──EDF戦略火器保管庫 地表部分 資材搬入ゲート付近──
時系列は、”
すなわち、軍曹の発案によるレイドシップ撃墜作戦が決行された直後の事だ。
軍曹ら4人は場所が近かった事もあり、誰よりも早く最初のレイドシップ
(EDFは侵略生物αとの混同を避けるためフォネティックコードAをアーツと呼称し、続き
「一番乗りかよ! あんな危険な場所でオレ達だけで行くなんて正気じゃねぇぞ!」
付近の友軍はまだ集合していない。
馬場の言う通り、四兵科の連携が肝要なレイドシップ撃破作戦においては致命的だ。
だが青木が直後にそれを訂正。
「待て、レーダーを見ろ。あのレイドシップ、護衛が居ないぞ」
「投下した敵はゲート正面の主戦場に向かったようだ。今なら真下を取る絶好のチャンスだ。背後の怪物さえ何とか出来ればな!!」
青木の言葉に軍曹が重ねる。
そして軍曹の言う通り、4人は現在背後から迫るα型、β型を迎撃しながら進んでいた。
「くそ、足場が悪い……! 馬場さん! そっちに二体回り込みました!」
「二体どころじゃねぇぞ! こいつら、先回りしてオレ達を潰す気だ!」
「二人とも、足を止めるな!! 今のうちに真下さえ確保できれば――」
青木が口にした儚い希望はかなわず、もう少しの所でレイドシップのハッチが開く。
「ちくしょう! 間に合わなかったか! で、中から出てきたのは……うおぉ! ハチじゃねぇか最悪だぜ!!」
レイドシップからは侵略生物γ、蜂の形状をした飛行型巨大生物が投下された。
その数20体以上。それらはすぐに飛翔を開始し軍曹らに尻の射出針の狙いを定める。
「好都合だ!! ここでγ型のレイドシップを落とせれば航空優勢が確保できる! ここを突破するぞ!! 背後は構うな、全力でγ型を叩き落せぇー!!」
一切足を止めることなく、軍曹は一番先頭、AS-20Dの単発射撃でγ型を撃墜する。
「軍曹! ついて行って見せます!!」
「ちっくしょォーー! やってやらァーーー!!」
「やってやる……やってやるぞ!! 俺だって!!」
軍曹に続き、三人の部下達もγ型の群れに突撃。
針の雨が降り注ぐ前に、γ型を撃ち落す。
AS-20の怯まない弾幕にバタバタとγ型が墜落するが、それと交差するように射出針が彼らを襲う。
「うおおおお! 痛ぇぞ!!」
「怯むな! 俺たちのアーマーも多少は進化している!」
「ぐ、アーマー損傷! でも、この程度なら……!」
怯まず前進する四人。
そして、
「ぬ、抜けたぞ! レイドシップに護衛は居ない!」
「見ろ! ハッチも開きやがる!」
「攻撃のチャンスだが、背後からもγ型や他の奴らも来てる! 絶体絶命だ!」
「攻撃のタイミングを逃すな!! 今だ! 撃てぇぇーーーー!!」
レイドシップのハッチが開く。
完全に開き切る前に軍曹は命令を下し、僅かな隙間から4人の銃撃がこじ開けるように叩き込まれる。
レイドシップの転送装置は脆弱だ。
特殊な内部機構は装甲化されておらず、銃弾は容赦なく機構を破壊しエネルギーの寸断は発火と爆発を起こす。
転送装置が火を噴き始めるが、機能は停止せず次々とγ型が転送されてくる。
「軍曹! 敵が!!」
「無視しろ! 攻撃の手を緩めるな!! ぐおっ!!」
一番中心に立っていた軍曹に射出針が直撃し、吹き飛ばされる。
真っ先に青木が反応し、
「軍曹!! 馬場、千島、周囲を頼む!」
「仕方ねえ! 千島、一旦周りを片付るぞ! 針雨を減らさねぇと命が持たねぇ!!」
「くそ! こんな作戦は無茶だ! 軍曹、しっかり!」
だが、狼狽える仲間を尻目に、軍曹は倒れたままレイドシップに攻撃を続けていた。
「俺に構うな! ヤツを落とせ!! うおおぉぉーーーッ!!」
軍曹は立ち上がり武装を変える。
手にしたのは、多連装携行ロケットランチャー”ボルケーノ”だ。
4発の小型ロケット弾が短時間で連続発射され、転送装置を直撃。
だが同時に、γ型の投下も終わり、レイドシップはハッチを閉じようとする。
「いかん! ハッチが!!」
ボルケーノの再装填や武器切り替えが間に合わない。
が、
「軍曹が繋いだチャンスを!!」
「無駄に出来るかってんだ!!」
「もう一度開くのを待つなんて無理だ! なら、ここで落としてみせる!! EDF!!」
青木、馬場、千島も被弾覚悟で標的をγ型からレイドシップに向け、銃撃を喰らわせる。
闇雲な射撃ではない。閉じる寸前のハッチの隙間を縫うように狙い、内部機構に鉛弾を喰らわせる。
それが決定打となり、転送装置は激しく爆発し、レイドシップが発光を失う――機能停止だ。
「やったぜぇー!! オレ達だけでレイドシップを墜とした!! すげぇぞ!!」
「浮かれるな馬場! すぐ退避しないと! 軍曹、走れますか?」
「退路を断たれました! αの酸とβの糸が!!」
六隻のうち一隻、ターゲット
だが、浮力を失い落下するレイドシップと巨大生物群に退路を断たれ絶対絶命だ。
「うおおおお逃げられねえ!!」
「せっかく落としたのに、逃げられないなんて……!」
『――やれやれ。無茶をするレンジャーは怖いね。相良機長、やってくれ』
『DE-202より地上部隊へ。航空支援を行う。120mm制圧砲、ファイア!!』
無線の声と共に、上空から120mm砲弾が迫る。
砲弾は巨大生物上空で炸裂し、散弾の雨となってα型とβ型を穴だらけにした。
直後、高速飛翔する黒い機影も迫る。
「――随分とまァ気合の入ったバカが居たもんだなァ! こりゃオレらも負けてられねェぞ!!」
「ギャハハハ!! さっきのセンザキってヤツも滅茶苦茶だったが、アンタも最高にロックだなァ!!」
「――先を行かれるとはな。軍曹、それとともう一人、捕まれ」
「こっちも二人抱える。離脱するぞ!」
「助かる!」
グリムリーパーの死神と部下のサイードが滑り込むように登場し、それぞれ二人を抱えて離脱。
直後、背後でレイドシップは墜落、大きく炎と衝撃を上げて爆発した。
グリムリーパーの二人は軍曹らを下ろすと、直ぐに武器を構え直す。
その間、僅かな会話を交わした。
「無茶をしたな軍曹。命は惜しくないのか?」
「勝利の方が重要だろう。時間に余裕はない筈だ。次に行くぞ!」
「ふ、敵わんな。サイード、ヤツら恐らく放っておくと死ぬ。グリムリーパーの名誉に懸けて、俺たちが盾になるぞ」
「へいへい。ま、いつもと変わらんって事で!」
気安い様子で、サイードが死神に応える。
そして再び、軍曹らも彼らも次なるレイドシップを標的に定め、突撃してゆく。
今度はエアレイダーや黒翼部隊の航空支援も含めた完璧な連携だ。
――その道中に、
「死神部隊……。恐ろしい連中だと聞いていたが、まさか抱えて運ばれる事になるとは……」
「さしずめ死神タクシーってか? あの調子で戦場を移動できれば、すげぇ楽なのによ」
「ちょっと、今は連携の為に個人通信オンにしてるんだから、聞こえますって!!」
「――ほう? 面白い冗談だ。気を失わずに怪物の群れを通り抜けられるか、やってみるか?」
「ちなみに俺たちの鋭角機動には、常に6Gくらいかかってるって話だ」
「わ、悪かったよ! 言ってみただけだって!!」
「お前たち! ふざけてないで戦場に集中しろ! 死神も乗っかるな!」
「ふ、ユーモアを知らんやつめ」
「死神、何か言ったか?」
「いや? 何も」
というやり取りがあったとか無かったとか――
――とにかく、そんな調子で臨時的に編成されたレイドシップ撃墜班は、多少の損耗こそあれ一人の欠員も出す事無く、全てのレイドシップの撃墜に成功した。
その間、ゲート周辺と地下格納庫への直通エレベーターの周辺は三機のニクスと車輛部隊が護り抜き、レイドシップからの増援を排した事により一帯はほぼEDFの制圧下に抑える事が出来た。
「――大した手腕だ。お前を”軍曹”程度の階級に置いておくのは勿体ない。そうは言われないか?」
増援を断った後の残党狩りの最中に、死神が軍曹に声を投げかけた。
「事情があってな。俺は”軍曹”より先に昇進する気はない。それより、ここで一体何が起ころうとしている?」
「軍事機密だ。お前の権限で俺から出せる情報は無い。ただ、そうだな……。この先で、お前が拾った男が一人、命を張っている。確か立場上は、お前の上官に出世したばかりの男だな」
「仙崎が……? 退院直後に行方が分からなくなっていたが、やはりここに一枚噛んでいたか。となれば、今からやるのは巨獣ソラス討伐作戦。そうだな?」
「察しが良いな。待て――、――そうか。分かった。――軍曹、離脱命令だ」
死神の元へ、軍曹が聞き取れない通信が送られる。
機密流出の対策だろう。
「離脱? どういうことだ?」
「軍事機密そのものの登場から目撃を避けるのと、ここに居たら俺達ですら命は無いからだ」
死神への通信は、戦略的自壊型決戦用轟砲の地表展開を指したものだ。
その姿の目撃は、A2クラスのEDF軍事機密情報の流出へ繋がる。
限定的に科学者や各EDF司令部へ情報の流布を行ったが、基本的に一般歩兵が知るレベルの情報ではない。
直後、本部からの通信も届く。
『――こちら、作戦指令本部! 東方面より新たにダロガ揚陸艇の接近を確認。現地部隊は指定座標まで進出しダロガ揚陸艇を迎撃せよ! 歩兵には厳しい相手だが、対戦車武装の補給コンテナを新たに射出する。踏みとどまり、防衛地点を護り抜け!』
「だ、そうだ。良かったな、仕事が出来たぞ」
死神は皮肉めいたそれだけ言い残して、即座にその場を離脱する。
「歓迎するべき状況では無さそうだがな! よし、聞いたなお前達! 何が起こるか知らないが、俺たちは俺たちの任務をこなすだけだ!! 行くぞ!」
「はい! 車輛の用意は出来ているそうです。こっちです!」
「また仕事かよ! 勘弁してくれ!」
「また命を賭けるのか……。軍隊ってのは、思ったより辛いところだな……」
士気の高い軍曹と青木に対して、嫌々ながら馬場と千島が後に続く。
その彼らの移動の後。
無人となったEDF戦略火器保管庫の地表部分の一部が、割れる。
岩肌に擬装していた壁面が割れ、その中からせり上がるようにして巨大な砲身が地上部分に顔を出した。
――EDF全地球防衛条約:戦略規格外”禁忌”指定兵器。
兵器名:戦略的自壊型決戦用轟砲。
またの名を、ネガ・ロンゴミニアド。
物々しいその名前の通りに歪な形状の砲身は、今地平の先のソラスを確かに捉えた。
――EDF戦略火器保管庫 中央制御室――
戦略的自壊型決戦用轟砲の発射シーケンス進行にあたり、主要科学者たちは中央制御室へ移動した。
そこには、
「――おっと。これは、酷い有様さね。……手当は、必要かい?」
血塗れで壁に背を預け倒れる、陸自特殊作戦群・甲施設防衛任務隊の黒部二佐が居た。
「……必要ない。打てる手は打った。あとは、オレの執念次第って所だな。……こんな死にかけを相手にするより、あんたには、やることが、あるだろう。せめて、見届けさせてくれ」
周囲には巨大生物と特戦群隊員の死骸が積み重なっていた。
地上での奮戦を越えて、地下へ流入した敵の対処に追われ、その結果だ。
その上で、彼らは任務を全うし、この地下施設の主要設備や科学者たちの人命を守り切ったのだ。
「……そうさね。そうするよ。キミの、キミたちの覚悟は受け取った。あとは、こっちの仕事さね。さて、科学者連中。ここからがホントの腕の見せ所さ。……やろうか」
遂に、人類には扱う事が出来ない、そう判断され凍結されていた禁忌兵器が本格的に稼働する。
――――
「メインシステム起動。全ブレーカー切り替え完了。一番、二番、送電開始!」
「ハイパーコンデンサより電磁波加速制御システムへ送電確認。出力65%、等速で上昇中」
「順調だな。よし、三番四番も送れ!」
「三番、四番送電確認。出力88%を確認。等速で上昇中」
「送電システムに問題なし! 行けるぞ! 五番、六番、一気に送るんだ!」
「五番、六番、送電確認。出力99%を確認。電力充足状態を維持」
「茨城博士! そっちはどうだ!?」
「高エーテル粒子体、エーテル結合75%ってところさ。過反応は抑制している。間もなく……よし、80%を超えた!」
「よし、砲弾殻内の隔壁のロックを解除する! 砲身内部にも超電導用の粒子を注入するぞ!」
「全電源接続開始。エネルギーライン、全段直結。全バイパス解放! 粒子状態の計算は!?」
『粒子混合……反応状態計算。誤差修正度合は……マイナス0.006です!』
「地磁気の乱れはスパコンに入っている筈だ! それを使って――」
『――私の組んだプログラムの方が早いです! 数値入力完了! 送ります!』
「バケモノか……! 照準補正データ受け取った! 誤差修正開始! 小原博士、ソラスの状況は!? 奴の移動次第で今のデータは全く意味がなくなる!」
「仙崎少尉を南に走らせている。奴は今炎を無力化されている。確証はないが、統計的に南へ動くか、まったく移動しないかどちらかの筈だ。そして今奴は動きを止めている」
「つまり、大丈夫と言う事だな! よし、次はフィールドの形成だ! ドレフニコス主任!」
「
「予備を取っておいて良かった! 七番、電力供給急げ!!」
「よし、電気が来ましたねェ! 連鎖反応率、マイナス12.4へ低下。対フォーリニウム線放射抑制フィールド、安定形勢完了。ストレンジ・エーテル結晶体の連鎖反応率は2.5%を維持」
『ドレフニコス主任、フィールドの維持に最大限努めてちょうだい! ちょっとでも暴走の兆候がある時は直ちに中止するのよ! 残酷な事を言うけれど、貴方たちがフォーリニウム線で死んでもストレンジ物質の無秩序な拡大は避けること! 科学者ならそのくらい分かるわよね?』
「ふーっ、今更だねファイファー博士。よし、打合せ通り、引き鉄はワタシが引こう。粒子の臨界状態とのタイミングが肝要だ。さて、最後の確認だ。二種粒子の射出速度と臨界状態のバランス、電磁波出力、問題はないかい?」
「被攻撃対象が巨獣ソラスである点を考えれば、この辺りがギリギリのラインだ! 弱すぎれば届かず、強すぎれば周囲に甚大な影響を及ぼすばかりか発射そのものが不可能になる! ヤツの外皮が実体を持った物質である限り、小原敏夫の名において、効果を保証しよう!」
「頼もしいことだ。――よし。トリガー・セット。照準最終調整!」
『衛星情報更新、現地からの観測情報、統計行動予測算出』
『ソラス相対速度補正、大気屈折率修正……完了! いけます!!』
「照準、方位角固定。耐圧密閉砲弾殻内部、臨界率9.5%……9.7、9.8、9.9……いくよ」
遠隔トリガーを握る手に力が入る。茨城尚美博士は覚悟を決め、静かに声を出す。
「
トリガーを引いた。
引いてから実際のコンマ数秒間、轟砲内部では今までの総決算と言うべき現象が一瞬のうちに駆け抜ける。
――――
最初に起こったのは、二種粒子を内包する耐圧密閉砲弾殻の装薬であるパウダード・エナジージェムの露出型イオタ爆発だ。
強力な指向性を発揮するこの高温高圧の爆発と、フォーリニウム81のベクター超加速効果の相乗効果により、砲弾殻は瞬間的に音速の500倍近い速度で加速。
イオタ爆発による熱と急加速による断熱圧縮で砲弾殻は高温になり、フォーリニウム81は瞬時に蒸発。ベクター超加速効果は消失する。
内部にある耐圧密閉砲弾殻が砲身内で露出。同時に内部のレーザー装置が自動的に最高出力で照射。
レーザー核融合方式でフォーリニウム変性粒子と高エーテル粒子体を衝突させ疑似的な核反応を起こし、衝撃で耐圧密閉砲弾殻は崩壊。
この時の臨界反応は10%以下で行われ、高エーテル粒子体の結合崩壊によりフォーリニウム変性粒子は強力なフォーリニウム線として放射される。
結合崩壊により高エーテル粒子体は通常のエーテル粒子に戻り、フォーリニウム変性粒子はエネルギー準位をマイナスへと変性。
それらを囲うようにして未臨界反応のフォーリニウム変性粒子と高エーテル粒子体が周囲を囲む構造に変化。
その状態の二種粒子に、ニコラヴィエナ式電磁波加速装置が起動し電磁波が照射される。
核反応で起こったフォーリニウム線の放射を電磁場で砲口前方に収束し、疑似的なフォーリニウム線バーストを形成。
更に臨界に達していないフォーリニウム変性粒子と高エーテル粒子体を電磁場で収束させつつ、反発作用により粒子運動に指向性を与え加速。
形成された電磁場はフォーリニウム線バーストを帆のように受け止め、それを推進力にして更に加速。
――パウダード・エナジージェムの指向性露出型イオタ爆発、フォーリニウム81のベクター超加速効果。
そしてレーザー核融合とニコラヴィエナ式電磁波加速装置による粒子加速、フォーリニウム線バーストの推進力。
この四種類がコンマ数秒の間に連鎖的に作動する事により、二種粒子は長大な粒子加速器を用いずに光速の99.5%まで加速。
砲口から射出され、一瞬のうちに巨獣ソラスへ飛翔。
射出された粒子は通常なら霧散し個別に大気粒子と衝突し無秩序な反応を起こすが、電磁場により強固に場が形成され大気を押しのけてほぼ減速せずに飛翔。
粒子の臨界率・反応率による電磁場形成の強さ、フォーリニウム線バーストのエネルギー量、大気や地磁気による電磁場への影響、飛距離による粒子や電磁場減衰の影響、それらを加味した特殊弾道計算をほぼなぞる形で、その粒子ビームは飛翔し――遂に巨獣ソラスに命中する。
命中の瞬間、電磁場は衝撃で強烈に押しつぶされ収束。
内部で未反応だったフォーリニウム変性粒子と高エーテル粒子体が高密度で収束・核反応を起こす。
高エーテル粒子体の構造崩壊によるフォーリニウム線バースト発生と、フォーリニウム粒子とエーテル粒子の過反応による臨界相転移、チラン反応が発生。
高密度粒子下で発生したチラン反応のエネルギー準位は極めて高く、三次元空間断裂現象と共にトンネル効果を引き起こし、局所的に極僅かな真空バブルを発生させる。
この真空バブルは0.000000000001秒以内で真空崩壊を引き起こし、空間エネルギー差異による局所的なエネルギー断裂放出を発生させ、直撃地点に絶対的な空間構造的破壊を引き起こす。
――つまりソラスは、フォーリニウム線バーストによる強力な電磁波粒子放射線による原子構造的破壊、
チラン反応及び真空バブル崩壊による空間構造的破壊の両方を真っ向から受けた。
これが破壊のメカニズムとなるが、これを外界からの視覚的情報で観測すると――
――――
「ソラスは、どうなった!? 攻撃は成功か!? とてつもない爆音と衝撃は感じたが……!」
仙崎は地面に伏せて両手で守っていた頭を恐る恐る上げる。
フェンサーのパワードスケルトンは破損して既に無く、周囲に仲間も車輛も居ない為、レンジャー装備でその場で伏せているだけの防御体勢となっていた。
茨城博士の直接の指示でこうしており、この場にはなにやら物体の化学反応・放射性反応を抑制する物質を散布してあるから影響はない、との事。
とはいえこちらは生身に近い。さしもの仙崎も死を覚悟したし、これから被曝して死んでもおかしくないと思っているので正直気が気ではない。
そんな様子なので、当然その瞬間を目にしては無いが、見ていても着弾の衝撃と効果を説明する事は不可能だっただろう。
なにせ、傍目からはソラスとその周辺が可視不可能な眩い閃光につつまれた様にしか見えず、伏せて居なければ確実に吹き飛ばされたほどの衝撃波以外には、分かりやすい着弾の爆発や炎などは上がらなかったからだ。
だが、反応抑制を超える莫大なエネルギー放出が行われたことは確かだ。ソラスが居たはずの方角には黒煙が立ち込めており、一見して成果の確認は出来そうもない。
「本部、応答願います。本部! ……だめか。電波の混乱か? 無線は一切繋がらんな。さて、どうしたものか。さすがにあれで生き残っているとは思いたくはないが」
仙崎は、保坂がフェンサー用として送ってくれた補給コンテナを探し出し、レンジャー用の武装を整える。
「最低限の装備は揃っているようだな。保坂のやつ、気味が悪いくらいに気が利くのはどうなんだ。……む?」
黒煙の中の空気が、揺れ動いた気がする。
風か、目の錯覚か、あるいは……――
「……、……ここまでやって、どういうことだ! 巨獣ソラスッ!!」
――黒煙を全身に纏い、巨獣ソラスが歩行しているのが、仙崎の眼からはっきりと確認された。
軍曹と死神、お互い覚悟完了してる感じですけど、
軍曹は猛る炎のよう、死神は冷徹なる氷の如くってイメージで
軍曹の方が若干若いというか、いい意味で真っ直ぐなイメージなので、戦場では死神の方がちょっと余裕というかユーモアある感じで書いちゃってますね
一方軍曹は優等生側というかコロニストの時の講義のイメージが強いので三人の生徒を連れ歩く引率の先生、みたいな感じの解釈してるので、こんな感じになってます
原作と大きく違うのはストーム1(まだ襲名前だけど)との関係が大きく違うってトコですかね~(なんならもう昇進して上官になっている)
でも原作でもゲーム上のシステムでは指揮下に入れてるし……まああながち間違ってないって所で
とにかく軍曹も死神も、スプリガンだってストーム1だって好きなので、完全に原作準拠世界でも何本か話書けるくらいの妄想はしてるんだけど、いかんせん時間がねえんだ、こんな世界だけど許して下せえ