全地球防衛戦争―EDF戦記―   作:スピオトフォズ

2 / 106
人物が増えすぎたために新たな纏めを作りました。
自分用にエクセルで作ったのを編集しているだけなので少々見にくいかもしれないです。
兵科の基本的な解説も載せていますが、考えているうちに長文になってしまったので少々見にくいかもしれません。


設定の矛盾や人名のミスなどありましたら感想などでお知らせしてくれると大変ありがたいです。


簡易登場人物(基本四兵科)

●陸戦歩兵

 通称レンジャー。

 EDF陸軍戦力の大半を成す兵科で、多種多様な武器を使いこなす陸戦の要。

 専門ではないが場合によっては戦闘車両や通信を使った砲撃要請や破壊工作も要求されるオールラウンダー。

 従来軍の歩兵との大きな違いは、彼らの身に着けるアーマースーツと呼ばれる戦闘服にある。

 防弾、耐熱はもちろん大戦が始まってからは強酸を含むあらゆる耐性を持ち、特に耐衝撃性は受け身を取れない高所からの落下にも命を守れるよう設計されてる。

 ヘルメットのバイザーは簡易レーダーと無線装置も備えており、歩兵一人ひとりが情報共有できるようになっている。

 装備は多岐にわたるが、隊長の申請が通ればかなり自由に決める事が出来る。

 固定装備として対巨大生物用9mm拳銃、HG型手榴弾が原則とされている。

 腰や背中にハードポイントがあり、都合上携行できる武装は二つまで。

 四兵科の中で兵員数が最も多く、中隊定数約100名、小隊定数は約30名、分隊定数約10名だが、初期の攻撃から補充もままならず定数割っている部隊も多い。

 

 

――第一陸戦歩兵大隊――

『EDF総軍-EDF極東方面軍(極東アジア)-第11軍(日本)-第一軍団(関東)-第三師団(横須賀)-第301歩兵連隊の所属。大戦初期から常に最前線に張り付いていて、日本戦線でも屈指の激戦を潜り抜けた大隊。当然人的消耗は激しい』

 

須賀(すが)少佐:大隊長

 作中未登場

 四面四角の融通の利かない人で、結城大尉とは常に対立しているが、のらりくらりと躱される。 

 

>第88レンジャー中隊

『大隊の中でも練度の高い中隊。大戦初期に壊滅した部隊をかき集めて再構成した寄せ集めの部隊である為、人員が少ない。にもかかわらず、次々と戦果を叩きだす活躍をしている。レンジャー1~6の六個小隊で編成。中隊本部も含めて100名未満』

 

結城実(ゆうき みのる)(30)大尉:中隊長 

 穏やかで有能。ほとんど動揺しない。桜の兄。

 

國本康(くにもと やすし)(29)中尉:中隊副長

 彫りが深く、顔が黒く、声がいかついザ軍人

 

>>第二小隊(レンジャー2)

 

大林浩二(おおばやし こうじ)(37)中尉:小隊長

 任務の達成と部下の生存に妥協しない鋼の中隊長。

 その厳しさと中隊の練度の高さは有名。

 

>>>第一分隊(レンジャー2-1)

 

鷲田篤(わしだ あつし)(36)少尉:分隊長

 負傷しようが撃たれようが突き進み敵を殺しまくるバーサーカー。

 

鈴城涼子(すずき りょうこ)(27)軍曹:分隊副長

 ショットガン二丁持ちスタイル。言動は荒いが案外思慮深くもある。

 

二ノ宮沙月(にのみや さつき)(29)軍曹

 移動しながらの射撃が得意な飄々とした女。金にがめつい。

 

仙崎誠(せんざき まこと)(26)伍長

 主人公。不幸すぎて自身に向かうあらゆる害を回避するのが得意。

 

浦田和彦(うらた かずひこ)(26)伍長

 女たらしだが愛妻家らしい。誰かの背中を守るのが得意。

 

結城桜(ゆうき さくら)(24)伍長

 明るく元気なミリオタ女。噂好きで幅広い人脈を持っている。

 

水原亮介(みずはら りょうすけ)(23)兵長

 気弱でバカな狙撃兵。いい意味で純粋なので浮き沈みが激しい。

 

新垣巌(あらがき いわお)(24)兵長

 筋肉質な笑い上戸。とんでもないタフガイでよく鈴城に蹴られるが効かない。

 

 

>>>第二分隊(レンジャー2-2)

 

荒瀬徹(あらせ とおる)(33)軍曹:分隊長

 叩き上げの有能軍曹。本来は大尉~少佐クラスの階級だったがある事件で降格された。

 

青木守(あおき まもる)(27)上級伍長:副分隊長

 元測量士で、見ただけで長さや距離が分かるので、狙撃兵向き。暗算が得意。

 

馬場遼平(ばば りょうへい)(35)伍長

 力自慢。よく愚痴るが、気さくで話しやすく、諦めの悪い性格。

 

葛木望(かつらぎ のぞむ)(24)伍長

 可愛げのある見た目だが人付き合いはあまり得意ではない。ロケランが好き。

 

千島勇樹(ちしま ゆうき)(23)兵長

 フォーリナー襲撃時はまだ新米兵士だった。なんとか軍曹についていくのに必死。

 

細海早織(ほそみ さおり)(23)兵長

 千島の同期で、虫嫌い。狙撃兵として活躍するが、虫に近づきたくないだけかも知れない。

 

 

>>第六小隊(レンジャー6)

 

樋山(ひやま)少尉:小隊長

 第三十四話 帰路の遭遇(Ⅱ)で登場。

 叩き上げの少尉で物腰穏やか。

 

>>>第一分隊(レンジャー6-1)

 

世良一輝(せら かずき)(33)軍曹:分隊長

 第三十三話 帰路の遭遇(Ⅰ)で登場。

 料理の腕は壊滅。三種のC型レーションごちゃまぜ丼など。嫁いる。荒瀬と知り合い。

 

>第10小隊(レンジャー10)

『第89レンジャー中隊の所属』

 

武口(たけぐち)中尉:小隊長

 第二十七話 多脚戦車群で登場。

 厚木市で市民の撤退戦の際、レンジャー2と共闘。

 ダロガの砲撃を受けて部下四名を失った。

 

>第26フラウンダー中隊

『88中隊と同じ、第一陸戦歩兵大隊隷下の中隊。通称、不良中隊。海外派兵を担当した第五師団からの流れ者が多く、古くからのベテランが多い。大隊の一番槍を務めることが多い。その分損耗も多く、第2.3.4小隊は欠番』

 

>>第一小隊(フラウンダー1)

 

梶川隆(かしがわ たかし)(41)大尉:中隊長/小隊長

 荒くれの不良中隊まとめ役。中隊内で喧嘩やいざこざはしょっちゅうだが、それを纏める人望がある。

 人員不足のため小隊長も兼任する。

 

後藤啓二(ごとう けいじ)(36)曹長:小隊副長

 ミサイルや爆発物をよく使う。クール。

 

山口博之(やまぐち ひろゆき)(32)軍曹

 女遊びの好きなボウズ頭の男。よく中野瀬と揉める。

 

中野瀬大輔(なかのせ だいすけ)(29)伍長

 喧嘩っ早いが頭が悪い。賭け事が好きだがあまり勝ててない。

 

>>第五小隊(フラウンダー5)

 

辻源十郎(つじ げんじゅうろう)(36)中尉:小隊長

 第二十二話 津川浦防空戦で登場。

 江戸訛りを使う飄々とした皮肉屋。女によくモテるが恋愛はしない主義。

 

>>第六小隊(フラウンダー6)

 

斯波遼一(しば りょういち)(34)中尉:小隊長

 同じく津川浦防空戦で登場。

 酒と煙草とギャンブルが大好きで、女にだらしなく、金に汚く手癖の悪い前科者。

 おおよそ欠点しかないが、軍人としての能力はある。

 

 

――第13ブレイク中隊――

 

・森本大尉:中隊長

 第二十四話 多眼の凶蟲で登場。

 前線基地(アウトポスト)2-6に配属されていた中隊とその指揮官。

 逃げてきた仙崎達を基地内で援護し、原隊復帰を促す。

 

――第11陸戦歩兵大隊――

 

・伊勢原少佐:大隊長

 第七話 横浜救助戦線(中編)で登場。

 57歳。若いころは筋肉質だった体も指揮官職をやってからは肉が付き始めて嘆いている。

 その割には体を張ったりする。

 

――独立狙撃大隊(ブルージャケット)――

『第二師団(京都)を本拠地とする兵器試験部隊で正規の戦力ではないが、京都防衛戦で戦力として参加する。青を基調としたアーマースーツが目立つ』

 

早坂大吾(はやさか だいご)(43)大尉:大隊長

 第四十一話 オペレーション・アイアンウォール(Ⅲ)で登場。

 冷静沈着な狙撃兵。精悍な顔立ちでベテランの風格がある。元猟師。

 

木崎真理(きざき まり)(25)曹長

 恋愛脳。今は御子柴に憧れている。

 

 

●降下翼兵

 通称ウイングダイバー。

 南極で発見された未知のフォーリナー技術を流用して作られたプラズマエネルギー・ユニット、およびそれを機関として使う飛行ユニットを使用して戦う特殊兵科。

 フォーリナーの基礎技術であるプラズマエネルギーは、人類史における荷電粒子としてのプラズマとはその生成方法や制御方法が全く異なり、地球上のどのエネルギーよりも高効率での生成が可能だが、人間の女性の脳波でのコントロールが必須となる。

 また膨大なエネルギーを生み出すが前述の通り制御が困難なため、発電設備などでの利用は確立されていない。

 脳波によるコントロール技術は、「サイオニック・リンク」と呼ばれており、エネルギーの操作だけでなく飛行ユニットの制御にも使われており、熟達すれば体の一部のように操作する事が可能。

 しかしこの技術を確立するまで、「EDFは人体実験を行い、数多の犠牲者を出した」などと黒い噂を信じる者もいるが、真相は定かではない。

 その基本構造は殆どブラックボックスに包まれていて、小型ながら膨大なエネルギーを生成できる反面、廃熱機構に限界があり、長時間の連続飛行は叶わず、場合によっては強制冷却が必要になる。

 この強制冷却状態になると、一切の飛行やエネルギーの使用が出来なくなる為、大きな隙となる。

 武器はユニット直結型やバッテリー型、独立型などがあるが全てがプラズマエネルギーを使用するものとなっている。

 実弾銃での戦闘は、後述する重量の問題や、空中使用を前提としての反動制御の問題があるため、基本的に想定されていない。

 がもちろん、使用する事自体は可能。

 初期においてはプラズマエネルギーを直接発射するプラズマランチャー等の兵器しかなかったが、開発部の尽力によって、

 プラズマエネルギーを短距離、長距離レーザー銃や雷撃特性を持つ微粒子発射装置、粒子小銃、あるいは「サイオニックリンク」を応用した光学誘導兵器、など様々な特性を持つエネルギーとして開発され、兵装は多岐にわたる。

 また推力のコントロールの難しさ、ユニット自体の耐久度や廃熱機構の問題から、かなり出力を絞られているため、最低限の軽装かつ厳しい体重制限が課せられている。

 その為ウイングダイバーに選ばれるのは小柄な女性が多い傾向にある。

 その特性上兵員数はエアレイダーの次に少なく、中隊定数12名、小隊定数4名と少ない。

 また特殊技術を要する為、最低階級は少尉からとなっている。

 開発技術の多くを極東本部の開発部第一室室長の茨城博士が行った為、世界でも珍しい飛行ユニット量産ラインが存在する。

 また日本はサイオニックリンク適合者が比較的多く、各方面軍に比べてウイングダイバー配備率が最も多い。

 ウイングダイバーの正式採用は2018年で、四兵科の中で最も新しい。

 

 

――第一降下翼兵団――

『EDF極東方面軍-第11軍(日本)-第一軍団(関東)-第三師団(横須賀)の所属。降下翼兵団は、一個師団に一個兵団(約36人・三個中隊)が基本。スプリガン、ペイルウイング、シルフダンサーの三個中隊編成』

 

 

>第一中隊(スプリガン)

『EDF極東軍初のウイングダイバー部隊で、元は第一師団勤務だったが極東本部建設に伴って転属になった。また最も練度とプライドが高いと有名』

 

西園寺玲奈(さいおんじ れいな)(34)大尉:中隊長

 第三十話  最悪の中の(Ⅲ)より登場。

 初期の頃からウイングダイバーを支え続けた古株の一人。

 その為最もウイングダイバーが優れている、として他兵科を見下しがち。

 

>第二中隊(ペイルウイング)

 

>>第二小隊(ペイルウイング2)

『第二中隊の遊撃部隊のような立ち位置。中隊の指揮を抜け、独立で行動することが多く、他兵科の救援や援軍に差し向けられる”火消し屋”として緊急展開する事も。小隊の総合力も高く、平均的になんでもこなせるが、必然的に激戦に身を投じる事が多い』

 

冷泉春奈(れいぜい はるな)(28)中尉:小隊長

第十六話 スチールレイン作戦(Ⅱ)より登場。

 凛々しくも柔軟な考え方で隊を運用する小隊長。

 他兵科との連携も慣れていて、自らも歩兵の一員として四兵科全てがそろってこそ力を発揮できると考えている。

 

瀬川葵(せがわ あおい)(25)少尉

 本作のヒロイン。負けず嫌いで天邪鬼なじゃじゃ馬娘。

 高度なユニット制御とレイピアによる接近戦・一撃離脱戦が得意。

 

白石玲香(しらいし れいか)(27)少尉

 無口な狙撃手。感情表現が乏しいが人並みに楽しかったり驚いたりする感情はある。

 あだ名はアイスドール。

 

仁科秋香(にしな あきか)(26)少尉

第四十二話 白銀の巨兵(Ⅰ)より登場。

 寡黙な白石に憧れ、恋心を抱く変態。

 標準的なレーザー銃”マグブラスター”を使っての中距離機動戦が得意。

 

間宮弘子(まみや ひろこ)(25)少尉

第二十八話 最悪の中の(Ⅰ)より登場。

 ユニットの扱い、特にエネルギー管理が上手く、一度も強制冷却を迎えたことがない。

 

>第三中隊(シルフダンサー)

第四十一話 オペレーション・アイアンウォール(Ⅲ)より登場。

 京都防衛戦にて、孤立したレンジャー5の救援に向かう所、プレアデス保坂少佐に誤爆されそうになって怒っていた。

 

――第二降下翼兵団――

『第四師団(厚木市拠点)隷下の降下翼兵団。フェアリーテイル、スカイエルフ、ルナティックレイの三個中隊編成』

 

>第一中隊(フェアリーテイル)

>>第二小隊(フェアリーテイル2)

 

美船佳子(みふね かこ)(29)中尉:小隊長

 第三十四話 帰路の遭遇(Ⅱ)より登場。

 ウイングダイバー部隊一の美人として有名。

 雷撃銃を好むが、その存在も雷のように苛烈。

 

日向葉香(ひなた ようか)(25)少尉

 真面目で純粋だがよく騙される。サンダーボウを使う。

 

雨宮初芽(あまみや はつめ)(26)少尉

 クールだが人をからかうことが好き、イズナー連鎖銃を使う。

 

藤野朱火(ふじの あけび)(25)少尉

 楽観主義の関西弁。美船中尉によく叱られるが、別に嫌いではない。

 狙いがおおざっぱでも良く当たるサンダーボウが好き。

 

 

●二刀装甲兵

 通称フェンサー

 軍用外骨格装甲である「パワード・スケルトン」に身を包んだ強化歩兵。

 内部に組み込まれたパワーアシスト装置によってい1トンを超える腕力を持ち、通常の歩兵では運用不可能な重武装が可能になった。

 体の外側のパワードスケルトンが腕力脚力を補助し、全身にプロテクトアーマーを着込み、膂力のみならず防弾防爆装備も充実している。

 背面には跳躍ユニット、自動給弾装置、燃料電池、兵装ハードポイントが一まとめになったバックパックがあり、腰には跳躍ユニットの燃料となる推進剤タンクが二つ付いている。

 盾を装備すれば戦車の主砲も真正面から防ぎ、逆に重量級の武器ならば戦車砲並みの砲撃を行う事が可能。

 その総合スペックは従来の戦車一輌にも匹敵し、大口径砲が開発されると戦車不要論を再燃させるほどだった。(後述する携行弾倉、推進剤容量などの継戦能力、整備性、生存性、射程や射撃精度などを比較し、完全に代替できるものではないと現在は結論され、当然だが戦車の量産も続いている)

 二刀装甲兵、という名称は最初期のもので、その装甲と膂力による近接攻撃能力を期待されての事だった。(それ以前に機械化歩兵として運用されていたPAギアという装備の強化案のひとつだった。現在ではPAギア部隊は全てフェンサーに置き換わっている)

 近接武装のブラストホールスピアは戦車の装甲を貫通し、フォース・ブレードは建物ごと中の敵を叩き斬る。

 だが、実際に戦場に投入されると中々使いこなせる者は現れず、結局大型の銃砲を装備させた方が万人に扱いやすいと判明し、その方向で進化を重ねた。(本来、兵器とは万人が使用できてこそより効果を発揮する)

 その為、近年は機械化歩兵と呼ばれる事の方が多い。

 しかし、中東の紛争でグリムリーパー隊長がブラストホールスピアを使いこなし、コンバットフレーム三機、戦車六輌を一人で撃破した逸話や(この時装備していたのはフェンサーの前身である跳躍ユニット付きのPAギアだが、防御力以外は大差ない性能だった)、

 フォーリナーが襲来して密集戦闘が頻発して近接兵器の需要が上がり、必要に迫られ近接兵器を使いこなす兵士も増加傾向にある。

 特徴の一つに、両腕部での精密な動作性があり、利き腕でなくとも正確な射撃が可能になる。

 これも”二刀”装甲兵と呼ばれる所以の一つだ。

 両肩部(バックパックの左右ハードポイント)にも武装が可能であり、歩兵でありながら最大四つの重火器を装備可能。

 だが、コストや練度の問題から、フォーリナー大戦における一般的なフェンサーは片手に大型の盾を装備する場合が殆どであり、生存率向上にも繋がっている。

 また背部に跳躍(ジャンプ)ユニットと呼ばれる推進装置が装備されている。

 推進剤と呼ばれる特殊な混合燃料によって、大きく跳躍したり加速して移動する事が出来るが、ウイングダイバーのように自在に飛行出来るわけではない。

 またプラズマエネルギーを使用していない為、随時補給が必要。

 それとは別にパワーアシスト装置も燃料電池で稼働しているため、これが切れると総重量2トンの動かぬ鉄くずとなり、パージするしかなくなる。

 ただ、大抵の場合は先に推進剤が切れる場合が殆ど。

 跳躍ユニットの操作は武器のトリガー付近にある専用のコンソールと脚部の動きによって精密に制御され、扱いは難しい。

 両肩部の武装についてもそれぞれ両腕の武装に専用トリガーが備わっている。

 万が一両手の武装を破棄していた場合は、脚部の動きと腰の予備トリガーによってそれぞれ操作が可能。

 弾薬についても、所詮歩兵なため、携行弾倉は限られており、通常の歩兵以上に綿密な補給・兵站計画が必要になる。(自動装填機能が備わっている為、スイッチを押せば背面弾倉から自動で給弾される)

 このように運用に非常にコストがかかる兵科であり、一度作ってしまえば弾薬燃料費がいらないウイングダイバーとは対照的である。(ただしウイングダイバーも飛行ユニットのメンテナンスには専用設備が必要でありやはり最も費用対効果に優れているのはレンジャー)

 ただしそれでも装備自体はフォーリナーの技術を使用しないで運用可能な事から配備数は比較的多く、EDF歩兵四兵科ではレンジャーの次に多い。

 世界的にみると、圧倒的規模と資金力、そして完成された兵站能力を有する北米方面軍(EDFは国際組織なので各国軍程違いは顕著ではないが、やはり思想や資金繰りが米軍の流れを汲んでおり、様々な意味で大規模な軍隊が活動する下地が整っている為、結果的に北米方面軍はEDF内で最も規模が大きい)が最もフェンサー配備数が多い。

 また同様の技術はEDF以外でも米陸軍で「ハーディマン・シリーズ」として運用されており、フェンサーよりもより大型重装甲重火力だが機動性、汎用性、精密動作性に劣る。

 米陸軍から世界中に輸出されており、各国軍がフォーリナーに対抗できる数少ない装備として飛ぶように売れている。

 中隊定数はウイングダイバーと同じ12人で、小隊定数も同じ。

 装備にコストが掛かかり、ウイングダイバー程ではないが素養と、多くの知識が要求される兵科の為、最低階級は少尉からとなっている。

 パワーアシスト装置のおかげで女性でも十分運用可能なのだが、女性はウイングダイバーになってしまうことが多く、男性が殆どを占めている。

 

  

――第102機械化歩兵連隊――

『EDF極東方面軍-第11軍-第一軍団-第四師団(厚木)所属。レイジボーン・アイアンランサー・フォレスティオの三個中隊から成る』

 

>第一中隊(レイジボーン)

・紺迫幸雄(45)少佐:中隊長/連隊長

 第三十三話 帰路の遭遇(Ⅰ)より登場。

 岩淵大尉と並ぶ大ベテラン兵。ハンドキャノンによる中距離機動砲撃戦を得意とする。

 

――第105機械化歩兵連隊――

『第三師団(横須賀)所属。グレイゴースト・スティングレイ・ペネトレイターの三個中隊から成る』

 

>第二中隊(スティングレイ)

『やはり連隊内でも先陣を切るタイプの中隊なので、激しい戦闘でよく主人公たちと遭遇しがちな部隊。珍しく中隊長が第二小隊の指揮官と兼任だが、これは第一小隊を自由に行動させたいがための配置。よってスティングレイ1は前線を好き勝手に暴れまわって敵を殲滅する事が多い』

 

>>第一小隊(スティングレイ1)

 

・柳勝俊(43)中尉:小隊長

 第十五話 スチールレイン作戦(Ⅰ)より登場。

 御子柴に振り回される苦労人。仕事に疲れたサラリーマンのような雰囲気。

 

・御子柴幸春(24)少尉

 第十五話 スチールレイン作戦(Ⅰ)より登場。

 直感と雰囲気で全てを考える。フェンサーの強みを最大限生かした重武装近接砲撃を行う。

 一人で一個小隊分の殲滅力があるとか。

 

・栗宮圭介(24)少尉

 第十五話 スチールレイン作戦(Ⅰ)より登場。

 御子柴の同期で、尻ぬぐいばっかりしてる。

 

・神谷穣一(26)少尉

 第四十一話 オペレーション・アイアンウォール(Ⅲ)

 冗談が一切通じないカタブツ人間。

 

――第106機械化歩兵連隊――

『第一師団(東京)所属の歴戦の連隊。その多くが海外派兵を経験していて、大戦が始まって以来大半の戦力は東京以北で戦い、前線の後退に従って北上している』

 

>第一中隊(グリムリーパー)

『フェンサーで最も知名度の高い、通称”死神部隊”。コンバットフレームや戦車を撃破するために編み出されたブラストホールスピアによる一撃離脱戦法をそのまま対巨大生物戦に用いる。時に先陣を切り開き、時に殿として最後まで退路を守る姿は兵士たちの希望の姿でもあり、また常に困難な任務に志願し、捨て身の戦術を繰り返す姿を死神と称し恐れられもした』

 

>>第一小隊(グリムリーパー1)

 

・岩淵伍郎(41)大尉:中隊長

 第五話 第228駐屯基地撤退戦より登場。

 意味のある死に場所を求める中隊長。過去に中東ディラッカでコンバットフレーム三機、戦車六輌を一人で撃破した逸話が有名。

 

>>第二小隊(グリムリーパー2)

・九条中尉

 第三十話  最悪の中の(Ⅲ)

 やたらと貸し借りに拘る皮肉屋

 

>>第三小隊(グリムリーパー3)

・重森中尉

 第三十話  最悪の中の(Ⅲ)

 名前のみ登場。

 

――第202機械化歩兵連隊――

『第三師団(横須賀)所属。マザーシップ襲撃の際は横浜で住民救助を行っていた。ジャガーノート、ヴァンガード、ランドガルドの三個中隊編成』

 

>第三中隊(ランドガルド)

>>第一小隊(ランドガルド1)

・月島隆弘(44)大尉:中隊長/小隊長

 第四十三話 白銀の巨兵(Ⅱ)

 元レンジャーで、かつての大林の上官。

 年齢よりも若く気さくで、フェンサー至上主義。

 

>>第二小隊(ランドガルド2)

『フェンサーの中では珍しく近接武装を用いた戦闘を主とする』

 

・太斎湊(60)中尉:小隊長

 第四十三話 白銀の巨兵(Ⅱ)

 梢流と呼ばれる剣術の使い手。フォースブレードを使いこなす武人。

 

・村田少尉(27)

 第四十五話 白銀の巨兵(Ⅳ)

 家族を守るためにEDFに。最近娘が生まれた

 

・谷口少尉(34)

 第四十五話 白銀の巨兵(Ⅳ)

 元銀行員だが家族を殺されている。物静か。

 

・小滝少尉(30)

 第四十五話 白銀の巨兵(Ⅳ)

 格闘徽章持ちの元レンジャー。他の三人と比べると熱血系。

 

>>第三小隊(ランドガルド3)

 

・棚部重行(39)中尉:小隊長

 第四十四話 白銀の巨兵(Ⅲ)で登場。

 実はこれ以前に横浜で仙崎達を助けに参戦していた。

 デクスター自動散弾銃での戦いを得意とする。

 

 

●空爆誘導兵

 通称エアレイダー

 他国空軍における末端攻撃統制官と、陸軍砲兵における前進観測班の能力を統合したEDFの兵士。

 ”空爆”誘導兵の名のとおり、初期は空軍との連携によって精密かつ誤爆の安全性を高め、確実に目標を爆破するために設立された。

 EDFの高性能な航空兵器をもってしても、地上を事細かに分析しつつ正確な爆撃は不可能で、地上の眼が重要な役割を果たすのは変わらない。

 またエアレイダーの装備と砲兵の射撃指揮所をリンクさせることによって砲兵への砲撃要請や射弾観測も可能になり、現在は航空支援と砲撃支援の誘導を一手に担っている。

 また、EDF歩兵は全てに簡易的な無線が備え付けられているが、エアレイダーはより高出力な無線を備えている事もあり、補給物資や車輛、場合によっては戦車も空輸を要請する権限を与えられている。

 要請方法は時と場合によって多彩で、ビーコンガンによる自動照準が最も正確だが、無線による座標直接指示やコンソールのマップグリッド転送、目視できる場合には発煙弾などの原始的な手も使う。

 直接的に敵との戦闘を想定した兵科ではないが、都合上前線に赴くので随伴のレンジャーが必ず付く。

 また必要な場所に駆けつけて支援を要請する為移動距離が多くなりがちで、一個小隊につきグレイプ装甲車が与えられている。

 自衛用装備としてビーコンガンを改良したリムペットガンという銃器がある。

 ビーコンの代わりに任意起爆型小型爆弾を射出するというものだが、これが開発時の思惑以上に各エアレイダーに使いこなされ、場合によっては強力な武器となっている。

 空爆や砲撃という、強力かつ状況を総合的に判断できないと味方を殺しかねないという観点や、高出力の無線通信によるあらゆる部隊との直接通信が可能になるという点から、最低階級が大尉と高めに設定されており、直接戦闘要員ではない為兵数は四兵科内で最も少ない。

 編成は、一個歩兵大隊につき一個小隊が付き、一個小隊はエアレイダー一名、随伴のレンジャーが六名、グレイプ装甲車一輌(運転手はレンジャー兼任)となっている。

 

 

――第1エアレイダー小隊(レグルス)――

第十四話 戦端の幕開けにて登場。

 スチールレイン作戦にて、C20地雷原の起爆を観測し、続いて爆撃要請を行った。

 

――第2エアレイダー小隊(プレアデス)――

『第四師団(厚木)-第109陸戦歩兵連隊-第08大隊所属』

 

・保坂誠也(30)少佐:エアレイダー

 第三十話  最悪の中の(Ⅲ)より登場。

 飄々として癇に障る軽口が特徴のエアレイダー。指示は的確だが、計算通りすぎて誤爆スレスレでも問答無用で要請する。

 

・宮藤理恵(27)軍曹:随伴歩兵

 第四十一話 オペレーション・アイアンウォール(Ⅲ)より登場

 保坂に振り回される運転手。無茶ぶりに答え続けているので運転技術は相当なもの。

 

――第4エアレイダー小隊(アルデバラン)――

『第一師団(東京)-第101陸戦歩兵連隊-第16大隊所属。第一師団の大半は東京以北に後退したが、第106機械化歩兵連隊を始め、三分の一程度が南下して、第三師団の指揮下に入った』

 

・門倉洋介(44)大尉:エアレイダー

 第十五話 スチールレイン作戦(Ⅰ)より登場

 歴戦のエアレイダー。元砲兵の前進観測班で、EDF内にもいろいろなコネを持っている人格者。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。