妖怪退治を生業とする幻想郷の巫女・博麗霊夢。
最近は目立った異変もなく、ゴロゴロダラダラ、巫女とは思えないぐーたらさで今日も神社でゴロゴロしていた。
しかし、一週間ほど前から、幻想郷の気温がどんどん上がり続けている。
最初のうちはさほど気にはならなかったのだが、1日ごとに肌で感じるレベルの異常な気温の変化が巫女の嫌な予感を刺激する。
そんなある日、神社にやってきた魔理沙が、気温の原因となっている場所が○○であり、異変の可能性が高いことを霊夢に伝えるのであった・・・

東方Projectの二次創作小説です。

<注意>
投稿主はシューティングゲームもろくにプレイしていないいわゆる「にわか」です。
偏った知識・オリジナル設定はもちろんのこと、今作に関してのみ原作と大きく異なる設定も意図的に使用します。
みなさんの好きなあのキャラがとんでもないゲスキャラ・・・ではなく敵キャラとして登場する可能性もあるので、それらが大丈夫な方のみゆっくりしていってください。
また、今作は東方地霊殿を舞台とした物語を自己流にアレンジした短編小説になります。

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久々の小説、初めての短編頑張るぞい!
霊夢たちが異変を解決する話で、ラスボスを倒したら完結です。
10話くらい続くかも…
短編ってどのくらいが短編なのだろうか…



異常気象の幻想郷

★博麗神社★

 

 

幻想郷。

博麗大結界という大きな結界で、我々の住む世界である『外の世界』と切り離された世界。

といっても、異次元や並行世界のように時空が切り離されているわけではなく、認識されないというだけで陸続きの世界である。

ここでは我々の世界で忘れ去られていったもの、失われたもの、減少したものなどが集まり、独自の文化を築き上げている。

簡単にいうと、普段こちらで見ることはまずできないであろう、妖怪や神、魔法使いに妖精、天人などといった様々な種族の者が集まり暮らしているのだ。

 

そんな幻想郷の東の端、外の世界との境界に位置する神社・博麗神社に住む巫女の博麗霊夢は畳の上でゴロゴロと寝転がっていた。

 

「あっついわね…」

 

汗が止まらない。

一週間ほど前から急激に上昇した気温。

今は4月。温度計なんてものは持っていないが、気温はおそらく30℃を越えているだろう。

季節には早すぎるミンミンゼミが、そんな霊夢を嘲笑うかのように元気よく鳴き声をあげている。

 

「異変・・・なんでしょうけど、原因が想像つかないし、紫か誰かが情報を持ってくるのを待つのが得策といったところね。暑くて動きたくないし。」

 

異変。

先程説明したとおり、幻想郷には強大な力を持った様々な種族が1つの世界に集まって暮らしている。

そんなパワーバランスが不安定極まりない世界がどうして存続できるのかというと、この少女博麗霊夢が異変という名の幻想郷の住人が起こす問題を解決して回っているからだ。

妖怪退治、異変解決者などとよく言われるが、これが博麗大結界の管理とは別に与えられた、博霊の巫女のもう1つの役目なのである。

しかし、先代から引き継いだこの役目も、面倒くさがりな霊夢にとっては鬱陶しいものこの上なかった。

こんなあからさまに異変ですと教えているような状況でも自分からは動こうとしない、怠惰の極みである。

 

「やっほー霊夢!遊びに来たぜ!」

 

もう何百、何千回と聞いたこのセリフ。

霊夢の昔からの親友である魔法使い・霧雨魔理沙が博麗神社にやってきたようだ。

しかし、暑さにやられた霊夢は畳から起き上がろうとはしなかった。

魔理沙だし別にいいでしょ…という、親友だからこそできる行動が容赦なく彼女を無視する。

 

「って、おいおい無視すんなよ!今日は私だけじゃなく、アリスもいるんだぜ?」

 

「こんにちは、霊夢。」

 

…と思ったら、魔理沙以外にも来客がいたようだ。

魔理沙の友人で同じ魔法使いであるアリス・マーガトロイド。

2人とも魔法の森というところに住んでおり、魔法使い同士だからかかなり仲が良い。

アリスも来ているなら仕方ないと、面倒くさそうに腰をあげる霊夢。(魔理沙だけならいいのか…)

 

「あら、アリスが来るなんて珍しいじゃない。この暑い中何か用かしら?」

 

「本当に暑いわね…まあ、私は霊夢のところに遊びに行きたいって言ってた魔理沙の付き添いよ。それと少し話もしたかったし。」

 

「…話?」

 

「最近異常なほど暑いだろ?こんなの絶対妖怪の仕業に決まってるんだし、異変解決に行こうぜ!霊夢!」

 

魔理沙の予想が当たっているかどうかはともかく、やはり異常気象についてはみんなおかしいと思っているようだ。

 

「異変ねえ… 何か異変だって言える根拠はあるの? 文のガセネタじゃないんだから、証拠がなければ私は動かないわよ?」

 

「へっへーん!そんなときのアリスだぜ!」

 

…そこはお前じゃないのか、というジト目の視線を送る霊夢を無視し、魔理沙はアリスに根拠の説明を求めるためアイコンタクトを送る。

アリスはやれやれと表情をするも、霊夢に説明を始めた。

 

「まあ、今回は私も私なりに調査してみたのよ。それで霊夢の意見が欲しくて。」

 

どうやらアリスのしたかった話とはこの異変のことのようだ。

アリスは魔理沙と同じ魔法使いだが、使用する魔法は全くといっていいほど違う。

魔理沙が火力を重視する攻撃系魔法を得意とするのと対象に、アリスは人形を使ったトリッキーな戦術やサポートが得意なのだ。

アリスは自身の操る人形を各地に飛ばし、幻想郷の中でいつもと様子が違う地点を特定させようとした。

そしてその結果、一箇所明らかに通常とは違う場所を発見したのだ。

 

「地底。」

 

「…地底?」

 

アリスが言うには、地面の下から熱量が漏れ出ているらしい。

更にその熱は霊力を帯びており、急激な異常気象などではなく、誰かが意図的に、人為的に起こしたものだと予想をしているようだ。

 

「特に気になるのは、その熱が最も多く放出されているのが、古明地さとりが管理する地霊殿の上辺りなのよね…」

 

「なるほど、つまりアリスはさとりがこの異変を起こしたって予想したのね。でもあの子、貴方は面識ないかもしれないけど、人間が嫌いとはいえかなりおとなしい子なのよ。過去に自分から異変を起こしたこともないし、とてもそんなことをするとは思えないんだけど…」

 

「博麗神社は貧乏だからないけどさ、アリスの家にはクーラーってのがあるのを知ってるか?」

 

煽るような言い方だが、確かに今、アリスの家にはクーラーが設置されている。

幻想郷には外の世界の文化は存在しない。

…しかし、完全に分断したままではより便利で豊かな生活ができるとは言えないのもまた事実である。

 

最近では、幻想郷の管理者である八雲紫が外の世界の文化を少しずつ取り入れる活動を始めた。

そんな中、河城にとりという河童が『化学』に目をつけ、古明地さとりという妖怪が『エネルギー』に着目したのだ。

 

にとりは外の世界に存在する電子機器を次々と幻想郷内で発明させていき、さとりは地霊殿の地下で管理している『灼熱地獄』で発生する火力を活かし、電気など様々なエネルギーを生み出すことに成功した。

よって現在、二人は大金持ちであり、クーラーや冷蔵庫など、幻想郷には絶対に存在しなかった道具が出回り始めているのである。

 

「利益を得るためにわざと異変を起こした?」

 

「…そう。私はそう予想したわ。彼女だって地霊殿の主でしょ?紫が幻想郷の中を改革していってる以上、この世界で生きていく上で『強さ』は絶対に必要だわ。」

 

「物理的な強さじゃなく、経済力という強さを求めて異変を起こした… 確かにこれなら戦闘を好まないあの子が起こしたとしてもおかしくはないけど…」

 

「彼女が白か黒か判別するためにも地霊殿は調査すべきだと思うし、仮に白だとしても地下からエネルギーが漏出している原因を調べるには行くしかないでしょう?」

 

予想を確信に変えるための行動。

話の筋は通っているし、そう言われては霊夢も動かざるを得なかった。

 

「ったく、魔理沙と違って説得力のある話をするわね。それにさとりには世話になってるし、地霊殿の名前が出た以上調べる必要はあるか。」

 

「おい、どーいう意味だそれ!!…って霊夢、さとりに世話になってたのか?」

 

「…いつも飯奢ってもらってんのよ。いーじゃない別に!」

 

いつもろくに仕事をしない霊夢はドがつくほどの貧乏。

いくら金持ちだからとはいえ、退治する対象である妖怪のさとりに食事の世話になっているのは博霊の巫女としてどうかとは思うが、動機はともかくようやく霊夢も動く気になったようだ。

一度決めたら行動までは早いのか、霊夢は表情を変えると、神社の境内を出て階段を降り始める。

 

「何ぼーっとしてんのよ。あんたらが誘ったんだから、早く行くわよ?」

 

こうして霊夢、魔理沙、アリスの3人は、異常気象の異変の原因を調査することになった。

 




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