全地球防衛戦争―EDF戦記―   作:スピオトフォズ

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第二十八話 最悪の中の(Ⅰ)

――2023年2月6日 神奈川県厚木市 厚木中央公園第一臨時避難所 『第一降下翼兵兵団 第一中隊”ペイルウイング”第二小隊』 side:瀬川葵――

 

「やああぁぁぁッ!!」

 

 私は飛行ユニットを起動し、距離を詰めてレイピアでα型を切り裂く。 

 

「この! このぉ!!」

 

 逃げ惑う市民の元へ向かう巨大生物をひたすら切り裂いてゆく。

 

「瀬川! 無茶をするな! 突っ込み過ぎだ!」

 

 小隊長である冷泉中尉が警告する。

 

「でも! でも市民が!」

 

「きゃああぁぁぁ! 化け物が……助けて!!」

 

 中年の女性がα型に這い寄られている。

 

「今行きます! はぁぁぁ!!」

 

 無我夢中で飛んで行き、武器をマグ・ブラスターという中距離レーザー銃に切り替えて照射する。

 装甲殻は融解し、α型はその穴から体液を噴出し、倒れた。

 

「大丈夫ですか!? 怪我、は――」

 

 その光景に一瞬思考が止まる。

 中年の女性は既に巨大生物に食い千切られた後だった。

 

「瀬川! 立ち止まるな! 巨大生物はフェンサーに任せて、市立病院付近のダロガをやる! 行くぞ!!」

 

「さ、サー! イエッサー!!」

 

 私は、罪悪感を意識の外へ追いやって、隊長の命令に従い飛行する。

 

 その眼下では、まさに虐殺が広がっていた。

 

「やめろ、やめろ来るなぁぁぁ!!」

 

「いやあぁぁぁ!! 助けてぇぇぇ!!」

 

「来るな! 来るな死ね! うわああぁぁぁぁ!!」

 

「お願い兵士さん! この子だけは、助けぎゃああぁぁ!」

 

「熱いぃぃぃ! 足が、足が溶ける!!」

 

 民間人が次々と犠牲になっている。

 それを防ぐべくEDFも奮戦しているけど――

 

「レンジャー24! そこの木陰だ! 子供が連れていかれた!!」

 

「諦めろ! もう間に合わない! おい上だ! ガンシップ!」

 

「撃ち落とせ! ぎゃぁぁ! 腕をやられた!!」

 

「市民を消防署に移動させろ!! ここはもう巨大生物だらけだ!」

 

「無理だ! あっちにはダロガがいる! 砲撃されるぞ!」

 

「西から巨大生物!! β型です、β型の大群です!!」

 

「クソ! どっから現れやがった!? まずいダロガだ! 市民が砲撃される!」

 

「ダロガはウイングダイバーに任せろ!」

 

「車輛がやられた!! ちくしょう! 一体どこに市民を逃がせってんだ!?」

 

「おい! おい!! あいつを撃て!」

 

「撃てない! 市民にあたる!!」

 

「こっちです! こっちに逃げてください! しまった!? 糸!? うわああぁぁぁ!!」

 

 ――手が足りない。

 市民に対し、敵が多すぎて、そしてEDFは少なすぎて護衛すら碌に出来ないのだ。

 

「せめて……第17大隊が残ってくれていれば……!」

 

「いや、それでも難しい。厚木市に残る数万人を避難させることは叶ないだろう。だからこそ大隊長は、戦力を温存する為独断で撤退したのだ」

 

 着地と飛行を繰り返しながら、冷泉中尉が私の呟きに答える。

 

 市民を護衛、そして避難させながらの防衛戦闘がどれだけリスクの高い戦いかは言うまでもない。

 だからきっと、あれは戦略的に必要な行いなんだってことは理解できる。

 でも、ここを守っていた大部隊が撤退する時の、市民の絶望的な表情が忘れられない。

 

「だがそれでも、私は一人でも多くを救いたい。ここへ敵が集中したお陰で、第17大隊は無事撤退を成功させたことだろう。ならば! 我々はここに残って存分に戦える! 見えたぞ! 目標前方のダロガ四機!! ペイル2、エンゲージ!!」

 

「「「うおおおぉぉぉぉぉ!!」」」

 

 精一杯の雄叫びを上げてユニットを吹かす。

 直前に着地したお陰で冷却までは余裕がある。

 

 私達を発見して、ダロガは砲撃を行う。

 

「回避!!」

 

「イエスマム!!」

 

 空中で瞬発的にユニットの出力を上げて、横へ短距離ダッシュを行う。

 エネルギーを食うのが欠点だが攻撃を躱すにはこれが一番だ。

 

「やああぁぁぁっ!!」

 

 私はそのまま突撃して、レイピアを照射し続け、装甲を削る。

 しかし、撃破に至る前にまた砲台が青白く光る。

 

「っ!!」

 

 私は急いでダロガから距離を取る。

 ダロガは、至近距離まで接近しても容赦なく粒子砲弾を撃つ。

 これによってさっきまで一緒に戦っていたペイル1の一人が戦死した。

 その上、ダロガはあまり自爆の影響を受けていないように見えた。

 

 そう、だからこそダロガは至近距離だろうとためらいなく粒子砲弾を撃ってくる。

 触覚が光ったら、一目散に退避しなければいけない。

 

 私は空中に飛び上がり、飛来する粒子砲弾を何とか回避した。

 

「あともう少しなのに!!」

 

「任せて! 仕留めます! はあぁぁぁ!!」

 

 間宮がE2プラズマランチャーを連続で放つ。

 初期型の威力が大幅に向上したそれは、ダロガに当たると青白い爆発を起こし、それが決定打となってダロガは崩れ、内部から爆発した。

 

「……やった! 一機撃破!」

 

 小さく拳を握り、次の標的へと飛ぶ間宮。

 小柄で、笑顔がよく似合う彼女だったけど、その顔には疲れと涙の跡が見える。

 仕草も、その引きつった笑顔も本物じゃない事は目に見えている。

 

 ……無理もない。

 先程言ったダロガの至近砲撃に撃たれて戦死したのは、間宮の同期生だったのだから。

 

「間宮。無理、しないで」

 

 玲香が珍しく間宮を気に掛ける。

 玲香は良く無感情だのアイスドールだのと言われているけど、別に感情が無い訳じゃない。

 表情は変わらないけど、心配しているのは分かる。

 

「大丈夫……わたしは大丈夫です! そんな事より、早くダロガを!」

 

「……なら、いい」

 

 心配そうにしながら、しかし現実問題として目の前の戦闘は待ってくれない。

 そんなやり取りをちらと見ながら、私は冷泉中尉と共に二機目のダロガと攻防していた。

 

 高速で飛行し、数十の粒子砲弾の雨を横に避ける。

 

「いいぞ! ウイングダイバーの機動力なら回避できる! ただし強制冷却には注意しろ! 地に着いてこまめに冷却するのを忘れるな!」

 

「「イエス! マム!!」」

 

 戦い方は単純だ。

 ユニットを冷却してオーバーヒートを防ぎつつ、飛び上がって私と冷泉中尉がレイピアとレーザーランスで切り刻む。

 

「そこだ! 喰らえ!!」

 

 冷泉中尉がショートレンジ集束レーザー砲”レーザーランス”をダロガに発射。

 高出力の短距離レーザーが瞬間的に照射され、ダロガの装甲に穴を穿つ。

 高威力だけど、レイピアと同様接近戦を余儀なくされる上、一瞬しか照射出来ないので、飛びながら当てるのは結構難しい武器。

 これを使いこなしている辺り、やっぱり冷泉中尉には敵わない。

 

「白石! 間宮!」

 

「ん」

 

「はいっ!!」

 

 それを後方から玲香と間宮が狙撃レーザー銃”クローズレーザー”とE2プラズマ・ランチャーで仕留める。

 二機目を撃破。

 残るはもう二機。

 

 私は、短時間冷却する為、一旦地面に着地する。

 PE(プラズマエネルギー)ユニットは、飛行を行わなければ常時排熱出来る機構になっている。

 その熱量が限界を超えると、飛行も武器のチャージも出来ない強制冷却状態となり、完全な無防備になってしまう。

 それを防ぐ為にこうして羽休めの鳥のように、地面で休まなければいけない。

 ウイングダイバーの大きな弱点の一つだ。

 

「瀬川! 避けろ!!」

 

 冷泉中尉の声!

 私はとっさに空中に飛び上がる。

 見ると、地上にはどこから来たのかβ型の姿があった。

 数は少ない、十数体!

 

「中央公園からはぐれた個体か! 厄介だ、先に片付けるぞ!」

 

「「イエスマム!!」」

 

 私は急降下し、レイピアで一体を切り刻む。

 直後、私に向かって発射態勢を取るβ型。

 

「っ!!」

 

 いったん飛び上がって回避する。

 同時にダロガの砲撃がその場所を覆った。

 

 危なかった、もし追撃して居たら巻き込まれていたかもしれない。

 ただ、その代わり強制冷却まであと20%程度しか余裕がない。

 

「そのまま飛んでて! プラズマランチャーで一気に!!」

 

 私より更に上空で、間宮がプラズマランチャーを構える。

 眼下にはβ型が三体纏まっていた。

 ギリギリの私と違って、間宮は流石だ。

 彼女は私と違ってエネルギー配分が上手い。

 強制冷却になっている所なんて、一回も見た事が無い。

 私も見習わなくちゃ。

 

「え」

 

 ふと遠くのダロガが目に入った私は目を疑う。

 ダロガの上面が光っている。

 あれは触覚? いや違う、円盤の中心だ。

 確か対空レーザーがあると聞いていた。

 対空? 周囲に航空機はいない。

 理由は簡単、全てガンシップとそれに墜とされたんだ。

 じゃあ今狙ってるのはいったい?

 

「間宮だめ!! 降りて!!」

 

 この場所でダロガ以上に飛んでいるのは間宮だけだ!

 

「瀬川?」

 

「間宮ぁぁぁぁ!!」

 

 私は加速し、間宮の手を掴んで地上へ急降下する。

 ユニットは強制冷却モードになるが、下るだけなら構わない。

 

 次の瞬間、私の目の前は真っ白になった。

 バイザー越しでも目が焼かれそうな白い光に、反射的に目を瞑る。

 熱い。

 ひたすら熱い。

 

 そして衝撃。

 

 どうなったのか分からない。

 背中が焼けるように熱く、頭がくらくらする。

 酷く焦げ臭い、吐き気がする。

 右手に何か握っている。

 

 目を開ける。

 

 間宮の右手があった。

 但しその先は胸部と頭部以外の本来あるべきものが存在しない。

 生気を失った虚ろな瞳が私を見る。

 

「いやああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「間宮! 瀬川! そんな……おのれぇぇ!!」

 

「間宮……!」

 

 遠くで冷泉中尉と玲香の声が聞こえる。

 しかし私は、ペイル2結成以来の仲間が、間宮の死で何も考えられない。

 

 そんな私の目の前には、間宮が撃ち損じた三体のβ型が。

 

 震える手でレイピアのトリガーを引く。

 でも、反応しない。

 熱でユニットは破壊され、武器へのリチャージも出来なくなっていた。

 

「あ……そんな……」

 

 β型が糸を発射する。

 私はなすすべもなく絡み取られ、あのおぞましい口に向かって引きづられる。

 同時に、酸を含んだ糸がウイングダイバーの薄いアーマーを溶かしていく。

 

「ひぃぃ! やめて! 喰われる、喰われる! 助けてぇぇ!!」

 

 みっともなく叫び、四肢をもがいて何かつかめる物を探すけれど、何も見つからず、そのままβ型のグロテスクな牙に引きずり込まれる。

 そのまま無残に食い殺される兵士や民間人を何度も見てきた。

 あれは地獄だ。

 生きたまま食い殺される恐怖と、間宮の無残な死で思考が纏まらない。

 ただただ圧倒的な恐怖のみが私を支配する。

 

「ひっ!」

 

 殺される。

 

 そんな私の目の前の敵に、軽自動車が衝突した。

 軽自動車は正面が派手にへこみ、割れたフロントガラスが散らばった。

 当然、軽自動車より二回りほど大きいβ型は少し仰け反った程度だったが、同時に運転席から何かが飛び出る。

 

 人間だった。

 EDFのレンジャーだ。

 それはローリングで衝撃をある程度殺すと、β型に密着して銃口を押し付ける。

 そのまま一発。

 

 β型は貫通した散弾を受け内部から体液をぶちまけ肉塊に。

 そのレンジャーに他の二体の糸が放射状に飛んでいく。

 

 しかしその人は、糸の隙間を容易く移動し、あっという間に二体をショットガンで屠った。

 一瞬の出来事だった。

 気が付くと、その人は何か叫び、私の肩を何度も揺さぶった。

 

 

――side:仙崎誠――

 

 

「何をやっている!! 瀬川! 私だ! 仙崎だ!! 私が分かるか!?」

 

 私は瀬川の肩を何度か揺さぶったあと、まっすぐ目を見つめて呼びかけた。

 

 瀬川の状態は酷いものだった。

 幸いなことに外傷は少ない。

 β型の糸によってアーマーが溶かされているが、皮膚まで達している個所は少なく、打撲と切創が数か所ある程度だ。

 

 だが、彼女は明らかに恐怖で錯乱していた。

 いつもの強気な姿からはまるで想像も出来ない程に動揺し、弱々しかった。

 

「あ……仙、崎……?」

 

「ああ私だ! しっかりしろ瀬川! 立って、戦うんだ! ここは戦場で、貴様はEDFだ! そうだろう!?」 

 

 震える瀬川を支えつつ、無理やり立たせる。

 思えば、先程あった時から平静を欠いている様子ではあった。

 少しばかり胸騒ぎはしていたのだが……くそ、どうやら一足遅かったようだ。

 無論、瀬川の救出にあと一歩のところで間に合ったのは僥倖だが、それを素直に喜べないのは、隣に居た焼け焦げた半身の死体が物語っている。

 

 だが、それでも瀬川には戦ってもらわねばならない。

 酷だが、今この瞬間にも無辜の市民が虐殺されているのだ。

 

「でも……! アタシ、武器が無くて……!」

 

 いいぞ。茫然自失、といった状態から徐々に目の色が復活してきている。

 

「武器はある! これを使え! 操作方法は簡単だ! 銃口を敵に向けて、引き金を引く。勝手は違うが、ウイングダイバーの武器とそう変わりはしない!」

 

 私は背中にあったAS-19アサルトライフルを手渡す。

 

「大丈夫だ! 貴様には私が付いている! 護って見せる。だから、貴様は市民を護れ!! いいな!?」

 

「うん……ええ! 分かった、分かったわ! ごめんなさい……いえ、ありがとう」

 

 何とか正気に戻ったみたいだ。

 だが、私の人生でもそうだが、悪い事は続く。

 最悪を運ぶ運命に抗う為、大切な人を護る為、私はより一層この難局を乗りきる決意を固める。

 

「ぬぁははは! 礼ならば生き残った後で頂こう! 故に互いに生き残るぞ!」

 

「分かったわよ。まだ手が震えるんだけど……ちゃんと護ってよね!」

 

 ぎこちないが、いつもに似せた強気な笑顔を見せようとする瀬川。

 ……無理をしている。

 しかし、無理をせねば立てぬなら、無理をしてもらうしかない。

 なに、その分私がカバーすればいいだけの話だ!

 

「仙崎! お姫様の口説きは終わったか!? そろそろこっちやばいぜ!」

 

 浦田が軽口を叩きながら、迫るβ型に弾幕を張る。

 

「口説きとは失礼な! だが感謝する! ダロガはどうなった!?」

 

 β型の糸を躱し、接近して散弾をぶち込む。

 

「ペイル2が相手してっけど苦戦してるってよ! 瀬川ちゃんは戦えそうなのか!?」

 

 浦田は武器をゴリアスに切り替え、密集するβ型を撃破。

 その後ろの数体を、水原や新垣が仕留める。

 その間に浦田はゴリアスの装填を終える。

 

「なんとかな! ただユニットが破損したのでASを貸した! ウイングダイバーとしては無力だ!」

 

 正面の集団を浦田に任せ、私は周囲のはぐれをショットガンで仕留めていく。

 瀬川は互いに背後を護るように、私の死角を狙う巨大生物や、突然接近するガンシップをアサルトライフルで牽制をしていく。

 ちなみにガンシップの数はようやく疎らになり、接近は直ぐ気付けるのでもう脅威ではなくなりつつあった。

 

「ええ……ごめんなさい。でもやれるだけやってみるわ! もうコイツに格好悪い所見せられないしね!」

 

 ちらと見たその瀬川の顔は、いつも通りの生意気な笑顔に戻りつつあった。

 良かった。

 やはり瀬川はこうでなくては。

 

「そう来たか! まあそれだけ言えれば上出来だ! よし、浦田、瀬川! ペイル2の援護に行くぞ!」

 

「中尉達の!?」

 

「正気か!? ダロガに俺達じゃ分が悪いぜ!?」

 

 瀬川と浦田が驚く。

 まあ無理もない、今のところダロガ相手にはゴリアスの集中砲火ぐらいしか効果が無い上に、攻撃に当たれば一発で戦死確定だ。

 

「分かっている! だが注意を反らす事だけでも意味はあるはずだ! あれを放置しておくと市民が危ない! そうでしょう大林中尉!」

 

 いつの間にやら近くに居た大林中尉に同意を求める。

 

「ふん! 危険すぎると言いたいところだが、理には適っているな! β型はこちらで抑えるから、援護に――」

 

『こちら第六中隊レンジャー67!! レイドシップが赤い巨大生物を投下して、公園の方はもう駄目だ!! 市民が散り散りになって北へ向かってる! なんとか……なんとか救って――ぐああぁぁぁぁ!!』

 

 突然通信が入り、途絶える。

 

「『レンジャー2より67!! おい!!』くそっ、やられたのか!?」

 

「大林中尉! 市民が来ます!!」

 

 鷲田少尉が走って逃げてくる市民を見つける。

 市民は巨大生物に襲われて、後ろの方から次々と喰われていく。

 

「射撃やめ! 射撃やめ! 市民に当たる!! 小隊、接近戦用意!! あの大群に突撃して市民を護る! レンジャー3、市民の保護を頼む!」

 

「それは良いですけどね! 保護って言ったってどこに保護すりゃいいのやら!」

 

 レンジャー3の小隊長が苛ついた様子で吐き捨てる。

 

「こちらに車輛は無い! だが輸送部隊を本部に要請しているから、それが来るまで待機だ! 仙崎! 聞いたな!? このままじゃダロガに市民が爆撃される、急ぎ二機を仕留めてこい!!」

 

「イエッサー!! 浦田、瀬川、行くぞ!!」

 

 目指すは背後500m程先か。

 瀬川のダウン後、ペイル2の二人が懸命にダロガを瀬川から引き離そうとした結果だ。

 瀬川は助かったが、ペイル2の二人はダロガと周囲の巨大生物の中で孤立している。

 

「りょーかい! 指揮はアンタに任せるぜ仙崎」

 

「アタシもそれでいいわ。頼んだからね」

 

「ぬぁははは! 任されよ!」

 

 二人からの信頼を受け取り、武器を構えて走り出す。

 

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