愛いね~どっかの五月蠅いサルとは大違いだよ」
「誰がサルよ!!」
チユリの質問に、兎美はチユリを指差すがその間に扉から出てきた美空の姿があった。
『あっ...』
「疲れたし...眠いし...」
そう呟いた後、美空は兎美とチユリの顔を見る。
「まーだやってるし」
ハルユキ同様、兎美とチユリのやり取りがまだ続いてる事に美空は呆れる。
「さっさと罪を認めて自首してきなさいよ」
「だったら証拠を持ってきなさいよ。言っとくけど、あんた意外誰も私がやったなんて思ってないから」
自信をもってそう言い切った兎美だったが、そこでニコと美空が悪ふざけを始める。
「え~、有田兎美もとい佐藤花子容疑者はどんな人物でしたか?」
ニコはマイクを持っているようなジェスチャーをして、そのマイクを美空に向ける。
「普段から~自分の事を天才物理学者とか言ってる危ない人だったんで、いつかやると思っていました」
片手で自分の目元を隠し、モザイク掛かっている風の声で話す。
「思ってるんじゃないわよ、そんな事!!」
悪ふざけをする2人を止める兎美にチユリが近づく。
「ほら見なさい!アンタが葛城を殺ったんでしょ!?」
「でた~29回目、もう誰か助けてよ...」
崩れ落ちる兎美を見て、ニコが手を上げる。
「はいニコ!!」
「だったら、調べてみたらいいじゃねぇか葛城巧未の事」
パチンッと同時に指を鳴らし、兎美とチユリはニコを指差す。
『それだ!!』
☆★☆★☆★
一度帰宅した兎美だったが、もう一度学校へ戻って風紀委員室のパソコンで葛城巧未の事を調べ始める。
「あれ?有田さん今日は体調が悪いからって先に帰ったんじゃなかったっけ?」
兎美に話しかけたのは同じ風紀委員の眼鏡を掛けた男子生徒、
「体調も治ったんで戻って来たんですよ、ちょっと調べ物があって」
桑田の質問に、兎美はそう答える。
「何見てるの?」
そう質問したのはもう1人の風紀委員、
「葛城さんの研究データです」
葛城の研究データを調べてる事に不審に思ったのか、桑田と河合は顔を見合わせる。
「けど、妙なんですよね。毎日研究日誌を綴ってたのに、退学する前の一か月間更新が途絶えてるんです。それに、人体実験に関する情報もまるでない...どっかに隠したのかな?」
「隠したって何処に?」
兎美の話を聞いていた桑田が、そう質問する。
「最後の日誌だけ、どうでもいい内容なんです。それが引っ掛かって...」
そこで、兎美は1つの可能性に気付いた。
「もし私だったら...」
兎美はそう言うと、近くにあったボールペンに手を伸ばし紙に書き込んでいく。
「アナグラムを使う」
自分の部屋へと戻って来た兎美は、先程書いたメモ用紙を見せながらその場にいた全員に伝える。
「アナグラム?」
チユリはそう言うと、兎美の書いたメモを手に取る。
「文字の配列を組み替えて、別の文章にするの」
「最後の日誌をローマ字に変換して並び替えると、『全てを母親に捧げる』って文章になった」
『ふーん』
全員が感心してる中、チユリが手に取ったメモを見ると『最後はすべてへさようなら』という文章を並べ替えて書かれていた。
「母親の所にその隠した情報があるって事か」
チユリが持っているメモを覗き込み、ハルユキが質問する。
「人体実験に関わる事だし、1年前の真相に繋がるかもしれない。取り敢えず、葛城の母親に会ってみようと思う」
「杉並に住んでるの?」
母親に会うと聞き、美空は母親の居場所を聞く。
「ううん、杉並の家を引き払って今は港区の実家に住んでるって」
「港区って...」
「白の王《ホワイト・コスモス》が率いるレギオン、オシラトリ・ユニバースが領土にしている場所だな」
ハルユキが答えようとしたが、ニコが先に答えた。
「ホワイト・コスモス...」
ハルユキは黒雪姫とニコ以外の王は、見た事も会った事も無い為にどんな人物なのかも分からない。
「ねぇ、ニコ。白の王ってどんな人なの?」
ブレイン・バーストをまったく分からない美空が、王の1人であるニコに質問する。
しばらく沈黙が続いた後、ニコはようやく口を開いたが。
「.........知らねぇ」
もったいぶっておいて知らないと言ったニコに対して、全員の力ががくっと抜ける。
「知らないって...あんた王の1人なんでしょ!!?」
「しょうがないだろっ!!ホワイトコスモスは七王の会議にも自分は姿を見せず、代理を寄越す奴なんだよ」
美空の指摘に、ニコは反論する。
ニコの話を聞いていたハルユキは、かつてイエロー・レディオが黒雪姫に見せた七王会議の映像にも、塔のような姿をした白いアバターが映っていたのを記憶の底から掘り起こした。
「てか、お前は黒いのから聞いてねぇのかよ?」
「僕は聞いた事はないかな」
ニコの質問に、ハルユキは他の自分の記憶を思い出しながら答える。
「じゃあ、あたしから答える訳にはいかないな」
別のレギオンのマスターであるニコが、まだ黒雪姫が教えていない事を教える訳にはいかないと考え、ハルユキに告げる。
「話が逸れたわね」
葛城の母親の話から白の王へと話が変わってしまった為に、兎美が修正する。
「今から葛城の母親に会いに行くわよ!」
「なら、私も一緒に行く!!」
チユリが同行しようとするのを、ハルユキが止めようとする。
「駄目だ!!もし万が一に何かあったらどうするんだ!?」
「何よっ!!危険なのはハル達も一緒でしょ!!?」
「俺達は仮面ライダーに変身出来るけど、お前は自分の身を護る
「それでも!!私だけ蚊帳の外にされるのは我慢できないのよ!!」
「落ち着きなさいよ2人共、そんなに熱くなったら話も出来ないでしょうが」
口論を始めたハルユキとチユリを、兎美が止める。
「チユリには悪いけど、今回は美空と一緒にお留守番よ」
「なんでよっ!!?おかしいでしょっ!!?」
兎美が決めた事に、チユリは抗議する。
「さっきハルが言った通り、もしローグやスタークが襲って来たらどうするつもり?」
「ぐぅ...」
「それとハル、クローズドラゴンの調整はまだ終わらないからしばらくは変身出来ないわよ」
「なんでだよ!!?お前だったら直ぐに終わらせられるんじゃないの!?現に今だって元気に飛んでるじゃんかっ!!」
飛んでるクローズドラゴンを指差しながら、今度はハルユキが抗議する。
「思ってたより損傷が酷かったのよ。応急処置は終わって今は普通に動いてるけど、まだ修理は終わってないから変身しようとすれば電流が流れて感電するわよ」
「怖っ!!」
電流が流れると聞いて、ハルユキは恐怖で体を強張らせる。
「そういう訳だから、戦うならドラゴンフルボトルのみで戦ってね」
「へいへい」
ハルユキは翼だけでなく、仮面ライダーの力まで奪われた気持ちになりふてくされながら返事をする。
☆★☆★☆★
ファウストのアジトの1つ。
そこに、成海を連れた幻が現れた。
「何よ、話って」
幻はその場にいた人物に話しかける。
そこにはブラッド・スタークの姿があった。
「有田兎美達が港区に向かった」
「なんですって?」
「さぁ、どうする?万が一にもあいつらが仮面ライダーって知られたら台無しになるぞ?仮面ライダーを軍事兵器にしようとしているお前の計画が」
「港区行きは何としても阻止する、直ぐに向かうわよ」
「行くなら1人で行けよ」
その言葉を聞いて、幻は階段を上がる足を止めた。
「俺は誰の指図も受けない」
幻はポケットに突っこんだままの手を引き抜くと、その手に1本のボトルが握られていた。
カシャ、カシャ。
そしてもう片方の手にはトランスチームガンが握られていた。
そのトランスチームガンに、『バットフルボトル』を装填する。
『バット!!』
「蒸血」
『ミスとマッチ!』
トランスチームガンから煙が出てきて、幻の体を覆い尽くす。
『バット...バッ.バット...』
煙が晴れるとそこには、顔や胸部にコウモリの意匠を持ったナイトローグの姿があった。
『ファイヤー!!』
変身が完了すると、金と銀の火花がナイトローグの周りに飛び散る。
ナイトローグはコウモリの意匠を光らせると、一瞬でスタークとの距離を詰めて攻撃する。
それをスタークは、片手で防いで上に向かって弾き飛ばした。
しかし、ナイトローグは直ぐに態勢を整え、なんと天井に張り付いた。
ナイトローグはそのまま落下し、重力を利用してスタークに攻撃する。
今度も片手で受け止めるスタークだったが、受け止めた手を押さえられてしまいナイトローグの膝蹴りが右腕に炸裂する。
攻撃を受けて怯んだスタークを、ナイトローグは胸元を掴んでそのまま壁に追い込んだ。
「あぁ...」
スタークは両手を上げ、降参の意志を示した。
「いいから一緒に来い」
ぺちぺちと頬を叩き、着いてくるように強要する。
スタークはがくっと上げていた腕を降ろし、ナイトローグの後ろを着いていく。
「はいはい...」
☆★☆★☆★
港区に向かう為、ハルユキ達は森の中を歩いていた。
「はぁ...はぁ...ひぃ...」
普段運動しないハルユキに取って、歩きづらい道に急な斜面を歩くのは地獄でしかなかった。
「はぁ...はぁ...はぁ...何でこんな所を歩かなきゃ行けないんだよ」
「しょうがないじゃない、私達はいつスターク達に襲われるか分からないのよ?それにここなら人もいないでしょ」
森を歩かされてる事に文句を言うハルユキに、兎美は説明する。
「それはそうだろうけどさ」
理解はするけど納得が出来ないハルユキは、ぐちぐちと文句を言いながら険しい道を歩く。
「何勝ってにここを通ってるんだ?」
「ここを通るんだったら、通行料を払ってもらうぜ」
そんな声が聞こえ、ハルユキ達は物陰に隠れて声がした方を覗く。
するとそこには4人の家族連れが、不良に絡まれていた。
「まったく...何処にでもあんな連中がいるんだな」
こんな森の中でカツアゲをしてる不良達を見て、ハルユキは呆れる。
「勘弁してください、私達はハイキングで来たんです。金目の物なんて...」
母親であろう女性が2人の子供達を守る様に抱き寄せ、父親であろう男性が不良達の相手をする。
「嘘つくんじゃねぇよ」
「財布の一つぐらい持ってんだろ、さっさとだせよ」
「それだけは勘弁してください、私達はハイキングを楽しみに来ただけなんです」
不良に絡まれながらも、子供達を守る為に父親は頭を下げて見逃してもらうようにお願いする。
流石に見てられないと思った兎美が、不良達の前に飛び出そうとしたその時だった。
ダァ――――ン!!
「ぐあああっ!!」
一発の銃声が聞こえたのと同時に、父親が肩を押さえ悲鳴を上げながら倒れる。
「パパ!!」
『お父さん!!』
倒れた父親に、母親と子供たちが駆け寄る。
そして、その周りをガーディアンが包囲し、銃を突きつける。
「わぁっ!!?」
「きゃあっ!!?」
いきなりガーディアンに包囲された事に驚いた不良は、両手を上げて身体を強張らせる。
父親も肩を押さえながらも、母親と一緒に子供達を守る様に抱きかかえる。
不良達の前に、ナイトローグが姿を現す。
「ナイトローグ」
兎美はナイトローグの所業に怒りを見せ、その名を呟く。
「ビルド!!いるんだろう?さぁ、姿を現せ」
当てずっぽうという事ではなく、ナイトローグの口調には確信めいたものがある。
「さもなければ...ここにいる者達は全員抹殺する」
何体もいるガーディアンの内の一体が、怖がっている子供に向けて銃口を向ける。
『ラビット!タンク!イエーイ!』
ラビットタンクフォームに変身したビルドが、ナイトローグの前に姿を現す。
「その人達を解放しなさい!!」
ナイトローグはビルドの要求に答える事無く、そのまま距離を詰めた。
「ふんっ!」
ナイトローグのスチームブレードを、ビルドはドリルクラッシャーで受け止める。
ビルドがナイトローグと戦っている間に、ハルユキがガーディアンに近付く。
「おい!」
ハルユキに銃を使って殴りかかるガーディアンだったが、その銃をハルユキは払ってお返しに顔面に一撃入れる。
もう一体のガーディアンが、ハルユキに向かって発砲する。
普段のハルユキなら成すすべもなく当たってしまうが、今はドラゴンフルボトルのお陰で強化されており、避けるのも容易い事だった。
「おい!!今の内だ!!早く行け!!」
ハルユキが不良達に逃げる様に促す。
母親が子供達を抱えて走り、緊急事態の為か不良達も父親に肩を貸しながら逃げる。
ハルユキがガーディアン相手に戦っている間、ビルドはナイトローグ相手に苦戦を強いられていた。
ナイトローグは、刃の下部分のバルブを捻る。
『アイススチーム!!』
スチームブレードに氷の力を纏わせて、ビルドを斬り付ける。
上段からの振り下ろし、突き、膝へ向けての横薙ぎ、胸元への回転斬り。
ナイトローグの猛攻に、成す術もなく攻撃を受けるビルド。
すると、ビルドの体が凍り付き、動けなくなる。
その隙を逃す訳もなく、ナイトローグはもう一度バルブを捻る。
『エレキスチーム!!』
スチームブレードから真っ直ぐ発射された電撃が、ビルドを襲う。
「きゃああああっ!!」
身体が凍り付いているせいで避ける事が出来ないビルドは、真面に電撃を浴びてしまった。
ビルドは後ろに吹っ飛び、地面を転がる。
「貴様を港区には行かせない...」
近付いてくるナイトローグを、ビルドは直ぐに起き上がってドリルクラッシャーで斬り付ける。
しかし、簡単に受け止められてしまい、腹に一発、顔にも一発を貰ってしまう。
「貴様もだ」
そう言って、ナイトローグは最後のガーディアンを倒したハルユキを視界に入れる。
ナイトローグがハルユキにスチームブレードを向け、それに対しハルユキも拳を構える。
しかしそこで、ブオンブオンとエンジン音が聞こえてナイトローグが振り返る。
幾つものエネルギー弾がナイトローグを襲い、その横をバイクに乗ったビルドが通り過ぎる。
「ハル、乗って」
ビルドはハルユキの横にバイクを止めると、ヘルメットを投げて乗る様に促す。
ハルユキは直ぐにヘルメットを被り、ビルドの後ろに座ってしがみ付く。
ハルユキが乗ったのを確認したビルドは、バイクを発進させる。
「スターク!!」
ナイトローグは遠くにいるスタークに向けて、合図を送る。
「はいはい」
スタークはトランスチームガンとスチームブレードを合体させ、ライフルモードへと変形させる。
『ライフルモード』
ライフルモードに、ロケットフルボトルを装填する。
『フルボトル』
スタークはビルド達が乗るバイクに向けて、照準を合わせる。
『スチームアタック!!』
一発の銃弾が、ハルユキ達を追随する。
「早くしろよ!!」
後ろから迫って来る銃弾を見ながら、ハルユキはもっとスピードを出すように急かす。
しかし、ある程度追随した銃弾は急に方向を180度変えた。
「え!?」
突然の出来事にハルユキだけでなく、ナイトローグまで驚愕する。
方向を変えた銃弾は、そのままナイトローグの足元に着弾し爆発を起こす。
その間に、ビルド達はそのまま近くにあった狭い岩場の隙間に入った。
『ちょっ!!嘘だろ!!死ぬ!!死ぬってっ!!おい兎美!!うおおおおおおっ』
洞窟内から、ハルユキの叫び声が反響していた。
ナイトローグは直ぐに、先程までスタークが居た場所を見るが、そこには既にスタークの姿は無かった。
「あいつ...」
☆★☆★☆★
洞窟を抜けて港区に到着した兎美達は、住所を頼りに葛城の母親の家を探す。
「この辺の筈だけど...あっ」
そこに、葛城という表札がついた古風な一軒家を見つけた。
ハルユキ達は敷地内に入ると、庭の方から女性の声が聞こえた。
「じゃあ、今日はここまで。ちゃんと宿題やってきてね」
『はーい!ありがとうございました』
ハルユキ達が覗くと、そこにはハルユキ達よりも幼い6人程の子供達が箱等を椅子代わりにして、ノートや筆箱をしまっていた。
子供達の中の1人が、ハルユキ達の存在に気付いた。
「あっ、先生!お客さん来てるよ!」
子供に言われ、ようやく女性もハルユキ達の存在に気付いた。
兎美は、恐らく葛城の母親であろう女性に近付き挨拶をする。
「葛城さんですか?」
「えぇ...そうだけど...もしかしてあなた達も私の授業を受けに?」
「いえ...私達は葛城巧未さんについて調べていまして...」
兎美がそう言うと、葛城の母親の顔つきが変わりハルユキ達を睨みつける。
「出てって...今すぐここから消えて!!」
そう叫ぶと、家の中に入ってしまった。
ハルユキ達はただ呆然に、入り口を見つめていた。
葛城宅から出たハルユキ達は、近くにあった小さな橋の上で黄昏る。
「はぁ...まさかいきなり門前払いされるとはな...」
ハルユキはため息を付きながら、項垂れる。
「しょうがないわよ...多分、今までも興味本位で訪れた人がいたんでしょ」
その横で、兎美は冷静に分析していた。
「ねぇ?お姉ちゃん達」
声を掛けられてハルユキ達が横に顔を向けると、そこには先程の子供達がいた。
「巧未お姉ちゃんの友達?」
「まぁ...」
子供の質問に、兎美は言葉を濁す。
「君達は?」
「俺達は先生に読み書きを教わっているんだ。学校に行く金が無いから」
「そっか...」
自分達が何不自由なく学校に行ける中、この子達の様に学校に行けない子達が居るのだとハルユキ達は胸を打たれる。
「先生優しい?」
「うん、俺も大きくなったらタダで皆に勉強教えてやるんだ!それで巧未お姉ちゃんみたいな科学者になる」
その話を聞いて、ハルユキは自然と笑顔になる。
「巧未お姉ちゃんに会った事あるの?」
「ううん、でもいつも先生が話してくれるよ。すっごく頭が良くて自慢の娘だって」
兎美の質問に、子供は否定しながらも色々な事を教えてくれた。
「先生...毎日巧未お姉ちゃんが好きだった卵焼きを作ってるんだ。いつお姉ちゃんが帰ってきても食べられる様にって」
ハルユキ達は何も返すことが出来なかった、なぜなら葛城巧未は既に死んでいる事を知っているからだ。
「あなた達、本当は何しに来たの?」
ハルユキ達が振り返ると、そこには葛城の母親が立っていた。
「早く帰りなさい」
優しそうに子供達に、帰る様に促す。
『はーい、バイバイ』
子供達が手を振るのを、ハルユキ達も手を振って返す。
子供達がいなくなったのを確認すると、葛城の母親はハルユキ達に怖い顔を向ける。
「何処まで私を苦しめたら気が済むの?」
「違うんです!私達は興味本位で葛城さんを調べてる訳じゃないんです!!」
兎美は必死に、自分達は危害を加えるつもりが無い事を主張する。
そこで、兎美は決心してある可能性を葛城の母親に話す。
「私が...葛城さんを殺してしまったかもしれないんです...」
「どういうこと?」
言葉の意味が理解できなかった葛城の母親は、兎美に質問する。
しかし。
『うわあああああっ!!!』
そこに、先程別れた子供達の悲鳴が聞こえた。
ハルユキ達は悲鳴が聞こえた方へと、急いで走り出す。
ハルユキ達が駆け付けると、そこには子供の1人にスチームブレードを向けたブラッド・スタークの姿があった。
「よぉ!久し振り!でもないかぁ...」
「スターク...どうしてここに!?」
子供を人質に取られている兎美達は、迂闊に動けなかった。
「お前達が葛城巧未の周辺を洗ってるって聞いてね。せっかくだから...」
スタークは話しながら、スチームブレードのバルブを捻る。
『デビルスチーム』
「少し遊んでやるよ」
そう告げるのと同時に、子供に向けて何かのガスを噴射する。
子供がガスに包まれると、苦しそうに暴れ出す。
「たけひこ!!」
子供の名前を叫びながら駆け寄ろうとした葛城の母親を、ハルユキが止める。
「うわあああああっ」
次の瞬間、ハルユキ達は驚きで言葉を失う。
なぜなら、たけひこと呼ばれた子供がハルユキ達の目の前でスマッシュに変わったからだ。
「グルアッ!!」
「何でスマッシュに...」
ハルユキの疑問に、スタークがスチームブレードを見せながら答えた。
「こいつがあれば実験装置無しで、ネビュラガスを投与出来るんだ!!素晴らしい発明だろぉ?」
その話を聞いていた兎美は、握る拳に力を込めて怒りを露にする。
「そんなもの...発明なんて言わないのよ!!」
そう叫びながら、ビルドドライバーを腰に装着する。
2本のフルボトル、『忍者フルボトル』と『コミックフルボトル』を振ってドライバーに装填する。
『忍者!!』『コミック!!』『ベストマッチ!!』
『Are you ready?』
「変身!!」
『忍びのエンターテイナー!!ニンニンコミック!!イエーイ!!』
兎美はニンニンコミックフォームに変身し、4コマ忍法刀を片手にスマッシュとスタークを攻撃する。
ビルドの4コマ忍法刀を、スタークはスチームブレードで受け止める。
その間、『アイススマッシュ』がハルユキ達を攻撃する。
ハルユキ達に向かって、氷柱状の矢を『アイシクルチルアロー』を大量に発射する。
「危ない!!」
ハルユキが咄嗟に葛城の母親を庇い、右肩を負傷する。
スタークの相手をしていたビルドも、地面に倒れた所をスチームブレードを振り下ろされる。
直ぐに起き上がったビルドは片膝を着いた状態で、4コマ忍法刀で受け止める。
そこでビルドは、4コマ忍法刀のトリガーを1回押す。
『分身の術!!』
もう1人増やしたビルドは、分身を子供達を襲うアイススマッシュに向かわせる。
スマッシュと子供達の間に割り込んだ分身は、アイススマッシュに一太刀入れた後、子供達に覆いかぶさるようにする。
そこを、アイススマッシュが見逃さなかったが...
『隠れ蓑術!!ドロン!!』
子供達と共に、分身が煙に巻かれてその場から姿を消す。
すると、ハルユキ達の目の前で煙が上がり、分身と子供達が姿を現す。
「頼む!!」
ハルユキに子供達を託すと、分身は本体の所に戻った。
「もう大丈夫だからな!」
ハルユキは子供達に駆け寄り、安心させるように2人を抱きかかえた。
本体がスタークと戦っている間に、分身はアイススマッシュに蹴りを繰り出す。
分身はスタークとアイススマッシュを分断し、本体を戦いやすくする。
分身は、4コマ忍法刀のトリガーを2回押す。
『火遁の術!!』
それに対し、アイススマッシュは先ほどハルユキ達に放った『アイシクルチルアロー』を放つ。
「はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!」
アイススマッシュの『アイシクルチルアロー』を、炎を纏った4コマ忍法刀で全て斬り付ける。
「はぁ―――っ!!」
『火炎斬り!!』
4コマ忍法刀から放たれた炎の奔流が、アイススマッシュを襲う。
「ぐあああああっ!!」
悲鳴を上げて、スマッシュは後ろに倒れた。
「良しっ!!」
戦いを見ていたハルユキは、スマッシュを倒せたことにガッツポーズを取った。
「ハル!!成分を取って!!」
分身はそう言うと、ハルユキに空のエンプティ―ボトルを投げる。
ボトルを受け取ったハルユキは、スマッシュに向けてボトルの蓋を開ける。
アイススマッシュから成分が抜けて、元の姿へと戻る。
「あぁ...」
『たけひこ!!』
たけひこに、ハルユキ達が駆け寄る。
「先生...痛いよ...」
「痛い?」
「苦しいよ...」
たけひこは苦しそうにしながら、ぐったりして動かけなくなっていた。
「子供だから体にダメージが残っちまったんだ」
今までスマッシュにされた人達の中で、一番幼かったの荒谷だったが、荒谷は身体が頑丈だった為にダメージは残らなかった。
しかし、たけひこは見た所まだ小学生だろう。
そんな子が無理やりスマッシュに変えられれば、どうなるかは火を見るよりも明らかだった。
「しっかりしろ!!」
ハルユキも、たけひこに呼びかける。
「僕...死んじゃうの?」
今にも死にそうになってるたけひこを、ハルユキは元気づける。
「何言ってんだよ、大きくなって先生みたいになるんだろ?」
「うん」
その話を聞いていた葛城の母親は、ハルユキの見る目が変わった。
「その時は、俺にも勉強を教えてくれよ」
そう言ってハルユキはかつひろの腕を取り、自身の小指をかつひろの小指に絡めて指きりをする。
「約束だ」
指切りをしたハルユキは、そのままかつひろを抱き上げてその場から離れる。
☆★☆★☆★
「はぁっ!」
ビルドの上段からの振り下ろしを、スタークは簡単に受け止める。
このままでは不利だと感じたビルドは、ボトルを変える。
シャカシャカシャカッ
ビルドは戦いながら、1本ずつボトルを変える。
『パンダ!!』
スタークの攻撃を片手で受け止め、もう片方の手でボトルを入れる。
シャカシャカシャカッ
『ガトリング!!』
『Are you ready?』
パンダガトリングへとビルドアップしたビルドだったが、ベストマッチでは無かった為に音声は発生しない。
ビルドはホークガトリンガ―の銃口をスタークに向けて、引き金を引く。
ホークガトリンガ―から放たれたエネルギー弾を、スタークはスチームブレードで弾く。
ビルドは右腕の巨大な爪、『ジャイアントスクラッチャー』とホークガトリンガ―を駆使し、スタークを追い詰める。
「良い攻撃だぁ」
スタークはそう言うと、スチームブレードの刃部分を外してトランスチームガンの先に合体させる。
『ライフルモード!!』
「それはっ!!」
スタークが手に持つ見た事ないボトルに、ビルドは驚いた。
『フルボトル!!』
「ならこれはどうだ?」
『スチームアタック!!』
ビルドに向かって銃弾が放たれるが、それを紙一重で回避する。
しかし。
銃弾はビルドの後ろに着弾する事なく、方向を変えた。
「誘導弾っ!!?」
もう一度ビルドに向かって迫って来る弾丸を、今度は転がる事によって回避する。
そしてまたしても方向を変える銃弾だが、今度はビルドの周りを旋回し始めた。
ビルドも負けじとホークガトリンガ―を発砲するが、銃弾には1発も当たらなかった。
旋回する幅を徐々に狭めていき、最後にはビルドの頭上から落下し着弾する。
ドッガァァァァァン!!!
「きゃああああっ!!!」
爆発に包まれたビルドは、地面を転がり変身が解除されてしまう。
「兎美!!」
爆発の際にドライバーから外れたのか、地面にはガトリングフルボトルが転がっていた。
「フッフッフッハッハッハッ」
スタークもボトルに気が付いたのか、笑いながらボトルに近付く。
シャカシャカシャカッ
そうはさせまいと、ハルユキはドラゴンフルボトルを振りながらスタークを殴りつける。
「オラッオラッオラッ!!!」
ハルユキが殴りつけるが簡単に避けられ、最後は受け止められてしまう。
「どうしたハル、お前は変身しないのか?」
「お前のせいでドラゴンの調子が悪くなっちまったんだよ!!」
スタークの疑問に、ハルユキは律義に答える。
「そいつは悪かった、なっ!!!」
受けとめた腕を掴み、スタークはハルユキを横に吹っ飛ばす。
「うわぁっ!!」
地面を転がるハルユキだったが、諦める事なく直ぐに立ち上がる。
「オラァ!!!」
立ち上がるなり、ハルユキはもう一度スタークに挑む。
そして、先程転がった際に懐から出てきたのか、ガトリングフルボトルの近くをクローズドラゴンが飛んでいた。
「ギャオッ」
ドラゴンはボトルを頭で弾くと、上手い具合に背中にガトリングフルボトルが装填される。
『クローズドラゴン!!』
「おぉ...」
その様子を見てい兎美は、ドラゴンの器用さに驚いていた。
ガトリングフルボトルの効果か、ドラゴンの吐く炎がガトリング弾のように吐かれた。
「おっ?」
その内の何発がスタークに命中するが、特に効いていなかった。
それでも諦める事なく、ドラゴンは炎を吐き続ける。
ドラゴンが炎を吐き続ける間も、ハルユキの攻撃の手を止めなかった。
「熱っ!!」
しかし、スタークに接近しているせいで、ドラゴンの炎がハルユキにも直撃する。
スタークがライフルモードで殴りつけるのを、ハルユキは受け止める。
ハルユキがスタークを押さえている間に、ドラゴンの炎がスタークに直撃する。
勿論、ハルユキにも。
「熱っ!!熱っ!!!熱っ!!!!」
ライフルモードを押さえていたハルユキだったが、スタークが横にライフルモードを振る事で振り払われてしまった。
しかし、ハルユキも只振り払われただけでは無かった。
なぜなら、ハルユキの手にはスタークが使っていたボトル『ロケットフルボトル』が握られていたからだ。
先程のやり取りの中で、ライフルモードに装填されていたボトルを引き抜いていたのだ。
「使え!!」
ハルユキは兎美に向かって、ボトルを投げる。
ボトルを受け取った兎美は、ガトリングの代わりにロケットを装填する。
シャカシャカシャカッ
『ロケット』『パンダ』『ベストマッチ!!』
「ベストマッチか!!」
たまたまの組み合わせがベストマッチで会った事に、兎美は驚きながらもレバーを回す。
前にパンダ、後ろにロケットのハーフボディが生成される。
『Are you ready?』
「変身!!」
前後のハーフボディが結合し、兎美は『仮面ライダービルド パンダロケットフォーム』へと変身する。
『ぶっ飛びモノトーン!!ロケットパンダ!!イエーイ!!』
ビルドは爪を構え、スタークに再度立ち向かう。
スタークもそれに対し、ライフルモードのストック部分を持って剣の様に逆手で持つ。
スタークの振り下ろすライフルモードを、ビルドは『ジャイアントスクラッチャー』で受け止める。
隙を見逃さず、ビルドはロケットを模したアーマーで殴りつける。
「うぐっ」
殴られた威力が大きかったのか、スタークは後ろに大きく仰け反った。
「ふっ!!」
ビルドは腕のロケットを、スタークに向けて射出する。
飛んで来たロケットをスタークはライフルモードで受け止めるが、耐え切れず直撃を喰らう。
「ぐあああああっ」
ロケットはビルドの元に戻り、腕に納まる。
「勝利の法則は、決まったっ!!!」
ビルドドライバーのハンドルを回し、必殺技を繰り出す。
『Ready Go!!』
ビルドは、ロケットを噴射させ空へと飛び上がった。
『ボルテックフィニッシュ!!』
スタークの周りを飛び、勢いをつけて急降下と共に爪の一撃を食らわせる。
「うぐっ!!ぐあっ!!」
攻撃は一回だけでなく、2回、3回と繰り出された。
「ぐあああああっ!!」
止めの一撃で、スタークは吹っ飛ばされる。
「はぁ...はぁ...」
近くにあった階段の一番上に着地したスタークは、何が面白かったのか急に笑い出した。
「はっはっはっはっは!!!また強くなったな」
地面に着地したビルドは階段の前に居たハルユキの隣に並び立ち、スタークを見上げる。
「楽しませてくれた礼に教えてやろう、葛城巧未の事だ」
スタークの話を、兎美達は黙って聞く。
「葛城こそスマッシュの生みの親、葛城巧未がファウストを作ったんだよ!!」
「何ですって...」
衝撃の事実に、兎美達は目を見開き驚愕する。
「さぁ...この一手でどう動く?」
その一言を残し、スタークは煙となってその場からいなくなる。
兎美はボトルを抜き、変身を解除する。
「今の本当かよ、葛城がファウストを作ったって...」
ハルユキの問い掛けに、兎美は何も答えられなかった。
黙る兎美達だったが、後ろに気配を感じて振り返る。
兎美達が振り返った先に居たのは、葛城の母親だった。
「巧未が...」
先程のスタークの話を聞いていたのか、葛城の母親はショックで動けないでいた。
どうも、ナツ・ドラグニルです!!
作品は如何だったでしょうか?
8月は仕事が忙しかったので、書く暇がなく2ヶ月も空いてしまいました。
誠に申し訳ございません。
アクセルワールドの原作では、この章でのニコの出番はだいぶ先なのですが黒雪姫は旅行に行ってるために美空と一緒にふざけるマスターの代わりをニコにする為に早く登場させました。
他にも色々と考えておりますので、お楽しみしていてください。
それでは次回、第8話もしくは激獣拳の極めし者第33話でお会いしましょう!!
それじゃあ、またな!!
文字数の調度いい長さを教えてください!
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7000~10000 第3章第3話参考
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10000~15000 第2章第8話参考
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15000~20000 第3章第2話参考