神様を殴る為に神を目指すのは間違っているだろうか   作:-恵-

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怪しまれるに決まってるでしょ、何考えてんの。女神さん!;

『フィアナと呼んで下さい。愛してます♪』
本当に愛しているのならせめて時と場合を選んでもらえませんかねえ?(ギロリ)

『そんなに怒らないで下さい。あなたの為です』
まずは事前に話してからにして、お願いだから。

『えー。私が楽しめないじゃないですか』
そのせいでこっちが幸せじゃなくなるんだよ!ピンチに逆行していくんだよ!!(汗)

『ファイト一発♪』
人為的に障害増やさないでね!?お願いだから!!

『気分にも寄ります』
イラッ

ねえ…怒りを抱くのは間違っているの?
『大好きです^^』

………どうしよう、これから…はあっ(がくっ)


黄昏の館

黄昏の館――

 

門番にアイズさん、いや、アイズが話を付けていた。

 

 

「付いてきて」

 

そう言われる最中、半信半疑という眼が私へ向けられた。

 

まあ…普通は怪しんで当然だよね。黒い板は隠しているけれども。

 

 

フィアナ曰く、手をその上に「見えなくなれ」という意思を持ってかざせば自動的に異空間へ隠れるらしい。

 

言わなかった理由は…『知らない方がわくわっくのドッキドキでしょ(星ウィンク)』

別の意味でドッキドキだよ(怒りで)。

 

 

 

道中でも新たな機能を後になってから教えられるし…

 

 

「ジャガ丸くん、小豆クリーム味。クリーム多め、小豆マシマシで」

ぐー

 

お腹よ鳴るな!!(汗)

そう言えば朝御飯も食べずに飛ばされたんだっけ…

 

思わず赤面する最中、思いを巡らせている私を見て「2つで」とアイズは言ってくれた。

 

「はいよ。珍しいね、黒髪の小人族なんて」と答えるおばちゃんに、アイズは微かに首を傾げていた。

 

 

ええ子や!ホンマええ子や!!

『ロキみたいになってるわよ』

 

フィアナの言葉も何のその、気にせず合掌してひたすら何度も礼を言う中、アイズは「気にしないで」と言って笑いかけてくれた。

 

 

 

ただ、一つだけ問題があった。

 

甘いの苦手なんだけど…いや、甘過ぎるのが苦手であって食べれないわけではない。ご厚意に預かるべきだ。

 

でも…何も返せてない……

いいや!あとで返せばいいんだ!!そうしよう!!!

 

 

そう思考を巡らせた後に一人で奮起する最中、アイズからジャガ丸くんを手渡された。

 

「ご合伴に預かります」とお辞儀したが、「食べたこと、ある?」と尋ねられ

「ない」と言うと、食べようとした手を止めてじっと見つめてこられた。

 

 

感想を待っているのかと察した私は、一先ず先に一口食べてみることにした。

 

口に入れて噛んでみると、最初に小豆の風味がふわっと口の中に満ちていくのを感じ、ジャガイモを砕いたものを衣に包んだだけじゃなかったのがすぐ…

いや、名前とさっきの注文から察するべきだった。クリームも混ざっていて、甘い菓子だとその時になってわかった。

 

 

「美味しい?」

 

ドキドキと胸が弾んでいるのをすぐ右隣で感じながら、「うん^^」と一言呟いて頷いた。

 

「よかった…//」と嬉しそうに呟くのを見た後、時間をかけて食べていると覗き込まれていて…

よくよくアイズを見ると、もうその手にジャガ丸くんはなかった。

 

 

「「………」」

 

「…いる?」

 

こくこく!!

 

頷くのを見た後、「じゃあ、はい」と手渡すとアイズは手渡した残り半分を凄い勢いではぐはぐと食べ出した。

 

やっぱり大好物だったんだ…と考えたのは後の話。

 

 

まだ足りなかったようで6個買い始め、受け取る際に落としそうになった1個を咄嗟に掴んだ。

 

が、その先には黒い板があって…

 

(潰れる!!)

ずっ!!

 

ジャガ丸くんを持った手と板がぶつかり合い、サンドイッチのように勢いよく間に挟まり力が加わることで潰れると思った矢先、目に入った光景に思わず瞠目した。

 

手が黒い板へ吸い込まれていったのだ。しかも奥へ奥へと際限なく入れられ、肩まで吸い込まれ手が腕ごと見えなくなった。

 

 

「「!!!」」

 

『これは収納にもなってます♪』

「!!?」

 

「…あの…これ、入れられる?//」

 

素早くパネルから離れて腕を抜いた後、アイズが寄ってきた。

 

ドキドキと頬を赤らめ、キラキラとした眼を向けられる中…私は……有無も言わさずにジャガ丸くんを全部叩き込んだ!

 

 

『この板の中の時間は止まっているので入れた時の鮮度のまま。温度もまた入れた時から変わりません。

ただし生物は入れられないのでご注意を。他は何でもどれだけの量でもお望みなだけ全部入れられます!

 

鮮度満点のお弁当、魔石、ドロップアイテム、全長500mの置物何でもござれ!』

四○元ポケットか!!

 

『それは中の時間も止まってないものです。一緒にするなんて失礼ですね』

そっちの物言いの方が失礼だよ!○ラ○もんに謝って!!(汗)

 

『スルー)なんとお買い得のこの板盤!お値段はなんと0ヴァリス!

 

ご予約、ご利用はお早めに♪

めっがぁみ♪フィアナセンター♪』

テレビ通販か!!!

 

『おまけに何と!私との通話機能もお付けしてます♪』

それは要らん!(きっぱり)

 

『その為だけにそこのあなた!

魔力Lv.∞にしましたから♪』

もう放置しよう…(遠い目)

 

「凄い!」

「この中は異空間になっていて、時間が止まったまま私に触れたものだけ入れられるんだ!

他は全部弾いちゃう!」

『大正解!』

やかましい!&うっとおしい!

 

『私にだけ辛辣なのね…』しくしく

 

…ごめん。許して。

 

泣かれると困る(汗)

『わかっているからやっています♪』ウィンク

 

ねえ…一つ尋ねてもいい?

 

怒りを感じてしまう私っておかしいですか!!?

散々おかしいおかしいって周囲からいじめられてきた私だけども、この感覚っておかしいんですか!!?

 

 

心の底からシャウトする最中、黒い板は『好きよ』『好き好き』『だ~い好き♪』とぴょこぴょこと眼前で出現し続けた。

 

有無も言わさず、ちゃぶ台返しを食らわしたのは普通だと思いたい。

『乱暴に扱っちゃ嫌ん♪』

 

随分フレンドリーになりましたね!!

『私にもフレンドリーに接して』ハート

 

もう、知りません。

 

諦めた。

そっぽを向いて溜息交じりにアイズの方へ向くと、「なんて言っていたの?」と問われた。

 

会話だと悟られるのも当然、なのかな?…板に浮かぶ白い文字の形も変わってるし、ぴょこぴょこ意思があるみたいに動き回ってるわけだし…

なので、「取るに足らない日常会話だ」とだけ伝えておいた。

 

 

 

このパネルは空間収納庫にもなっていると考えた方がいいようだ。

 

それにしても…自分の能力が見れないのは残念だな。魔力Lv.が無限大ってことは…

あれ?精神力も必要なはずだよね?どうなるの?

 

 

アイズに引っ張られるまま、中庭を通ることになった。

 

「こっちの方が近道で、より人の目も少ないから」らしい。

 

目を付けられると困る人でもいるのかな?

『それは私のことですね♪』

 

大人しく出てこないでもらえないかな!!?

 

思わず板を掴むも全然動く気配も無く、イライラが募る一方だった。

 

 

『あなたの幸せをただただ願ってるんです♪』

なら今すぐ隠れて!!出てこないで!

 

私の意思「も」尊重してくれ!!

 

『嫌・です♪』

おのれえええええ!!!!

 

丁寧に何度も何度も音符を付けて楽しんでいるかのようなその物言いに、怒りに駆られていった。

 

 

だが顔に出すわけにはいかない。アイズの居る居場所だし、何より迷惑はかけたくない。

 

怒気を沈め、いつものように荒立った気を治めた。

 

 

 

「?アイズか」

 

「リヴェリア」

 

「…その女は…なんだ?

とてつもない魔力を保有しているようだが」

 

「えっと…小人族の…行き倒れ?」

がくっ!!

 

「い、いやいや。その……えっと…迷子?」

 

「……冒険者ではないのにこれか」ぼそり

「?」

 

「うん…流石に放っておけないと思ったから」

 

リヴェリアが後に言うには、魔法を使えるものからすれば初心者でもわかるくらい顕著だったそうだ。

 

全身から迸るほどに魔力が一瞬として尽きることもなく渦を巻きながら身を守るように出続けており、フィアナが言うには傷が自動で治るのもその魔力の影響によるものらしい。

 

 

「そうか、でかした。

 

だが…使える魔法はないのか?」

『ありますよ』

ひゅんっ

 

「「!!」」

「?何語?」

『異世界言語です。こちらで言う所の共通語、コイネーと呼ばれるものです』

ひゅんっ

 

「なんだ、これは。魔道具か?」

 

「えっと…自分でもよくわかってません」

『あなたの盾ですよ!

 

いつでもどこでも現れます!どんな時でもお守りします!

瞬間移動も何のその!一生離れません「旅のお供」です!!』

 

 

「…随分と変わったものだな」

 

「ユニークな人柄なんです」

 

リヴェリアは眼前に現れるそれに冷や汗交じりに呟き、私は思わずそっぽを向きながら遠い目をして答えた。

 

 

『失敬な!立派な関西人ツッコミ兼ボケ両刀使いには負けたくありません!』

「一体それどっち!?ユニークって認めてるよね最終的には!!」

 

「???ボケ?」

 

アイズが首を傾げ、?をたくさん浮かべている最中…リヴェリアは一つ行動に出た。

 

中庭にリヴェリアとアイズしかいないのがせめてもの救いだ。

現時刻8時弱、神様仏様ありがとう!

『どう致しまして!』

お前には言ってない!

 

『ひどい!!』半泣

でも…

 

『?』

 

…ありがとう。ここまで連れ出してくれて。

そのことには…本当に、感謝しているから//

 

『そんなことぐらいお安い御用ですよ//』

 

…赤面もするんだ。

『しますよ!生きてるんですから!//

赤面しちゃ悪いですか!?//』ぷりぷり&ずいずいっ

 

え!?何でちょっとキレ気味になってるの?!(汗&たじっ)

 

眼前にずいずいと近付いてくるパネルに、私はただただたじたじで、アイズは何が起こっているのかわからず?を浮かべて首を傾げていた。

 

リヴェリアは顎に手を当てて考え込んでいたが、一体何を…?

 

 

「これほどの魔力となれば…いや、恩恵を受けていないのにこれなのか?

なら…恩恵を受ければ一体どれほどの…)

 

…その…名は何という?」

 

「ケイトです」

 

「リヴェリア・リヨス・アールヴだ。

済まないが…一つ魔法を見せてはくれないか?」

 

「!…はい。わかりました」

 

できるの!?

『できますとも!』

 

どうやったら出せるの?やっぱり詠唱?

『必要ありません』

え?でも

『気分です!』

けど

『勢いです!』

人の

『ほらほら私は一生離れませんよ?』

はな

『好き好きですよ?』

しを

『もっと私に埋もれて下さい』

『もっと引っ付いて下さい』

『そうそう!元の世界には帰しません』

『私と一生二人きりで生きるんです』

だから…

 

『結婚して下さい!!

キャッ、言っちゃった//』てれっ

人の話聞けやあああああああ!!!!

ゴォッ!!!!!!

 

次の瞬間、全身が燃え滾るかのように凄まじい奔流を感じた。

 

魔力が全身から蒸気と共に迸り、外へ出る勢いを強めた。

体外へ出た魔力は周囲の空気を荒々しく巻き上げて上昇気流を起こし、凄まじい風を周囲に造り出していた。

 

 

『その意気です』

「離れててくれ!」

 

その言葉に荒れ狂う魔力もあってか、二人はすぐさま距離を取った。

 

 

『かかってきなさい!!受けて立ちます!』

「燃え上がれ、我が怒りよ!!」

 

一言ごとに眼前でぴょこぴょこと動くそれに、私は呟いた。

 

その瞬間、周囲を風と共に円のような軌道で動いていた魔力が炎へと姿を変えた。

 

 

『私に当てれますかね!?』

「人を弄ぶのも…いい加減にしろおおおお!!!」

ばっ!!

 

振り被る左拳に熱く周囲に滾ったそれが見る見る内に収束していく。

 

 

かっ!!

 

太陽の如き閃光が辺りを埋め尽くす。周囲の温度が一気に急上昇する。

 

「何?」と窓から入る閃光と日差しに似た温度に、黄昏の館内は騒然としていた。

 

 

「このっ、馬鹿女神があああああああ!!!!!」

 

この想い(怒り)よ!!!

女神へ届けえええええ!!!!!

 

「一発殴らせろ!!」という想いを込めて振り被った左拳をパネルへと全力でぶつける最中…

浮かんだままのパネルを中心に直径5mの煉獄の炎が解き放たれ、地面を抉り、溶かし、マグマと化す。

 

凄まじい爆風が巻き上がり、その余波は天にかかりかけていた雲が吹き飛んで快晴になるほどだった。

 

 

 

『よかったですね!』

 

「っ」ふらふら

『これで実力は白日の下にさらされました!

 

文句を言う人など、もう一人としていないでしょう。

あなたのその力、他ファミリアには渡したくなくなったでしょうからね♪』

だから…逆に「何者だ!?」って怪しまれるっての!!(汗)

 

精神力も魔力も使い切った影響か、立つことさえも間々ならずうつ伏せに倒れ伏した。

 

 

どさっ

 

(こん…ちく、しょう…)

がくっ

 

必死に持ち上げていた頭もマグマと化した地面へと落ち、その思考を最後に精神枯渇(マインド・ゼロ)で気絶した。

 

爆心地は赤くマグマのようになっていて、踏み入るまで時間がかかったという…

もう言わなくともわかるだろうが、パネルは無傷だ。

 

 

意識が戻った時には、私は黄昏の館の個室のベッドに横たわらせられていた。

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