UNDEAD───不死人   作:カチカチチーズ

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ここ最近、夜寝る前に尋常じゃないほど鼻から血が出てくるチーズです。ほんと暑くなってきましたね読者の皆さんも熱中症にならないように気をつけてください。
今年こそ黒王を当てるんだ……

そういえば、オーバーロードのアプリ事前登録始まりましたね。我々はどの立場なんだろうか……私としてはナインズ時代に抜けたというプレイヤー枠がなんやかんやで戻ってきてモモンガさんと転移したのでは?と考えています


遭遇

 

 

 

 

 

 ソウルが熱を孕む。

 久しく感じていなかった感覚だ。

 知覚範囲内に現れたソレに付き添うように小さな気配が二つ……両方ともレベルは三十前後。この世界で考えれば充分強者と言えるだろうがしかし…………

 

 

 あぁ……

 

 

 ソレのレベルは段違いだ。正確なレベルは分からないがソレのレベルは九十代、この世界で見てきた誰よりもレベルが高い強者。

 プレイヤー?そうではない。ソレは現地人だ。

 少しずつ欠損が出ている原作の記憶を漁れば否応にもソレの正体に心当たりが生まれる。いったいどこの馬鹿だ、アレを差し向けたのは。最高神官の中にそんな馬鹿がいるのか?

 それほど私を警戒しているのか、どうかは分からないが……しかし

 

 

 番外席次・絶死絶命……そのソウルでどんな武器が造れるのだろうか────

 

 

 昔通りの笑みを浮かべながら…………昔通り?……いや、気のせいか。ともかく私はそのまま用意された馬────残念ながらフロムではなく組合の方で用意された馬だ────へと向かった。

 少なくともまだソレは知覚範囲内に入ったばかりで射程範囲外だ。無視するというのも後ろから襲われかねない……射程範囲内に入ったら少しちょっかいをかけてみるか。

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 エ・ランテルよりカルネ村への道を進む集団が一つ。

 馬に引かれた荷車に乗り馬の手綱を握る少年と荷車の周りを立って歩く多種多様な装いの六人。

 軽薄そうな赤っぽい装束に身を包む野伏(レンジャー)、好青年という印象を抱かせる茶っけの軽鎧を着込む戦士、中性的な茶色のローブを纏い身の丈ほどの杖を持つ魔法詠唱者(マジックキャスター)、大柄で温厚そうなメイスを持った森司祭(ドルイド)の四人組に加え、灰色の全身鎧を身にまとったアクトに漆黒の軍服の上にローブを羽織ったモモンの二人。

 何故先の四人組……銀級冒険者チーム・漆黒の剣の彼らと共に仕事をしているのか、それはモモンとアクトが冒険者組合にいた時に遡る。

 

 

 

 

 冒険者登録を済ませ宿屋で一悶着あった後、モモンとアクトは再び冒険者組合にて依頼が張り出された掲示板の前にいた。

 本来ならばこの世界の文字を読む事の出来ないモモンとアクトだが、事前にネームレスより貰っていた解読用の眼鏡────装備すると幻覚で眼鏡は周りから見えない様に調整されている────をかけている為に掲示板に張り出された依頼内容を解読することが出来ていた。

 

 

「……薬草採取、畑荒らしのゴブリン……銅級では大したものは受けられないか」

 

 

 事前に聞いていたように夢のない冒険者の仕事に改めて肩を落とすモモン、分かっていたとはいえ一縷の望みがあっただけに落胆は大きく適当にゴブリン退治でもするかな、と考えている中、モモンの背後に立ち掲示板を見ていたアクトは唐突に掲示板へと手を伸ばす。

 

 

「アクト……?」

 

 

 アクトが手を伸ばしたのは銅級(カッパー)の依頼ではなく、あろう事かミスリル級の依頼。

 それにモモンは目を見開き、そんなモモンを置いてさっさとアクトは依頼用紙を片手に受付の方へとずんずん進んでいってしまった。

 

 

「え、あ、ちょ」

 

 

 背後からモモンの声が聞こえるがアクトは気にせず、受付嬢の前で止まりカウンターにミスリル級の依頼を出す。銅級冒険者のそんな行動に受付嬢はややその表情を引き攣らせる。

 

 

「あ、あの……これはミスリル級以上の依頼で……銅級冒険者である貴方方では受けることは────」

 

「知っている」

 

「え?」

 

「銅級の仕事などちまちまやってられんよ。我々は実力に相応しいより高ランクの仕事をこなしたい」

 

 

 不遜。そうとしか言えないアクトの言葉は受付嬢とアクトの話に耳を傾けていた冒険者たちの不興を買った。しかし、そんな彼ら等何処吹く風と言わんばかりにアクトは態度を変えずに受付嬢に意見する。

 

 

「彼、モモンは第四位階の魔法詠唱者だ。そして、私も彼に相応しい戦士だと自負をしている……まぁ、流石に例の白晶ほどのではないが竜退治(ドラゴンスレイ)も成したことがある……どうだ?」

 

 

 第四位階……!?い、いやはったりだろ……。竜退治!?少なくともアレは見掛け倒しってわけじゃねえってのは分かるが……。流石に盛りすぎだろ……。

 そんな冒険者たちのざわつきを背後に顔を顰めてアクトのもとへ向かってくるモモン。

 

 

「アクト、お前な……規則なんだから私たちの実力関係なく銅級の仕事で我慢しろ」

 

「む、身の丈に合わない仕事をするのは実力を腐らせかねないぞ」

 

「だとしても規則だろう」

 

 

 モモンは先程アクトが口にした事を否定も肯定もせず、規則なのだから諦めろとアクトを諌める。

 なお、表面上仲間を諌める落ち着いた魔法詠唱者なモモンだが内心ではいきなり予想外の事をしだしたパンドラズ・アクターに驚愕するモモンガである。

 

 

『ちょ、パンドラズ・アクター!?お前なにしてんのぉ!?』

 

『モモンッガ様!この不肖の息子パンドラズ・アクターにお任せ下さいッ!!』

 

『えぇ……』

 

 

 ナザリックにおいて、知恵者であるデミウルゴスやアルベドと肩を並べるパンドラズ・アクターの考えている事などモモンガに分かるはずもなく諦めたのか内心で肩を落とす。

 そんなモモンなどいざしらず、アクトは受付嬢に圧をかける。

 

 

「それで、これを受けたい。我々なら充分こなせる」

 

「いえ、規則ですので」

 

「────そうか、我儘を言ってすまなかった。では銅級で受けられる最も難しいものを頼む」

 

 

 まるで掌を返すようにきっぱり諦めたアクトにモモンは微妙な視線を向ける。

 こいつは何を考えているのだろう……自分で作ったパンドラズ・アクターの事がいまいち分からないモモンガである。ちなみにだが、もしこの状況をネームレスが見ればきっと苦笑するだろう。流石親子やる事が同じだ、と。

 ともかく、受付嬢との戦いが終わりモモンも安心して────────

 

 

「なら、我々の仕事を手伝いませんか?」

 

 

 

「ほう」

 

「おうふ……」

 

 

 モモンはアクトの手綱をしっかり掴んどかねば、とこれからの事を考えて胃と心に誓った。

 

 

 

 

 

 

「こふっ……」

 

「モモンさん?……どうかしましたか?」

 

「いえ、少しうちの馬鹿がやらかした事を思い出しまして……」

 

「あー……」

 

 

 荷車の後衛を歩くモモンを心配する様に声をかけるのは漆黒の剣の魔法詠唱者ニニャ。

 モモンの言葉に彼ら漆黒の剣も声をかける前までの冒険者組合での出来事を思い出したようで、同情するような視線を向ける。

 そんな視線が痛いのかモモンはその視線から逃げるように顔をニニャとは真反対の方へ向ける。それにニニャは苦笑いし、話を変えていく。

 

 

「そういえば、モモンさんは第四位階の魔法詠唱者とアクトさんが言ってましたが……本当なんですか?」

 

「……ええ、といっても大したものじゃあないですよ。上には上がいますから」

 

「上には上って……そ、それでも第四位階は凄いですよ!だ、第三位階ですらそんなにいないのに」

 

 

 第四位階という決して常人が至れぬ位階にいる者とは思えぬモモンの言葉にニニャは目を丸くし、声を少し荒らげる。

 それはタレントにより第二位階に至ったニニャにとってその謙遜は今までの自分の努力は大したものではない、と聞こえてしまったから…………しかし、そんな事はモモンは知らないし何よりニニャ本人がそう感じてると自分でも気づいていない。

 さて、そんな魔法詠唱者二人に口を挟まず話し合っているのは荷車の前衛にいる四人。

 戦士で漆黒の剣のリーダーを務めるペテルに野伏のルクルットと森司祭のダイン、そしてアクトである。

 

 

「アクトさん、竜退治をしたって言ってましたけど本当ですか?」

 

「ああ、といっても白晶が討伐したという砦に巣食ってた火竜程のではないが」

 

「具体的にどんな奴だったんだ?」

 

「青い飛龍だな、雷の息吹を使っていた」

 

雷の飛龍(ライトニング・ワイバーン)ですね……確か難度は90は固かったはず…………」

 

 

 ペテルがアクトの話した特徴からモンスターの名と難度を導き出し、その難度にルクルットもダインも驚愕を顕にしていた。普通なら嘘だろうと考えるものだが、アクトを見ればさも当然かの様な威風堂々とした態度。それがモモンとアクトの実力が本物なのだ、とペテルらに納得させた。

 

 

「これじゃあ、抜かれるのもあっという間だな」

 

「うむ、まったくそうである」

 

 

 ルクルットとダインはまったく妬んでいる様子もなく軽く笑い、それにペテルも笑って返した。

 

 

「────む?」

 

 

 その時、アクトは意識をどこかへ向けた。何かを感じたのだ、ペテルもルクルットもダインもモモンもニニャも雇い主も誰も気づかなかった何かを。

 そして、パンドラズ・アクターは何ともなしにもう一人の支配者の名を心中で零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 それに気がついた時には既に遅かった。

 唐突なまでに急速に近づいてくるそれにセレネは盾を構え────

 

 

 ずうッ!!

 

 

 それは盾を避けてセレネの左肩を裂いた。

 

 

 まくられたか……

 

 

 追撃を防ぐ為に馬から飛び退き、それとの距離を大きく開かせ、その間にそれを注視する。

 それは白黒の何とも奇抜な風体の少女、髪も瞳も白黒と分かれているのだ。そんな少女は嗜虐的な笑みを浮かべながら自分の武器である戦鎌の刀身に付いた血を指で拭い舐めた。

 十代前半ほどの見た目にそぐわぬ妖艶さを思わせるソレをセレネは吐き捨て、改めて武器を構える。

 

 

 ……影の悪魔(シャドウデーモン)、応えず行動しろ。至急、ナザリックに戻りレティシアに言伝を…………こちらから伝言があるまで待機。レティシアに伝えたらお前はレティシアに伝言が来た際にここに転移門(ゲート)を開け……レティシアがそれのスクロールを持っている。…………行け

 

「「────」」

 

 

 音もなくセレネの影から別の影が蠢きバレないようにナザリックの方向へと消えていった。

 少女はそんな事は些事とただセレネを見る。

 

 

「ねぇ、貴方よね。竜王国の英雄って」

 

 

────強いの?

 そんな視線の訴えにセレネは兜の下で笑みを浮かべてしまう、何時もなら面倒そうな表情を浮かべるのに今だけは喜悦に塗れた笑みを。

 だからだろう。

 

 

 

 火が漏れた。

 骨が燃える。

 肉が焼ける。

 ソウルが熱を孕む。

 意識が燃えるように切り替わっていく。

 

 

 

 背負う月光の大剣をしまい、代わりに腰に下げているアストラの直剣を引き抜く。紋章の盾の代わりにスキルのクールタイムを短縮する草紋の盾を取り出す。

 

 

 神人のソウル────果たして何が造れるのか

 

 

 きっとその兜の下の顔はモモンガが見ればネームレスとは思わないだろう。

 そして、ネームレス本人もそれを自分とは感じないだろう。

 何故ならここにいるのは………………。

 だが、まあそんな事は少女もセレネも何らどうでもよくどちらが先にかは誰もわからないが互いに相手へと駆けていく。

 

 

 スキル《被虐強化(ヘイト・チャージ)》《ボディ・オブ・ウォール》《アキレス・ハイ》────

 

 

 接触する前にセレネがスキルを発動させていく。ヘイト値が上昇すればするほどスキルのクールタイムを短縮させるもの、移動速度を四分の一にする代わりに防御力を三倍に上げるもの、移動速度を通常の三倍にするもの。

 一瞬鈍重になったがすぐ元の速さと変わらない状態になり、さらにスキルを行使していく。

 

 

 《シールドアタック》

 

「っう────」

 

 

 地面を踏み抜き少女の眼前へと進んだセレネが盾を少女へ叩きつけるが少女の身体と盾の間に戦鎌が滑り込み防がれる。

 密着した状態、剣を触れるほどの間合いは無いためにそのまま盾で押し潰そうとするセレネに対して少女は口を開く。

 

 

「《流水加速》」

 

 

 武技の発動により、少女は正しく流れる水のようにセレネの盾から逃れ距離をとり不敵に笑う。

 左肩に浅いが傷を負っているセレネ、いまだ無傷の少女。まだ、どちらも準備運動の域を出てはいない。

 

 

 




活動報告及びTwitterにて現在ネームレスの現地ヒロインアンケートを行っております。
詳細は活動報告にてどうぞ。皆様の御参加お待ちしております。
ドラウディロン……2
聖棍棒()……1
ラキュース……1

スキルや武技、オリジナル考えないとたいへんだぁ
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