魔法科高校の楽園の巫女 作:にゃんくる
私の名前は四葉霊夢。現在おそらく中学生だ。なぜおそらくなのかと言えば、私は生まれてこの方監禁生活を過ごしているからだ。監禁されている場所はかなり豪華できれいな部屋で、メイドさんが食事をもってきてくれたり掃除をしてくれるため快適に過ごすことができている。ただ、外とのつながりはないため、外がどんな世界なのかわかっていない。
そしてもう一つ重要なことがある。それは私に前世の記憶があるということだ。私の前世はごく普通の女子高生で、そんな私は気付いたら3歳から5歳くらいの女の子に生まれ変わっていたのであった。ぼんやりとだが車の事故に巻き込まれたような記憶があるため、おそらく死んでしまったのだと思う。
「霊夢ちゃーん!元気にしてたー?!」
そして今世の母親がこれである。名前は四葉真夜。私のことを部屋に監禁しているとんでも過保護ママだ。
「はああ、今日も霊夢ちゃんはかわいいわああ!」
いつものことに返事もせず逃れようとするが後ろから抱きしめられ、頬を擦り寄せられる。黙っていれば美人な大人の女性なのだが過保護ママ属性のため残念美女になり下がってしまっている。
「お母様、本日はどのようなご用件でしょうか」
「すーはー、すーはー」
私の話を聞かず、強く抱きしめられたまま匂いを嗅がれる。最近訪れる頻度が少なかったためか仕方なく人形となって母親が現実に戻ってくるのを大人しく待つ。
「実はね、高校に通ってほしいの!」
気が済んだのかおなかに回していた手を解き、私と向き合いながらそう答えた。
「高校ですか?」
いつまで続くかわからない監禁生活に飽き飽きしていたが、突然終わりがくると告げられるとまだ見ぬ外の世界に不安を感じる。
「国立魔法大学付属第一高等学校よ、深雪さんもそこに入学するわ」
「深雪もですか」
深雪、司波深雪はこの監禁生活の中、この部屋にきて友達になってくれた数少ない人物だ。
「わかりました。がんばります」
この十数年ずっとひきこもり生活を送っていたがとうとう外に羽ばたく日がくるようだ。これから、一度はなくしてしまった素晴らしい高校生活が待っているのだ。
と私は思っていた。
車で受験会場まで送ってもらった私は思わぬ問題に直面していた。
(人が多すぎる……)
生まれ変わってからこれまで人と触れあう機会が全くなかったため、この人の多さには恐怖心すら感じてしまった。しかもなぜか周りの受験生たちは皆一様にこちらを見てくるのだ。自分が何か間違えていたり、変な格好をしているのではないかと不安に思い、緊張してしまう。
「うぅ……」
周囲からの視線の恐怖とともに前世での受験の記憶を思い出す。落ちたらどうしよう。
前世では、私は何校も受けて唯一受かった高校へ進学したのだ。それなのに今回は一校のみ。その事実がさらに霊夢の心を蝕んだ。
筆記試験が始まってからしばらくしてようやく集中することで不安や緊張から抜け出すことができた霊夢はどうにか受験をパスすることができ、これから事件が多発する事になる第一高校へ入学する事になるのであった。
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