サブタイトルですが、折角のヘクトルお披露目シーンですしアイアンウォール中ですが変えました。
――2023年 3月30日 15:45 京都府京都市山科区――
「新型だと!? 厄介な!」
早坂大尉がリロードを終え、ライサンダーのスコープを覗く。
その先には、凡そダロガと同程度の図体を誇る、白銀の二足歩行兵器。
ダロガを輸送する揚陸艇に搭載され、腕部に銃器のような物が付いている事から、明らかにフォーリナーの新型兵器だろう。
『ゴースト1より本部! 揚陸艇から投下された未確認のターゲットを確認! 攻撃を受けた為交戦状態へ突入しました!』
コンバットフレーム中隊、ゴーストの通信が聞こえる。
戦域では、白石たちが発見した機体以外にも多数存在するらしい。
《こちら本部! 只今スカウトからの映像を受信した! 以後あの兵器をフォーリナーの新型兵器”ヘクトル”と呼称する! 全作戦部隊へ! 遠慮はいらない! 撃って撃って撃ちまくれ!!》
『『了解ッ!!』』
無線を聞いた指揮官の声が重なる。
「ここに来て人型兵器とは……薄気味悪い!」
早坂大尉が言い終える頃には、ライサンダーの特殊徹甲弾は、ヘクトルの中央にある窪みを撃ち抜いた。
中央を撃ち抜かれたヘクトルは、その巨体故バランスを崩し、ダロガ同様、内部から爆発し、周囲を爆炎に包んだ。
「撃破した、行けるぞ!」
「こっちもだ! ライサンダーなら一撃で仕留められる!」
他のブルージャケットの隊員も戦果を挙げていた。
どうやら、ダロガ程の重装甲ではない様子だ。
白石も引き金に手をかけ、狙撃する体制に移る。
スコープの先には、機関銃のような銃器と、大きな筒を両腕に装備したヘクトルがいた。
どうやらレンジャーと交戦中のようで、機関銃をビル群に向けて掃射していた。
体はその方を向いているのに、片腕の筒だけが、白石をまっすぐ向いていた。
「っ!」
捕捉されている――そう直感した白石は、迷わず引き金を引いた。
理論上半永久的に供給されるプラズマエネルギーが瞬間的に供給され、一瞬で排熱限界に達し、強制冷却と共に照射が瞬きの間に終わる。
ヘクトルは胴体が融解して大穴を開けたが、その筒からは青白い巨砲が既に放たれていた。
「まずいっ……!」
「栗宮、盾だッ!! 最大!!」
「おおよ!!」
白石が戦慄し、御子柴が咄嗟に叫び、栗宮が前進し、盾を最大出力で構える。
フェンサーと盾とは、単なる装甲ではない。
内部に物理運動を減速させる”ディフレクター”という磁場発生装置が組み込まれており、これの出力を上げる事により、一時的に盾の防御力と範囲を向上させることが出来る。
「全員、飛べぇッ!」
早坂大尉の言葉で、ブルージャケットがビルから飛び降りる。
同時に、栗宮に放たれたエネルギー砲弾が炸裂する。
屋上が爆炎に包まれ、ビルはその構造を破壊され崩壊していく。
その爆炎から、兵士が次々と飛び出して、地上に落下する。
だが栗宮の盾によって兵士への直接的な威力は最小限に済んでいた。
元々、EDF兵士の身に着けるアーマースーツの対衝撃性は優れたもので、地上10階程度のビルからなら何とか着地できる。
訓練された熟練のレンジャーならば問題はない。
「くっ……!」
だが、それは訓練通り上手く受け身をとった場合だ。
ウイングダイバーは軽量化の制限と飛行ユニットでの衝撃緩和の見込みでアーマースーツの機能が抑えられているし、白石は強制冷却中で飛行が出来ない。
たかが数秒。
しかし地面への墜落は免れない。
打ちどころが悪ければ、死ぬ事もあり得る。
「よっと」
「あ」
その白石を、無骨な両手が優しく抱えた。
御子柴だった。
「今飛べねーんだろ? ちょっと硬ぇだろうけど、しっかり掴まってな!」
「ん」
白石は無表情で小さく頷いた後、振り落とされないように少し力を入れた。
やがて御子柴は、スラスターを上手に吹かせて地面に軟着陸した。
同時に飛行ユニットの冷却も終わり、白石は御子柴から降りる。
「ありがと」
「どーも!」
短いやり取りをして、それぞれに迫るα型を撃破すべく、直ぐに戦闘に移る。
「わ、私が抱えようと思ったのに、あんな奴に先を越させるなんて……しかもお、お姫様抱っこなんて……羨ましすぎるんですけど!!」
その二人の背後で、喚き散らしながら巨大生物に八つ当たりしてる仁科を見たが、二人は意図的に無視した。
「まったく! ダロガによる砲撃は想定して居たが、まさかあんな巨砲に撃たれるとはな! 危うく狩られる側になるところだった」
先に降下していた早坂大尉が御子柴を見つけて近寄る。
「お、スナイパーのおっちゃん! 生きてたか! レンジャーの服も結構頑丈なんだな!」
「早坂だ!! こちらは全員無事だが、我々の盾として巨砲を受け止めた栗宮少尉はどうなった?」
α型とβ型の群れが迫る。
降る酸と糸を早坂大尉はローリングで避け、ストリンガーを放つ。
一発で三体の巨大生物を貫通し、息の根を止める。
その死骸を踏みつけながら御子柴が飛び、頭上からハンドガトリング”ロデオSS”を全方位にばら撒き、弾丸の雨を降らせた。
一見適当に撃ってるように見えるが、狙いは正確だ。
その御子柴の更に頭上から、β型が跳躍して接近するが、それを早坂が見逃すはずもなく、御子柴の横を通り過ぎる頃には死骸になっていた。
御子柴は早坂の隣に着地する。
「サンキュー早坂のおっちゃん! 栗宮ならすぐ降ってくると思うぜ! ここもそこそこ綺麗になったしな!」
「それでわざわざ広範囲を攻撃するような真似を……。それと、大尉を付けろ。おっちゃんは外せ」
「えー? 注文の多い奴だなー」
「……もういい。貴様よく軍隊で生きてこれたな……」
頭痛でも起こした様子で頭を抱える早坂のそばに、栗宮が降下してきた。
「早坂大尉! ブルージャケット隊、それとペイルウイング2の二人! 怪我はありませんか!?」
「栗宮! 全員怪我ねーってよ! んな事よりお前がやべぇぞ!」
答えようとした早坂と白石に割って入るようにして御子柴が具合を聞く。
栗宮は左腕を中心に所々装甲が剥げ、見るからにもう戦闘できる様子ではなかった。
「あー、流石に左腕がイカレちまった。盾はお釈迦だし、治癒剤は打ったけど多分骨までイってるな。そのほかもまあ、見ての通りだ」
「そっか……悪ぃ。その怪我は俺のせいだ」
「ははっ! なんだよお前らしくもねぇ! お前の判断は的確だったと思うぜ。お前に言われなきゃ咄嗟に動けてたか怪しいし、そんときゃ全員まとめて吹き飛んでただろうさ!」
「分かってるけどそれでも気にすんだよ!! とにかく、お前流石にその怪我じゃもう無理だろうし、後方下がっとけ! ホントは俺も護衛してやりてーが――」
目の前の建物が倒壊する。
その後ろから現れたのは、三機のヘクトルだった。
「そうもいかねぇらしい! じゃあなッ!」
御子柴は二丁のガトリングを使い、足元の巨大生物を蹴散らしながらヘクトルに銃撃を加えていった。
それを期に、ブルージャケット隊が後方からヘクトルを狙撃。
白石と仁科が接近する巨大生物を駆逐しつつ、期を見てMONSTERを使用。
御子柴は状況を柳中尉に報告しつつ応援要請をした。
やがてスティングレイ1の柳中尉、神谷少尉、
ペイルウイング2の冷泉中尉、瀬川少尉も合流し、戦闘は激化していった。
――――
崩れたビルの傍らで、戦闘は続く。
ヘクトルの背後から接近した仁科は、マグブラスターで攻撃を加えようとするが、背中を見せたまま腕だけで仁科を狙う。
「きゃあぁ!!」
空中でヘクトルのエネルギー榴弾に直撃し、爆発する。
しかも狙いは非常に正確で、空中で更に二発、三発目が命中していく。
「こんのデカブツッ!!」
瀬川が高速で飛行し、レイピアM2の連続照射でヘクトルの腕を焼き切る。
腕を失った隙に、地上へ着地し、再び飛び上がり、本体を切り刻みに行く。
「仁科……!」
周囲の巨大生物を狩りつつ、白石が倒れた仁科に駆け寄る。
「ぅ……まだ、やれます! 私、まだ、白石少尉のお役に……」
「もう充分。仁科は充分頑張った。少しの間、休んでて」
仁科を抱えて、白石は優しい声で言った。
「白石、少尉……」
仁科は満ち足りた顔をしてそっと目を閉じた。
「死んだ?」
『死んでない!』
冷泉中尉が声を荒げてつっこむ。
『バイタルはちゃんとある! いいから仁科を抱えて後方に連れていけ!』
小隊長用のヘルメットは多機能で、部下のバイタルが表示される機能がある。
尤も、簡易的な物なので、死亡、負傷、無傷くらいしか分からないのだが。
「ん。了解」
白石は仁科を抱えて、後方に停車するキャリバン救護車輛へと飛ぶ。
『玲香~。あんたその冗談分かりにくいからやめた方が良いわよ~? あんた意外と面白い奴だっての、知ってるの少ないんだから』
「そ」
すまし顔で受け応える白石。
ふと胸に妙な感触を感じて視線を下げると。
「お、お姫様抱っこされてる……幸せ……死んでもいい……」
「落とすよ?」
本当に幸せそうな表情で白石の体のあちこちを堪能する仁科がいた。
「うっ、意識が……がくっ」
わざとらしく気絶したフリをされたが、手はもう動かなくなったので良しとする。
いやいくら治癒剤を使用したとはいえ結構瀕死なのだから、気絶してもおかしくは無いのだが。
「ふっ……ほんと変な娘……」
呆れたように少しだけ笑って、白石はキャリバンに飛び去った。
「ったくそれにしてもコイツら後ろにでも目ぇ付いてんのかしら! 狙い正確ったらありゃしないわ!!」
「胴体に一つ眼みたいなのついてんのにな! ありゃ何の意味があんだろうな!」
ビルの瓦礫を盾にした瀬川と御子柴が愚痴る。
人型という事や、胴体に眼のような赤い光点がある事から無意識のうちに背後からの攻撃を加えていたが、仁科の例もある通りどうやらまったく有効ではないようだ。
直後、隠れていた瓦礫も吹き飛ばされる。
「ああもう! ちょっとはゆっくりさせろっての!!」
瓦礫を吹き飛ばしたのは、手に円錐状の銃器を持ったヘクトルだ。
その先端から、赤色の爆発性エネルギー弾を数発発射する。
「うおっ! こっち狙いかよクソ!!」
御子柴がスラスターの機動で回避するが、それでもギリギリ被弾して衝撃で地面を転がる。
一度体制を崩せば、ヘクトルは必ず追い打ちを仕掛けてくる。
「させるものか!」
冷泉中尉が粒子ガトリング砲”イクシオン・マークⅠ”を放つ。
高い連射性能と高密度のプラズマ粒子により高い攻撃性能を持つこの銃は、ヘクトルに対しても充分有効のようだが、撃破までは少々時間がかかる。
が、攻撃によって若干狙いが逸れる。
「隙を見せたなでっかいの!」
御子柴は立ち上がる前にハンドガトリングの引き金を引き、粒子弾と実銃弾の連撃で、ヘクトルは倒れ、爆発した
「ふーっ。ペイルのねーちゃん助かったぜ!」
「……それは、まさかとは思うがもしかして私の事を指して言っているのか……?」
気安すぎる御子柴に対して、冷泉中尉が顔面を引きつらせる。
「おっと! やっぱウイングダイバーはおっかねぇな! 冷泉中尉、助かりましたよっと!」
「それでも微妙に癇に障るのだが……まあいい。まだ動けるな?」
「おおよ! まだまだ暴れんぜ!!」
ひゃっほう! と叫びながら、御子柴はヘクトルの足元に居る巨大生物を駆逐しに行った。
「すまんな冷泉中尉。かなり失礼な奴だが、あれでも腕は立つ。俺の教育不足でもあるんだが……許してくれ」
ガリオン軽量機関砲で弾幕を張りながら、柳中尉が謝罪する。
「……いや。気に病むな、柳中尉。どんな奴かは大体分かった。むしろ心中察するよ。貴様も苦労したんだな」
その冷泉中尉の脇を高速で通り抜けて、「アタシを置いてそんな大暴れなんて羨ましいじゃない! アタシも混ぜなさいよ!!」と言って瀬川が突撃する。
「ああ、なるほど。苦労はお互い様か……」
ウイングダイバー一の突撃じゃじゃ馬娘として、実は瀬川もそこそこ有名だったりする。
『ああああ! 御子柴君! その暴れっぷり最高なんですけど!! そんなにカッコいい動きある!? あああ惚れるわ!! ちょっと! そこのウイングダイバー邪魔なんですけど!!』
『木崎曹長……。言い難いんだが、その、無線ONになってるぞ』
『え……。ぎゃああぁぁぁぁ! なし! 今の無しで!! 恥ずかしすぎるんですけど!!』
『ふふ~ん。ブルージャケットの木崎曹長~? ちょっと後でお話があるんだけどいいかしら~?』
「……皆、苦労しているようだな」
「……そうだな。まあきっと、悪い奴じゃあないんだが、色々と、な!」
何となく脱力した冷泉中尉と柳中尉にヘクトルが機関銃を向ける。
腕に直接装着されているそれは、ダロガの触覚や円錐型の銃に比べると最も人類が使用する銃器に酷似していた。
そこから放たれるのは、青白い謎のエネルギー弾だが、その破壊力はフェンサーの盾ならば充分防ぎきれる程度だ。
「助かる、柳中尉!」
「ふん、その程度! フェンサーの防御力には効かん! 神谷、行けるか!?」
「イエッサー!!」
神谷がスラスターを水平噴射し、武器をハンドキャノンに切り替えて砲撃する。
ヘクトルは、攻撃を加えた神谷を認識し、片手に装備したエネルギー榴弾を発射する。
「くそ、しっかり狙ってきやがるな!!」
エネルギー榴弾もなんとか盾で防げているが、攻撃の激しさに反撃が上手く行かない。
盾の耐久度も確実に減っていくので、長くは持たないだろう。
『援護します!!』
ブルージャケットの女性兵士、木崎曹長の声が無線で聞こえた。
同時にライサンダーの発砲音が響き、神谷の目の前のヘクトルは撃破された。
「助かった! ……まずい! 砲撃型のヘクトルだ! デカいのが来るぞォ!!」
神谷が気付くのと同時に、遠距離から放物線を描いてプラズマ砲弾が飛んでくる。
軌道から着弾地点を予想して、皆が一斉に距離をとる。
数秒後、その場所は地面が抉られる程の爆発に覆われた。
「なんて火力だ!! 御子柴、神谷! 無事か!?」
柳中尉が呼びかける。
「こっちは無事だぜ! しっかしすげぇ威力だな!」
「御子柴と同じく。こんなのを栗宮一人に防がせたのか……。あいつには同情を禁じ得ないな」
二人は何とか無事のようだった。
『冷泉より白石! そっちの状況は!?』
『こちら白石。今送り届けたところです』
『市街地外れの砲撃型ヘクトル、そっちから見えるか!?』
『今、確認しました。撃ちます』
白石が言い終わった瞬間、後方からレーザーが瞬間照射され、遠方に居た砲撃型ヘクトルは撃破された。
『早坂大尉! 左翼から新たな敵影向かってます! ダロガ2、ヘクトル3です!』
『了解した! 狙撃で対応できるか!?』
木崎曹長から早坂大尉に無線が来る。
『なんとかやってみますが……ライサンダーの残弾、残り少ないです!』
『分かった、無茶はするなよ!?』
『サー! イエッサー!』
これまでライサンダーの狙撃によって抗えていた状況が徐々に厳しくなっていた。
「冷泉中尉。ウイングダイバーから見て、あのヘクトルの相手はどうだ?」
早坂大尉は冷泉中尉を見つけて声を掛けた。
「正直、相性が悪いですね。ヘクトルは近距離での捕捉能力が高い。我々ウイングダイバーの機動力を以てしても攻撃を完全に避ける事は難しいです。遠距離から攻めたいところですが、我々ウイングダイバーはそもそも中近距離の機動戦を想定された兵科です。白石少尉のMONSTERのような例外的な装備もあるにはありますが」
ウイングダイバーにも狙撃用のレーザーライフルはあるが、出力が低かったりMONSTERのような極端な熱量を出したり、距離減衰が起こり威力が期待できなかったりあまり戦力としては嬉しくないものが多い。
そもそも、兵科のコンセプトと合致していないのだ。
「なら、そこは俺達の出番だな」
柳中尉が割って入る。
「俺の見解だと、このヘクトルってのは恐らく対人用の兵器だと思う。捕捉能力は高いが、装甲も攻撃もダロガ程じゃない。さっきのエネルギー砲弾は危険だが、それを除けば盾で十分に防げると見た。そこで提案なんだが、ヘクトルは俺と神谷少尉で盾を張って防ぐから、巨大生物をペイル2、後方からの狙撃をブルージャケットにお願いしたい。どうでしょう、早坂大尉」
問われた早坂大尉は、柳中尉の提案に頷きながらも厳しい顔をする。
「なるほど。いい作戦だが、あいにく数人負傷離脱している上に、ライサンダーの弾丸も残り少ない。ストリンガーでもいいが撃破は容易くはないな。それに予定通りなら作戦は間も無く次の段階に進むはずだ。ここは放棄して、一旦他部隊と合流した方が良いだろう。俺達でも対応できてるヘクトルなら、機甲部隊が居れば状況は楽になるはずだ」
「了解! 布陣通りなら500mほど先にレンジャー6、その奥に戦車隊が居るはずです。行きましょう。殿は我々にお任せを!」
柳中尉のその言葉で、大方の方針は決まったようだ。
「よし、頼んだ。ほんの500mだが油断はするな! ペイル2! 道を切り開いてくれ! 後ろから援護する!」
「了解!! 行くぞ瀬川! 一番槍だ!」
「やったー! 得意分野ですぅ! そーれそれ切り刻むわよ!!」
早坂大尉の命令で、ペイル2の冷泉中尉が前進し、瀬川がレイピア片手に巨大生物の群れに突撃する。
無論、無策の突撃ではない。部隊の進行を妨げる個体を選んで優先的に刻んでいる。
「さて、こっちにも集まって来たな……。神谷、御子柴!」
柳中尉の一声で、両脇に神谷と御子柴が戻って来た。
「話は聞きました。殿はフェンサーの役目です。御子柴! やるぞ!」
「おーよ! 寄ってくる奴ぁ全部纏めてミンチにしてやんぜ! 蟻んこ一匹通しゃしねぇ!」
神谷がデクスター自動散弾銃と右肩の散弾迫撃砲、
御子柴が二丁ハンドガトリング砲ロデオSSと両肩の重迫撃砲を構え、向かう敵に攻撃を開始する。
「御子柴! それは無理だ! 数体の取り零しは見逃して、集団の八割殲滅を――」
神谷がヘクトルの機銃を盾で防御しつつ、散弾迫撃砲を発射。
「だー! 気分だよ気分! お前ホンット冗談っつーかノリが通じねぇな! そんな真面目に生きてて楽しいの?」
御子柴は神谷を狙ったヘクトルに、至近距離で重迫撃砲を直撃させ、その反動で距離を取る。
背後を狙っていたβ型は柳中尉が人知れずガリオン軽量機関砲で処理していた。
「うるさい! 四六時中不真面目な君と違って俺には常識ってのがあるんだよ! それに俺だって冗談くらい言ったりする!」
「えー? お前がぁ? 聞いたことないぜ! なら今なんか言ってみろよ? ほら? なんか言えよーー!」
立ち位置を入れ替え、近距離でデクスター、中距離からロデオSSを浴びせ、ヘクトル一機と周囲の巨大生物を一掃する。
「……御子柴、抑え役の栗宮が居ないからって勝手するな。神谷は御子柴の言う事をあまり真に受けるな。とにかく他部隊にあんまり恥ずかしい所を見せるんじゃないよもう」
最後は愚痴っぽくなりながら、ガリオンの装填を済ます柳。
その背後には、神谷と御子柴を抜けて通った巨大生物の死骸が重なっていた。
早坂達の移動は順調に進み、数分後には無事合流を果たし、ダロガ、ヘクトル、巨大生物の群れに対しなんとか戦果を挙げていた。
しかし同時に、東京のインセクトハイヴから飛び立ったある集団が、この戦域に侵入を開始していた。
「ねえみんな、空を見て! 何かいるわ!」
木崎曹長の声で皆が空を仰ぐと、そこにあったのは無数の黒い点。
「おい、あれってまさか作戦で言ってた……」
「……ああ。ついにお出ましか。空飛ぶ獲物とは腕が鳴る!」
早坂大尉の睨みつける先には、以前からインセクトハイヴ周辺に確認されていた巨大生物の新種、
侵略性巨大外来生物
さて、今度は蜂です!
今まで敵主力がα型、亜種、β型、ダロガ、ガンシップくらいしかいなかったのでここらへんで増やしていきます。
所で、名前がγ型になっているのですが、ゲーム中でγ型と言えばあのダンゴムシ。
でもなんかアレかっこ悪いと言うか……いまいち話に生かしきれそうにないのでこの世界から存在を抹消しましたw
ホントなら蜂は飛行型と呼ばれるのですが、折角だしお揃いでギリシャ文字付けてあげたいなと思い、
蟻型・α型
蜘蛛型・β型
蜂型・γ型
のように大まかな特徴で分類出来るように名前を付けました。
それぞれに亜種や大型種もいますし丁度いいかなと。
地球防衛軍5やってた方からすれば違和感しかないと思うんですが、そこはまあ慣れてくださいって事でw