ロックマンEXE 〜Network CINDERELLA〜   作:オフィシャルネットバトラーウッキー

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時折「これアニメ版?」「これはゲーム版の絡み?」と思わせる様なゴチャ混ぜ設定や会話がこの先あるかと思いますがどうか御容赦いただければ幸いです。
一応シンデレラガール側の舞台自体はアニメ終了後です。
舞踏会は大成功し、初代シンデレラプロジェクト→シンデレラガールズ→ネットワークシンデレラガールズ(ほぼバラバラに活動)として繋がって行く感じで。
元々のシンデレラプロジェクトメンバーが集結するかは作者の気分です()

「」←人間
『』←ナビ
《》←アナウンス、マイク音声等


ネットワークシンデレラフェスティバル!

「つ い た あ あ あ あ あ あ あ あ!!!」

 

「うるせぇ!!!」

 

バギィ!!と悲痛な打撃音が駅前に響く。中学生に上がったコジローの腕力は普通に小学6年生の時よりも上がっている。熱斗は軽く吹き飛ばされるがすぐにその場に戻ってきて埃を払い。

 

「何すんだよー、折角ミシロシティに来た喜びを噛み締めてたのにさー」

 

「何もどうもあるか!流石に迷惑過ぎるんだよ!ほら見ろ周りを!」

 

ミシロシティのイベント目当てでやって来た者が殆どだろう、駅からずっと続く列にいる人々は何人かが熱斗達に訝しげな視線を向けていて

 

「………いや、アレはコジローが熱斗さんをぶん殴ったからっスよ、多分」

 

「……………まじ?」

 

『多分マジ』

 

一般人からすれば大都会への浮かれで暴れている中坊たちに歯科見えないだろう。それはゴメンだと、熱斗達はそそくさとその場を後にする。

 

「んで、やいととの待ち合わせ場所ってどこだっけ、ロックマン?」

 

『えーと……確か招待枠の列の最後尾で待っててあげるから、早く来なさい、って書いてあったよ!』

 

「なるほど、サンキュ!」

 

ロックマンにメールの内容を確認してもらういつものやり取りを終えれば、得意のインラインスケートを走らせる。勿論コジロー達も遅れない様に着いてくるのだが…………流石はアイドルの普及した大都市、中学生の足では幾ら走っても会場までの道程が遠く、しばらく走ってからは熱斗も含めて皆ゆったりと歩みを進めていた。

 

 

「・・・・めっちゃ遠いな!!」

 

「思ったより遠かった……」

 

「あっ!でも会場が見えてきたっスよ!あれじゃないっスか!?」

 

明日太が指差す方向に見えるのは超巨大なビルやドームが複数立ち並ぶアミューズメント施設。このイベント、引いてはこの先何度もあるであろうイベントの為に作り上げた346プロダクションの施設だそうだ

それを見れば当然熱斗達のテンションは爆上げ、らしくないがロックマンも高揚している。

 

「「す、すげぇ〜〜〜!!」」

 

『あ、あれは………凄いね……イベントのサイトで見たのと全然イメージが違うや…』

 

『………あれの1つが物販の為の場所なんだろ?とんでもないよな……』

 

金の無駄遣いではないかと問われたらYESとしか返せないだろうが、絶対にこのイベント、最悪次のイベント辺りで赤字になる程の実力があるからこそ、こんな大掛かりな施設を用意したのだろう。

そんな社会的な事情を話すのはナビのみであり、熱斗達は再び駆け出す。一般枠として並んでいる人々に申し訳無くも思うがこれもお嬢様を親友に持ったが故の勝利である。

というか今の最後尾は果たして会場に入れるのかと少々心配になりながらも熱斗達は会場へと向かった。

 

……結局、駅から20分程走りようやく会場へ。巨大なゲートに「Welcome to the 346 Network Cinderella Festival!!」と書かれていて、可愛らしいナビや緑のネコ等も描かれている。

 

「「「お お お お お お お お お お お お お お お!!!」」」

 

3人の少年の雄叫びは恐らく会場にまで届いたのではなかろうか。その声を聞き付けてすぐに、背丈の小さな金髪の、ザ・お嬢様と言わんばかりの風格を纏った少女が額を光らせながら飛び出して来る。

 

「うるっさあああああああああい!!」

 

「うおおあおっ!?や、やいと!?」

 

3人共、飛び出してきたやいとに萎縮する。身長に能わず剣幕が凄いのがやいとの特権である。

 

「やいと!?じゃない!アンタ達うるさいったらありゃしないわねホント………まぁ大森くんは意外だったけど。光くんに新垣くんはもう少し落ち着いたらどうなの?」

 

「面目ねえ……」

 

「コジローのせいで怒られた…」

 

『熱斗くんも悪いでしょ!』

 

『お久しぶり……ではありませんが、おはようございます。ロックマン』

 

『あっ、グライド!えぇと、こうしてPETから話すのは、久しぶりかな』

 

熱斗とやいとのPETの中で会話を交わすロックマンと、やいとのパートナーである特製ナビ、グライド。戦闘能力自体はそこまで及ばないが、数あるナビの中でもトップクラスの良識と礼儀正しさを持ち合わせている。

 

「あっ、そうだ!サンキューなやいと!招待状くれてさ!」

 

「余ってたからね、そんならまず光くんにあげるべきでしょ?ホントはメイルちゃんとデカオにも渡したかったんだけど、新垣くんと大森くんに自慢する光くんの顔、想像しただけで憎たらしかったから」

 

ギグ、とあからさまに動揺する熱斗。確かに一人だけもらってたら学校で散々自慢し倒してた自信さえある。

 

「………それだけはほんとに勘弁だな…ありがとよやいと!」

 

「ありがとうございますっス!やいとさん!」

 

「どういたしまして。それじゃ早速中に行きましょうか。正直招待枠が色んな所がキャンセルしてるせいで招待状さえ持ってればすぐ入れるみたいだから」

 

挨拶もそこそこに、4人は係員に招待状を見せてゲートを潜った。暗く続いて行くゲート、何の効果かは分からないが先は真っ白な光で、その光に飛び込んだ瞬間、熱斗達の前には正に夢の様な光景が広がっていた。

 

 

《皆ノッてるかーーー!今日は一人別のトコ行っちゃっていないけど、ポジティブパッションは2人でもLIVEはするよーーーーー!!》

 

「「「「「イエーーーーーイ!!!パッショーーーーン!!!」」」」」

 

 

 

 

 

《OK!!次のナンバー!頼んだよ奈々ちゃん!》

 

《みく達の次は奈々ちゃんにゃ!皆名前を呼んであげるにゃー!》

 

 

「「「だりいいいいいいいいい!!!」」」

 

「「「みくにゃーーーーーん!!!」」」

 

「「「奈々ちゃあああああああああん!!!」」」

 

《はーい!みっなさーん!ウサミン星からやって来た、歌って踊れる声優アイドル!ウサミンこと!安倍奈々でーっす!ミミミン!ミミミン!ウーサミン!》

 

「「「「「ミミミン!ミミミン!ウーサミン!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

《っしゃぁー!!次の曲行くぜぇ!!炎陣!上げて行くぞおおおおおおお!!!》

 

《生存者全員!!作戦続行に問題は無いでありますなーーーー!?》

 

「「「「「応おおおおおおおおお!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

とまぁ、これはあくまで一部のドームの中で行われているLIVEの話、熱気や歓声自体は多少伝わって来る物もあるだろうが防音はしっかりされている。

熱斗達が目にしているのはまるで遊園地の様な、様々な出店や装飾、物の配布や販売、またそこら中を歩いている休憩中のアイドル達の様子等も目に映り、皆目を輝かせる。

何より人々の盛り上がりが熱斗達にも影響した。今すぐ駆け出したい衝動を抑えながら、熱斗達は足踏みをひながらやいとの方を向く

 

「「どこから行く!?!?」」

 

「どこから行くっスか?やいとさん!」

 

「んー?あたしはメイルちゃん達の様子見てくるから、アンタ達は先に回ってなさいな、招待枠再入場出来るし」

 

至れり尽くせり招待枠、やいとお嬢様万歳と土下座までしそうな勢いで頭を下げればやいとはゲートへと戻って行った。

 

どこから回るか、なんて事は考えない。ただ本能の赴くままにと言わんばかりに3人は駆け出した。

 

まず足を運んだのは腹ごしらえの為の出店。ポイ捨ては絶対厳禁、ゴミ箱は設置してあるからそこに捨ててという言いつけはしっかりと守り、某ポジティブパッションのメンバーの一人の好物であるフライドチキンやどこぞのドーナツ大好き少女オススメの店のドーナツ等を頬張り、その後もPETにインストールした会場のマップデータを見ながら色々な所を回っていた。

 

「おぉ〜〜〜!すげぇ!ここがLIVE会場かぁ〜!」

 

「え〜っと、次のここのLIVEは……あっ!ラブライカとTP!??見てって良いっスか熱斗さん!!」

 

「Triad Primus!!見てこうぜ!!」

 

「なぁ俺あっちのドームが………」

 

「我慢するか一人で行けぃ!」

 

「酷くねぇ!?」

 

ラブライカ、Triad Primus、どちらもミシロシティから売り出している有名アイドルユニットである。明日太は特にラブライカのファンであり、この為に来たと言っても過言ではないレベルだそうだ。

熱斗もTriad Primusの魂に響く様な、妥協を許さない志を持った歌を気に入っておりこれを見ない手は無いと、すぐに空いている席に着く。どうやらコジローは別のドームのLIVEが見たかった様だがこれはこれで良いのだろう。

 

………数分後、ラブライカのメンバー……シンデレラプロジェクトの「新田美波」と「アナスタシア」がステージに上がる。衣装は勿論Memoriesの物

 

《皆さん!お集まりいただいてありがとうございます!私達、ラブライカの曲を聞きに来ていただけて本当に嬉しいです!》

 

《Благодарю вас、ありがとう、ございます。ワタシ達も全力で、歌いマス!》

 

「おあああああああああ!!!ラブライカ最高っスーーーーーーーー!!!」

 

「す、すっげぇ…!生の新田美波だ…!?!?」

 

「おおおおおお………」

 

初めての生のLIVE、興奮しない訳が無い。ラブライカのMemoriesに続き、Triad PrimusのTrancing Pulseまで聞けば一旦ドームの外に出るのだが……

 

「%`@は?"(*$^の!!!」

 

「}-;%";"€\℃¢%℃&$!!!」

 

「ほ&38":@?(ん*:1:-)」

 

最早感想なのか何なのか分からない3人の感動を分かち合う声。他の人々の熱狂もあり迷惑にこそなっていないものの、これは熱斗達にとって初めての経験。こうなるのも無理はない事であった。

 

何度かLIVEを見て2時間程経過し、既に午後の13時を回った頃………昼食をどうするか、という話題でようやく平静を取り戻した3人………

 

「………ヤバいな、これ」

 

「あぁ………俺、今までドルオタちょっとナメてたわ…」

 

「僕もっス……こんなんグッズ買い漁るのもCD100枚買い占めるのも無理ないっス…」

 

『………』

 

『……ロックマン、苦労するな…』

 

『無駄遣いだけはさせない様に善処するけど………でもまぁ、熱斗くん達が楽しめてるのは良い事だよ、うん。』

 

『無理すんなよ…』

 

存在を忘れられかけているロックマンとコジローのナビ、PETの中でのやり取りは虚しいが、確かに2人もこのLIVEやイベントの素晴らしさは痛感していた。これだけのイベントなら建設費や企画に掛かった費用は全て赤字となって帰って来るだろう。

どうしてこれだけの企画をする力があったのに、と言うよりも、ここまで漕ぎ着けるだけの力があったのに、電脳世界があまり普及していなかったというだけであまり知られていなかったのかがロックマンは不思議でならなかった。

 

熱斗達はと言えば、昼食をどうするかで頭がいっぱいだった筈なのに、ある物を見てその考えは一気に吹き飛んでいた。

 

「う お お お お お お お !?あ、あれって!?」

 

「ネットバトルスペースか!!」

 

「ね、熱斗さん!コジロー!!」

 

ドームの中にある何十台とあるネットバトルスペース、老若男女問わずナビを用いたバトルが行われていたが、そのドームの上の方から見下ろす形で見ていた熱斗達はある人物に目が行く。

 

「「あ、あれってええええええ!?!?」」

 

熱斗達が目を輝かせて熱い視線を飛ばす先にいるのは、そう、熱斗やコジローが大ファンであるアイドルユニット「Linker」のメンバーの内の2人であった。どうやら一般人と対戦中の様だ、ノーマルタイプの少々悪っぽい外観をしたナビに対して、道着の様なデザインに素手で戦う漢らしいナビと、如何ともし難い雰囲気を放っているフリフリのアーマーを纏った女の子ナビが戦っていて………オペレーターの方も、道着とステージ衣装の様で

 

 

「行きますっ!!カラテマン!!お願いしますっ!!」

 

『押忍!!こいつで!トドメだあああああああああっ!!!』

 

『ぐぉわああああああああああああっ!!??』

 

カラテマン、そう呼ばれたナビは腕を思い切り振り下ろして相手のナビの脳天を叩き割るチョップをかまし、すかさず正拳突きを叩き込む。相手のナビは吹き飛んで行き、ステージの障害物を幾つか突き抜けてから地面を転がって行き……ブヴゥゥン…という音と共に、オペレーターのPETへと戻って行く。オペレーターは心底悔しそうな顔をしているが、カラテマンの方のオペレーターは大きく深呼吸をし、深々と頭を下げる。

 

―一方

 

『☆そろそろ飽きてきたしぃ〜ちゃちゃっと決めちゃおうよぉはぁとぉ☆』

 

「おっけー!って訳でごめんねチャレンジャーくん!はぁとは負けられないし、ファンの皆も待ってるから、そろそろ決着だよー☆バトルチップ!トレインアロー!」

 

インストールされたバトルチップの効果により、ナビの腕に弓の様なパーツが。ナビの機動力を活かし距離を取れば、その離れた距離の分だけ水の矢が発射される。

 

『ラブ○ローシューーット☆』

 

その台詞はマズくないかと察するファンもいた様だが7割は対戦映像に夢中で気が付かない、8本程の矢が真っ直ぐに敵のナビへと向かって行き、これまでの戦いで消耗した敵は躱せずに全弾命中、ただまだ倒れてはいない。

 

「た、立て!立つんだ!ジョー!」

 

『う、うおおおおおおおっ!!』

 

『しつこい男で許されるのはぁ〜?』

 

「はぁとをもらってくれるイケメンさんだけぇ!☆」

 

補く華奢なナビの腰から伸びた装飾。ただの飾りかと思わせる外観だが、相手に向かって伸びればその片腕に巻き付いて、次の瞬間…いつの間にスロットインしたのか、超巨大な砲塔、センシャホウの轟音が鳴り響き―

 

『どわああああああああああああああ!!!!』

 

「Nooooooooooo!!!」

 

挑戦者側のナビは2体共KO。対してアイドル側はほぼ無傷。多少ナビの性能が目立ってはいるが、それでもオペレート技術も大した物だと、熱斗達は感動を抱いた。

 

パチパチと拍手や歓声が湧く中、2人のアイドルはナビをPETに戻してからハイタッチを交わす

 

「ナイスだったよ〜、有香ちゃん♪」

 

「こちらこそです、佐藤さん!ぁっ、次の方、どうぞ!」

 

「って、あれ〜?いないの?もしかしてはぁと達やり過ぎちゃった??」

 

かなり離れた所から見ているのに、熱斗達はそのやり取りをとんでもない地獄耳で聞き取っていて

 

「「「・・・」」」

 

「中野有香だあああああああああ!!!」

 

「しゅがはだあああああああああ!!!」

 

「佐藤心さんっス〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

すぐさま駆け出して階段へと向かう。熱斗に至ってはローラーを階段の手すりに合わせて滑り降りる始末。見られたら100%危険行為として連行されるだろう。

 

「はい!はい!俺やります!!」

 

「熱斗、タッグマッチだぞ!俺もやる!」

 

恐ろしい数の見物人や挑戦者達を掻き分けて前に出て来る熱斗とコジロー。明日太は少々手間取っている様だ。

 

「貴方達ですね!挑戦、受けて立ちます!」

 

「ぉ〜☆元気の良い子供達っ!はぁとと有香ちゃんに泣かされても知らないぞ☆」

 

熱斗達の挑戦を勿論アイドルは受ける。また、観客のこの熱斗達の挑戦に対する反応は大きく分けて3つあった。

 

「バカなガキだな……勝てると思ってるのか?」という、今までの結果を見てきた故、熱斗達中学生では敵いっこないと思う者

 

「あれって光熱斗じゃないか!?」と、そう、熱斗は元々世界規模のトーナメントでの優勝経験を持つ超一流ネットバトラー、普段から大規模の大会に出場している訳では無いので知らない人も多いかもしれないが。

それでも何割かは熱斗の登場に驚いている。因みに相手の2人は気付いていない、というか知らなそうだ。

 

そして、「早くトーナメント始まらないかな」と思っている人々、実はこの後ネットバトルトーナメントが開かれる為その為にこのバトルスペースに来ている者もいるのだが、まだ小一時間ある為暇潰しに見ていると言った感じか。

 

熱斗とコジローはPETを取り出して構える。

すると相手のアイドル………道着を着込んだ空手少女、中野有香と、フリフリのアイドル衣装に身を包んだザ・アイドルといった風貌の佐藤心も自身のPETを構えて……

 

「「「プラグイン!!」」」

 

 

「プラグ・イン!ロックマンEXE!トランスミッション!」

 

バトルフィールドに4体のナビが降り立ち、再び歓声に包まれた。




と言う訳で、プロローグで先述させていただいたユニット「Linker」のメンバーの内2人は中野有香と佐藤心です。
しゅがはの方は何となく名前で出した理由のこじつけ(エグゼ5的な)出来そうですが、有香の方は趣味です、自分の担当アイドルの一人なだけです。多分活躍はありますが伏線とか殆どありません。

残り3人も内1人は何となく分かってる方もいらっしゃると思いますが次回登場しますorz

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