アクセル・ビルド   作:ナツ・ドラグニル

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これまでのアクセル・ビルドは

チユリ「いじめられっこの中学生、有田春雪は1年上に先輩、『黒雪姫』先輩に呼び出され不思議なアプリをインストールした後、荒谷に殴られしまい放課後に探していたコウモリ男に誘拐されてしまったがビルドによって救出されたのでありました!」


兎美「ちょっと!なんでチユリがあらすじ紹介してんのよ!てゆうか私の説明は!?」


チユリ「いいじゃん別に、ここではハルが出ないんだから原作側の紹介する人がいないと」


黒雪姫「そうだぞ、我々が出てきても問題ないはずだ」

兎美「しれっと黒雪姫まで出てくんじゃないわよ!あんたまだ私達と接点ないでしょうが!」


黒雪姫「細かい事はきにするな、それよりなぜ前回クローズドラゴンを出したんだ?ビルドの原作では登場は大分先だろ」


兎美「理由はあるわ!アクセルワールドの原作の名シーンをハルの初変身シーンに変えるために早めに出したのよ!」


黒雪姫「ちょっと待て!その名シーンってもしかしてアレか!ふざけるな!アレだけは変えさせないぞ!」


チユリ「えー、2人の言い争いがヒートアップしそうなので私が先に進めます!さてどうなる第3話!」


兎美「何勝手に進めてんのよ!」


第3話

早朝の公園で、1人の男の子がスマッシュに襲われていた。

 

 

「うわー!」

 

 

スマッシュは空を飛び男の子に攻撃を仕掛けようとしたが横から攻撃を受け、墜落してしまう。

 

 

そこに、バイクに乗った兎美が現れる。

 

 

「さあ、実験を始めるわよ」

 

 

 

兎美はバイクを操縦しながら、ビルドドライバーにボトルを装填する。

 

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

 

 

レバーを回し、バイクを運転する兎美の前後に、ハーフボディが現れる。

 

 

『Are you Ready?』

 

 

「変身!」

 

 

前後のハーフボディが結合し、兎美は仮面ライダービルドへと変身する。

 

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

 

「はあ!」

 

 

ビルドはバイクから飛び降りスマッシュにパンチを繰り出す。

 

 

「ぐあ!」

 

 

ビルドの攻撃を食らい、スマッシュは吹っ飛ばされる。

 

 

「ふっ!」

 

 

スマッシュは空へ飛び、ビルドの攻撃から逃れる。

 

 

「だったら!」

 

 

ビルドはボトルを抜き別のボトルを2本装填する。

 

 

『ゴリラ!掃除機!』

 

 

レバーを回し前にゴリラ、後に掃除機のハーフボディを出現させる。

 

 

『Are you Ready?』

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

ハーフボディが結合され、ゴリラ掃除機にフォームチェンジする。

 

 

「はあ!」

 

 

掃除機の吸引力を利用し、空に飛んでいるスマッシュを引き寄せる。

 

 

「ぐっ!」

 

 

スマッシュも抵抗しようと反対方向に逃げようとするが、吸引力が強く逃げられずにいた。

 

 

「はあ!」

 

 

掃除機で充分引き付けたスマッシュを、ゴリラの腕で殴り飛ばす。

 

 

「ぐあ!」

 

 

「勝利の法則は決まった!」

 

 

ビルドは掃除機のボトルを抜き取り、ダイヤモンドのボトルを装填する。

 

 

『ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!』

 

 

レバーを回すと、後にダイヤモンドのハーフボディが出現する。

 

 

『Are you Ready?』

 

 

「ビルドアップ!」

 

 

『輝きのデストロイヤ!ゴリラモンド!イエーイ!』

 

 

ビルドはさらに、レバーを回す。

 

 

『Ready Go!ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

 

 

発生させた無数のダイヤモンドを右腕で弾き飛ばし、スマッシュにぶつける。

 

 

「ウウッ...!ウアーッ!」

 

 

ビルドの必殺技が決まり、スマッシュが倒される。

 

 

「ほい」

 

 

空のボトルに怪物の成分を入れると、スマッシュが居た所には1人の女性がいた。

 

 

「ママー!」

 

 

「浩太!」

 

 

襲われていた男の子が、スマッシュにされていた女性に抱きつく。

 

 

スマッシュにされていたのは、襲われていた男の子の母親のようだった。

 

 

ビルドは踵を返しその場を離れようとした。

 

 

「あの!助けて頂きありがとうございます!」

 

 

「ありがとう!」

 

 

「いえ、何事もなくてよかったわ」

 

 

「あの...あなたはいったい...」

 

 

「私はビルド...仮面ライダービルドよ」

 

 

ビルドは母親にそう伝えると、バイクに乗りその場を去っていく。

 

 

「仮面ライダー...ビルド...」

 

 

親子はしばらく、その場に留まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、ハルユキの部屋。

 

 

ハルユキは昨晩見た悪夢の所為で、うなされていた。

 

 

「・・・!・・・ル!・・・ハル!」

 

 

はっ、とハルユキは目を開けた。

 

 

ハルユキの目の前には、心配そうに覗き込んでいる兎美がいた。

 

 

「大丈夫?凄くうなされていたけど?」

 

 

「兎美?」

 

 

「どうしたの?なにかあったの?」

 

 

その時ハルユキは自分が泣いていることに気付き格好悪いと思い、直ぐに涙を拭った

 

 

「いやなんでもない、ちょっと怖い夢を見ただけだから・・・」

 

 

ハルユキはこんな姿を兎美に見せたくないと思い部屋を出て行こうとしたが、行動を移す前に兎美に前から抱きしめられた。

 

 

「大丈夫よハルあなたを傷つける人はここにはいないわ、ハルは私が守るから安心して」

 

 

「なんで...、なんで、こんな俺にそこまでしてくれるんだよ...」

 

 

「ハル...なんでそんなに自分を卑下するの?」

 

 

「だって...俺はこんな見た目だし...兎美や美空みたいに凄い力とかないし...スマッシュとの戦いだって俺に出来ることないし...」

 

 

「私は知ってるよ、ハルが誰よりも優しいことを...自分が傷つけられる事と同じぐらい誰かを傷つけることを嫌うことも...それにハルは行く宛ても無かった私達に居場所をくれた...力なんて関係ない...ハルが居てくれるから私は戦えるし美空だって安心して暮らせる...私達にはハルが必要なんだよ」

 

 

「うわぁぁぁぁぁっっっ!」

 

 

ハルユキは兎美の優しさとぬくもりに触れ、今まで溜め込んでいたものが涙としてあふれ出てしまった。

 

 

 

しばらくハルユキは泣き、落ち着いた為かハルユキはすぐ兎美から離れる。

 

 

「ごめん...かっこ悪いところ見せて...」

 

 

「ううん気にしないで...それよりお腹空いたでしょ朝ごはんにしよ」

 

 

そう言って兎美はそそくさとリビングに向かい,ハルユキもその後に続いた。

 

 

余談だが,先程の大胆な行動を思い出し兎美は赤面していた。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

リビングに行くと既に美空がおり、朝食を食べていた。

 

 

「おはようハル」

 

 

「おはよう美空」

 

 

「おはようハル」

 

 

「おはよう」

 

 

「ハル、昨日攫われたんでしょ?大丈夫なの?」

 

 

「ああ、兎美が助けてくれたからなんともな...」

 

 

その時、ハルユキは思わず返事をしてしまったが自分が喋ってる人が美空たちとは別の人だと気づき,慌てて声の方を見るとそこにはチユリが俺達と一緒に朝食を食べていた。

 

 

「チユ!?なんでここにいるんだよ!」

 

 

「気づくのが遅いのよ、ハルがあの後攫われたって聞いたから様子見に来たの」

 

 

「様子見に来たって、お前朝練は!」

 

 

「何言ってんの?朝練まで全然時間あるわよ」

 

 

チユに言われて時計を見ると、AM:6時と表示されていた。

 

 

「なんで俺こんなに早く起きてんの!?」

 

 

「それはね、私がハルに見せたいものがあるから早く起こしたのよ」

 

 

そこに、ハルユキの朝食を持ってきた美空が来た。

 

 

「見せたいもの?」

 

 

「そうよ!ハルが絶対喜ぶものよ!」

 

 

俺達は朝食を食べた後、兎美達の部屋に行った。

 

 

「へーここが仮面ライダーのアジトなんだ。私この部屋入ったこと無いから知らなかったけど、他の部屋より広いのね」

 

 

「当たり前だよ。こいつ母さんの許可得て元々別々だった、2人の部屋を壁を壊して1つの部屋にしたんだから」

 

 

「あー...だからこんなに広いんだ」

 

 

その時、一体の青いドラゴンがハルユキに近づく。

 

 

「キシャー!」

 

 

「うおっ!なんだこいつ!」

 

 

ハルユキは突如現れた謎の物体に驚き、驚愕の声を上げた。

 

「その子はクローズドラゴンと言って、ハルの護身用に私が発明したのよ」

 

 

クローズドラゴンは、ハルユキの回りを旋回する。

 

 

「うおー!かっこいい!」

 

 

「ほんとハルってそうゆうの好きよね」

 

 

「当たり前だろ!こんなの出されたら興奮するに決まってんだろ!」

 

 

クローズドラゴンの登場に、ハルユキは興奮していた。

 

 

「ふふふ!興奮するのはまだ早いわよ!」

 

 

そう言うと、兎美はパソコンとビルドドライバーに似たドライバーを持ってきた。

 

 

「これはね...ハルが仮面ライダーに変身する為の専用ガジェットなのよ!」

 

 

「は!?俺の変身アイテム!?マジで!?」

 

 

「そう!これが私が開発したライダーシステム!仮面ライダークローズよ!」

 

 

「仮面ライダークローズ...」

 

 

兎美が持っているパソコンには、クローズと思われるデザインが表示されていた。

 

 

「「おおー!」」

 

 

表示されていたのは青を基調としたドラゴンを模した鎧だった。

 

 

「でもさ、これを見る限り俺じゃあ頭身と横幅が合わないんじゃないか?」

 

 

ハルユキの言葉通り、表示されている物は頭身が高くお腹周りもシュッとしていた。

 

 

「ふふふ!私の発明をなめないでよ!変身時に調整されるようになってるから正体がバレる心配もないわ」

 

 

「そんなこと出来るの?」

 

 

兎美の言葉に、チユリが質問する。

 

 

「可能よ!只その当たりの最終調整がまだ終わってないから、調整する為にハルには1回変身してもらわないといけないけどね」

 

 

「だからこんな早い時間に起こしたのか...」

 

 

「それじゃあ早速変身してもらうわよ」

 

 

「おおー!ハルの変身見てみたい!」

 

 

変身と聞いて、チユリはテンションが上がっている。

 

 

 

 

 

 

「調整してないって言ってたけど、本当に大丈夫なのか?」

 

 

「.....大丈夫よ」

 

 

「最初の間はなんだよ!本当に大丈夫だよな!」

 

 

「あんた男でしょ。早くしなさいよ」

 

 

美空に急かされ、ハルユキは泣く泣く変身する事にした。

 

 

「じゃあ説明するわね。まずは私が変身する時と同じように腰にベルトを当てて」

 

 

兎美の説明どおりドライバーを腰に当てる。

 

 

すると体に合わせてベルトが装着される。

 

 

「キシャー」

 

 

「クローズドラゴンの頭と尻尾を上に上げて、ガジェット形態に変形させる」

 

 

ハルユキは旋回しているクローズドラゴンを捕まえ、言われた通りに変形させる。

 

 

「次に随分前に回収したこのボトル、『ドラゴンフルボトル』を装填する」

 

 

兎美はドラゴンフルボトルを、ハルユキに投げ渡す。

 

 

 

ハルユキは、それを右手でキャッチしボトルを数回振り、ガジェットに装填する。

 

 

『ウェイクアップ!』

 

 

「ガジェットをベルトに装填してレバーを回したら変身完了よ」

 

 

ハルユキはガジェットをドライバーに装填する。

 

 

『クローズドラゴン!』

 

 

そのままレバーを回すことでドライバーからスナップライドビルダーが展開された後、クローズ専用のドラゴンハーフボディを前後に生成される。

 

 

『Are you Ready?』

 

 

「変身!」

 

 

掛け声とともにハルユキを挟み込むように結合され、その後追加ボディアーマー・ドラゴライブレイザー・フレイムエヴォリューガーが上半身と頭部を覆うことで変身が完了する。

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

「痛い!痛い!痛い!お腹が挟まった!」

 

 

変身時にお腹のお肉が挟まり、ハルユキは悲惨な事になっていた。

 

 

「は、早くガジェットを抜いて!」

 

 

兎美の言葉を聞いて、ハルユキはドライバーからガジェットを引き抜く。

 

 

ハルユキは変身が解除され、お腹を押さえながら床に倒れていた。

 

 

「だ、大丈夫?ハル」

 

 

「だ、大丈夫な訳ないだろ!めちゃくちゃ痛かったんだからな!」

 

 

ハルユキは涙目になりながら、兎美に抗議した。

 

 

「ごめんごめん。でもこれで次はちゃんと変身できるようになるから...」

 

 

「本当だろうな!?」

 

 

 

「ちゃんと調整して、変身できるようにしとくから安心して」

 

 

「分かった...うぅぅ...酷い目に合った...」

 

 

「取りあえず挟んだ所を冷やさないと。氷持ってくるわ」

 

 

美空はすぐに、台所に氷を取りに行った。

 

 

「あれ?また新しいボトル手に入ったのか?」

 

 

今まで倒れてたハルユキだったが、机の上に置いてある新しいボトルに気づき起き上がった。

 

 

「ハル、あんた意外と大丈夫でしょ」

 

 

チユリが呆れ、兎美は机の上に置いてあったボトルを取り部屋の隅へ行く。

 

 

「そう、朝現れたスマッシュの戦利品よ」

 

 

兎美は壁に埋め込まれているパネルに、新しいボトル『タカフルボトル』と別のフルボトルを装填する。

 

 

「何それ?」

 

 

「それはベストマッチだ」

 

 

チユリの疑問に答えたのは、ハルユキだった。

 

 

「ボトルには相性があるんだ。たとえばラビットとタンク!この2本入れると」

 

 

ハルユキはパネルに、ラビットとタンクのフルボトルを入れる。

 

 

すると真ん中に光の線が走り、R/Tというマークが光る。

 

 

「相性が良い組み合わせが見つかると、このように光るんだ。全組のベストマッチが見つかるととんでもないことが起こるらしい。だけどこれがなかなか見つからないんだ」

 

 

「だからこれが必要なのよ」

 

 

兎美が、ビルドドライバーをチユリに見せる。

 

 

「これは元々ビルドの変身機能しかなかったのを、私がベストマッチを探せる検査機にもなるよう改良したのよ」

 

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

 

 

「どうよ私の発!明!品!」

 

 

「へー、まあ私なら一発で探せるけどね!」

 

 

チユリはそう言い、ドライバーを奪いボトルを並べてる机に向かう。

 

 

「ふん!言ってくれるわね!だったら探して貰おうかしら」

 

 

兎美は机の上にある、開発途中の物を手に取る。

 

 

「これはガトリングボトルを使って開発した最強の武器!....何とかガトリンガーよ」

 

 

兎美は最初は自信満々で言っていたが、名前がまだ決まっていない所為か自身無く言った。

 

 

「けどベストマッチになるボトルが見つかってな...『タカ!ガトリング!ベストマッチ!』嘘ー!」

 

 

「えー!」

 

 

チユリが言葉通り一発で見つけたことに兎美達は驚いている。

 

 

「どうよ!私の第!六!感!」

 

 

チユリはドライバーを兎美に突きつける。

 

 

「タカガトリンガー...ホークガトリンガー...あっホークガトリンガーがいいわねそうしよう」

 

 

兎美は現実が受け入れられないのか、現実逃避をしていた。

 

 

「なんでベストマッチが分かったんだよ!」

 

 

「えーなんとなくよ」

 

 

「お前凄いな...」

 

 

 

 

 

チユリは朝練の為、学校に向かい兎美は先程のホークガトリンガーの開発に、美空は限界だったのか眠ってしまった。

 

 

ハルユキはお腹を氷で冷やした後、兎美が作ったお弁当を持って学校へ向かう。

 

 

母親にお金をチャージして貰おうと思ったが、昨日は荒谷達の昼を買わなかったのと、今日も兎美のお弁当があるため貰わないで声だけ掛けてそのまま家を出た。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

時刻は変わり、昨日と同じようにハルユキはラウンジで黒雪姫と昼食を取っていた。

 

 

『どうやら約束通り外ではグローバルネットを切っていたようだな』

 

 

『はあ...あの昨日入れたアプリとグローバルネットの切断は何か関係しているんですか?』

 

 

『無論だ、では説明しよう。君がインストールしたブレインバーストの正体はただの対戦格闘ゲームだ。それも現実を舞台にした遭遇戦のな』

 

 

『じゃ、じゃあもしうっかりグローバルネットを接続していたら...』

 

 

『他のバーストリンカーに狩られていただろうな』

 

 

『思考の<加速>なんていう物凄いテクノロジーを使って、一体何をするのかと思ったらカクゲーっすか!もう30年も前にすたれきったジャンルじゃないですか!』

 

 

すると、黒雪姫は少し考えるように小首を傾げ、どこか皮肉そうな笑みを滲ませた。

 

 

『うーん、その言い方はちょっと違うかな。ハルユキ君、我々バーストリンカーは格闘ゲームで遊ぶために<加速>しているのではない。その逆、<加速>し続けるために戦っているのだ。そうせざるを得ないのだよ。それがこのプログラムの嫌らしいところさ』

 

 

『それは......どういう意味ですか?』

 

 

『ん......この先は、実地に説明したほうがいいかな。ちょっと<加速>してみたまえ』

 

 

『は、はあ...』

 

 

ハルユキは兎美の弁当への未練を断ち切り、言われるままに椅子の上で姿勢を正すと、加速コマンドを口の中で叫んだ。

 

 

バースト・リンク!

 

 

 

ばしっ、というあの音が体と意識が叩き、周囲の生徒達の動きと色を奪った。

 

 

「で...どうするんです?」

 

 

「視界の左側に、新しいアイコンが増えていないか?」

 

 

言われるまま視線を動かすと、確かにいくつか並んだアプリ起動アイコンの中に、燃え上がるBのマークが新規登録されていることに気づいた。左手を持ち上げてそれをクリックする。

 

 

「それが、対戦格闘ゲームソフト<ブレイン・バースト>のメニュー画面だ。自分のステータスや戦績の閲覧、さらに周囲のバーストリンカーを検索して対戦を挑むことができる。マッチメイキングのボタンを押してみろ」

 

 

頷き、ハルユキはメニュー最下のボタンをクリックした。即座に新たなウインドウが開き、一瞬のサーチング表示に続いてネームリストが現れる。

 

 

と言っても、そこにある名前はたった2つだ。

 

 

一つは<シルバー・クロウ>と――そしてもうひとつ。<ブラック・ロータス>。

 

 

順番からしてシルバー・クロウが自分の名前だとハルユキは考えていた。

 

 

「今、我々はグローバルネットからは切断され、学内ローカルネットにのみ接続しているゆえ、リストにはキミと私しかいない――はずだ」

 

 

「はい...ブラック・ロータスさん」

 

 

綺麗な名前だ、とか、あなたにぴったりです、とか言いたかったが勿論そんな台詞をするりと発音できる訳もなく、ハルユキのブタ鼻がふがふが動いただけだった。

 

 

「よし。それでは、私の名前をクリックし、対戦を申し込んでみろ」

 

 

「え...ええ!?」

 

 

「何も本当に戦おうって訳じゃない。タイムアップでドローにするだけだ」

 

 

軽く苦笑し、黒雪姫はさあ、とハルユキを促した。

 

 

同一フィードに数万人が接続する大規模戦闘ゲームを珍しくないこの時代に、いまどき1対1か、と思いながらリストの名前をそっとクリックし、現れたポップアップメニューから【DUEL】を選ぶ。

 

 

さらに浮かんだYES/NOダイアログから――【YES】。

 

 

瞬間、ふたたび世界の様相が変化した。

 

 

青く停止したラウンジから、全ての生徒達が一斉に消える。柱やテーブルが、色を取り戻しながらまるで風化するように朽ちていき、ガラスにも厚く埃がこびりつく。

 

 

そして空が、さあっと深いオレンジ色に染まった。

 

 

どこからか乾いた風が吹いてきて、床のあちこちから伸びた名も知れぬ草を揺らした。

 

 

1800の数字が、ばしっと視界上部に刻まれた。

 

 

左右に青いバーが伸び、最後に――【FIGHT】の炎文字。

 

 

「ほう...<黄昏>ステージか。レアなのを引いたな」

 

 

きょろきょろと周囲を見回していたハルユキの傍らで、黒雪姫の声が響いた。

 

 

「ステージ属性は、よく燃える、すぐ壊れる、意外に暗いだ」

 

 

「は、はあ...」

 

 

頷きながらも、ハルユキは自分の体を確認した。

 

 

するといつの間にかピンクブタの体ではなく視界に入ったのは、脚も、胴も、両腕も、針金のように細く、磨かれたように銀色の体だった。

 

 

まるでロボット――しかし、ゲームやアニメのような戦闘的イメージはかけらもない。

 

 

慌てて顔に手をやってみると、鼻や口の感触はなく、ヘルメットのようになめらかな曲線だけが硬い指先に滑った。

 

 

咄嗟に近くにあった窓ガラスで確認する。

 

 

大きなガラスに映った姿は、まさしく全身これ金属のロボットだった。

 

 

体はとことん細く、小さく、流線型の頭ばかりが不格好に大きい。一言でいえば――とても、雑魚っぽい。

 

 

今朝兎美が見せてくれたデザインに比べてしまうと、天と地との差だ。

 

 

となれば黒雪姫はどのような姿になっているのかと思いながら視線を向けたが、目の前に立っていたのは、これまでと一切変わらない黒ドレスのアバターだった。

 

 

「それが君のデュエルアバターだな。<シルバー・クロウ>、いい名前じゃないか。色もいい。フォルムも好きだな、私は」

 

 

黒雪姫の手が伸ばされ、銀色のつるつる頭をなでなでした。

 

 

その確かな接触感覚は、ハルユキに改めてここが<接触禁止>というお子様な倫理保護コードなど存在しない、本物の仮想現実であることを意識させた。

 

 

「ど、どうも...なんか雑魚っぽいですけど。造り直しは、できない...ですよね。これ、デザインやネーミングは誰がしたんです?そもそもデュエルアバターって何なんですか?」

 

 

「その名の通り、対戦専用のアバターさ。デザインしたのはブレイン・バースト・プログラムであり、キミ自身でもある。――君は夕べ、とても長く、怖い夢を見ただろう?」

 

 

「...はい」

 

 

内容は思い出せないが、それが物凄い悪夢だったことだけは感覚的に覚えている。

 

 

思わずロボットの細っこい二の腕を硬い掌で擦る。

 

 

「プログラムが、君の深層イメージにアクセスした所為だ。ブレイン・バーストは、所持者の欲望や恐怖や強迫観念を切り刻み、濾し取って、デュエルアバターを造り上げるのだ」

 

 

「僕の...イメージ。恐怖と...欲望」

 

 

呟き、ハルユキは改めて自分の体を見下ろした。

 

 

「これが...この小さくてひ弱でツルツルの体を、僕が望んだってことですか?そりゃ確かに、もっと痩せてたらなーとは常々思ってますけど...それにしたって、もうちょっとこうヒーローっぽく...」

 

 

それこそ兎美が見せてくれたデザインのような、カッコいい姿を思い描いた。

 

 

「ははは、そう単純なものじゃないさ。プログラムが読み取るのは、理想像ではなく劣等感なのだ。君の場合、あのピンクのブタくんがそのままデュエルアバターにならなかっただけでも幸運と思うべきかもしれないぞ。もっとも、私はあれも好きだがね」

 

 

「や...やめてください。僕は嫌いです」

 

 

とっとと学内ネット用に新しい黒騎士アバターを組もう、と思いながらハルユキは尋ねた。

 

 

「でも、ということは、先輩のその学内アバターもブレイン・バーストが作ったものだったんですか?それが、先輩の劣等感の象徴?そんなに綺麗なのに...」

 

 

「いや...」

 

 

かすかに瞳を翳らせ、黒雪姫は顔を伏せた。

 

 

「これは、私自身がエディタで組んだものだ。私は...訳あっていま、本来のデュエルアバターを封印しているのだ。理由はいずれ話す。時がくればな」

 

 

「封印...?」

 

 

「残念ながら、私のデュエルアバターは醜いよ。醜悪の極みだ。それが封印の理由ではないがね...ま、私のことはいい」

 

 

肩をすくめ、黒雪姫はすぐにいつもの謎めいた表情に戻ってしまった。

 

 

再び白い手で、ハルユキのヘルメット頭をすりっと撫でる。

 

 

「さてそろそろブレイン・バーストについて説明しよう。君は加速した時画面を、よく見ておいただろうな」

 

 

「たしか...変な数字が出ました。バースト...ポイント、だったかな。それが99から98に減ったんです」

 

 

「よし、よく覚えていたな。バーストポイント!それだ、それこそが我々をこの無慈悲な戦場へと駆り立てるのだ」

 

 

叫ぶようにそう言うと、黒雪姫は窓ガラスの方に数歩進み、くるりと振り向いた。

 

 

両手で持った傘がカツッ!と床に突き立てられ、ひび割れた敷石が小さな破片を飛ばした。

 

 

「バーストポイントは、すなわち、我々が<加速>できる回数だよ。一度加速するとポイントが1減少する。インストール直後の初期値は100ポイントだが、君は昨日ラウンジで一度加速したため、1ポイントを消費していた。そしてさっき、さらに1ポイントを使ったことになる」

 

 

「げっ...。そ、それどうやってチャージするんですか。まさかリアルマネー課金ですか」

 

 

「違う」

 

 

黒雪姫はばっさり否定した。

 

 

「バーストポイントを増やす方法はただ1つ、<対戦>で勝つことだ。勝てばポイントが、同レベル対戦ならば10増える。しかし負ければ10減る。」

 

 

すっ、と顔を窓の外の夕焼け空に向けて、黒雪姫は呟くように続けた。

 

 

「<加速>はとてつもなく強い力だ。喧嘩に勝つことは勿論、試験で満点を取ったり、ある種のギャンブルやスポーツで大勝することも容易い。このあいだの夏の甲子園で、本塁打の大会新記録を打ち立てた1年生選手はハイレベルのバーストリンカーだ」

 

 

「...な...」

 

 

唖然とするハルユキに、どこか悲しげな視線がちらりと投げられる。

 

 

「ゆえに、1度この禁断の蜜を味わった我々は、永遠に<加速>し続けるしかない。そのためのバーストポイントを得るべく、永遠に戦い続けるしかないんだよ」

 

 

「...ちょ...ちょっと待ってください」

 

 

ええー、あの天才強打者がバーストリンカーだって。

 

 

いやそうではなく――黒雪姫の話に、少し可笑しい所がなかったか。

 

 

ハルユキは懸命に考え、口を開いた。

 

 

「あ...あの、さっき対戦に勝てば10アップ負ければ10ダウンって言いましたよね。てことは...その他に、<加速>で消費されるポイントもあるんだから、全バーストリンカーの持つ総ポイントは減る一方じゃないですか。つまり、対戦が弱い人は当然ポイントが0になることも...。なったら、どうなるんです...?」

 

 

「さすが、理解が早いな。簡単なことだ。<ブレイン・バースト>を失う」

 

 

黒雪姫は、闇色の瞳に燃えるような色を浮かべてまっすぐにハルユキを見た。

 

 

「プログラムが自動的にアンインストールされ、2度と再インストールすることはできない。ニューロリンカーを機種変更しても無駄だ、固有脳波で識別されるからな。ポイントを全て奪われた者は、2度と<加速>することはできないのだ」

 

 

寒々とした声音でそう告げてから、もっとも、と言い添えた。

 

 

「君のように、新人として参戦してくれる者もいるから、パイは減少一方というわけでもないがな。それでも現在は、傾向としては微減だが」

 

 

しかしハルユキには、付け加えられた言葉は殆ど聞こえなかった。

 

 

「ブレイン・バーストを...失う」

 

 

たった2、3度<加速>の力を味わっただけなのに、想像しただけで背中がぞうっと凍った。

 

 

加速できなくなる、というだけではない。ハルユキにとっては、もともと別世界の住人である黒雪姫とのたった一つの接点が失われるということでもあるのだ。

 

 

「さて...どうする、ハルユキ君」

 

 

「どうする...って...?」

 

 

「今ならまだ戻れるぞ。<加速>も<対戦>もない、普通の世界に。君をいじめる馬鹿者ももう現れない。それは生徒会役員として保証しよう」

 

 

「...ぼ...僕は...」

 

 

この時、ハルユキは兎美達との今までの戦いを思い出していた。

 

 

スマッシュに襲われ怪我をした時の事、スマッシュから守るために襲われた人を庇った事、無茶をして兎美と美空に説教された事。

 

 

なぜ、自分が危ない事をしているのか。

 

 

「...僕は、まだやらないといけない事がありますから」

 

 

「ほう?」

 

 

「あなたは、僕にブレイン・バーストくれた。それが、僕の初期100ポイントを奪うためじゃない、ってことくらいは分かります。そうなら、いくらでもうまい言い方はありますもんね。...なら、あなたには何か、僕にさせたい事があるはずです。スカッシュゲームのハイスコアをチェックしたり、加速について1からレクチャーしたりするほどの手間をかけるだけの目的が、そうでしょう?」

 

 

「...ふむ。的確な推論だ」

 

 

かすかに微笑む美しいアバターを、ハルユキは銀面越しにまっすぐ見つめた。

 

 

「僕はかっこ悪いし、ぶよぶよだし、泣き虫です。だけどあなたは他の誰でもない、僕に助けを求めた、だったら僕はあなたを助けたいと思ってます!」

 

 

「それはいじめっ子から救ってくれた恩返しとしてか?」

 

 

「それもありますが僕は誰かが困っているのなら手を差し伸べます。あなたが今困っているのなら、その為に僕の出来るあらゆることをしたい。だから僕は...ブレイン・バーストをアンインストールしません。戦います...バーストリンカーとして」

 

 

ハルユキはすでに決意していた、なぜ自分がスマッシュの戦いに参加しているのか...それは襲われている人やスマッシュにされた人を助けたいのは勿論、それ以上に兎美の助けになりたいと思ったから参加している。

 

 

誰かを助けたいという気持ちが、怖がりなハルユキを動かしているのだ。

 

 

言葉を吐き出し終えたハルユキは、羞恥のあまり細いアバターを縮め、俯いた。

 

 

「ふふっ、やはり君を選んだのは正解だったようだな。君の志はありがたく受け取ろう。確かに私は、現在少しばかり厄介な問題を抱えている。その解決に、君の手を借りたい」

 

 

ハルユキは小さく息をつきながらこくりと首を動かした。

 

 

「ええ、僕に出来ることなら、なんでも。何をすればいいんですか?」

 

 

「まずは、<対戦>の仕方を学んでもらう。体力ゲージの下に表示された自分の名前をクリックしてみたまえ<インスト>が開き、君のデュエルアバターに設定された通常技及び必殺技の全身コマンドを確認できる」

 

 

「ひ...必殺技?」

 

 

伸ばしかけた手を止め、ハルユキはオウム返しに訊いた。

 

 

「うん。プログラムは、デュエルアバターを創造するときに、その属性に従って規定量のポテンシャルを各パラメータに割り振る。攻撃力に秀でたタイプ、防御が堅いタイプ、そして必殺技で一発逆転を狙うピーキーなタイプもある。だが大原則として同じレベルのデュエルアバター同士ならばその総ポテンシャルはまったく等価だ。」

 

 

ハルユキはどきどきしながら銀の指を伸ばし、自分の名前を押した。

 

 

効果音とともに半透明の窓が開く。

 

 

シンプルな人型のアニメーションで体の動きが表示され、その右に技名が表記されている。

 

 

まず1つ、腰溜めに右拳を構え、突き出すモーション。通常技<パンチ>。

 

 

そして2つ目。右脚を引き、前に蹴り出すモーション、通常技<キック>。

 

 

そして必殺技――両腕をクロスさせ、大きく左右に開き、よいしょと頭を突き出す、その名も<ヘッドバット>。

 

 

必殺技の項目には他にも表示されていたが技名が???になっており見ることが出来なかった。

 

 

「...あの」

 

 

ハルユキは呆然と呟いた。

 

 

「通常技の、パンチと、キック...それと必殺技が、ただの頭突きと文字化けしてるのしかないんですけど」

 

 

「ほう?」

 

 

それを聞いた黒雪姫は、右手の指先を(おとがい)に添え、首をかしげた。

 

 

「ふむ、恐らく文字化けしているのは使用するのになにかしら条件が必要なのだろう。問題はその条件が何かだな」

 

 

「条件...ですか?」

 

 

「そうだ、それはこれから探していけばいい」

 

 

「わ、分かりました」

 

 

ハルユキは他のゲームとかでも隠された要素等が用意されていたりした為、深く考えていなかった。

 

 

「ん、そろそろ時間か」

 

 

見れば、1800秒もあったタイムカウントは、僅かに20秒を残すのみとなっていた。

 

 

「では、次のレクチャーは体験授業といくか」

 

 

「は...え...?どういう...?」

 

 

きょとんとするハルユキに、黒雪姫は不敵に笑みを浮かべてみせた。

 

 

「無論、君に体験して貰うのさ。<対戦>をな」

 

 

直後、ドローのリザルト画面を経て<対戦>が終了し、同時に<加速>も解けた。

 

 

現実のラウンジに復帰した途端、黒雪姫はハルユキに発言の機会を与えぬままぶちっと直結ケーブルを引き抜いてしまった。

 

 

「さて!食事にしよう有田君。冷めてしまうぞ」

 

 

にっこり笑って、テーブルから小さなスプーンを取り上げる。やむなくハルユキも、自分の前に置かれたお弁当に手を伸ばした。

 

 

周囲のテーブルからは、昨日と同じ非難の視線がハルユキに集中照射されていて、どうせなら学食のスミッコに持っていってから食べたいと思ったが空腹には勝てなかった。

 

 

はぐはぐと三口ばかりかき込んだところで、同じテーブルに座る上級生が黒雪姫に話しかける声が聞こえ、ハルユキはむぐっと喉を詰まらせた。

 

 

「姫、そろそろ教えてくれないかしら?私達はもう好奇心で死んでしまいそうだわ。こちらの殿方は、あなたとどういう関係であると理解すればいいのかしら」

 

 

さっ、と視線だけ上げると、発言の主は昨日も見た、ふわふわした髪型の生徒会役員だった。

 

 

確か2年生の書記だ。

 

 

「ふむ」

 

 

黒雪姫は、グラタン皿の脇にスプーンを置くと、優雅な手つきでティーカップを待ち上げ、少し考える様子を見せた。

 

 

周囲の生徒達が一斉に静まり返った。

 

 

「端的に言えば、私が告白し、彼がフッたのだ」

 

 

悲鳴と驚愕の叫びが世界に満ちた。

 

 

箸を咥え、弁当を抱えて、ハルユキは走って逃げた。

 

 

 

 

 

「あ...あのですねぇ!!」

 

 

午後の2時間を、針のような視線を浴びながらやり過ごしたハルユキは、校門に向かって歩く黒雪姫の右斜め後方から押し殺した声で抗議した。

 

 

「何考えてんですか!!僕またイジメられますよ!イジメられますからね絶対!!」

 

 

「堂々たる宣言だな」

 

 

ふふっと笑ってから、黒雪姫はすまし顔で続けた。

 

 

「私は事実を言ったまでじゃないか。それに、君も満更でもなさそうだったぞ」

 

 

言いながらさっと自分の仮想デスクトップを操作し、指先を弾く仕草を見せる。

 

 

ローカルネット経由で即座にファイルが受信され、ハルユキの視界にアイコンが点滅した。

 

 

クリックすると、眼前に大きな画像が展開された。

 

 

箸を口に突っ込んだまま、ぽかんと間抜けな顔を晒す自分の写真。

 

 

それを見た途端、ハルユキは叫んだ。

 

 

「うぎゃあ!!」

 

 

即座にファイルをゴミ箱に叩き込む。

 

 

「いいい、いつの間にこんな視界スクショ撮ったんですか!早業にも程がありますよ!!」

 

 

「何、ほんの記念だ」

 

 

そんなやり取りをする間も、周りからは現実的殺傷力を持っているとしか思えない視線がハルユキに照射されている。

 

 

今更のように肩を縮めるが、到底黒雪姫の細身には隠れられない。

 

 

「もう少し胸を張れ。この学校に、私にフられた男子は多くともその逆は君だけなんだぞ」

 

 

「だから、僕がいつそんなことをしましたか!」

 

 

「その言い方はひどいな。また傷ついちゃうな。...っと、そんなことより」

 

 

そんなことの一語で問題をペンディングし、黒雪姫は表情を改めると小声で言った。

 

 

「校門を出れば、君のニューロリンカーはグローバル接続される。ここを含む<杉並第3戦区>にいるバーストリンカーなら、誰でも君に対戦を強制できるわけだ」

 

 

「え...エリア?対戦できる範囲に、限りがあるってことですか?」

 

 

ハルユキの問いに、黒雪姫は小さく頷いた。

 

 

「それはそうさ。東京の反対側にいる奴と対戦になっても、遭遇する前に30分が過ぎてしまう。...いずれは、大人数が無制限に接続できる集団戦用フィールドへと踏み出すことにもなるだろうが、それはレベル4を超えてからの話だ。今は目の前の戦いだけに集中しろ」

 

 

わずかに鋭さを増した声で、レクチャーが締めくくられた。

 

 

「先に言っておくが、負けたからって即リマッチとはいかないぞ、同じ相手に挑戦出来るのは1日1回だからな。私もギャラリーに行くが、残念ながら手助けはできん。...頑張ってくれ」

 

 

「は...、はい」

 

 

ごくっ、と喉をならし、ハルユキは頷いた。

 

 

「これが君のデビュー戦だ、<シルバー・クロウ>。グッドラック」

 

 

ぽんと背中を押され、ハルユキは戦塵吹き荒れる歩道へと足を踏み出した。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

場所は変わり、ここは風紀委員が使用する教室。

 

 

そこでは風紀委員会長の幻と成美がいた。

 

 

「どうやら、仕込みは旨くいった見たいね」

 

 

幻は教室から校門前にいるハルユキを見ながら、そう呟いた。

 

 

「会長...昨日なぜあの少年にを攫ったのですか?」

 

 

成美が幻に質問する。

 

 

「彼を攫ったのはハザードレベルを上げるのと、彼のブレイン・バーストにある細工をしたのよ」

 

 

「彼に何を仕込んだんですか?」

 

 

「ふふふ、それは現実世界で使用した物をニューロリンカー経由でブレイン・バーストでも使えるようにする物よ。もっともハザードレベル等が関係した物じゃないと送れないけどね。たとえば...ドライバーとか」

 

 

「なぜそのような物を彼に?」

 

 

「彼は私の計画に必要不可欠なのよ...後、仮面ライダーの彼女もね」

 

 

そう言って幻はハルユキを見つめていた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

ハルユキが一歩踏み出すとバシイイイッ!!という、あの音がハルユキの脳内いっぱいに響いた。

 

 

世界が暗転した。町並みが一瞬で夜闇に沈んだ。

 

 

ハルユキの眼前に、見覚えのある燃えるフォントで、アルファベットが並んだ。

 

 

【HERE COMES A NEW CHALLENGER!!】

 

 

ハルユキは状況を確認する為、周りを見回した。

 

 

すると道路を渡った向こう側に、うごめく複数の人影が見えた。

 

 

いつの間に現れたのかこちらを見ている姿が三つほどあった。闇にまぎれてシルエットしか解らないが、みなハルユキより随分と大きい。

 

 

人影は顔を寄せ合い、何か話している様子だった。ハルユキは思わず耳をそばだてた。

 

 

「...んだか、妙にビクついた奴だなぁ」

 

 

「名前も記憶に無いよねー、初心者かな?」

 

 

「けどメタルカラーだぜ。ちょっとはヤルんじゃねぇ?」

 

 

あいつら――NPCじゃない。

 

 

ハルユキは直感した。

 

 

あの物腰、口調、間違いなくプログラムではなく生身の人間だと。

 

 

この時、ハルユキは思い出した。

 

 

対戦をする前に黒雪姫が言った言葉。

 

 

”私もギャラリーに行くが”

 

 

ハルユキはその言葉を思い出し、彼らがこの対戦を観戦している他のバーストリンカーだと気づいた。

 

 

その時、突然背後で響いた爆音に飛び上がった。

 

 

ハルユキは失念していた。

 

 

自分は今対戦中であることを。

 

 

振り向いたハルユキの眼前に、一際巨大なシルエットが屹立していた。

 

 

バイクだ。

 

 

それも、見慣れたモータードライブ型ではない...ずいぶん前に法律で禁止された内熱機関をハラワタのように抱え込み、そこからドッドッドッと重い震動を響かせている。

 

 

フロントフォークがやけっぱちのように長く、それに挟まれたタイヤも冗談みたいに太い。

 

 

灰色のごついトレッドから、かすかに焦げ臭い匂いが漂ってくる。

 

 

ハルユキは視線を上に向けて、大げさに湾曲したハンドルの向こう、革のシートにまたがるライダーの姿を捉えた。

 

 

全身を鋲を打った黒レザーに包み、両足のブーツを踏ん張って両腕を胸で組んでいる。

 

 

頭も黒のヘルメットに包まれているが、シールドは骸骨を模したど派手な代物だ。

 

 

その奥から、軋るような声が漏れるのを、ハルユキは呆然と聴いた。

 

 

「ひさびさの<世紀末>ステージだぜ、ラァァァァッ、キィィィィ~」

 

 

組んだ腕の片方から、人差し指をつきたてて左右に振る。

 

 

「オマケに相手がピカピカのニュービー。メガラァァァァァッキー!」

 

 

骸骨ライダーは、右のブーツを持ち上げるとハンドルに載せ、器用にひとこすりした。

 

 

途端、どぼばるろおおおおん!という轟音が鳴り響き、ハルユキに向かって突進してきた。

 

 

「うわ!」

 

 

ハルユキは咄嗟に横に飛び、回避する。

 

 

「チッ!避けてんじゃねぇよ!」」

 

 

骸骨ライダーはすぐさま方向転換し、ハルユキに突進する。

 

 

ハルユキは直ぐに骸骨ライダーの反対側へ走る。

 

 

「ヒャハハハハハッ!逃げろにげろぉ!!」

 

 

誰もが逃げたと思っていたがこの時、ハルユキの頭の中では戦う為の計算が行われていた。

 

 

ハルユキは現実世界ではとろくて動きが遅いが、バーチャル空間では現実では出来ない動きをすることが出来る。

 

 

ハルユキは、骸骨ライダーを充分に引き付けたその時。

 

 

「はあっ!」

 

 

近くにあった障害物を足場として利用し、三角飛びの要領で骸骨ライダーの顔面に回し蹴りを放つ。

 

 

「...おわ!?」

 

 

という叫びが、かすかに骸骨のフェイスシールドの下から漏れたような気がした。

 

 

しかしその時には、銀甲に覆われた脚が、見事に骸骨のど真ん中に命中した。

 

 

バキャアアアン!!という物凄い衝撃音とともに、シールドが放射状にひび割れた。

 

 

がくんとライダーの首が後ろに曲がり、ハルユキはその顔の上を通過するとアスファルトの路面に着地した。

 

 

すぐに顔を上げて後ろを確認する。

 

 

バイクは、前後のブレーキローターから大量の火花を散らしながら右斜め方向に吹っ飛んでいき、路肩の瓦礫の山に突っ込んでようやく停止した。

 

 

乗り手の体が、反動でどすんとタンクに突っ伏し、同時にぷすんと情けない音を立ててエンジンが止まった。

 

 

「よし!」

 

 

呟き、ぐっと右手を握り締めてから、ハルユキは双方の体力ゲージを確認した。

 

 

シルバー・クロウの方は、ダメージを受けていないので減ってはいないが、対するアッシュ・ローラーは被害甚大、飛び蹴りとクラッシュの双方で大ダメージを負ったと見えてゲージが20%以上も削れ、色も少し紫がかっている。

 

 

アッシュ・ローラーに視線を向けると、クラッシュしたバイクがようやくエンジンを再点火したところだった。

 

 

息切れのようなアイドリング音を響かせる車体が、ずぼっと瓦礫から引っ張り出される。

 

 

このあとをどうしようかと考えたとき、どこからひそひそ声が聞こえた。

 

 

「へぇー、やるじゃないあのちっちゃい子」

 

 

「レベル1の癖にレベル2を圧倒するなんて<親>は誰なのかね」

 

 

周囲を見回すと、いつの間にかあちこちの屋上や路地にたたずむ人影を見つけることができた。

 

 

彼らがハルユキをマークしているはずはないので、アッシュ・ローラーのほうをチェックしていたリンカーたちなのだろう。

 

 

しかしこの中で1人だけ、シルバー・クロウの名を登録しているギャラリーが存在するはずだ。

 

 

もちろん<ブラック・ロータス>こと黒雪姫である。

 

 

さてどこにいるのだろうとキョロキョロしていると近くにいた2人組みの片方が、ハルユキに向けてひらりと手を振った。

 

 

「このデュエルに勝ったら、君も登録させてもらうわね。頑張ってねボウヤ」

 

 

「ま、そう簡単ではないと思うがね」

 

 

もう片方はアッシュ・ローラの方を向きながらそう言った。

 

 

再び視線を戻すとアッシュ・ローラーがバイクをこっちに向けエンジンを吹かしていた。

 

 

「いーーーーーーい気になってんじゃねーぞハゲ!!俺様のVツインサウンドで踊らせてやんよ!」

 

 

ぼがぁぁぁん!!とエンジンが咆哮し、クロームのマフラーから排気炎がほとばしった。

 

 

直後、巨大なアメリカンバイクは、猛烈な勢いでハルユキに突進してきた。

 

 

「うわわわ!!」

 

 

ハルユキは慌てて回避し直撃は免れたが、衝突の際に飛び散った欠片がいくつかハルユキの装甲に弾けた。

 

 

その瞬間、自分の体力ゲージがほんの1ドット程度ではあるが削れ、ハルユキは改めて驚いた。

 

 

普通の対戦ゲームなら、ダメージはシステムに規定された方法でしか発生しないはずだ。

 

 

やはり、この<ブレイン・バースト>はただのゲームではないのだ。

 

 

現実と区別できないほどに高度なグラフィックとサウンド、そして執拗なまでのリアリズム。

 

 

この世界での戦闘を勝ち抜くための鍵は、きっとそこにある。

 

 

内心にそう刻みつけながら、ハルユキは己より遥かに経験を積んでいるであろう敵を見上げた。

 

 

バイクを器用に直立させたまま、アッシュ・ローラーはじろりとハルユキを見下ろし、金属質の甲高い声でしゃべり始めた。

 

 

「お前、弱そうな見た目の癖に結構やるじゃねぇか」

 

 

「そりゃどうも!」

 

 

アッシュ・ローラは再度の突進態勢に入った。

 

 

何かないか、一発逆転の秘策、起死回生の...。

 

 

ハルユキはあらゆる知識と経験を総動員させて懸命に考えた。

 

 

アッシュ・ローラーは突進してくるがハルユキは難なく避ける。

 

 

仮想でありながら現実。

 

 

それがこのゲーム、<ブレイン・バースト>最大の特徴だ。

 

 

圧倒的なディティール、そしてリアリティ。

 

 

ならば、あのアッシュ・ローラのバイクも、ただ見た目だけのポリゴンではないはずだ。

 

 

精緻に再現されているがゆえの弱点もきっとある。

 

 

バイク―それも前世紀のガソリンエンジン型の特徴って何だ。

 

 

うるさい。

 

 

ガス臭い。

 

 

それらは遭遇前までは弱点となりうるが、この状況では関係ない。

 

 

ガソリンが切れたら動かない。

 

 

ならタンクに穴を開けられれば―いや、とてもそんなピンポイント攻撃は不可能だ。

 

 

他になにかないか。

 

 

なにか―。

 

 

後輪で焦げ跡を作りながらターンしたバイクが、三度ハルユキに黄色く輝く単眼を向けた。

 

 

その瞬間、ハルユキは鋭く息を呑んだ。

 

 

あった。あれだ。

 

 

内熱機関バイクの特徴、そして弱点。

 

 

「ヒャ―ハハハハァ!!いつまで逃げられるかな!!」

 

 

絶叫とともに、鉄の馬が疾駆する。

 

 

奥歯を食いしばり、ハルユキは突っ込んでくるバイクを睨んだ。

 

 

そうだ―いかにあいつが速くたって、見えないほどじゃない。

 

 

派手に避けようとするな、ぎりぎりの動きでかわすんだ。

 

 

その時、ハルユキによく耳にしている言葉が過ぎった。

 

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

 

全集中力を振り絞り、ハルユキは跳ね飛ばされる寸前、50センチだけ右にスライドした。

 

 

ちっ、とハンドルの端が体をかすめ、アッシュ・ローラーが目の前を通過した。

 

 

瞬間、ハルユキは両手を伸ばし、ダメージ覚悟でバイクの後輪を覆う黒いフェンダーの縁を掴んだ。

 

 

指が引き抜かれそうな衝撃とともに、腕の各関節から火花が散り、体力ゲージが軽く凹む。

 

 

バイクの速度が僅かに落ちた。

 

 

その隙を逃さず、ハルユキは床面に両脚を突っ張り、思い切り体を仰け反らせた。

 

 

がりがり、と鋼の足がコンクリートを削り、ゲージが続けて減少した。

 

 

「ヒャッハァーッ!!」

 

 

肩越しに振り向いたアッシュ・ローラーが、甲高い哄笑を放った。

 

 

「バァーカ!!てめぇみてーなガリチビに、俺様のモンスター・マッシーンが止められっかよォォォ!!」

 

 

ガリガリガリガリ!!と、自分の両足の裏側が凄まじい擦過音を放つのを聞いた―のと同時に。

 

 

「ッ...チチチチいてててて―!!」

 

 

まるで、足が粗い下ろし金で削られていくような、いやそのものの熱と痛みに襲われ、ハルユキは悲鳴を上げた。

 

 

「キヒャヒャヒャヒャ!早く放さねーと、タッパがモリモリ減ってくぞぉ―ッ!!」

 

 

アッシュ・ローラーの勝ち誇った声に、耳障りな金属音が重なる。

 

 

銀の両足が真っ赤に過熱し、体力ゲージが怖いほどの速度で減少していく。

 

 

しかし、ハルユキは両手を放さなかった。

 

 

銀面の下で歯を食いしばり、熱と痛みに必死に耐えながら、愚直にバイクに尻にぶら下がり続ける。

 

 

目の前が行き止まりになっており、髑髏ライダーは「ひょおーっ」という奇声とともにバイクを傾けてスピンターンに入った。

 

 

ブレーキローターが火花を吐き、太いタイヤが白煙を上げる。

 

 

「くうううっ!」

 

 

遠心力で吹っ飛ばされそうになるのを、ハルユキは必死に堪えた。

 

 

もうすぐ、あと半秒後に、最初で最後のチャンスが来る。

 

 

エンジンが回転を落とし、バイクが回頭を終え、再度の猛ダッシュを開始しようとした―その寸前。

 

 

ほんの一瞬、シルバー・クロウの足底が床面をがっちりと捉えた。

 

 

「今の俺は!負ける気がしない!うおおおおお!!」

 

 

ハルユキは絶叫した。

 

 

同時に、あらん限りの力を振り絞り、両手で掴んだフェンダーを真上に引き上げた。

 

 

膝や肘、肩がスパークし、残り2割ほどにも減った体力ゲージに最後の1削りを食らったが、細い両脚は巨大な荷重に耐え、まっすぐに伸びた。

 

 

コンマ1秒遅れて、太いリアタイヤが猛然と回転した。

 

 

だがその運動エネルギーは、推進力に変わることはなかった。

 

 

ぎりぎりのところで、トレッドが床面から離れていたからだ。

 

 

 

「お...おッ!?」

 

 

ハルユキの直ぐ目の前で、背中を向けてシートにまたがるアッシュ・ローラーが叫んだ。

 

 

慌てたように2度、3度と右手をしゃくる。

 

 

その度にエンジンが唸り、後輪が狂ったように回転する。

 

 

しかしもう、鋼の車体はびくりとも動かない。

 

 

これが、ハルユキの気づいた<弱点>だった。

 

 

前後ホイールにモーターを内蔵した電動バイクと異なり、前時代の内熱機関バイクは、エンジンと繋がったチェーンによって後輪のみを駆動しているのだ。

 

 

バイク全体を持ち上げるのは絶対に不可能だが、鋼鉄のロボアバターを突っ張らせてわずかにリアを浮かせるだけなら1時間でも続けられる。

 

 

「て...てめぇ!コラァ!!降ろせハゲぇぇ!!」

 

 

体を捻って肩越しにそう喚き散らすアッシュ・ローラーを、ハルユキは見上げた。

 

 

そして相手には見えないだろうがにんまりと笑った。

 

 

「嫌だね、悔しかったら前輪回してみろ」

 

 

「くぅっ!このやろー!」

 

 

アッシュ・ローラーはハルユキの挑発に乗り、殴りかかってくるがハルユキは首を動かすだけで避け、今まで貯めていた必殺ゲージを使用し必殺技を放つ。

 

 

「ヘッドバッド!!」

 

 

空ぶった所為で前につんのめったアッシュ・ローラーの顔面にハルユキの必殺技が決まり、アッシュ・ローラーのゲージが0になった。

 

 

こうしてデビュー戦はハルユキの勝利で幕を閉じた。

 

 

 

 




はい!如何だったでしょうか!

今回は兎美達の活躍は余りありませんでした。

すみません。

序盤にチユリがベストマッチを見つけましたが
実はチユリが!という展開は今後ございません!

ただ大六感をやりたかっただけです。

また、アッシュ・ローラー戦ですが最後のタイヤ浮かす奴は
原作のままではなく少し変えようと考えていたのですが
まだ、原作のままの技しか使えない設定のため断念しました。

次回!ハルユキがついに変身します!

お楽しみ下さい

また、まだ作品の序盤なのでしばらくは二番煎じにお付き合い下さい。

では次回又は激獣拳を極めし者でお会いしましょう

文字数の調度いい長さを教えてください!

  • 7000~10000 第3章第3話参考
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  • 15000~20000 第3章第2話参考
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