チユリ「葛城巧未はガチの天才、それに比べて誰かさんは...」
兎美「分かってないわねぇ、こんな所でシュワルツシルト半径とか熱弁しても面白くないでしょ?あえて隠してんのよ」
チユリ「じゃあ、四コマ忍法刀はどうやって作ったのよ」
兎美「それはガガーっとやってギュイーンでゴーだよ!!」
チユリ「擬音ばっかじゃない!!」
兎美「一言で語れないのが天才なの!!どうなる第8話!!」
スタークが去った後、兎美達は葛城邸に訪れていた。
「どうぞ」
お茶を出してもらった兎美達は、一口つける。
「あの怪人が言ってた事は本当なの?」
話を切り出したのは、葛城の母親だった。
「実は...」
その後、兎美達は自分達が知っている事を全て話した。
「よく分かった...怪物達の事も、記憶を失くしたあなたが娘を殺めたかもしれないって事も」
説明を終えた兎美は、葛城の母親に質問する。
「葛城さんって、どんな人だったんですか?」
「あの子は...科学を愛して、科学を恨んでた。元々は、父親の影響で科学者になったの」
葛城の母親は、当時の事を思い出しながら語り続ける。
「巧未は父親が大好きで、科学者として尊敬していた」
そしてそこからは、葛城の父親について話し始めた。
「あの子の父親は、パンドラボックスと呼ばれる箱の責任者だったらしいの」
「パンドラボックス?」
知らない単語が出てきた事で、ハルユキも同じ言葉を口にする。
「たしか...数年前に隕石として杉並に落ちてきたらしいの」
その話を聞いた兎美達は、体を強張らせる。
「それで巧未も、隕石を発見したセレモニーに参加していた」
葛城の母親は、当時のセレモニーで何があったのか話してくれた。
「でもそのセレモニーは1人の女子生徒が乱入してきたせいで、状況は一転してしまったの」
「女子学生?」
「えぇ、その子が警備員も振り切ってパンドラボックスに触れた瞬間、まばゆい光に包まれて会場に物凄い衝撃が襲ったの」
「物凄い衝撃ですか?」
「そう、衝撃によって吹き飛ばされた人達は大怪我を負ってしまい、その騒動を引き起こした女子生徒にも逃げられたから、主人は酷いバッシングを受けて...結局それで自ら命を...」
葛城の父親が既に自殺していると聞いた兎美達は、言葉を失った。
「巧未は父親の無念を晴らすように、科学者の道を進んだの」
悲壮感を漂わせながら話す葛城の母親に、これ以上話させる訳には行かないと思ったハルユキが続きを話した。
「で、研究所を解雇されてファウストを作ったって訳か」
「あの子は...没頭すると見境を無くす性格だったから、誰かに利用されたのかもしれない」
そこまで言って、葛城の母親は自分が間違っている事に気付いた。
「駄目ね...大勢の人を傷つける物を作ってしまったのに...」
「娘さんも...悔やんでいたんではないでしょうか?」
俯いていた葛城の母親は、顔を上げて兎美の顔を見る。
ここでようやく、兎美がここに来た目的を話す。
「実は私達がここに来たのは、葛城さんが研究データをあなたに預けたかもしれないと思ったからです。葛城さん殺害に繋がる何かが記されてるんじゃないかって」
大事な話をしていた兎美達だったが、ぐうぅぅぅぅぅ!!というお腹が鳴る音がその場に響いた。
兎美は呆れ、ハルユキは顔を赤くしお腹を抑えた。
「フフ、お腹空いた?」
思わず笑ってしまった葛城の母親は、ハルユキにそう質問する。
☆★☆★☆★
「こんなのしかないけど」
そう言って出したのは、卵焼きだった。
その卵焼きを見て、兎美達は子供達の言葉を思い出す。
『先生...毎日巧未お姉ちゃんが好きだった卵焼きを作ってるんだ』
『いただきます』
「召し上がれ」
ハルユキは卵焼きを用意してもらった小皿に移し、一口食べる。
「(甘っ!!)」
卵焼きを口に入れた瞬間、ハルユキは口一杯に広がる物凄い甘ったるい味のせいでむせそうになる。
しかし、せっかく出して頂いたのに申し訳ないと思い、ハルユキは根性でむせるのを抑えた。
ハルユキが甘さと格闘してる間に、兎美も一口食べる。
「上手っ、滅茶苦茶美味しいこれ」
「無理しなくていいのよ」
「いいえ」
葛城の母親も甘く作りすぎている自覚があるため、無理しない様に言う。
だが本当に美味しかったのか、バクバクと残りの卵焼きを食べていく。
「本当に美味しい」
そう呟く兎美の瞳から、つぅーっと一粒の涙が零れる。
兎美が涙を流している事に驚いたハルユキは、声を上げてしまった。
「何泣いてんだよ、お前」
ハルユキが指摘した事によって、ようやく兎美は泣いている事に気付きゴシゴシと目元を拭った。
そこで葛城の母親が、兎美達が気になっていた事を口にした。
「巧未が亡くなる一週間前、家に来たの」
思わぬ情報を聞いた兎美達は、身体を強張らせる。
葛城の母親は当時の事を、思い出しながら語り出す。
『なあにこれ?』
渡されたUSBメモリを手に、巧未に質問する。
『研究データ、使う人間によって正義にも悪にもなる。私に何かあったら母さんが信用できる人に渡して』
そう言われたが、1つだけ疑問があった。
『この時代に何でUSBメモリなの?』
『だって母さんニューロリンカーの操作って苦手でしょ。それにこの時代だからこそ、こういう媒体の方が安全なんだよ』
「そのデータは何処に?」
その話を聞いた兎美は机に身を乗り上げ、質問する。
「杉並にある、引っ越す前にある場所に隠したの」
「杉並の何処に隠したんですか?」
「私が取りに行く。あなた達に渡すかどうかその後で決める」
☆★☆★☆★
兎美達は葛城の母親が運転する車の後ろを、兎美達がバイクに乗り走っていた。
『どうやら杉並に戻って来たみたいね』
『あぁ、そうだな』
周りが見覚えのある景色に変わった事で、兎美達は杉並に戻って来た事が分かった。
『一体杉並の何処に...』
次の瞬間、カッと鋭い閃光が走った。
「なっ!!」
「うわっ!!」
ドオォォォォォォン!!!!
物凄い爆音と共に、熱風と衝撃波が2人と葛城の母親が運転する車を襲った。
「きゃああっ!!」
「うわああっ!!」
爆風と衝撃波によってバイクは転倒し、兎美達は空中へと身を投げてしまった。
「ぐっ!!」
「ぐあっ!!」
地面に叩きつけられた兎美とハルユキは、痛みに耐えながら何とか起き上がる。
「大丈夫?ハル」
「あぁ、何とか」
叩きつけられた時に打ったのか、ハルユキは頭を抑えていた。
「きゃあああああっ!!!」
痛む身体を抑えながら立ち上がろうとする兎美達の耳に、葛城の母親の悲鳴が聞こえた。
「葛城さん!?」
兎美が停止した車に目を向けると、葛城の母親を担いだナイトローグの姿があった。
「葛城さん!!」
助け出そうと駆け出した瞬間、兎美とハルユキの周りをガーディアンが囲んだ。
「こんな時に...」
「邪魔すんじゃねぇ!!」
兎美はドライバーを取り出し、腰に装着する。
シャカシャカシャカッ!!
『ロケット!!パンダ!!ベストマッチ!!』
『Are you ready!!』
「変身!!」
『ぶっ飛びモノトーン!!ロケットパンダ!!イエーイ!!』
バババババン!!
ガーディアンがビルド達に向かって、機関銃を発砲する。
「ふっ!!はっ!!」
ドラゴンフルボトルによって身体を強化したハルユキは、普段なら出来る筈のない動きで銃弾を躱す。
「おらっ!!」
数が多いが、一体一体各個撃破で倒していく。
「はぁっ!!」
ビルドも爪を使って、ガーディアンを倒していく。
「こんのっ!!」
「ふっ!!」
ビルドはロケットを発射させ、ハルユキはドリルクラッシャーを銃の形態へと変化させ攻撃し全て全滅させる。
「葛城さん!!」
葛城の母親を助けようとするが、もうそこにはナイトローグの姿も葛城の母親の姿も無かった。
「しまった...」
「くそっ...」
助けられなかった事に、兎美達は悔やんだ。
☆★☆★☆★
何処かの地下施設。
そこにある簡易なベッドの上に、葛城の母親は寝させられていた。
目が覚めた葛城の母親が最初に見たのは、近くに佇む幻と成海の姿だった。
「あなた達は?」
「梅里中学校、風紀委員の氷室幻です。以前、巧未さんの同級生でした」
すると幻は、現在の場所の説明を始める。
「ここは巧未さんが作ったファウストのアジトです。巧未さんから預かった研究データは何処ですか?」
「何の事ですか?」
幻の質問に、葛城の母親はとぼけた。
すると、成海は1つの封筒を取り出して幻に渡す。
「これは彼女の遺書です。彼女は生前、あなたへの想いをこの手紙にしたためていました。もし教えて頂ければこれを差し上げます」
しばらく沈黙が続く2人だったが、先に動いたのは葛城の母親だった。
「梅里銀行の貸金庫、番号は3405」
貸金庫のカードを幻に渡し、代わりに幻は封筒を渡す。
「ご協力感謝します」
封筒を受け取った葛城の母親は、早速中身を確認する。
しかし、中に入っていたのは何も書いていない白紙の紙1枚だけだった。
「どういう事!?」
「彼女が...親に感謝する人間に見えますか?」
葛城の母親は幻の事を強く睨み、掴みかかろうとする。
しかし、それを成海によって止められてしまう。
「ネビュラガスを投与してお帰り頂こう。私に関する記憶を綺麗さっぱり忘れて貰わないと」
「止めて!!離して!!」
ガスマスクをした科学者が、数人係で暴れる葛城の母親を連行する。
☆★☆★☆★
葛城の母親を助けられなかった兎美達は、一度自宅のマンションに帰ってきていた。
爆発の際に追ったハルユキの怪我を、チユリが応急セットで治療する。
「いてっ!!」
「動かないでよハル、治療できないでしょ」
「ごめん...」
ピンセットを使って消毒綿球で、チユリが治療する。
消毒液が頬の擦り傷に染みたのか、ハルユキは後ろに仰け反った。
ガンッ!!
部屋の壁を、兎美が強く殴りつける。
「何で助けられなかった!!」
目の前で葛城の母親が連れ去られ、兎美は珍しく物に当たる程悔やんでいた。
その時、美空のニューロリンカーにスマッシュの目撃情報が入った。
「スマッシュの目撃情報...」
「今それ所じゃないだろ!!」
こんな時に、スマッシュと戦っている場合ではないと一蹴する。
「......いや、記憶を消す為にスマッシュにされたかも」
だが兎美だけは直ぐに冷静さを取り戻し、そう考察する。
兎美も、自身のニューロリンカーで目撃情報を確認する。
確認した兎美は、目撃された場所へと向かう。
「あっ!!兎美!!忘れ物!!」
そう言って、美空は一本のフルボトルを兎美に投げ渡す。
「浄化しといたから、消防車ボトル」
兎美が受け取ったのは、消防車の絵が刻まれた赤いフルボトル『消防車フルボトル』だった。
「サンキュー」
美空にお礼を言って、兎美は出ていく。
その後を追うように、ハルユキも出ていく。
「ハル!!忘れ物よ!!」
すると今度は、チユリがハルユキに1つの紙袋を渡す。
「サンキュー!!」
チユリにお礼を言うと、ハルユキは紙袋を受け取る。
出ていく前に中身を確認するハルユキ、すると中にはヘルメットと作業服が入っていた。
「え?」
意味が分からず、ハルユキは渡してきたチユリの顔を見る。
しかしそれは現場に到着したら、分かる事だった。
「うぅぅぅぅ!!ぐあぁ!!」
目撃された場所に到着すると、ちょうどスマッシュが暴れている所だった。
爆発で飛んで来た鉄パイプが、ハルユキの頭に直撃する。
「うおっ!!」
しかし、ヘルメットを被っていた為、怪我する事は無かったが衝撃は殺しきれなかった。
頭の痛みにハルユキが絶えている間、兎美はホークガトリンガ―で黒いスマッシュ『ストロングスマッシュハザード』を怯ませる。
「工事現場だから作業服だったのね」
「いちいち変装をいじんじゃねぇよ」
頭を抑えながら立ち上がるハルユキは、スマッシュを改めて確認する。
「あのスマッシュ前に見た事あるな、俺がやる」
そう言って、ハルユキはドラゴンフルボトルを振ってストロングスマッシュハザードに向かう。
「ちょっと!!」
兎美がハルユキを止めようとするが、怪我をしていた作業員をほっとける訳がなく、人命救助を優先した。
ハルユキはかつて、学校に取り残されたチユリを助ける際にビルドが倒した『ストロングスマッシュ』と形が似ている事から今の自分だったら余裕だと慢心してしまっていた。
「うおおおおおっ!!」
ドリルクラッシャーを手に、果敢に挑むハルユキ。
「おらっ!!」
スマッシュに向けて振り下ろすが、ハルユキの攻撃は何一つ効いていなかった。
「なっ!?」
攻撃が効いていない事に驚きながらも追撃をしようとするハルユキだったが、スマッシュの強烈な一撃がハルユキの腹部に繰り出される。
「ぐあぁっ!!!」
ハルユキは後ろに吹っ飛び、近くのトラックに激突する。
「なんだこいつ、前よりも強くなってる...」
通常のスマッシュよりハザードレベルが高いのか、今までのどのスマッシュよりも攻撃力が増していた。
よろよろと立ち上りながらも、ハルユキはそう考察する。
「うおぉぉぉぉっらぁ!!!」
それでも、ハルユキは諦める事は無かった。
その時、人命救助を終えた兎美が駆け付ける。
「だったら、勝利の法則を探すしかないわね」
ビルドドライバーを装着し、2本のフルボトル。
『海賊フルボトル』と『消防車フルボトル』を装填する。
『海賊!!消防車!!』
2本のボトルを装填しても、ベストマッチの音声は流れなかった。
「ベストマッチ!!じゃない...」
「はぁ!?」
こんな時に何やってんだと兎美方を見たハルユキだったが、その隙を逃さずスマッシュがまたハルユキを吹っ飛ばす。
『ハリネズミ!!消防車!!』
「『ベストマッチ!!』来た――!!!」
ベストマッチを見つけ出せたことに興奮し、兎美はハンドルを回す。
兎美の前後に、ハリネズミと消防車のハーフボディが生成される。
『Are you ready?』
「変身!!」
前後のボディが結合され、兎美は『仮面ライダービルド ファイヤーヘッジホッグフォーム』へと変身する。
『レスキュー剣山!!ファイヤーヘッジホッグ!!イエーイ』
「はぁっ!!」
ビルドは左腕の放水銃『マルチデリュージガン』で、スマッシュに向けて高圧な水流を放った。
ハルユキが近くにいるにも関わらず....
「冷たっ!!!」
後ろから冷水が飛んで来た事により、ハルユキは驚いて横に避けた。
正面から水流を受けたスマッシュは、高圧な放水に耐える事が出来ず後ろに仰け反る。
怯んだ所を、右手のスパイクで攻撃する。
「はぁっ!!」
もう一度攻撃を繰り出そうとしたが、スマッシュも負けじと反撃する。
それを避けたビルドは、スパイクで裏拳を繰り出す。
「はぁっ!!はぁっ!!はぁっ!!!」
スパイクのラッシュ攻撃に、スマッシュは逆に吹っ飛ばした。
ビルドはもう一度、『マルチデリュージガン』をスマッシュに向ける。
先程とは違い、水流ではなく火炎放射として炎が噴射された。
炎で怯んだ所で、スパイクの棘を伸ばして殴りつける。
ゴロゴロと転がっていくスマッシュは、直ぐに起き上がり唸り声を上げる。
「勝利の法則は決まった!!」
いつもの決め台詞を決めた後、ビルドはハンドルを回し必殺技のモーションへと入る。
『マルチデリュージガン』のラダーを伸ばし、スマッシュに突き刺す。
突き刺さった『マルチデリュージガン』で水を注入されたスマッシュは、身体がタプタプになるまで膨らまし動きを封じる。
『Ready Go!!』
ラダーでスマッシュの頭上に飛び、落下の勢いを利用し右腕のスパイクを叩き込む。
『ボルテックフィニッシュ!!』
スパイクを叩き込まれたスマッシュは、水風船が破裂したかのように爆発した。
スマッシュを再起不能にした兎美は、スマッシュの成分を抜き元の姿へと戻す。
成分を抜かれたスマッシュは、予想通り葛城の母親だった。
『葛城さん!!』
兎美達は葛城の母親に駆け寄り、抱き起した。
上半身を少しだけ起こすと、少し朦朧としているが意識を取り戻した。
「ここは?」
「ファウストに攫われて、スマッシュに変えられていたんです」
「......私が?....全然覚えてない...」
ネビュラガスを投与された副作用か、やはり攫われた記憶が無かった。
「今安全な所に連れて行きます」
兎美達は葛城の母親に肩を貸し、自宅のマンションへと運ぼうとする。
しかし、運ぼうとする前に葛城の母親が兎美の肩をガシッと掴む。
「待って!!お願いがあるの」
☆★☆★☆★
兎美達が葛城の母親を救出している間、幻達は梅里銀行に訪れていた。
成海は葛城の母親が伝えた番号、『3405』の鍵を開錠する。
中身を確認した成海は、我が目を疑った。
「これは!?」
不審に思った幻も中身を確認すると、中には1枚の紙が入っていた。
そこには『残念だけど、貴方は信用できない。 葛城巧未』と書かれていた。
「まんまと騙されたって訳ね」
葛城が用意周到に準備していた罠に掛かってしまい、幻は頭を抱える。
その時、幻のニューロリンカーに音声通話の着信が入った。
着信はスタークからだった。
『どうしたの?』
そして幻はスタークが伝えてきた情報に、驚愕で目を見開く。
☆★☆★☆★
兎美達は葛城の母親から貰った情報を元に、ある建物に訪れていた。
『難波重工 総合科学研究所』
葛城の母親から貰った写真を元に、兎美達はここに訪れていた。
今の総合科学研究所は、危険区域に指定され立ち入り禁止になっていた。
「ここね」
中に入った兎美達は、研究所の入り口付近の地面を掘り起こしていた。
しばらく土を掘っていたハルユキは、スコップを通してガリッという土とは別の感触を感じた。
そこからは手で掘り起こし、中から1つの入れ物が出てきた。
ハルユキから入れ物を受け取った兎美は、早速中身を確認する。
「あった」
中に入っていたのは、1つのUSBメモリだった。
「そんな所に隠してたとはねぇ...」
そこに、居る筈のない第3者の声が聞こえた。
2人は振り返るが、確認する前に2人共殴られてしまってUSBメモリを奪われてしまう。
「ボランティアご苦労さん」
2人からUSBメモリを奪ったスタークは、手の中でUSBメモリを弄びながら2人を挑発する。
「このやろう!!」
その挑発に乗ったハルユキが、スタークに殴り掛かる。
しかし、スタークは拳を受け流すことで攻撃を避ける。
拳を受け流されたハルユキは、受け流された方へと転倒してしまう。
兎美は直ぐにドライバーをセットし、タカとガトリングのボトルを装填する。
「変身!!」
『天空の暴れん坊!!ホークガトリング!!イエーイ!!』
ビルドとハルユキがスタークと戦っている間、近くでその戦いを幻が見ており、その手にはデビルスチームガンが握られていた。
『バット!!』
幻はバットフルボトルを装填し、引き金を引く。
「蒸血」
『ミストマッチ!!』
デビルスチームガンからガスが噴き出し、幻の身体を包む。
『バット!!バ!バ!バット!!ファイアー!!』
晴れたガスの中から、ナイトローグへと変身した幻が現れる。
ナイトローグは、スタークと戦っているビルドに向かって走り出す。
スタークによって地面に転がされたビルドは、後ろから接近してくるナイトローグの存在に気付かなかった。
起き上がった直後、ビルドは後ろからのナイトローグによる攻撃を許してしまう。
「ナイトローグ!?」
攻撃された事で、ビルドはようやくナイトローグの存在に気付いた。
ホークガトリンガ―の銃口を向けるが、銃口を掴まれてしまい照準を逸らされてしまう。
「後は任せろ」
ナイトローグはビルドの攻撃を捌きながら、スタークに告げる。
「宜しくな」
スタークはハルユキの相手を止め、USBメモリを持ってその場から立ち去ろうとする。
「行かせるか!!!」
ヘルメットを投げ捨てたハルユキは、ビルドドライバーを取り出し腰に装着する。
「っ!!?駄目よハル!!!まだ修理は済んでないのよ!!!」
ナイトローグと戦っていたビルドだったが、ハルユキが変身しようとしてる事に気付いて止めようとする。
「うるせぇ!!!今ここでアレを取られたら...何の為にここまで来たのか分からねぇだろうが!!!」
『ギャオ――!!』
懐から出てきたクローズドラゴンが変形し、ハルユキの手の中に納まる。
『ウェイクアップ!!』
ドラゴンフルボトルをクローズドラゴンに装填し、ベルトに差し込む。
『クローズドラゴン!!』
ハルユキがレバーを回すと、ハーフボディが生成されるのと同時に、バリバリバリッと身体に電撃が走りハルユキを傷つける。
「ぐぅ!!うぅぅぅ!!」
身体に走る電撃に身体が悲鳴を上げている事も無視し、ハルユキはメモリを取り戻す為に。
そして、兎美の為に気合でレバーを回し続ける。
『Are you ready?』
「変身!!」
『Wake up Burning!!Get CROSS-Z DRAGON!! Yeah!!』
「はぁ...はぁ...はぁ...はぁ......」
仮面ライダークローズへと変身したハルユキだったが、変身の際に喰らった電撃のせいで既に満身創痍だった。
しかし―――
「今の俺は......負ける気がしねぇ!!!」
そんな事も物ともせず、クローズは果敢にスタークに挑む。
「ほう?少し遊んでやるか」
無茶をするハルユキに興味が出たのか、スタークはクローズを相手をする。
「おらぁっ!!!」
クローズは渾身の一撃を繰り出すが、簡単にいなされてしまう。
「はぁっ!!」
スタークも負けじと攻撃を繰り出し、怒涛の攻撃にクローズは攻撃に転ずる隙を与えて貰えず防戦一方に陥ってしまった。
一方、ナイトローグと戦っていたビルドも、ホークガトリンガ―を叩き落されてしまい苦戦を強いられていた。
「はぁっ!!」
ナイトローグの後ろ回し蹴りを、跳躍する事で回避する。
跳躍をした事でナイトローグから距離を取ったビルドだったが、ナイトローグがスチームブレードのバルブを捻る。
『エレキスチーム!!』
スチームブレードを横薙ぎに斬り付けると、ビルドに向かって電撃が走った。
『ゴリラ!!ロケット!!』
ビルドは瞬時にボトルを変え、横に飛んで転がる事で攻撃を回避する。
「はぁっ!!」
ビルドの右拳『サドンデストロイヤー』で殴りつけるが、後ろに飛ぶ事でスタークは拳を避ける。
「はぁ~~っ!!はっ!!」
ビルドは左腕のロケットを構え、ナイトローグに向けて飛ばす。
ナイトローグはスチームブレードで受け止めるが、直ぐに押し負けてしまう。
ナイトローグは直ぐに態勢を整え、立ち上がる。
「その程度で...私を倒せると思うなよ」
ナイトローグがスチームブレードを分離させるのと同時に、ビルドはボトルを取り換える。
『パンダ!!ロケット!!ベストマッチ!!』
「ビルドアップ!!」
ビルドはゴリラからパンダへとボトルを交換し、ベストマッチである『パンダロケット』へと変身する。
『ロケットパンダ!!イェーイ!!』
ビルドはレバーを回し、一気に決着を着けにいく。
『Ready Go!!』
必殺技を決めようとするのと同時に、ナイトローグもトランスチームガンとスチームブレードを連結させ発砲する。
銃弾をパンダのジャイアントスクラッチャーで受け止め、ロケットで上空へと飛ぶ。
『ボルテックフィニッシュ!!イェーイ!!』
ナイトローグの周りを旋回し、飛び回る。
ナイトローグも負けじと連射するが、銃弾はビルドに掠りもしなかった。
「はぁっ!!」
ビルドは勢いをつけ、急降下と共に爪の一撃を食らわせる。
トランスチームライフルで受け止めるが、耐え切れずに後ろに吹き飛ばされてしまう。
「面白いじゃないか」
「はぁ!!」
ビルドとナイトローグの戦いが続く中、クローズとスタークの戦いも続いていた。
「フッ!!おらっ!!」
クローズの攻撃を受け続け、スタークはハザードレベルを測っていた。
「ハザードレベル3.6、3.7!!どんどん上がっていく!!こいつは面白い!!」
クローズの拳を受けとめたスタークは、興奮気味に喋り出した。
「いいだろう!!」
スタークはクローズの拳を押し返して、後ろへと転がした。
「お前の成長を認めて、こいつはくれてやる」
スタークはそう言うと、持っていたメモリを投げ渡す。
「え?ちょっ!!ちょっ!!ちょっ!!!」
いきなり投げられたメモリを、ワタワタしながら何とかキャッチする。
「何をするスターク」
スタークが渡す所を見ていたナイトローグは驚きながらも、奪い返そうとクローズに迫る。
しかし、それをスタークが阻止する。
「待てぇ!!」
「え?」
突然の出来事に、ビルドは戸惑い動けずにいた。
「早く行け!!」
スタークに急かされ、ようやくビルドが動いた。
「はぁ――――――っ!!!」
ナイトローグも抵抗するが、スタークに邪魔されてしまう。
ビルドはロケットを噴射して、クローズを抱きかかえる。
「うおっ!?」
ビルドはロケットの出力を上げ、一気にその場を離脱する。
「うおおおおおおっ!!?」というクローズの断末魔を聞きながら、スタークは2人を見送った。
「貴様...どういうつもりだ」
スタークの拘束を抜けたナイトローグは、スタークにスチームガンを向ける。
「まぁ、聞けよ。俺達の目的はデータじゃない、データを応用してアレを完成させる事だ。兎美ならそれが出来る...ハルならそれが使える...」
☆★☆★☆★
離脱に成功した兎美達は、自宅へと戻った。
帰ってきた兎美達を迎えたのは、美空とチユリ、そして先に避難させていた葛城の母親だった。
5人はリビングのテーブルに掛け、兎美と葛城の母親と対面になる様に座った。
「これは...あなたが使って...」
そう言って、葛城の母親は取り返したメモリを兎美の前に置いた。
「良いんですか?」
「あなたなら、巧未の考えを分かってくれそうな気がするから」
「ありがとうございます」
頭を下げてお礼をつげる兎美を見て、ハルユキは嬉しそうに微笑んだ。
そして、真剣な顔つきになったハルユキは葛城の母親に質問した。
「やっぱり...ファウストの事は覚えてないんですか?」
「その辺りの記憶は、すっぽりと抜け落ちてて...でも、鍵が無いってことは娘の言う通りにしたみたい」
葛城の母親は信用できない者がメモリを取りに来たら、鍵を渡すように言われていた。
「昔からそう言う事は良く気付く子で...でも、親の気持ちなんてさっぱりわからないくせに...」
「そうでもないみたいですよ」
自嘲気味に笑う葛城の母親を、兎美が否定する。
「葛城さんの研究日誌をアナグラムにして並び替えました、最後にこんな文章が綴られてました」
兎美は一枚の紙を取り出し、葛城の母親の前に置く。
「産んでくれてありがとう」
それは、葛城巧未が母親へ送った感謝の言葉だった。
「ただ...気持ちを伝えるのが苦手だっただけなんですよ」
「うっ...うううっ......」
兎美の説明に、葛城の母親は心当たりがあったのか涙を流した。
「本当...何にも言ってくれないんだから...」
その光景に、ハルユキもチユリも泣きそうになる。
葛城の母親は、泣きながら兎美から受け取った紙を大事そうに抱えた。
葛城の母親が帰るのを見送ったハルユキ達は、兎美達の自室へと向かった。
兎美達の自室には、USBメモリを使えるパソコンも置いてある。
「これで葛城巧未の殺された理由が分かるかも」
兎美はメモリを手に持ち、パソコンの前へと座る。
「いいのか?」
しかし、それをハルユキが止める。
「お前の知りたくない真実かもしれないぞ」
「私が恐れるのは...何も知らない自分よ。たとえどんな真実だったとしても、受け止める覚悟は出来てる」
その覚悟がハルユキにも伝わったのか、ハルユキも覚悟を決める。
「分かった...」
ハルユキも兎美の隣に立ち、一緒にパソコンを覗く。
兎美がメモリを読み込ませると、画面にある映像が現れた。
「ん?」
その映像に美空とチユリ、ハルユキは更にのぞき込む。
「プロジェクト...ビルド?」
画面には『SECRET PROJECT BUILD』と映し出されていた。
どうも、ナツ・ドラグニルです。
前回、次の投稿は年を越しかもしれないと言ってましたが、色々あって年内に間に合いました。
今回の話は、ビルド本編第8話をモチーフにして書きました。
本来なら火星帰還セレモニーでマスターがパンドラボックスに触れた事でスカイウォールが発生しますが、今作ではスカイウォールが無い為に衝撃波が飛んだ事にしました。
他にもスカイウォールがない事によって、色々と話に障害が出てきましたが今後も何とかしようと思っております。
さて、つい最近になるのですが、Twitterを始めました。
始めたというか、長年凍結していましたが別のアドレスで新しいアカウントを作り直しました。
まぁ、そもそもフォロワー自体いなかったので全然問題はないのですが...
ユーザー情報の所に、アカウントのアドレスを書いていますので、Twitterをお持ちの方は良ければフォローの方をお願いしたします。
今後はTwitterにいつ投稿するかツイートしようと思います。
宜しくお願い致します。
それでは次回、第9話もしくは異世界から帰還せし激獣拳使いの幼馴染第34話でお会いしましょう!!
それじゃあ、またな!!
文字数の調度いい長さを教えてください!
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7000~10000 第3章第3話参考
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10000~15000 第2章第8話参考
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15000~20000 第3章第2話参考