クラス対抗戦まであと1週間、1組の代表である一夏は2組の代表である鈴との勝負に備え、ISの操縦の練習真っ只中である。
一夏「うおおぉ───!!」 ギュオ──ン
ケン「遅い!」 ガキィンッ
一夏「また零落白夜を止められた!?」
ケン「武器を振るうのに無駄に力むな、瞬間的に力を爆発させろ!どんなに破壊力がある剣でも振るう瞬間を根元で抑えてしまえば通用せん!ほぁた!」 ズンッ
一夏「がはっ!?」
腹に一撃をくらった一夏はアリーナの地面に力なくふらふらと着陸する。
ケン「よし、俺は今日はここまでにしておこう。」
一夏「げほっ、げほっ・・・、ありがとなケン!やっぱり近接の戦いはケンから学ぶのが一番だぜ!」
ケン「だが俺もISの操縦にまだ完全に慣れている訳ではない。技術に関して言えばセシリアのほうが上だ。鳳はそれ以上かもしれんぞ?」
一夏「そう言えばラオウは鈴と戦ったんだっけ?何か鈴のISのこと知ってるのかな─?」
ケン「甲龍といったか?ラオウが言っていたな。だが知っていたとしてもあいつはお前に教えないだろう。」
一夏「だよなー。今できることをやるしかないか。」
ケン「よし、じゃあ次はセシリアの番だな。」
セシリア「待ちくたびれましたわよ一夏さん。」
一夏「近接の次は間接か。よし、セシリア頼んだぜ!」
セシリア「私も前に戦った時とはちがいますわよ!ブルーティアーズ!」 シャキーン
ケン「SEがある以上銃撃を食らったところですぐ負けにはならん。肉を斬らせて骨を断て!狙撃主に距離を取らせるな!」
一夏「うおお!」
セシリア「生憎今の私は狙撃だけじゃありませんのよ!インターセプター!」 ガキィン
ケン「剣しかないお前がセシリアに遅れを取るな!力ではお前が上だ!」
一夏「おらあぁぁ────!」
セシリア「ビットの存在を忘れていますわよ!」ピュン
ケン「空気の流れを感じとれ!盲目でもそのくらいかわせる者を俺は知っているぞ!」
一夏「えっ?ちょっ、う、うおお───!!」
セシリア「3連フレキシブル!!バァーン!!」ギギューン
ケン「激流を制するは静水!!」
一夏「意味がわからねぇーよ!?」チュドーン
ケン「今日は終いだな。よく耐えたな一夏。俺が教えたお前にできそうな技は毎日練習しておけ。」
一夏「ぜぇ、ぜぇ・・・、終わったー!!」
セシリア「一夏さんの腕もかなり上達していて驚きましたわ。私もうかうかしていられませんわ!」
一夏「セ、セシリアだっていつの間にあんな技を・・・」
セシリア「ラオウさんに完敗して以来、私決めましたの。ラオウさんを倒して認めてもらうためなら努力は惜しまないと!私もまだまだこれからですわ!では御二人方、先に失礼しますわ。」
ケン「・・・あの子は間違いなく国を代表する者になるだろう。一夏、俺たちも行くか。」
一夏「ケンは先に行っててくれ。少し休んだら行くよ。疲れすぎて死にそうだ・・・」
ケン「わかった、それと一夏。剣の戦い方については俺より箒に教わったほうがためになる。我流もいいがまずは基本を教えてもらえ。じゃあな。」
寝転ぶ一夏にアドバイスを残すとケンシロウはアリーナを後にした。
一夏「箒にか・・・、あいつ教えてくれるかな?」
生徒会室内
楯無「えぇ~っと、話すのは初めてよね?」
ラオウ「・・・貴様がケンシロウの言っていた生徒会長とやらか?」
楯無「えぇ、更識楯無よ。会長、もしくは楯無ちゃんって呼んでね!」
ラオウ「ふむ、肝は座っているようだな。して、貴様は俺とケンシロウの正体が何故わかった?」
楯無「別に対したことじゃないわ。北斗と言ったら暗殺拳、それを代々私の家系は知識として知っていただけ。そしてあなたの弟の名前がケンシロウ、もちろん最初は疑ったわよ?だけどあなたたちの強さを目の当たりにしたら間違うはずがないわ。」
ラオウ「ほう、貴様も並の人間ではないようだな。それで話はそれだけか?」
楯無「そうね、本題に移りましょうか。単刀直入に聞くわ!あなたたちの目的は何?」
ラオウ「(この女・・・)」
ラオウは言葉につまる。自分たちの目的、そしてこの世界の未来についてこの女に語るにはまだ早い。戦争により、男より戦える女が血を流す将来、あまりにも残酷な運命を変えるためやってきたなどと流石のラオウでもまだ口にはできない。つい先日の出来事を思い出す。
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数日前 ~夜中~
ラオウ「む、ここは?」
ケン「ラオウ!お前もここにいたか。」
ラオウ「ケンシロウか?一体この空間はなんだ!?」
二人の会話に入り込んできたのは久しぶりの顔である。
リュウケン「わしじゃよ、わし!」
ケン「親父!音沙汰無しかと思えば急に来たか。」
ラオウ「貴様の仕業か!今はドラえもんの時間だ!早く元の部屋に戻せ!」
リュウケン「いい年してな~にがドラえもんじゃ。少しは話を聞かんか!」
ケン「それで、親父が来たからには何か大事な話があるんだろ?」
リュウケン「そのとおりじゃ。二人とも、大事な話じゃ。心して聞くがよい!・・・あの世の裏方で大きな力を持つ存在が動いておる。お主らのいた世界に対して悪い方向へ進ませるよう、もしかしたら既に刺客が迫っておるやもしれん。」
ケン「何?どういうことだ親父!?」
リュウケン「実は戦争が起きると言う話、あれは何者かによる未来改変から起きたことなんじゃ。」
ラオウ「何?神である貴様をも凌ぐ力なのか?」
リュウケン「それはわからん、ただ未来を変える力というのはお前達の思う以上に強大じゃ。只者では無かろう。」
ケン「・・・親父、俺達はこの先どうすればいい?」
リュウケン「いずれは避けられぬ戦いが必ず起こる、それに備えるのじゃ!」
ケン「俺とラオウ以外にも戦える者達を募ればいいのか?」
リュウケン「いや、それだけでは足りんじゃろ。お前達で戦える戦士を育てるのじゃ。幸いなことにISの操縦が上手い者が世界中からIS学園に集まってきておる。お前達でその者達を導くのじゃ!」
ラオウ「馬鹿馬鹿しい!爺!貴様は女を戦いの駒にしろとでも言うのか!?そんな手は借りぬ!!俺の拳でその黒幕とやらを叩き潰してやるわ!!」
北斗神拳は女を殺さず。北斗の掟を破れと、師父から言われたかのようにラオウは怒りを闘気に変えて表す。
リュウケン「ラオウよ、気持ちはわかる。しかしお前とケンシロウ二人で世界中の人間を守れると思うか?北斗神拳と言えど不可能な話じゃ。人々が一人一人強くならなければ、身を守る強さを誰かが教えてやらねばその者に待つのは残酷な未来だけじゃ。」
ラオウ「・・・、ふん。約束はせんぞ!俺はその黒幕を潰すまでだ!」
リュウケン「・・・ケンシロウよ、時期にまたお前達の前に現れる。それまでの間用心するのじゃ!」
ケン「・・・わかった。」
話が終わりリュウケンが姿を消すと残された二人は光に包まれ元の世界に戻る。
ケン「!?」 ガバッ
ラオウ「起きたかケンシロウ、忌々しい夢だったな。」
ケン「ラオウ・・・、やることは大体決まったな。」
ラオウ「知らぬわ!リュウケンめ、ドラえもんの代償は高くつくぞ!!」 クワッ!
ケン「おい。」
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ラオウ「・・・目的など俺達にはない。それに俺達が何故現世にいるのか、その答えなど時期にわかる。」
楯無「・・・どうしても答えてくれないの?」
ラオウ「くどい!俺は何も知らぬ!話がそれだけならもう帰らせてもらうぞ!」 ドリャー!!
ラオウはずかずかと生徒会室を後にする。
「か、会長・・・。あまり彼を怒らせないほうが・・・」
楯無「心配しなくても大丈夫よ。少なくとも女の子に手をあげる人じゃないから、彼。」
「しかし・・・」
楯無「えぇ・・・。あの扉の開け方はどうにかならないのかしら?」
~あの世~
トキ「師父、ケンシロウとラオウは上手くやっているでしょうか?」
リュウケン「トキか。今のところまだ問題はないがこれからが不安じゃ。」
トキ「師父、私が暗躍する者の正体を突き止めて来ます。あなたの力をお貸しください!」
リュウケン「そう慌てるなトキ、既にこちらでも動き始めておる。素晴らしい御方にな。」
トキ「と言いますと?」
リュウケン「お主らには会ったことのないものじゃ。知らせがあるまで待つとしよう。それにお前、いや、お前達にはあやつらの手助けをしてもらおうと思うておる。」
トキ「・・・私と、ジャギですか?まさか私たちもケンシロウ達の元へ?」
リュウケン「ジャギが暇そうにしとったからのう。それに今のわしでは蘇生できるのは4人が限界じゃ。」
トキ「また随分都合の悪い数字・・・、わかりました。ジャギには私が伝えておきます。」
リュウケン「うむ、頼んだぞ。」
~現世~ 学年別クラス代表戦当日
アリーナ上空には一組代表の一夏と二組代表の鈴が対峙していた。
鈴「逃げずに出てきたようね。」
一夏「誰が逃げるか!こっちはお前を倒すため死ぬ気で特訓してきたんだぜ!」
しげ子「両者準備はいいか~!?」
一夏「いつでもOKだぜ!」
鈴「とっと始めましょう。」
観客席
ケン「修行の成果、見せてもらおう。」
箒「頑張れ・・・一夏!」
ラオウ「だがあの小娘も中々の力を持っているぞ?」
セシリア「ラオウさんは鈴さんと1度戦ったんでしたっけ?」
ラオウ「うむ、俺の剛掌波を受けてもすぐ立ち上がれるほど根性はあったぞ。」
箒「・・・それはギャグ保証では?」
ラオウ「ギャグ?」
ケン「もういいから、始まるぞ。」
しげ子「死合開始ぃぃぃぃ────────!!」
鈴「行くわよ一夏!!」
一夏「うおお!!」
鈴のIS専用装備 [双天牙月] と、一夏の雪片が激しくぶつかりあう。
鈴「ぉらあぁー!!」 ギギギギギ
一夏「ぐぅ!重い・・・(機体のパワーじゃ鈴が上か!?)」
鈴「どうしたの一夏!?そんなもんじゃないでしょう!!」
競り合いに耐えかねた一夏は一度鈴を振り払い上昇する。再度勢いを着けて雪片を振るい、対して鈴も牙月で対抗する。
ラオウ「あやつ、小さい割には一夏より力があるな?」
ケン「流石に代表候補生と言ったところか。一夏の攻撃にあらゆる体制から対処している。」
箒「ラオウ、甲龍のスラスターにあるあの砲門はどうゆう武器なんだ?」
ラオウ「知らん。」
セシリア「噂じゃ私のティアーズと同じ第3世代の武器らしいですわ。」
箒「まだ使ってこないということは使うまでもないということか?」
ラオウ「ならば使わせざるおえない状況にすれば早いことよ!一夏もまだ本気ではなかろう!」
ケン「いずれにせよこのままでは拮抗したままだな。」
千冬「織斑のやつ、大分特訓してきたようだな。それに鳳のやつも一夏に恐れを全く抱かないもの凄い威勢だ。」
山田「織斑くん、ケンシロウ君やラオウ君達とものすごい特訓してましたもんね!鳳さんはラオウ君に負けてから何かあったんでしょうか?」
千冬「・・・何かあったに違いないな。」
鈴「(一夏のISはあの雪片だけだけど単一仕様能力が使えるのよね。それは喰らったらやばそうだけど・・・)」 ガキィーン
鈴「あいつ(ラオウ)のあのビーム(剛掌波)と比べたら全然恐怖なんて微塵も感じないわぁー!!」 ガキィーン
一夏「うわぁっ!?クソ・・・!!」
鈴「一気に行くわよ!」
一夏「何!?」
突き飛ばされた一夏は体制を立て直す。しかしその間に鈴のスラスターの砲門 [龍砲] から衝撃が放たれる。
ドガアァ────ン!!
一夏「ぐわぁ──!?」
箒「一夏!!」
ラオウ「何?砲弾が見えなかったぞ!?」
ケン「・・・あの感じ、もしや羅漢仁王拳!?」
セシリア「何ですのそれは?」
ケン「いや、言い過ぎたな・・・、おそらくだがあの砲台は空間事態に圧力をかけてそれを砲弾として打ち出す、いわば目視できない大砲と言えるだろう!」
箒「それはあの武器には死角がないということか!?」
ケン「・・・完全ではないがほぼそういうことになるな。」
ラオウ「あのような隠し玉があったとは・・・、面白い!」
セシリア「このままではやられてしまいますわ!!」
ケン「無論、一夏もこのままでは終わらん。」
ラオウ「ケンシロウ、一夏に何を吹き込んだのだ?」
ケン「今にわかる!」
箒・セシリア「???」
一夏「ちっくしょー!見えない砲撃なんてありかよ!?今は捕まらないように動き回って隙をつくしかねぇ!」
鈴「くっ!仕留めきれなかった!ちょこまかと!?」
一夏は鈴を囲うように動き回った。一瞬でもいい、最大火力をぶつけられる隙を伺うのだ。シールドエネルギーがなくなる前に。
一夏「(俺に残された秘策は千冬姉に教わったイグニッションブーストとケンに教わったあれ・・・、カッコ悪いけど関係ねぇ!!)」
一夏「行くぞ鈴!!」 ヒュンッ ギュイーン!!
鈴「なっ!?イグニッションブースト!!」
一夏「行っけぇー!!うおおぉー!!」
箒「速い!行け一夏────!」
ラオウ「小僧、まだ詰めが甘いわ。」
鈴「くっ!舐めんじゃないわよー!!」
鈴の死角から瞬間加速で距離を詰める一夏に対し、驚異的な反応を見せる鈴。牙月を素早く振り回し何とかこの攻撃を受けるが、勢いのある一夏に地表近くまで叩き落とされる。
鈴「くぅっ!」
一夏「このまま押しきる!!」
鈴「そ・う・は、いくか───!」
鈴は一夏のスピードとパワーを利用し牙月を引くことですれすれ一夏をかわし、一夏は地面に激突する。
一夏「ぐわぁぁ!!」
鈴「これで終わりよ一夏!!龍砲!!」
一夏を地面に激突させ鈴は振り返りすぐさま龍砲を放つ体制をとる。発射まで約2秒。鈴は勝ちを確信した。観客席の生徒達もほとんどの者が終わったとそう思った。しかし、鈴が龍砲を発射する直前に見えた一夏の顔はまだ諦めていなかった。
鈴「!?」
一夏「とっておきは最後まで取っておくもんだぜ!!今だ!!跳刀地背拳!!」
ドガアァ────────ン!!
煙が立ちこめる中、鈴は龍砲が一夏な当たっていないことに気づく。
鈴「一夏はどこ!?」
一瞬、一瞬見せた鈴の隙を一夏は見逃さない。鈴の真上にTの字になって忍び寄る一夏は雪片を振り回す。
鈴「上!!」
一夏「はあぁ────!!」 ガキィーン
鈴「きゃあ!?」
ラオウ「ケンシロウ、あんなクソ拳法を・・・www」
ケン「一夏に教えられるものがそれしかなかった・・・www」
箒「い、一夏wwあの体勢はwww」
セシリア「フフフwww一夏さんwww」
ラオウ「奴の名前は次からフォックス織斑と名付けようぞww」
山田「織斑先生wwwあれは一体ww」
千冬「し、知らんwwwだがあれは予想外の動きだ、馬鹿にできんwww」
笑いはさておき一夏の攻撃を受けた鈴は衝撃で隙だらけである。零落白夜を決める絶好の機会。
ラオウ「決まったな。」
一夏「これで終わりだ────!!!」
鈴「きゃっ!?」
しかし、一夏の攻撃は鈴に届くことはなかった。
チュド────────ン!!!!
一夏「な、何が起こったんだ!?」
鈴「つっ!?一夏、あれ!!」
ケン「あれは!?」
山田「織斑先生!襲撃です!!レーダー反応無しの謎のISです!!」
千冬「何だと!?」
突如現れたのは突然アリーナのシールドを突き破り飛来した謎のIS。その出現と共にアリーナ全体に異常事態が発生する。
山田「織斑先生、観客席の防壁がシャットアウトされています!生徒達の避難経路が確保できません!!」
千冬「警戒レベルが5に設定されているだと!?あのISの仕業か!」
この異常事態に観客席の生徒達は混乱し、我先にと避難経路に殺到するが、当然防壁は開きはしない。
ラオウ「うおお!?き、貴様ら落ち着かんか~!!」
セシリア「このままでは一夏さんと鈴さんが・・・」
ケン「くっ!まずは彼女達を安心させなくては・・・」
箒「一夏・・・」
一夏「うお!?あいつレーザーで撃ってきたぞ!」
鈴「何なのよあいつ!急に現れて・・・」
千冬「織斑、鳳、聞こえるか!?今突撃班がお前達の救援とあのISの制圧に向かっている。だが少々厄介な事に時間がかかる。お前達は無理をせず逃げる事に徹しろ!」
一夏「逃げろったって千冬姉!観客席の人達を見捨てることは出来ねぇよ!」
千冬「今の状態のお前に何ができる!?それに観客席には霞、ジジ・・ジ・・・」
鈴「通信が遮断された!?あのISの仕業ね!」
一夏「クソ!鈴、救援がくるまであいつを引き付けるぞ!」
鈴「あんたならそう言うと思ったわよ!でも無理は禁物だからね?」
一夏「よし、行くぞ!」
セシリア「!一夏さん達が戦っていますわ!私達も救援に・・・」
ケン「駄目だ、防壁が閉まっていて移動ができない!」
セシリア「ケンシロウさんならあのシャッターぐらい壊せるのでは!?」
ケン「駄目だ!人が多すぎて巻き込まれるぞ。」
「キャー!ここから出してー!!」
ラオウ「ええい!どかんか貴様ら~!!」
セシリア「・・・仕方ありませんわね。そういえば箒さんはどこへ?」
ケン「!?」
鈴「あいつ見かけによらず速い!?龍砲が一発も当たらないなんて・・・」
一夏「鈴、あいつの動き何か変じゃないか?人間ぽくないっていうか・・・」
鈴「確かにそんな感じはするわね・・・、そうと過程して何か秘策でもあるの?」
一夏「秘策はないけどもしあれが無人機なら零落白夜が全力で使える!!残りのエネルギーありったけぶつけるしかねぇ!」
鈴「だめよ!もしその攻撃が外れたらあんた今度こそ本当に死ぬわよ!?」
一夏「観客席には無防備な人達が沢山いるんだ、ここで逃げて皆が怪我したら俺は一生後悔する!」
鈴「・・・あーもう!わかったわよ!!んで具体的にどうする気よ!?」
一夏「俺が合図したら鈴!俺の背中に龍砲を最大限にぶっぱなしてくれ!」
鈴「本当とんでもないこと考えるわねあんた?いいわ、何考えてるかわかんないけどやってやろうじゃない!」
覚悟を決めた一夏と鈴のタッグチームは一か八かの賭けにでる。正体不明のISがレーザーをチャージする一瞬動きが止まる、そこを狙うのだ。そのISは何故かISの射出場に首を傾ける。
一夏「何だあいつ急に?あ、あれは・・・箒!?」
箒「一夏───!その程度の敵、その程度の敵倒せずとして何とする!?」
鈴「ちょっ、何で出てきてるのよあの子?危ない!?」
謎のISは箒の声に反応したのかレーザーをチャージする。
一夏「箒─────!!鈴、やれぇ─────!!」
鈴「あ~もう!どうにでもなれえぇ!!」キュイーン ボヒューン
一夏「うおおぉぉぉぉぉ!!間に合えぇぇ!!」
一夏は叫ぶ。友を守らんと叫ぶ。ただ真っ直ぐ、敵に向かって刃を向ける。
一夏の剣は謎のISに突き刺さり敵を無力かした、かに見えた。しかし、一歩遅かったのだ。レーザーは箒に向けて発射され、爆発が起きる。
煙が上がり、その場所には人影が見える。その姿は一夏にとって世界中で一番、自分の姉よりもヒーローに見えるものであった。
ケン「待たせたな、一夏!」
一夏「ケーン!!!」
ラオウ「どおりゃ!!」 ドカーン
救助隊「す、凄い!扉が壊れたわ!これで救援に行ける!」
生徒達「ラオウくんありがとう!凄い頼りになるわ!」
ラオウ「つ、疲れた・・・。女どもを静めるのがこれほど大変だとは・・・」
ケン「箒、無事か?」
箒「あ、ケンシロウ・・・、助けてくれて、ありがとう・・・。だが私のせいで血が・・・!?」
ケン「心配するな。こんなもの汗のようなものだ。それに・・・、後悔するはずがない!」
鈴「す、凄い!あの高出力レーザーを部分展開の片手だけで防ぐなんて・・・、普通じゃ死ぬわよあんなの。」
一夏「ケン、流石だぜ!!」
箒救出の余韻に浸る一夏達の背後では零落白夜によって串刺しにされた謎のISが、・・・また微かに動き始める!
ギッ、ギギギ、ヒャッハ──────!!
一夏「!?」
鈴「!?一夏、危ない!!」
セシリア「チェックメイトですわ!」 バシュ───ン
タワラバ────── ドガ──ン
セシリア「一夏さんも鈴さんも詰めがあまいですわね。」ニコッ
一夏「セシリア!助かったぜ!」
ケン「流石だな、見事な射撃だ!」
セシリア「困った時はお互い様ですわ。」
鈴「ふ~ん、あんた中々やるじゃない。」
箒「皆、迷惑をかけて本当にすまない・・・」
一夏「・・・まぁ確かに危ない行為だとは思ったけど箒は俺と鈴のこと心配してくれたんだろ?ありがとな!」
鈴「本当よ!次からは気をつけなさいよ?」
ケン「仕方ない、愛故に無茶することは俺にもある」
一夏「愛?どうゆう意味だ?」
箒「ちょっ!何でもない!!」
千冬「まさか救助隊が来る前に片付いてしまうとは・・・」
山田「一次はどうなるかと思いましたけど何とかこれで・・・あれ?織斑先生、レーダーに反応が!?」
千冬「何、まただと!?」
山田「しかも次ははっきりとレーダーに反応が!ものすごく大きいです!!」
戦いに勝利した休息も束の間、新たな脅威が一夏達にせまる!
ケン「!?お前達!伏せろ!!」
ズズ─────────ン
一夏「おあぁ─────、な、何だ!?」
新たに現れたのは巨大なIS、ISと言ってもいいのかわからないほどの大きさである。
「ニ、ニクイ・・・・」
千冬「あれは一体何なんだ!ISどころではないぞ!?」
山田「でも確かにIS反応があの機体から!」
ケン「・・・お前達は下がっていろ!こいつは俺が相手をする!」
一夏「いや、ケンでもこのでかさじゃ無理だって!」
箒「こいつは尋常ではない!考え直せ!せめとラオウを呼んできたほうが・・・」
「ヒカリ・・・・」
巨大なISは構えを取る。その構えの型にケンシロウは身構える。
ケン「まずい・・・!逃げろお前達!!」
ラオウ「貴様らグズグズするな!死にたいのか?」
セシリア「ラオウさん?きゃっ////」
一夏「いつの間に!?っておわぁ!!」
箒「なっ!?どこを触っているんだお前は////」
ラオウ「静にせんか!ケンシロウ!とりあえずこやつらは避難させる。あのデカブツは片付けておけ!」
ケン「頼んだ。」
一夏「ラ、ラオウ!ケン一人で大丈夫なのか!?」
ラオウ「愚か者が、あの程度北斗の敵ではないわ!」
一夏「前から気になってたんだけど北斗って一体何なんだ?」
千冬「まさか霞のやつ一人であいつを倒すつもりか!?」
山田「でももしかしたらケンシロウ君なら本当に倒してしまうかもしれませんよ?」
千冬「有りうるな・・・。山田先生、救助隊に連絡を。退避命令だ。」
ケン「その構え、まさかとはおもうが羅漢仁王拳!そしてその巨体、デビルリバースだな?」
「トジコメタヤツ ニクイー!!」
その巨体から繰り出される風圧による巨大な衝撃波は龍砲の何十倍もの威力である。まさしくそれは羅漢仁王拳の奥義、「金剛風殺拳」である。
ケン「はああああぁぁぁぁ!!」
ケンシロウはISを展開し金剛風殺拳を受け止める。受け止めなければ流れ弾に他の者が巻き込まれるための、以下仕方がない被弾である。しかしケンシロウにそのような攻撃は通用しない。
ラオウ「一夏よ、貴様がケンシロウを追いかけると言うのなら見届けるがいい。勝てないとわかっている勝負でも逃げは許されない。それが北斗の掟だ。」
一夏「北斗の掟・・・」
ケン「デビルリバースよ!再び地獄に帰るがいい!」
ホ────オワタァ──────!!
デビルリバースの頭部に向かって飛ぶケンシロウに対して巨大な両手でケンシロウを握りつぶそうと圧をかける。
ケン「うおおぉ───、はああああぁ!!!」
デビルリバースの両手は爆散、粉々に砕け散る。その隙にケンシロウは頭部から真下一直線に降り立つように落下し渾身の拳を放つ。
北斗神拳奥義 北 斗 七 死 星 点
ピブ────── ボギャッ、メギッ!!
「ア、アディキ・・・、イデェーヨー」 ドグワァ──ン
ケン「転龍呼吸法によって極限まで高めた渾身の力を持って秘孔を突いた。貴様の内部の部品は全て内側へへし折られ、あとは死あるのみ!あの小さい機体と共に地獄へ帰るがいい!」
千冬「何て奴だ、霞は人間か?」
山田「凄い格好いいですね////ラオウ君とどっちがいいんでしょうか?////」
ラオウ「お前達もあれぐらい倒せるように修行しろ!」
一夏箒セシリア鈴「無理に決まってるだろ!!」
斯くして、ケンシロウ達に迫った最初の脅威は何とか避けられた。この先ケンシロウ達に待ち受けるものは如何に?
しげ子「次~回に続く──────!!」
ケン「どうしてこんな展開になった?」
ラオウ「知らぬわ!作者の後先考えぬ思考がこのssをくるわせたのだ!!」
ケン「今さらだがこのクロスは合ってないように思えるのだが。」
ラオウ「ふん!書かねば作者には死あるのみ!」