神様を殴る為に神を目指すのは間違っているだろうか   作:-恵-

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衝突

黄昏の館、鍛練場――

 

私達は皆を連れて、外に出ていた。あと2時間半後、封印は切れて魔力と精神力が無限大になる。

 

 

「魔力を一切感じない…」

「あちらは魔力が無い世界だったようだからな」

 

「本当に異世界から来たのかしら?」

「あの不可解な黒い板を見ても信じられんか?」

 

アイズの言葉にリヴェリアが、ティオネの疑問にガレスが答えた。

 

 

「でもすっごくカッコよかったよね、ああいう熱いの好きだなあ^^

でも素でLv.7ってことだよね?フィン大丈夫かな?」

 

「ティオナ!あんたは信用し過ぎなのよ!

あんな見ず知らずの女に団長が負けるとでも本気で思ってるの!!?」

「ど、どおどお」汗

 

「それは見ていればわかる」

 

大食堂での言葉の感想を述べながらも心配するティオナの言葉にキレかかるティオネだったが、リヴェリアが見ることへ集中するよう促していた。

 

そのティオナの言葉に同意する者もまたおり、団員達の中には大食堂の例の時点から好奇の目をケイトへ向ける者もいた。

 

 

他の周囲は沈黙を保っており、フィンとケイトに見入っていた。無論、ロキもいる。

 

ちょうどその頃、フィンはケイトへと剣を手渡した所だった。

その剣は諸刃で刃は潰されており、それほど大きくも無く平凡かつシンプルな作りのもの。模擬戦用の斬れない剣だった。

 

 

 

「この剣は、折れてもいいものなの?」

 

「ああ。不足かい?」

「いいや…十分だ。

 

それと、拳や蹴りはありでいい?」

 

「ああ。言っただろう?君の純粋な実力を見ると」

 

「…わかった。少し調整してもいい?」

 

「構わないよ」

 

その言葉を聞いた後、私は剣を握り締めて瞑目した。

 

武士の頃の記憶を久方ぶりに思い返す。戦場において周りは殺意ばかり、しかし「人は斬り殺さない」という道を殺されるまで貫いた。

主護霊としてついてくれていた霊でもあるのだが、今はもういない。

 

まずは腰を下ろして重心を落とし、左腰へと刃を鞘に納めるかのように構える。

 

 

前世での記憶を手探りに、木刀を部屋で振るっていた頃を思い出す。

 

戦国時代、幾度にも戦に駆り出される最中で身に付けた剣術…いや、生き残る為の術が脳裏に蘇る。

踏み込み、足の力、足から腰、腰から腕への伝え方、足から腕までを最速で繋げ、全身の動きを一塊とし…一瞬で!

 

 

(振り抜く!!)

かっ!!

 

ひゅ

ぴぃいいいいいいいいいいいい

 

イメージが固まり、感覚を研ぎ澄ませるまで数秒…その後、居合で振り抜く。

 

余波で音が二重に重なった。空気の撫で斬り、それは素振りとしてやっていたこと。

しかし、空気がまるで悲鳴を上げているかのように高音波が尾を引き、その場に響いた。

 

 

「ほお」

 

感心するかのような声が周囲から上がる。

 

たった一振り…それだけで、何かを感じたのだろうか?

いや、今はそんなことはどうでもいい。目の前の動きに集中しろ。今の身体は、前の身体よりも小さい!

 

 

小人族へ変わったことから身長は163.8cmから119.8cmほどに下がっており、それに伴って両腕や両足の長さ、胴に至るまで短くなっていた。

 

まずは…全身の感覚を調整する所から始めよう。

 

 

 

「間合い…」

ひゅ

 

「剣の間合い…」

ひゅ

 

剣を持ってない左腕を右へ広げるように払い、右手に持った剣もまた同様に左へ払う。

 

蹴りもまた横薙ぎに払い、一足飛びの距離もまた測り、両足により走りの回転具合、全身の動かし方、動き、全て確認し終えた。

 

 

「…綺麗や…全身の動きが、まるで一つの流れになっとる」

 

「うん…凄い……私が戦いたかった」

「我慢しろ。時間はまだある。

ケイトのことだ、頼まれればすぐにでも付き合うだろう」

 

最後にトーントーンと両足でその場で脱力しながらジャンプし、準備が整ったことを伝えた。

 

 

そうして…遂に、戦いが始まる。

 

10mほど離れた場所で互いに向き合い、ロキが号令を担当した。

 

 

 

フィン視点――

 

 

「んじゃ号令いくでー?

 

…始め!!」

だだだだだ

ひゅんっ!!

 

「!!」

一瞬で凄まじい速度で走った直後、右隣へと一足飛びで辿り着いた。

 

剣をすぐ右へ持ってくる最中、彼女の居合いが解き放たれる。

きぃいいいいいいいい!!!!

 

甲高い金属の悲鳴が続く。

 

ビリビリと余波で剣を持った手までもが震える中、全身の力だけでなく先程の加速の勢いも丸ごと腰を右回転させて乗せた鋭い一撃だと察した。

その直後、間髪入れずに凄まじい乱打が始まった。

 

 

「うおおおおおおおおおお!!!!」

っがががががががががががががががががががががががが

 

咆哮と共に、彼女から1秒に20は下らない程の絶え間ない右手による剣撃が繰り出され続ける。

立ち位置を変えないまま、腰を落としたままの乱撃に攻める隙を与えまいという気概を感じた。

 

 

(?おかしい…)

 

僅かな違和感…それは、両の目が捕らえていた。

小人族は他の亜人に比べて目がいい。それも恩恵を受け、Lv.6へと昇華されたことでなおも向上されている。

 

だが…居合いを繰り出した際に激しくぶつかり悲鳴を上げた場所にばかり当てるよう、まるで押し付けるかのように軌道を調節しているのが見えた。

それも僕の持っている剣に対してではなく、彼女の持った剣に対してだ。

 

 

(何故同じ箇所ばかり)

そこまで考えた矢先、思考を妨害するかのように彼女は予測外の行動に出た。

 

両手で構えた上段斬り、それに対して両手で握り直して防いだ直後

剣から手を離して上段斬りで出した前回転の勢いを殺さぬようジャンプと共に全身の力と体重を込めた右足によるかかと落としが振りかかってきた。

 

がかっ!

ずかっ

そのかかと落としの際、左足でもまた手放した剣へ繰り出しており、剣が回転しながら地面に突き刺さった。

だが、剣の腹が僕へ向くよう調整して行っていたなど、その時の僕は思いもしなかった。

 

右足によるかかと落としもまた剣で防ぎ、後ろへ飛ぶように腰の捻りも加えて力強く弾いた。

それに対してケイトが行ったことは脱力、後ろへ流すよう滑らかに膝で吸収することで後ろへ衝撃を逃がして凌がれた。

 

僅か目前へ着地した、と同時にようやく狙いに気付いた。

 

 

着地と同時に彼女は動く。即座に左手で剣を掴みながら地面の土ごと上へと斬り上げた。

 

(目潰しか!!)

掛けられた土に対して咄嗟に目を瞑りながら防御を固めた一瞬、彼女の全身の力を込めた左足蹴りが防御の隙間を縫って強引に鳩尾へと叩き込まれた。

 

(この間に右手に持ち直して左掌底っと)

目潰しが狙いかと思われた。が、それさえも伏線。

相手の出方に応じてその形を自在に変えるそれは、まさに変幻自在と呼べるに値するものだった。

 

 

咳き込みながらも目の周りへかかった土を袖で拭った瞬間、今度は左手の掌底が胸の中央へと繰り出される。

 

そしてまた繰り出される右手による無数の剣撃に対して防御へ専念する。

その時もなお、例の居合いの時にぶつかった箇所と重なるよう何度も何度も振るい続けていた。

 

 

(そうか!狙いは――)

がきぃん!!

ぱきぃっ!!

 

(金属疲労!!だが何故?)

自分の剣を折る必要がどこに?とまで考えた矢先、思考は再び止められた。

 

剣で受け止めた際、彼女の剣がついに真っ二つに分かたれた。

その瞬間、切断されて上へ跳んだ刃をケイトは右手の指で挟んで僕の額へ行くよう投げ、また折れた剣も左手で掴んで折れた先を僕の目へ向けて投げ付けていた。

 

折れた刃は鋭く、斬れる。そのことも考慮して咄嗟に剣で防いだ。しかし…

 

 

(?いない?)

「下だ!フィン!!」

リヴェリアの指摘を受けて下へ目を向けた時、見失った彼女を見つけた。

 

気付いた時には…すぐ足元にまで、深く潜り込んでいた。

後に聞いた所によると、ケイトは剣を投げ付けた後にすぐ身を地面ほどに低く下げ、超低空飛行の如く一足飛びで僕の右後ろへと向かったそうだ。

一足飛びの間合いは把握していたはずだった。しかし…この時に使うなど、誰が思っただろうか。

 

 

剣に目が行っている間、防ぐ為に視界が上へと集中していた。

視覚外から音も立てずに近寄った彼女との距離は…もう、1C(セルチ)もない。

 

突如として目前に現れたようにも感じさせられるそれに対し、即座に右後ろへと剣を振り下ろしたが…その時には既に遅く、間に合わなかった。

 

両足の中でも地面との繋ぎ目となる部位の筋肉、その腱の後ろを右腕で横薙ぎに払われ、地面から両足を離させられる。

それとほぼ同時に腰を左回転させながら左肘が体重ごと胸の中央へと叩き込まれ、咳き込む。

 

「ごふっ」

間髪入れずに彼女は剣を持つ手首の神経が集まっている部位一点を右手の人差し指で突いて、手放させ…右手に僕が持っていた剣を持つ。

 

 

ずがっ!!!

 

肘打ちによって仰向けに地面へ叩き付けられた僕に対し、彼女はすぐさま覆い被さりながら僕の右頬を掠めるように地面へ突き立てた。

 

 

 

ケイト視点――

 

 

「はあっ…はあっ」

 

「握りを甘くしたつもりはなかったんだけれどね…

 

…参った。僕の完敗だ」

 

降参とばかりに苦笑を浮かべて両手を上げるフィンに、私は息を深呼吸しながら整え、顔の間際へ突き刺していた剣を抜いて立ち上がり、手を差し伸ばした。

 

手を引いて立たせる最中、周囲は未だ息を呑んで硬直したままの者が多くいた。「恩恵抜きで、これ?」とばかりに目を見張って…

 

 

起き上がったフィンへ奪った剣を返した後、もう一つの剣を折ったことを素直に謝った。

だがまたも「気にしなくていい、折っていいと言ったのはこちらだ」と伝えてこられた。

 

でも弁償した方がいいのではとも考えていたが、「気にすることはないと言ったよね?^^」と笑顔で返され…何も言えずに頷く外なかった。

 

 

「まさか…最初から折る前提で動いていたとはな」

 

「あれは避けれんじゃろう。しかも…」

「ああ。人体の構造を把握しているのだろう。

解剖学…つまりは、神経の集まった箇所から可動域に至るまで全て把握し切っているということだ」

 

「恐らくじゃが…筋肉の力の最適な向きを心得ておる。

筋肉の付き方は生まれつき人によって異なる。自分のそれに合った動きをここまで把握するとはのお。恐れ入ったわい」ふっ

 

「策は…幾重にでも備えておくものだ」

 

未だ放心している人達と、会話しているリヴェリアとガレスの方へ向き直り、私は一言だけ伝えた。

 

 

 

「頭脳派か…攻撃する隙も与えず、その目を全て潰された。ヘル・フィネガスを使えば、あるいは…」

「それ以前に読めねば防ぐ術もないじゃろうが。また、いいようにやられるぞ?」

 

「ンー…いずれにしろ、思考速度が並の比じゃないのは確かだよ。あれほど後手後手に回るとは思いもしなかった」

ガレスの指摘に対して肩をすくめながらお手上げとでも言うかのように苦笑し、フィンは溜息を零した。

 

 

「すぅー…これでもまだ気に入らないなら来い!死ぬまで付き合う!」

ばっ!!

 

「はっ。面白ぇ。後悔させてやらぁ!!」

だっ!!

 

深く息を吸った後での構えながらの私の叫びに対し、ベートもまた叫びながら一瞬で詰め寄り蹴りの攻撃を繰り出す。

 

 

「よくも団長をやってくれたわね!!!?」

 

「ティオネ、待て!まだベートが

「不満がある奴は全員纏めてかかってこい!!!

特にベート!!あの発言取り消すまで手は止めん!!」

 

「認めてやるよ。てめえだけな!!」

だっ!

「だから!家族の侮辱を取り消せええええ!!」

だっ!!

「取り消すかあ!」

「ほざけえ!!」

ががっ!!!!

 

「私を忘れてんじゃないわよおおお!!!」

どごぉっ!!!

 

私とベートが同時に後ろへ跳んだ直後、抉れるほどの一撃が地面へと炸裂した。

と同時にそれを右足による蹴りで砂埃を頭上よりも高く高く巻き上げる。

 

 

「姑息な手使ってんじゃねえ!!」

「姑息じゃない!戦術だ!!」

「このアバズレ女がああああ!!!!」

 

「う~~~!!!//(うずうず)

私もやるうううう!!」

だっ!!

 

「混っぜろ~~!!!」

どっごぉん!!!!

 

ウルガを振り回して私がいた場所へ叩き付けながら乱戦へと突入するそれに対し…フィンが苦笑を浮かべるのが見えた。

 

 

「ワシも血が滾ってきたわ」にっ!

 

「行ってこい。私は見ているだけでいい」

 

「僕も見る側に回ろう。参考になるだろうしね」

 

「いや~…にしても、すんごかったな!?」

 

「そうだね…あれほど攻撃一つの中に多岐の選択を考えながら混ぜ込めるのは、中々の長所だとも思うよ」

 

「本気やったのに3分も持たずにバリバリに負けたな?」にやにや

「言わないでくれ」

 

「男のプライドズタボロやな?」

「だから…はあ……僕も参加しようかな」

すたすた

溜息を零しつつ、フィンは今度こそ主武装でもある長槍を片手に参戦してきた。

 

 

「団長が…負けるなんて」唖然

 

「レフィーヤ」

「は、はい!」びくっ!

 

「ケイトは、杖術にも精通していそうだ。

いや、たとえ精通していなくとも隙も無く無駄のない動きばかりだ。

 

彼女に教えを乞うてみてはどうだ?中々に興味深い」

 

「え、ええっと…」

「私は行くぞ」

「私も!」

だっ!!

リヴェリアとアイズが私へ向けて走っていく最中、レフィーヤが慌てながらも「私も行きます!!」と自棄にも見える姿勢で攻撃に混ざってきた。

 

しかし…他の団員達はその立ち入る隙も一切ない「主力の動き」について行けない為、見物に専念するばかりだった。

 

ロキもまた同様に見物に回り、応援と激励を飛ばしてくれていたそうだ。

何故誰かから聞いたような物言いになるかと言うと…聞いている余裕なんてこれっぽっちも無いからだ。

 

 

 

(って言うか結局主力全員じゃん!!

なら最初からそうしてよ!!コンビネーションまで絶妙に絡めないでよ!そして素手相手に全員武器持ちって何なのさ!!)汗

 

そう考える最中もなお、攻撃の手は一瞬として止むこともなく…

体力が尽きてもなお止まらぬそれに、脱力しながら受けた相手の力に逆らわず回転させながらそのまま返し続けた。無論、遠心力も加えて。

 

 

全員が止まったのは…フィンと戦い始めてからちょうど、2時間も経った後のことだった。

 

「死ぬかと…思った……ぜえぜえっ」

最早息絶え絶えで一撃も掠らなかったことに対し、作戦を練るらしく休憩を言い渡された。

 

その後、魔力が戻るまで付き合わされたのは…言うまでもない……もう死ぬ…もう嫌、しんどい(半泣&汗)…

人数も多いし、訓練なんて空気じゃないし、本気で襲い掛かって来るから息も抜けないし、抜いたら絶対当たるし痛いし斬れるし!!(しくしく)

 

 

結果?…一応…避けたことは避け切ったよ?でも…一張羅の服が斬れた(ずうううん)

防具じゃなくて、ただの服だから…仕方ないと言えば…仕方ないんだけれども……

 

そう落ち込む私に、明日服を買いに行こうという約束を持ち掛けられ、了承した。

ついでに武器も見繕いに行くことまで付け加えられ、何故か…フィンとアイズが付いて行くと言い張って聞かなかった。

 

そしてフィンが自ら指導役を買って出てくれた。…なんか嬉しいのは何故だろう?//

元の世界ではいじめられていたこともあって、随分と避けられてきたせいだろうか?いや、それもあるんだろう。

 

自分からそう言い出してくれる人自体、話しかける人さえも無かった為…唯一の友人以外では、今回が初めてのこと。

殊更、この世界に来て初めてのことなのだから……うん、素直に喜ぼう//

『耳まで真っ赤ですよ。頬も緩んでますし』によによ

 

そう私が考えを纏め終えた頃、フィアナから魔力を使用されて回復してもらってもなお未だ疲れからは解放され切れず、放心状態が続いた。




フィアナと共に力が復活する際の会話(おまけ)

女神フィアナ視点――

「そろそろね…3,2,1!
『はい皆大好き女神フィアナ♪復活致しました~♪』ぴょこぴょこ
『ケイト、お元気?』
「ぜーぜー、ぜー!」『ってえええええええええええええええええええええ!!!??』汗
うつ伏せで地面へ息絶え絶えに倒れ伏しているケイトを前に、私は涙ぐんだ。
彼女の服は背に1つ、脇腹へ2つ切断痕があり、傷一つないものの疲れ切っているのは目に見えていた。

『なんてことやってるんですか!!!!!』
「いや…済まない。全方位から同時に攻撃を繰り出しても綺麗にいなしながら利用されるものだから…
つい、どこまでやれるか試してみたくなってしまって」
『気付けば全力で襲い掛かっていたと…?』
フィンのその言葉に皆は頷き、信じられないという想いが胸から込み上げてきた。

『彼女恩恵無いんですよ!!?0に戻ってるんですよ!?ただのあちらで身に付けた技術だけの状態なんですよ!!?』
「いや、その割には凄まじい力とスピードで」
「うん。少なくともLv.6以上はある」
『全身の力を一瞬で繋げてるんです!!
脱力による敏捷が第一、そしてインパクトの瞬間だけに全身の力を相手や武器に触れた瞬間に送り込んでいるんです!一瞬で!!
身体能力自体はただの一般人と同じなんですよ!!!鍛え込んでも限界がある為、技術だけでここまで上り詰めたんです!!!』
金髪同士で何を軽く言ってるんですか!フィンとアイズでしたか…団長として最初に謝ってきたのは認めますが…

「……え?マジで?」
『マジですよロキ様!!こんなのいじめじゃないですか!!
一般人に寄ってたかって武器まで出して、彼女素手なんですよ!!?魔力ないんですよ!!?何も持ってない相手にそこまでして当てようとしますか!!?』涙
ぐさっ!!
ペシペシとケイトの頭を叩きながら言う中、申し訳なさそうに謝罪してこられました。が、赦す気は毛頭ありません!(ギロリ)

『ケイト!違うファミリアに行きましょう!!こんな所預けられません!!』ぷりぷり
「嫌…だ」
『何でですか!!?』
「ここが…いい…から」
『ですから何で?息絶え絶えじゃないですか!!?しかも服まで斬られて!!』
「ここ…あったかい…から……今まで…巡り…会えなかった、から……だから…ここが、いい…
それとベート…はよ謝れ…侮辱…取り消せ」
『え?まだ取り消されてないの?』

「もう十分じゃない?実力認めたわけだし謝れば?
ここまで全力出しても倒せなかったの、ケイトが初めてだし。ベートも一発も当てれてなかったじゃない」
「けっ。謝罪はしねえ…だが…お前の強さだけは認めてやる。てめえは雑魚じゃねえ。
戦い抜いた戦士だ」
「うん…本当に強い」
ティオナ、ベート、アイズの順に口々に言葉を零した。

「家族、侮辱、赦さん」
「ちっ…わかった。取り消す」
「よし!^^//」ぐっ!
うつ伏せのまま睨み据えるケイトに対して根負けしたベートは言い、それに満足してかケイトは満面の笑みを浮かべて拳を握り締めた。

『所で…服、どうするんですか?弁償できるんですか?異世界の服なんですよ?防御力皆無の服なんですよ?ズボンもよくよく見れば剣筋みたいなものが1つありますし』
ギクッ!!
アイズですね…身を震わせて。他はフィンでしょうか?

「私も一発当てたかったなあ」
「諦めなさい。私だって一発も入れれてないのよ?」
「ワシもリヴェリアもレフィーヤも誘導役に回ったしのお。あの速さは異常じゃ」
「それでも当てれないのは称賛に値する。杖で足を掬ったとして、それを逆に反対の足で蹴って離脱するなど…一瞬の判断と次の動きが速過ぎる」
『立ち回りの速さ、ひいては体を扱う技能に特化してるんですよ』

「女神フィアナ、服についてはここのものになるけれど弁償する。僕が責任を持って付き合うよ。君に誓って」
『……小人族の誓いですか…ケイト、いいですか?赦せるんですか?』

「いや…こんなに楽しいの、初めてだった^^//
だから赦すも赦さないもないよ…ここまで全てを出し尽しせる場所なんて、なかったんだからさ」
『……わかりました。後で記憶読み取りますからね?』
「ご自由にどうぞ^^」にっこり
満足気なケイトを前に、私は溜息交じりに赦すことを決めました。

「所で、実力は証明されたわけだが…皆、これでも不満に思う者はいるかい?」
その団長からの言葉に周囲は頭を振り

「なら、彼女を歓迎してくれ。新しい家族だ」
「「「「「おおおおおおおお!!!」」」」」
団長のその言葉に対し周囲から数多の興奮したかのような大歓声が上がり、私が魔力を戻して回復させた後
主力全員に対しての素手での大立ち回りを口々に賞賛され、「宴や!今日の晩飯は歓迎会やー!!」とロキが叫び、わっしょいわっしょいと胴上げと共にケイトが大食堂へ連行され、手厚い歓迎を受けていました。
ケイト、未だ疲れから放心状態のようにも見えますが…大丈夫ですかねえ?疲労感までは流石に回復できませんし…

自己紹介から始まり鍛練においての指導役のお願いなどまでされ、どう修業したらそんなに強くなれるのかについても質問攻めされ、最早ヒーロー扱い。
全身から未だかつて見たことのないほど魔力が続けるそれに、化け物と畏怖の念を抱かれていた当初の雰囲気とは段違いに変わりましたね。


それはいいんです。いいんですが…
恩恵(ファルナ)、刻むの忘れていません?(汗)

それが成されたのは宴も終わり、晩になってからでした。
ええ、歓迎ムードに水を差すことは流石にしませんよ?

まあ、団長がケイトの(冒険者としての)指導役に付くと名乗り出たのには驚きました。裏はありませんよね…?(訝し気)
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