ここはIS学園、日本にしかない唯一のIS専門の高校であり、優秀なIS操縦者を育成するための場所である。今日は新入生が待ちに待った入学式、早朝から登校する者は辺り一面女性ばかり。その中一人だけ、男性が学園へと足を運ぶ。
彼の名前は 織斑 一夏 。世界で初めての男性操縦者になっていたはずの男である。彼もまた高校受験当日に会場を間違え、たまたまIS学園の受験会場にあるISを何故か起動させてしまった男である。実際男性でISを最初に起動させたのはケンシロウとラオウなのだがこのことはIS学園の関係者以外知らず、受験シーズンに大事にするのは面倒だと千冬が判断したため公にはまだ公表されていない。女性しかいない中、入学式を終えた一夏は自分のクラスである1-1でホームルームを待っていた。
一夏「(覚悟はしていたが、本当に女の子しかいない・・・。なんて居心地の悪さなんだ・・・。それに・・・)」
女子一同 (ジーーーーー)
一夏「(目線痛い・・・)」
ホームルームはまだかとそわそわする一夏の願いは叶う。
ガラガラッ。
山田「皆さん入学おめでとうございます。私は担任の山田 摩耶 といいます。これから1年の間よろしくお願いしますね!」
教室に入ってそうそう挨拶をする山田に対して生徒は今だに一夏に注目している。山田は戸惑うも負けじと場を促す。
山田「じ、じゃあ名簿順に自己紹介をお願いしようかな?」
自己紹介が始まり一夏は何を言えばいいか焦り迷っていたが、無情にも自分の順番が回ってきた。
一夏「えぇと、織斑一夏です。」
とりあえず一言言い終えて前を見れば女子達は期待に目を輝かせている。
一夏「(なっ、ここで暗い印象が定着するのは不味い・・・。どうにかしなければ。)」
一夏は深呼吸をし、間を置く。女子達は「お?」と、言わんばかりの表情。
一夏「以上です!!!!」
クラス全体が盛大にずっこける。
一夏「あ、あれ?ダメでした?」
瞬間一夏の脳天に出席簿が落ちてくる。 スパアァァん!!
一夏「痛ってぇぇ!?何がおきて、げぇっ千冬姉!?」
更に追撃の出席簿、一夏に効果抜群だ。
千冬「織斑先生と呼ばんかバカ者!!」
突如現れた千冬を見たクラスの女子は歓声を発する。
「キャアアァァァーーー!!千冬様よ!サインください!」
「お姉様と呼ばせて!そして私を罵ってー!!」
千冬は毎年恒例行事か何かと思い、彼女らを黙らせる。
千冬「で、お前はまともに自己紹介もできんのか?」
一夏「急に現れて何言ってんだよ千冬姉ぇ・・・」
千冬「織・斑・先・生 だ!」 スパアァァン!!
一夏が悶絶していてもスルーする千冬
千冬「お前達のクラスを担当する織斑千冬だ。お前達にはこの一年間でISに関する基礎知識や技術を全て叩き込む。一年以内に全て覚えろ。できなくてもやれ。私の命令には全てハイと返事をしろ!わかったな?」
生徒達「ハイ!」
ラオウ「うむ。」
ケン「・・・ハイ。」
生徒一同「え?」
千冬「お、お前達!?いつの間に教室に入ったんだ!?」
ケン「すまん、ラオウを止めることができなかった。」
ラオウ「この俺を待たせるなど百年早いわ!!」
突然の大男の登場に生徒一同は驚き思考が停止する。
千冬「はぁー、仕方ない。最後に諸君らに紹介しなければならない者が二人いる。そこの男子2名だ。・・・自己紹介を。」
千冬に言われて二人は自己紹介をする。
ケン「霞ケンシロウだ。君たちと同様ここに通うことになった一年生だ。ケンと呼んでくれ。」
ラオウ「フン、ケンシロウの兄、ラオウだ。」
千冬「彼らは急遽発見された男性のIS操縦者だ。訳があって公にはまだ発表されていないが時期に話題になってくると思う。仲良くするように。」
千冬は思っていた。彼ら二人が女子高生達と、一夏と親しくなるのには時間が必要であると。
しかし沈黙していた教室は千冬の予想とは裏腹に騒ぎだす。
一同「キャーーー!!3人目の男子よ!!」
「しかも二人とも良い体格!!」
「あの太い腕に抱かれて見たいわ~∥」
「二人とも兄弟なの?すごい筋肉してるね~!!」
以外にも好評価である。
ラオウ「えぇい、喧しいわ!!おい織斑!!」
一夏「えっ!?は、ハイ!?」
ラオウ「違う、貴様ではないわ!千冬、小娘らを静まらせろ!」
「え~、ラオウくん冷たいなー。でもそんなところがまたステキ・・・∥∥」
「私はケンシロウ君派かな~、クールな感じがどストライクだわ~∥∥」
「でも単純なイケメンだったら織斑君じゃない?」
教室内は男子三人の話で一層騒がしくなる。
千冬「静かにせんか!!まだホームルームの時間は終わっていないぞ!」
千冬の呼び掛けに反応し、生徒達はすぐ静まり返る。
千冬「彼ら二人はISに関してはまったくの初心者であり、基本的な知識もお前達と比べても差は歴然だ。できるだけでいい、彼らの手助けをしてやってくれ。」
生徒達「ハイ」
ラオウ「ふん、俺に手助けなどはいらぬ。」
「え~!?そんなこと言わずにさー?ねぇーケンくん?」
ケン「そうだぞラオウ、ISに関しては彼女達のほうが上の立場にある。教えてもらったらどうだ?」
ソウヨ ソウヨ ハズカシガラズニサー キャーキャー
ラオウ「うっ、わかった、わかったから静まれぃ!!」
拳王と恐れられた彼も若い女性の集団にはかなわない。
ケン「(ラオウも随分丸くなったもんだな)」
時間は経過し授業に入るころ、
千冬「それでは授業に入る、っとその前に来週から始まるクラス対抗戦にむけてのクラス代表を決めておこうか。立候補、推薦は問わん。誰か候補者はいないか?」
ジャアワタシハオリムラクンヲー エエーケンシロウクンヨー ワタシラークンガイイー
ラオウ「フン、くだらぬわ。俺は戦えるならクラス代表など誰でもよい!」
ケン「この際代表になってみたらどうだラオウ?」
ラオウ「王座など貴様らにくれてやるわ。それより俺は昼の学食とやらが楽しみでたまらんわ!」クワッ!
ケン「(拳王とか自分で名乗ってたくせに・・・)」
ざわつくクラスは男子3人の名前が飛び交い更に盛り上がる。そこに横槍を入れる女性が一人現れた。
「納得がいきませんわ!!」
クラス全体が彼女のほうを見る。
セシリア「イギリス代表候補生のこの私セシリア・オルコットが一年間そのような屈辱を──────!?」
どうやら彼女は男子がクラス代表になるのが気に入らないらしい。今の女尊男卑の時代、彼女のような人間は少なくない。ならば自分から立候補すればよかろう、と一夏とケンシロウは聞き流していたが。しかしこの「漢」は黙っていなかった。
ラオウ「先程から黙って聴いておれば小娘、この俺を愚弄するか!!」
セシ「なっ、なんですの、この野蛮なゴリラは!?日本ではゴリラを呼ぶほど人員にとぼしいんですの!?」
ラオウ「この俺をゴリラ呼ばわりとは・・・、貴様、肝っ玉だけはでかいようだな!?千冬よ!こやつと戦わせてもらうぞ?」
千冬「あ、ああ。但し模擬戦だからな?(焦)」
ケン「ラオウ、落ち着いたらどうだ。女性相手に本気をだすなよ?」
セシ「まぁ!?貴方も私を侮辱しますの?」
ケン「悪気はないが、先にこの国を侮辱したのはきみのほうだろう?」
一夏「そっそうだ!イギリスだって不味い飯ワースト1で何年覇者だよ!」
言い返されるセシリアだが彼女の負けん気は大したものである。
セシ「もう許しませんわ!負けたら貴方たちは私の奴隷にして差し上げますわ!」
一夏「え!?俺たちも戦うのか?」
ケン「仕方ないな。そう言うことだ織斑先生。」
千冬「仕方ない、勝負は来週の月曜、第三アリーナで行う!」
ラオウ「首を洗って待っておくがよい。うぬの骨と共にイギリス代表候補生の歴史を葬ろうぞ。」ゲェアハッハッハッハ────!!」
ラオウの悪魔のような笑い声は学校中に響きわたる。