守銭奴がいく!   作:トルソー

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お久しぶりです!更新停滞してしまい申し訳無いです.....
テスト、レポート三昧やぁウワァァァって思ってたら地震ですからね!
「カミハイッテイル、テストヲヤメロト」
っていうお告げに思えました。

関西圏の方々、被害があまりなければ幸いですが...。(私は自室に置いてたロードバイクが降ってきました泣)余震も心配ですね....。
青エク界では自然災害のたびに祠の崩壊とかで祓魔案件が増大するんだろうなーなどと現実逃避....

というわけで5話どうぞ....




5

その場でかるーく自称ドクターのエセ神父に処置してもらった後、怪しまれないように人目を避けつつ「神の家」に父さんを運び込んだ。

なんでも再び(三度?)悪魔に憑依される可能性があるから、魔除けの堅牢なところに連れて行く必要があるらしい。

いかに父さんがガリガリといえど、成人男性を隠しながら運ぶのは骨が折れる。

 

ピキピキッ....

 

不意に前方から聞こえた音とともに神父の顔から血の気が引く。おいおいおい、もうちょっと頑張れよぉ!こちとら片腕負傷してんだぞ!

 

結局ほぼ私が抱えるような感じでなんとか教会にたどり着いた。流石の悪魔たちも敵さん(神)の手中にある者には手は出さないらしい。

たしかに教会の門に入った後、空気がゼラチンで固められてるみたいな気持ち悪い感覚はなくなったような気がする。

青ざめて浅い呼吸をする父さんの汗をぬぐってやりつつ、こっそり安堵のため息を吐くと、父さんより青い顔をした神父が妙な体勢で立ち止まっていた。

さっきはちゃんとエクソシストしてんじゃんとちょっと見直したのに....それでいいのか、エクソシスト。

 

『....直してあげましょうか?』

「お前そんなことできるのか?信用ならねェ!」

ワキワキと手を動かして聞いてやれば随分ひどい返答が帰ってきた。

 

『失敬だな。15歳にしてバイトリーダーを勤める私の処世術をナメるな!店長の肩もみ、ツボ押し、ご機嫌取りはお手のもの!』

青ざめた顔ばかりのしみったれた空気をなんとかしてやろうとテンション高めに言って見せれば、なんだか可哀想なものを見る目をされた。

同情すんなら金よこせ!

 

裂帛の怒り気合を込めて腰に拳を叩き込む。

 

パキパキッと枯れ枝のような音がなり、神父が激しく呻き、のたうちま....わらなかった。

 

「イデデデデデッ......てアレ?痛くねェ!」

ふんふん、そうだろうそうだろう。

私の腰痛拳は小学校時代から相馬寺で鍛えられた一子相伝の....そんな設定はないから少年のような輝く眼差しで見てくれるな、薄汚れた生臭神父よ。ここからが大事なんだから。

 

『見事治った腰痛の治療代と父さんの祓魔料でトントン、てことでいいですね?もちろん、一時的に場所取っちゃってるわけだから、宿泊代は払わせてもらいますけど。』

そう、祓魔料の帳消し

これが私の狙いであったわけである。

だってなんか高そうな瓶2本くらい割っちゃってたし!寂れた教会に似合わない高級素材なカソックとか、どう考えてもエクソシスト業が収入源としか思えないし!

絶対法外な金額を請求される。こういうのは未然に防いでなんぼだ。

 

ビリビリと背中の毛を逆立てて今月の給与と相談しながら神父の様子を伺うと、先ほどよりは幾分マシになった顔色でため息をつかれた。なんなんだ。

 

「祓魔料なんぞ取ろうたぁ思ってねーよ。腰直してくれたのには礼を言うがな。」

なんだ、と安堵するも不穏な雰囲気は続く。

「....だが、オヤジさんに関しては“一時利用”で済ますわけにはいかねェ。」

 

なんでも神父曰く、父さんは“慢性的に憑依されやすい”体質になってしまったらしい。

なんでそうなったかは分からないが、「常に内に色々溜め込み続けてる」状態なために、悪魔にとっては格好の憑依体なんだとか。

 

「しかも」

神父はさらに重苦しいため息をついて、眉間に深々と皺を刻む。

「幸か不幸か元々悪魔に対してある程度耐性がある体質なせいで、最高に都合のいい器になっちまってる。」

『力が強い悪魔がつきやすい...ということ、ですか?』

自分の頭の中で方程式を組み立ててみるとそんな答えが導き出せた。

 

「さっすが聖十字特待生枠ねらいってとこだな。」

『は?その情報どこで得たんですか⁈プライバシーの侵害ですよ!』

「なーに、前も言っただろ、お前のクラスメイトに息子がいるんだよ」

『クラスメイト全員に進学志望先が知られているはず無いでしょう!...いや、待てよもう一人....奥村?貴方奥村の父親なんですか?』

驚愕の事実についつい口調が乱れる。

いつも異様に重たそうな荷物を持っていて、早退や休みがチラホラあるものの真面目ちゃんな男だったはずだ。

その親がこの生臭神父⁉︎

いったいどこが似たんだ....そもそも苗字違うし...あ、でも職務上は旧姓使ってて実はこの神父が婿入りしたとか...?あれ、でも私の進学先をリークしたのは真面目ちゃん奥村ってことはこいつも相当食えない嫌なやつだったり...⁇

脳内会議に収集がつかなくなってきたところで、不意に教会奥の扉が開いた。

 

「神父さん帰って....え?」

『うーんうーん、夫婦別姓という可能性も無きにしも...あ、でも顔あんま似てない?.......え?』

▼突然クラスメイト、奥村雪男が出現した!

「『ゑ⁉︎』」

▼透は固まった!

 

「〜かくかくしかじか〜で、高堂は今ここにいると言うわけだ。」

パニックで硬直している私達二人を横目に、生臭神父がかいつまんで経緯を奥村に伝えてくれた。どうやら奥村もソッチ(祓魔)の人らしい。それでも処理しきれなかったみたいで、奥村は気のない相槌を打って目線を彷徨わせている。

 

『ちょっと話横道に逸れちゃったんですけど、父さんが都合のいい器なら、どうやって憑依を防げばいいんですか。』

話が遅々として進まないので切り出せば、神父は眼光を鋭くした。

「さっき使ったロザリオや聖水、聖言による封印なんて手もあるが....」

『根本的な解決にはならない、ですか?』

「...そうだ。いくらガワを護っても、狙われてるのは内に溜め込んだモンだからな。結局ずっと悪魔に怯えて生きにゃあならねェ。」

「そうですね...何か策はあるんですか?」

奥村も思い至らないらしい。

 

「なーに、そう難しいこっちゃねーよ。ここは教会、俺は神父。オヤジさんは溜め込んじまってこうなった。それなら吐かせれば良いだけだ。」

あー、なるほど〜。懺悔をさせると。

『って、それってまた相談料とかかかるんじゃ...』

「バカヤロウ、息子らと同い年のやつにたかるかよ!」

『マジですね!言質はとりましたよ‼︎タダですね‼︎』

「...こんなに輝いてる高堂さん初めて見たよ....」

黙れ奥村。

タダ、それは福音。天上の調べ....

 

「あ〜感激してるとこ悪いんだが。カネの代わりに交換条件だ。」

『なんですと⁉︎』

う、裏切りダァ〜!これは!まさしく‼︎上げて‼︎!落とす‼︎!!悪魔の所業ダァ〜‼︎‼︎!

内心頭を抱えつつ、咳払いして丹田に力を込める。ネゴシエーターたるもの、相手に底を見せないことが大切なのだ。

 

『で、交換条件とはなんですか?』

「今の間はなんだ。」

『条件は。』

「....俺のもう一人の息子、燐に職業体験をさせてやってくれないか。」

んんんん〜???なんだそれは?

 

『内にバイト先でってことですか?居酒屋だと、時間も遅いし、初めてには大変なんじゃ...。』

「えぇえ!高堂さん居酒屋でバイトしてるの⁇」

「『雪男(奥村)は黙ってろ/て』」

 

「あー、なんつーかな。燐は雪男の双子の兄なんだが、正直雪男ほど頭も良くねェし、俺たちも不甲斐ねェことに二人とも私立に進学させてやるような余裕はねェ。まー中卒で就職って方向なんだがよ、どうにも本人が定まらねェんで、一回やらせてみるのも手だなと思って...」

概要はこういうことらしい。

『....貴方意外とちゃんと父親してるんですね。』

「ガハハ!そうだろ‼︎ん?意外と...??」

『まあ、それくらいは私の力で出来るでしょうけど...その燐君は何が得意なんですか?力仕事ができるならドカタとか、大工見習いとか...ツテがあるにはあるんですが。』

奥村が横で遠い目をして「何者なんだ高堂さん...」なんて言ってるがめんどくさいしスルーだ。

 

「あー、そういうのも良いと思うんだけどよー、喧嘩っ早い奴なもんで、なるべくお前の目の届くところでやらせてやっちゃくれねェか?」

『んー、となると居酒屋の仕込みとか厨房ですかね...あ、でも聞く限り燐君包丁も持ったことなさそうですから、ちと厳しいですよ?』

「ああ!それなら問題ない!」

「ええ、兄さんの唯一の生産的特技は料理なんです。」

『ヘェ〜不良クッキング....』

本人の預かり知らぬところで雇用先を決められる燐君...あはれ。

 

『じゃあ、父さんの“カウンセリング”ついでに燐君に顔合わせして、その後行けそうなら雇用、その縁繋ぎでもって契約成立ってことで良いんですね?』

「おうよ!とりあえず、今日のところはオヤジさん目ぇ覚ましたら事情を俺から説明して、魔除けをして解散だな。」

「高堂さん、兄さんをよろしくお願いしますね。」

『はいはい、こちらこそどうぞよろしく。』

 

かくして、契約は交わされた。

 

タダ万歳!!

あとは、燐君がこちらの労働に足る戦力となってくれれば万々歳。なにせ、徒労ほど苦いものは無いからね。




短めですいません汗
やっと主人公組と関わりが持てた....原作はまだまだ遠い......

.............頑張ります!
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