一夏との試合を終え休憩を挟むセシリア。多少疲れが見えるものの、一息つき気合いを入れなおす。
セシリア「織斑一夏・・・、あの男はIS初心者のはず・・・。なのに私に最後まで張り合い、私は負ける寸前まで追い込まれた・・・」
セシリアの脳内には一夏の戦う姿が何度も映し出される。
セシリア「(男は野蛮な生物だと思っていたのに・・・、何故こんな気持ちになるのかしら・・・)」
セシリア「い、いけませんわ!次の相手はあの野蛮なゴリラ、あの男が織斑一夏のような殿方とは思えませんわ!」
セシリアは教室であった一悶着を思い出す。
セシリア「思い出しただけで腹が立ってきましたわ。あのゴリラ、絶対に許せませんの・・・!!」
怒りを隠せないセシリアは休憩を終えると、ラオウをアリーナで迎え撃つ。彼女はセシリア・オルコット、イギリス代表候補生。男に負けは許されない、女だが。
アリーナ上空
セシリア「遅かったですわね・・・。随分大きいISですけど尻尾を巻いて逃げたのかと思いましたわ。」
ラオウ「何とでも言うがいい小娘!!戯言はいい、さっさと始めるぞ!」
「それでは試合開始ぃぃぃ!!」
セシリア「男だからと言ってもう油断しませんわ!!あなたのようなデカイ的は私のブルー・ティアーズによって蜂の巣になりなさいな!!」
上空からセシリアはを目掛けて正確にライフルで狙ってくる。多少動けるからと言って、流石はイギリスの代表候補生。ラオウには全弾命中、高出力レーザーは黒王号のシールドエネルギーを確実に削っていく。
セシリア「ふん、とんだ期待はずれでしたわね。この程度も避けれないなんて。まだまだ行きますわよ!!」
ラオウ「・・・・」
セシリアの攻撃を受け続けるラオウ。シールドエネルギーは確実に減りながらも雨のようなレーザーを耐え続ける。試合は誰もが観ても一方的であった。・・・ただひとり、ラオウは密かにニヤリと笑う。その笑みを見たセシリアに悪寒が走る。
セシリア「(な、何なんですのあの笑いは!?私の攻撃を受け続けてあの余裕・・・!?)」
攻撃を一旦撃ち止め、セシリアは警戒体制に入る。
ラオウ「小娘、もういいのか?貴様は先の闘いで疲弊しておろう。対等にするには些か足りんぞ?」
セシリア「あなた、まさかわざと攻撃を受けて・・・!?」
ラオウ「この俺と対等に闘おうと言うのなら当たり前のことよ。」
千冬「まったく恐ろしい奴だ・・・、普通の人間ならあの猛攻を受けた時点で大怪我だろうな。」
ケン「しかしシールドエネルギーが無くなれば無傷とはいえ負けなのだろう?」
一夏「そうだぜ千冬姉。スピードならまだセシリアのほうが上なんじゃないか?いくら何でもラオウの攻撃が当たらないなら・・・」
千冬「先生と呼べと言っただろ!岩斬両山破!!」
一夏「あわびゅ!?」 ドカーン
ケン「まだ甘いが見事だ!」
千冬「一夏、何も近接系統の機体の攻撃手段が相手に殴りかかる事だけではない。ラオウの戦いをよく見ておけ。」
一夏「痛てぇ、痛てぇよ千冬姉・・・。どういう意味だ?」
セシリア「つ、強がるのもいい加減にしなさいな!次の一撃で終わりにしてあげますわ!」
ライフルからレーザーが放たれラオウに襲いかかる。セシリアがこれでフィニッシュだと、 安堵したその油断がまさに命取!!
ラオウ「ぬうぅん!」
ラオウの右手に赤黒い闘気が集まり、そして
ラオウ「 北斗神拳 二指真空波 」
レーザーはラオウの右手に捕まり、手首を返すようにしてレーザーの槍はセシリアに投げ返される。セシリアは反応する暇もなく直撃を受け体勢を崩されてしまう。何があったのかセシリアは理解できず戸惑いをみせる。
一夏「すっすげぇ・・・、レーザーを掴んで投げ返したぜ!?」
千冬「そ、そうだ!ああいう戦いかたもあるということだ。わかったか一夏?(いやいや!?レーザーを掴んで投げ返すなんて出来るわけないだろ!!)」
ケン「あれぐらい北斗の男なら当然だ。」
セシリア「ぐっ、・・・あなた本当にIS初心者ですの!?」
ラオウ「初心者だからどうした?死合が始まれば誰が相手だろうと全力で戦えばよかろう!」 ドーン!!
ラオウの発する大声はアリーナ中に響き渡り、試合を見ている者全ての心にラオウの言葉が突き刺さる。
ラオウ「初心者・熟練者・男に女、そんな肩書きなどどうでもよい!ただあるのは生か死か!!真剣勝負にこれ以上のものなどいらぬわあぁ!!!」 ドドーン!!
ケン「兄さん・・・(泣)」
一夏「かっけぇぜラオウ・・・、男の中の“漢”だ!」
千冬「もう何がなんだか・・・」
山田「ラオウ君、格好いいですね~////」
セシリア「・・・どうやらあなたという人の事を少々誤解していたようですわ。でも・・・!!私だって負けるわけにはいかないんですの!!」
セシリアは再びライフルで狙撃する。勿論二指真空波で返されることを理解した上で。
ラオウ「あまいわ!」
ラオウはレーザーを返そうと構えを取る。しかし、
セシリア「一か八か・・・、フレキシブル!!」
ラオウ「!?」
ラオウに目掛けて放たれたレーザーは突然湾曲を描きラオウの横を過ぎていく。
ラオウ「隙あり!ドオリャー!!」
ラオウはレーザーが外れたと同時にやっとかと言わんばかりにセシリアに急接近、その姿ミサイルの如し!セシリアのBT兵器の攻撃を掻い潜り渾身の力を拳にこめて近づく。
セシリア「掛かりましたわね!」
ケン「む、あれは?」
一夏「セシリアのレーザーが曲がってラオウの背後に!?」
千冬「この土壇場でBT兵器の高等技術とは・・・」
レーザーはラオウの死角から襲いかかる。セシリアはそれと同時に隠してあった2つのビットからミサイルを放つ。セシリアが今できる全力の攻撃、最早交わす術はない。
だがそれは常人ならではの話。
ラオウ「ぬぅん!」
北斗神拳 無 想 隠 殺
セシリア「な!?」
ラオウは死角からのレーザーをミリ単位で首かすめない程度にかわし、左手でまたもやレーザーを掴みミサイルを掴んだレーザーで切り裂く。セシリアはもはや隙だらけ。
ラオウ「楽しかったぞ小娘、我が拳の前に塵と砕けよ!」
悪魔の微笑みはセシリアに恐怖を生み出す。絶対防御があるはずなのに、死なないはずなのに、セシリアは今まさに味わった事のない感覚、「死」を感じた。
北斗神拳奥義 北 斗 剛 掌 波
アリーナには爆音が響き渡り、土煙が視界を塞ぐ。
一夏「ど、どうなったんだ!?」
千冬「おおお、落ち着けいい一夏!き、救護班は直ぐに準備を!」
ケン「いや、大丈夫だ。」
千冬「何!?」
ケン「ラオウは本当に丸くなったな。彼女の意識はある。どうやら止めはささなかったようだぞ。」
BGM silent survivor
セシリア「・・・どうしてですの?何故止めを・・・」
ラオウ「たった今安いプライドに囚われていたセシリア・オルコットは死んだ、今ここにいるのは闘いに敗れ新たな自分と向き合おうとするセシリア・オルコットただ1人!」
セシリア「ラオウさん・・・」
ラオウ「体を厭えよ、オルコット。このラオウ、いつでも貴様からの挑戦を受けようぞ!」
アリーナ中から試合に対する歓声が響き渡る。まさか一年がこれほどの熱き闘いを繰り広げようとは。
ケン「 どうやら俺とセシリアの試合は無さそうだな。」
セシリアは全力を出して負けた。これほど清々しく負けたせいか自然と笑顔でラオウを見つめる。
ラオウは立ち上がりケンシロウ達のもとへ飛んでいく。その姿、まさに闘いの神インドラの化身!!
ラオウ「グハハハハハ!拳王恐怖の伝説は今より始まる!!ケンシロウ~!この俺の命、奪いたくばいつでもくるがいい!」
この日地球に世紀末覇者が復活した。
審判「織斑先生、オルコットは試合続行不可能と判断されましたので霞ケンシロウとの試合は彼の不戦勝にしますが・・・」
千冬「ああ、それでかまわない。オルコットのISは一度整備班に預かってもらうように言っておいてくれ。」
審判「了解しました。・・・しかし2試合戦ったオルコットを不戦敗にするのも後味悪いですね。」
千冬「上層部からは男子生徒の戦闘データを取るように言われている。ケンシロウにも試合はしてもらうつもりだが・・・」
千冬「というわけでケンシロウ、君には織斑・ラオウペアと1VS2で試合をしてもらう。アリーナの使用時間はもう少ないから10分間としてラオウには5分遅れで出てもらうがいいか?」
ケン「かまわん。」
一夏「まじかよ千冬ね、織斑先生・・・、嫌な予感しかしない。」
千冬「織斑、男にはやらねばならん時がある。」
一夏「何か悟ってないか千冬姉・・・? 」
千冬「がんざん・・・!!」
一夏「わ、わかりましたあぁ!織斑一夏、死ぬ気で頑張らせてもらいます!!」
ラオウ「俺が出るまで逃げ回ってもよいのだぞ?」
話は決まり、運命の最終戦。男がぶつかる死闘 開始いいいいいいぃぃーーーーーー!!