神様を殴る為に神を目指すのは間違っているだろうか   作:-恵-

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エピローグ
最後に…


え?

 

帰ってから何があったかって?

 

 

そりゃあ…最下層まで攻略したことでロキ・ファミリアが世界一有名になるわ、凱旋でオラリオあげてのお祭り騒ぎになるわ…

 

その後で黒竜を倒すグランドクエストをギルドから発行されるわ、

遠征メンバーすなわち半数以上がLv.8に、私自身Lv.∞となったことを受けて開かれた「緊急神会」でロキは血反吐を吐いたまま意識だけ昇天するわ……

 

 

そうそう。たまたま行為をしたのが排卵日の2日前だったからか…初めての行為でできて//

……そのままフィンと私の結婚式を挙げました。

 

ティオネに向けてブーケぶん投げたけどね、いい相手に巡り会えるようにって願いを叫びながら込めて…

なんだかんだ言って、ティオネも祝福してくれた。是非側室に!ってフィンへ言って即断られてたけど…;

 

 

 

時間軸に関しては…6月13日、帰還後一日休む→6月14日、遠征で得た資源の換金→同日の晩、豊饒の女主人にて遠征の打ち上げ→打ち上げ後の夜遅くに行為→6月15日、緊急神会→6月20日、黒竜討伐→7月28日、妊娠発覚→同日、結婚式…かな?

 

 

黒竜については6月20日、遠征メンバー全員で1時間もかからずに難なく倒せた。

私は加速魔法と防御魔法を皆に50M離れていた所からかけ続けていて、全員怪我なく無事に帰還できた。

 

ただ……アイズは…「やっと…やっと、悲願(ねがい)が叶った」と声を詰まらせつつも涙ながらにそう言い、中から出てきた亡骸二つを抱き抱えながら咽び泣いていた。

きっと、大切な人達だったんだと思う。是が非でも、取り返したかったんだろう…と考えながら、泣き止むまでアイズを後ろから抱き締めて頭を撫で続けた。

 

 

 

女神フィアナとして降臨したそれは、後にファミリアを作っただろうか?故郷に帰っただろうか?

 

否…一度は里帰りで帰ったけれど、何故か…私の傍で幸せそうに過ごす光景が、多くの人に目撃されている。

 

 

これで…私とフィアナの物語は終わり。

 

だが…時間が続く限り、終わりはない。果てもない。

 

死を持ってしてもなお、誰かが生きている限りまた別の物語となって続いてゆく。

 

 

この先、どんな人生を歩むのか…それはまだ…遠く、先の話。

 

その人生の中で得れたことを、今語ろう。

 

 

 

-------------------------

 

 

 

人を想い、人の為に頑張れば、いつかいいことがある。

 

しかし、それは幻想かもしれない。

疲れ果てた時、ただ夢見ただけかもしれない。

 

頑張っても頑張っても報いられず、真逆に嫌なことしか無いかもしれない。

 

 

それでも…いつか、必ず報いは来る。報われる時が来る。

 

味わった経験、それらがたとえいいことであれ悪いことであれ…

その中には確かに、その時にはまだわからない大事なものがあって、後になってからその意味に気付く。

 

「大切なもの」へと、いつしか繋がっている。

何と繋がっているかについては、その時になってからでなければわかり得ない。

 

 

 

それが、私が小人族として歩んだ人生で得られた、大事なものだ。

 

まだ報われない、まだ誰も助けてくれない…

それでも、だからこそ得られた『幸せ』が目の前にある。

 

 

それが長ければ長いほど、絶望が深ければ深かったほど…

 

後に得られた幸せや喜びは凄まじい輝きを示して、温かく心に染み渡っていく。

 

 

人を大事に思うことは、間違いではなかった…そう、感じさせられた。

 

 

 

それでも、どうしても合わない場合は無理をしたらいけない。

無理をしたからこそ、この未来へ繋がったかもしれないが…確実じゃない。

 

絶対に同じ経験をするとは言えないし、いい思いをするとも言えない。辛いことは避けられない。

でもだからこそ、その中で得られたものは最上の意味を齎す。

 

 

精神的に病み、過労で死に、最終的にここまで来たわけだが…神の気紛れという奴に他ならないだろう。

そもそもがフィアナに目を付けられていなければ、私はこうして生きていなかったとも思うし、ここへ連れ帰すこともできなかった。

 

ただ…一つ言えるとしたら…私は、幸せ者だったってこと。そして誰もが、心構え次第で幸せ者になれるということ。

 

 

 

誰もが気付かない内に、自分の持っている「何か」が幸せへと繋がるかもしれない。

 

あの地獄と思っていた絶望の中での初めての邂逅…それは太陽よりも眩しく、温かなものだった。

 

生きることだけは投げ出してはいけないのだと…私は学んだ。

地獄を味わっていた当時はいっぱいいっぱいで、そんな可能性なんか一切浮かんでこなかったけど…

 

 

それが…それこそが…私という人生の中での、最大の学びだと思う。

 

 

 

だから…たとえ何であっても、大事にするようにして欲しい。

 

 

たとえどれほど苦しくとも…辛くとも…無駄なものなど、無くていいものなど、一つとしてない。

 

何が幸せな未来に繋がるかなんていうのは、その時にならないとわかんないから。

 

 

ただ願わくば…全ての人に、幸多からんことを……

 

 

 

―― Fin ――

 

 




その後のおまけ(利用規約の禁止事項にあった「小説(SS)以外の投稿」対策)

「ケイト、女神を殴った感想は?」
「んー?全力で殴ったぞ?バカダチに!^^」
フィンの問いかけに、私は満面の笑みで答えた。

「それも空中でしたけどね。私を浮かす為に」
「その後で空間魔法で障壁作って殴ってすぐ追い付いたでしょ?」
「そこでフィンの抱き締め痺れるううう!!」
フィアナの言葉に私が問いかけると、両腕で自分を抱き締めながらくねくねと体をくねらせつつフィアナは悶え叫んでいた。

「はいはい」
「所で、見せてもらえるんですよね?す・べ・て//
ワックワクのドッキドキなんですけども♪」
それに軽く流すように相槌を打つと、フィアナがワクワクといった様子で地雷を踏んできた。

「フィン…今から取り消しできない?」
「できると思うかい?」
「無理だね」
「だろう?」
だだっ!!
そう私とフィンが交互に言葉を交わし合った後、私達は揃ってフィアナに背を向けて走り出した。

「待って下さい!!愛してまああす!!」
「人生、何に繋がってるかなんてのはわかんないね!!」
「ああ、そうだね!」
フィアナから追い掛けられる中、私はフィンへ叫び、フィンは私へ叫び返す。
その中で、不思議と楽しいという感情が私達の中に訪れていた。

こんな騒がしい日常もまた…大切なものとなり得る。


ロキが私の力によって膨らんだ胸にはしゃぐ姿が視界に入る中…背に意識を向けると、フィアナの力による温もりは消えていた。

それに伴って、今では冷たくも感じるけれど…確かに、温もり()すぐ近く(ここ)にある。



大切なものは…失いかけた時、もしくは失った時にならなければ気付かないかもしれない。

何が何に繋がっているかなんて、案外その時になるまではわからない。


しかし…だからこそ、何事も、何ものも、大切にして欲しいと私は思う。

これまでの日々を通して、私はそう心から願うばかりだった。



神様を殴る為に神を目指すのは間違っているだろうか?

いや…間違っていないと……今なら、そうはっきりと言えるよ。


きっかけが何であれ…そのお陰で、掛け替えのない(家族)に恵まれたから――


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