魔法科高校の楽園の巫女   作:にゃんくる

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入学式 ~side達也~

 その日叔母上から連絡があった。

 内容は四葉霊夢が第一高校に入学するというものであった。

 四葉霊夢、自分は一度しか直接見たことはないが年に1,2度本家に呼び出され会っている深雪によれば可愛い妹みたいな存在だそうだが、四葉家は司波達也以上に危険視しているということを知っている。

 彼女の使う特異な魔法、いや魔法とは言えないので自分の目と同じように異能と称される分類のものであるが、それを俺の目で検証するために彼女の異能を本家で見たことがある。

 それは宙を自由自在に飛ぶ異能。

 精霊の目で確認してもサイオンも確認できず、どのような原理か一切わからずじまいであった。

 俺の目で見た結果、人間が歩くのと同じように彼女も飛行していたという結論以外に到達する事ができなかった。

 そしておそらく彼女が使える異能は飛行だけではない。

 飛行魔法だけであればそこまで危険はない。

 実際、現代魔法では飛行魔法が技術化できていないというだけで古式魔法では術者は存在する。

 そのため、飛行魔法が使えるだけで四葉家に監禁されるということはないだろうというのが俺の見解だ。

 叔母上からの連絡にはもう一つ用件があった。

 それは四葉霊夢と共に登校してほしいという内容であった。

 自分たちが四葉の関係者だということは秘密にしなければならない。そのため本来なら周囲の目がある中であまり近づくべきではないのだが、これは四葉霊夢を溺愛している母親としての命なのだろう。

 少々不自然ではあるが立ち回り次第ではなんとかなるだろう。

 

 

 

 入学式当日、指定された場所で待っていると彼女はやってきた。

 深雪と並ぶと如何に容姿が優れているかよくわかる。

 贔屓目なしに深雪は世界で一番美しいと言ってもいいと思っている。

 その深雪と並んでも全く見劣りせず対等な美しさを持っていることがそういったことに疎い自分でもよくわかる。

 彼女は深雪に懐いているようで向こうから敵対することはないだろうと判断した。

 もちろん四葉家の人間に違いないため、警戒は怠らないが。

 また、それとは別に俺と深雪は彼女を連れてきたメイドに衝撃を受け、動揺した。

 彼女は司波深夜のガーディアンであった桜井穂波と瓜二つだった。おそらく四葉霊夢のガーディアンであり、また、桜井穂波の関係者であるのだろう。

 彼女が立ち去るとしばらく呆然としていた深雪を促し、第一高校へ向かった。

 

 

 

 第一高校に着いて深雪と離れてから俺と四葉霊夢は二時間という暇を潰すためにベンチに座っていた。

 彼女と合流して以来、常に彼女を観察しており、それはこの二時間も変わることなく続いていくはずであった。

 しかし、ベンチに座って情報端末の書籍データに視線を送ってしばらく、突如、四葉霊夢は世界から消えた。

 慌てて視線を彼女がいた場所へやる。

 そこには先ほどと変わらずベンチに座っている彼女の姿があった。

 それは神秘的でその空間だけ世俗から切り離されているかのような光景であった。思わず注視する。

 達也はおそらくこれが本家で監禁されていた理由であろうと推測する。

 精霊の目で見た限りその空間には何も存在しない。

 しかし実際にはいるのが見えているし、おそらくその場にいるのであろう。

 イデアにアクセスして存在を認識することができる精霊の目で見えないということはこの世界に存在しないことと同義であり、同じくイデアを経由して使用する魔法による影響を受けないであろうことを意味する。

 そしてそれだけではない、この世界に存在しないことと同義ということはこの世界のものの影響を受けないということだ。

 魔法だけでなく銃火器でも傷つけることができない魔法師。

 このような存在が知られたならばいくら四葉家の人間とはいえ、拉致、人体実験しようとする組織が現れる危険性は極めて高く、それは四葉家にとって最も忌むべきことである。

 つまり四葉霊夢は、四葉家に危険視されて監禁されていたわけではなく、世間から守るために監禁されていたのであろう。

 

 

 

 達也は考えていた。いずれ訪れるかもしれない自分たちと四葉家との決裂と衝突の時に立ちはだかるであろう四葉霊夢に対抗する手段を。

 戦闘は成り立たない。

 今日見た限り最低でも一時間半は無敵時間が持続する。そのような存在相手と戦うのは難しいであろう。

 逃走しようにも彼女の飛行魔法の精度と持続力は知っている。

 慣性を知らないかのような超加速と急停止、バイクで逃走すればたちまち狙い撃たれるであろうことは安易に予測できた。

 決して悟られないように暗殺する。それが四葉霊夢を相手にした場合勝つことができる唯一の方法だと考えられるが、もし失敗したらその時点で自分の敗北が決まる。

 結果として達也は四葉霊夢個人とは敵対しない、敵対関係になる場合見つからないよう隠れるしかない、現時点では対処方法はそれ以外に思い浮かばなかった。




ひたすら長文でごめんなさい。
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