全地球防衛戦争―EDF戦記―   作:スピオトフォズ

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長すぎて分割する事になりました。
まさかこんなボリュームになるとは。


幕間1 安藤和真(Ⅰ)

 2023年2月6日、厚木市撤退戦。

 その最中になし崩し的にコンバットフレーム・ニクスに搭乗して戦った安藤和真という民間人の少年は、戦闘後意識を失い、すぐに緊急搬送された。

 

 三日後、2月9日夕刻。

 安藤少年は大阪のEDF軍病院にて目を覚ます。

 

「うーん……、? ここは……」

 

 彼が目覚めた場所は廊下の端だった。

 

「首いってぇ……」

 

 よくない姿勢で乱雑に置かれたせいで体の節々が痛く、自分をこんな場所に寝かせた奴に文句を叩きつけてやりたいと思ったが、少し耳を傾け、周囲を見やるだけでその考えは消え失せた。

 

「307号室のB、心肺停止! 電気ショック機器を運べ!」

 

「治癒剤中毒者の人工透析器は余ってるか!? ないならこっちに回せ! 軽傷者が優先だ!」

 

「輸血用パック足りません! 補給はまだですか!? このままでは」

 

「今他県の各病院に問い合わせてる! 前線の方に重傷者が多いから、都合付けてくれるは分からんがな」

 

「またEDFのヘリが来たぞ!! 負傷者がたんまりだ!」

 

「追い返すわけにもいかんとはいえ、もうこっちに空きはないぞ……! とにかく元気そうなやつを叩き出して別の建物へ移せ!」

 

 周囲は緊迫に包まれ、少なくとも自分の首の痛みなどどうでもなくなるような余裕のない状況にある事は分かった。

 

「よう。やっとお目覚めかい? ボウズ」

 

 和真は、隣にいた負傷兵に声を掛けられた。

 彼もまた、一見軽傷に見えたが、服の下には血に滲んだ包帯が腹に巻かれているのが見えた。

 

「あ、はい……」

 

 煙草を咥える強面のおっさんの顔と、痛そうな包帯と、大して怪我もしてないのにここにいるバツの悪さがいたたまれなくなって、まともな反応が出来ない和真。

 

「なら寝腐ってねぇでとっとと戦場に戻りな。ビビってんのか知らねぇが、ここは怪我もしてねぇ奴を寝かせる場所じゃねぇ。こんな廊下の隅でも今は一人でも多く寝かせる場所がいるんだ。保坂のクソのお気に入りか知らんが、その呑気な寝顔を見るだけでも不愉快だ。なんならオレがボコボコにブン殴って怪我させてやろうか?」

 

 起きるなり、散々な暴言を吐かれ、困惑よりも理不尽に対する怒りが和真を襲った。

 

「な、なに……! 目覚めたばっかで意味分かんねぇこと言うなオッサン! こっちは気絶して訳も分からずここに運ばれただけだっての! それに俺は戦場になんて戻らねぇ! こっちは民間人……あれ?」

 

 言いかけて、自分の来ていた服が軍服になっているのに気付く。

 

「その軍服、コンバットフレーム乗りのだろ。大方戦場が怖くて敵を前に失神でもしたか? で、衛生兵に無理やり運ばれてここにか。まぁ保坂のクソが関わってんなら妙な話も納得だが、アンタのせいでオレの部下は寒空の下へ爪弾きだ。よかったな? 建物の中でゆっくり眠れてよぉ」

 

 コンバットフレームパイロットの軍服。

 それはEDFから盗んだ教本とかに乗っていたのを覚えている。

 まさに憧れの制服だったが、今は余計に話をややこしくしているこの服が憎い。

 

「いや待て待て! オレは軍人じゃないしEDFでもないって! たまたま拾ったコンバットフレームに乗って敵と戦ったけど、そんなのもうごめんだって! 文句があるならオレをここに運んだ保坂って人に言ってくれよ!」

 

 酷い誤解を受けているようなので必死に弁明する。

 

「ソイツがここにいねぇからお前に言ってるんだろうが! だいたい民間人がコンバットフレームに乗って戦ったとか、ウソはもっと真面目に考えるんだな!」

 

 民間人がコンバットフレーム乗って戦うなど、常識的にとても信じられる話ではない。

 安藤和真は、目の前の負傷兵に対し一層の信用度を失った。

 

「嘘じゃねぇって! 真面目に聞いてないのはあんただろ!? 俺は厚木市で、突然巨大生物が襲ってきて逃げてるときにコンバットフレームがあったから乗ったんだよ! 操縦は……、い、EDFの知り合いから教わったんだ。それで、保坂誠也って人に会って、なんだっけ……、そう、”好きなものを奪ったあいつらに復讐しろ”って言われて、それで――」

 

 操縦に関して、恐らくEDF兵士である負傷兵に、教本を盗んだ事を明かしたくなくて、とっさに口ごもる安藤。

 同時に、”好きだった”家族を失った喪失感、敵の恐怖、そして保坂誠也の言葉が引き金とはいえ、コンバットフレームを乗り回す楽しさで、失った両親の事や妹の生死を考えなかった自分に対する罪悪感で手が震え、動機が激しくなる。

 

「手が震えてるぜ? 逃亡兵さんよ。根性なしの癖に、ペラペラと薄っぺらい嘘で誤魔化すんじゃねぇよ! てめぇみたいなのが居るから厚木も取られたんだろうがよ!」

 

「オレは、逃げてなんかない!! そもそも兵隊じゃないって言ってるだろ! ちゃんと話を聞けよクソ軍人!! だいたいあんたこそここにいる割に元気そうじゃんか! その程度の怪我でこんなとこで休んでるのかよ!! あんたたちがちゃんと護ってくれなかったから俺の両親は……、家族は!!」

 

 売り言葉に買い言葉。

 大人の余裕なのか、負傷兵の方は冷静に和真を貶すのに対し、いろんな意味で余裕のない和真は思考が熱くなる。

 

「死んだとしたら、ソイツは俺じゃなくてテメェの責任だろ。こっちに擦り付けるな、ガキ」

 

「なんだとぉぉぉ!!」

 

 和真は病院内であるにも関わらず、頭に血が上って負傷兵を殴りつけた。

 だが、負傷しているとはいえ鍛えている軍人に対してはあまりにも非力な一撃で、顔面を打ったにも抱え割らずビクともしない。

 

「な……!?」

 

「ん……? 待て、てめぇホントに軍人か……?」

 

 非力な一撃に対し両者に疑問が生じた瞬間、

 

「待ちなさーい!! ここは病院ですよ!? 斯波さん、なにやってるんですか!!」

 

 EDFの衛生兵いや、旧大阪総合医療センターの女性看護師が大慌てで止めに入った。

 

「よぉ香織チャン! 今日もカワイイねぇ」

 

「もう、茶化さないでください! また喧嘩ですか? 怪我人なんだから、大人しくしててください! 煙草も駄目ですよ」

 

「別に廊下なんだからいいじゃねぇかよ」

 

 何度か注意された仲なのか、斯波と呼ばれた負傷兵は軽妙な態度を取り、香織と呼ばれた看護師は適度にあしらいつつ煙草を没収する。

 

 そう、方や梶川大尉指揮下の第26フラウンダー中隊、フラウンダー6指揮官、斯波遼平中尉であり、

 方やレンジャー2新垣巌兵長の姉であり、水原亮介の想い人である、EDF軍病院に勤務する看護師の新垣香織だ。

 

「あと貴方も。何を言われたか知らないけれど、腹が立ったからって殴ったりしたらだめよ? そこの碌でもない大人になっちゃうんだから……あら? 貴方保坂さんの言ってた……」

 

 注意の途中、ふと気づく新垣香織。

 和真は当然覚えていないが、彼女が保坂少佐から話を聞いて、彼をここへ運んできたうちの一人だった。

 

「あ、はい、安藤和真といいます。民間人なんですけど、成り行きでコンバットフレームで……」

 

 美人にあまり耐性のなかった和真は、少し緊張しながら話す。

 今までコンバットフレームにしか目が無かったとはいえ、女性にも少しは興味があるものである。

 

「話は少しだけ保坂さんから聞いています。大変だったでしょうけど、ええと、まずこちらの方に会って話を――」

 

「いや待ってくれ! コイツホントに民間人なのか!? 確かによく見れば顔もやたら幼いように見えるが……、お前、いくつだ?」

 

 二人のやり取りに驚きを隠せない斯波中尉。

 どうやら本気で前線から逃げ出してショックで戦えない兵士だと思っていたらしい。

 

「17だよ。確かにそこから説明すればよかったかもな……」

 

「17!? オレの息子とタメじゃねぇか!! ぎゃははは! そりゃあ悪かった! いやてっきりショックで倒れた新兵か脱走兵だと思ってよ! ちょいと元気付けようとしてからかってたって訳だ!」

 

 先ほどの険悪な雰囲気からは想像もつかない程下品に笑いだす斯波。

 

「アレがからかってたって……!? 冗談だろ……。ていうか、アンタ息子いるのか……」

 

「おう! ブタ箱にブチ込まれて離婚してから顔も見てねぇがな!」

 

「犯罪者かよ……最低すぎる……」

 

 少し斯波の事を知っただけでげんなりする和真。

 軍人というのは、やはり碌な奴がいないと辟易する。

 

「和真くん? あんまりこの人のいう事真に受けちゃだめよ? あ、捕まったのは本当らしいんだけど、なおさらね?」

 

「そこは真に受けたくないところっすね……」

 

 EDFは地球規模の防衛戦闘を目的とする組織だ。

 当然、大規模な兵員を集めなければならない。

 特に、EDF発足初期はフォーリナーの侵略に対し、一刻も早く体制を整える事が求められた。

 

 その為、即戦力である各国現役兵士、退役軍人、プロパガンダに誘われた若者、高給高待遇を得るための貧民層や家庭持ち、各種専門技能者など、純粋な志願兵の他、あらゆる人材を方々からやや強引に収集した。

 

 犯罪歴ありで職に困る前科者たちを積極的に入隊させたのもその一環だ。

 当初EDF総司令部が決めたこの採用基準に、日本を始め治安の良い国では猛反発があったのだが、総司令部の決定により無視された。

 この各国情勢を無視した強引な意思決定方法も、いわゆる”反EDF思想”を根付かせる要因の一つだ。

 

「ま、ココの空きが少ないのは確かだろ。民間人だってんならとっとと避難所でも何でも行っとくれや、じゃぁなクソガキ」

 

 斯波は後ろを向いて寝転がり、手をひらひらさせて興味無さそうにする。

 

「けっ! じゃあなクソオヤジ! 次からはからかってんの分かるようにしろよ! もう二度と会いたくねぇけど!!」

 

 言って和真も、新垣香織と歩き出す。

 

――――

 

「で、えっとなんです? 人に会って手続き……、真田明少佐……? えっこの人EDFの軍人じゃないですか!? どういうことです!?」

 

 新垣香織から渡された書類を見て、安藤少年は動揺する。

 まさか、コンバットフレームを勝手に使った懲罰を下されるのだろうか。

 

 確かに、軍の乗り物を勝手に使ってはいけないのは冷静に考えれば簡単だ。

 ちょっと和真の意識する範囲に落とすと、勝手に道に停まっているパトカーを乗り回すようなものだ。

 

 だが和真をここへ連れてきた保坂少佐という人は、それも許容してくれたように見えた。

 いや、なんかあの嘘くさい笑みは信用ならない。

 自らの保身のために平気で人を売るような顔だ、あれは。

 

「書類にも書いてあるけど……その、貴方にはここで、EDF入隊の手続きをしてもらう。そう保坂さんからは聞いているわ」

 

「EDF入隊!? ちょっと待ってください! オレは、そんなつもりじゃないんですよ!? ただ目の前にコンバットフレームがあったから、仕方なく……!」

 

 EDF入隊。

 その考えは無いではなかった。

 しかしただコンバットフレームに乗りたいだけの自分に軍隊が務まるとは思えないし、敵を想像しただけで、両親と妹の最後の顔が浮かぶ。

 

 ……考えられない。

 安藤少年は本当にただコンバットフレームが好きなだけで、やはり敵と戦いたいわけではないし、命を懸けて何かを守る程の何かもそういう気概も持っていない根性なしだ。

 

 きっとすぐ、さっきの斯波が言っていたように脱走兵になってしまうだろう。

 そういう意味では、彼はある意味正鵠を射ていたともいえる。

 

「落ち着いて。分かっているわ。できれば連れてきて欲しいと言われているけれど、強制じゃないわ。それに、そんな事よりもまず、家族と会いたいでしょう?」

 

 香織は見るも者を安堵させるような、微笑みを浮かべる。

 

「えっ!? じゃあ桂里奈は、えっと、妹は生きてるんですか!?」

 

「ええ、無事よ。詳しくは本人に聞いて欲しいのだけれど、貴方がコンバットフレームで敵を引き付けてくれたおかげで、結果的に助かったと言っていたわね」

 

「そっか……、よかった……、うっ……」

 

 思わず視界が滲み、目元を押さえる。

 斯波とのやり取りで意識する間も無かったが、和真は、妹が死んだと思っていた。

 無理もない。

 最後に見たのは、混乱の最中必死に手を伸ばす姿。

 その手を掴む事叶わず、それきりだったのだから。

 

「よかった……、本当に良かったです……。でも、オレは、くそっ、酷い勘違いを……!」

 

 だが、そうやって勝手に死んだと思って見切りをつけていた自分が、途端に情けなくなって別の涙が零れる。

 

「……よしよし。大丈夫よ」

 

 避難所への道で、突然泣き出す安藤少年を、香織は優しく頭を撫でた。

 

「何があったか、聞いてもいいかしら?」

 

 その言葉で、安藤少年の溜めていた感情が溢れ出す。

 

「オレ……。あの時混乱してて、親父も母さんも奴らに殺されて、EDFも頑張ったけど駄目で、本当に死ぬって思ったんです。でもそのせいで、妹の伸ばした手を掴んでやる事が出来なくて……。そんな自分にカッとなって、一人で暴れてたんです……。そのお陰で、結果的には助かったっては言えますけど……。あの時オレは、妹が、もう殺されたと思ってたんです……」

 

 意図して言った訳ではないだろうが、先ほどの香織の”結果的に”という言葉が、和真に重く圧し掛かる。

 

 そう、結果的にだ。

 あの時和真は、両親を失ったショックとコンバットフレームの存在、迫りくる死の恐怖と緊張、そして守ってくれなかったEDFと、守ってやれなかった自分に対しての怒りでいっぱいになっていた。

 

 そうした精神的な要因で自分を追い込んで、妹の事を忘れてしまっていたのだ。

 生きていると信じ、守ってやると傍にいる事を放棄して、ただただコンバットフレームを操る快楽に溺れてしまったのだ。

 その間妹は、ただただ恐怖の中、逃げ惑うしかなかったというのに。

 

 自分は、なんて弱くて薄情な人間なのだろうと思わずには居られなかった。

 

「お兄さんとして、後悔しているのかしら?」

 

「……はい。自分が情けなくって。兄として、最後まで見てやるべきだったのに……」

 

 それを自分で、勝手に放棄した。

 

「それでも。妹の桂里奈さんは元気にしているわ。貴方も、妹さんも無事だった。まだ次はあるのよ。情けないと思うのなら、今度はちゃんと妹さんを守ってあげなさい。……もう家族は、貴方しかいないのだからね」

 

 ……そうだ。

 今はただ、妹の無事を喜べばいい。

 そして次に繋げる事だ。

 この体たらくな挙句、妹の無事を素直に喜べないままなら、それ以上の醜態になる。

 

 頼りない兄として例え見限られたとしても、唯一の肉親として今度は護り抜ける存在にならなければいけない。

 生きていれば、きっと何とでも次に繋げられるはずだ。

 

 消えない後悔を押しとどめ、和真はひとまず無事を喜ぶ事を意識した。

 

「……はい! 話、聞いてくれてありがとうございます!」

 

 持ち前の能天気さを取り戻し、気を楽にして、妹に会おうと、安藤少年は足取りを軽くした。

 

 

――静岡県 富士市市役所 EDF第四師団司令部――

 

 

 厚木市を拠点としていたEDF第四師団は、その戦力の半数を失いつつ静岡県富士市に司令部を移動し、部隊再編制の指揮を執っていた。

 

 そこに呼び出されたのは、第2エアレイダー小隊所属エアレイダーの、保坂誠也少佐。

 

「……保坂少佐。これは本当か? 本当にこんなことが可能なのか?」

 

 報告書を読み、未だ信じられないという顔をするのは師団長の上杉少将。

 

「私もそう思いますけどねぇ。実際この目で見ましたから。それに、データリンクのログは嘘をつきませんよ」

 

 その報告書は、コンバットフレームを乗り回した民間人、安藤和真に関するものだ。

 彼はデータリンク機能をオフにしていたが、周囲のEDFからは未確認機としてしっかり記録されていた。

 その場所の巨大生物が、一掃されていく記録が残っている。

 

「考えられない。が、事実なら彼は相当コンバットフレームの操縦に熟知している事になる。一体どこでこれほどの操縦技術を?」

 

 彼の操縦技術は、EDFコンバットフレーム部隊の正規パイロットにも全く引けを取らないものだ。

 単騎であるという事を考えれば、或いはそれ以上。

 

「さあ? 詳しく尋問する暇も無かったもので。ですが推察するに、どこかで教本か何かを盗んでそれを頭に叩き込んでいたとか?」

 

「馬鹿な……。実機訓練も無しにそれはあり得ない」

 

 飄々とした笑みで予想を話す保坂少佐と、それを真顔で聞く上杉少将。

 本来の少佐と少将の間の会話にしてはラフすぎるが、二人の間にはそれ以上の信頼関係があるし、元々保坂はそういう男だ。

 

「そうでしょうかねぇ? 時に人は常人を軽く超える強さを見せるもんですよ。その原動力が自分の趣味の時とかねぇ……」

 

 彼との短い会話で、保坂はそう当たりを付ける。

 それでも並外れた才能と言うに他ないが、不可能だと割り切ることは出来ない。

 

「うむぅ……。とにかく操縦技術に優れるならば是非ともEDFに入ってもらいたい。この戦況だ。あれほどの戦力を逃す事は考えられない」

 

「そうですね……。少なくとも戦術単位では極めて大きな戦力でしょう。まぁ、そう考えるしかないと思っていたので、既に手は打ってあります」

 

 保坂は上杉に、新たな書類を渡す。

 ほぼ独断専行ではあるが、上杉も特に咎めはしない。

 

「……大阪軍病院に連れて行って、そこでそのまま入隊か。些か強引だな。安藤とやらが拒否した場合は?」

 

 大阪を選んだ理由はいくつかある。

 あそこは京都臨時政府の背後に位置する為、突然襲撃を受ける可能性は低い。

 要衝でもある為、あの近辺の守りは厳重だ。

 フォーリナー戦争において完全に安全な場所は存在しないと言えるが、その中でも危険は少ないとみている。

 

 更に大阪・神戸をまたぐ位置に極東最大のEDF兵器工廠、EDF極東第一工廠がある。

 当然、コンバットフレームの大規模な製造ラインも存在しているし、それを動作確認・点検する広大な敷地もある。

 

 安藤和真は16歳だ。

 EDFで正規採用可能な18歳に満たない為、公の目を避けて訓練・育成する為にはちょうどいい隠れ蓑になる。

 

「まぁ、無理にでも入ってもらう手は幾らでもありますが、士気のない兵士は役に立ちませんからねぇ。ただまぁ、心配いりませんよ。たとえそこで断ったとしても、彼はいずれEDFに必ず入ります。我々は、その準備を万全に整えるだけですよ」

 

 保坂は、確信をもって安藤の事を話した。

 その自信は他者にとっては曖昧なものだが、上杉は彼を信頼し、引き続きこのことを一任する事に決定した。 

 




何という事だ……。
長すぎて幕間を分割する事になってしまった。
意図しての事じゃないんですが、民間人→軍人の役割が完全に彼になってしまいましたね。
一応EDF5準拠のはずなのにハチャメチャですいません……。

でもねコレ、書いててメッチャ楽しいんですよ。
戦闘以外の話は出だしは結構悩むし、これ過去話なんですり合わせとか結構めんどくさかったんですが、いざノってくると楽しいのなんの。

特に自分が適当に考えた設定や伏線っぽい何かを組み合わせてそれっぽくなった時キター!!これだわ!!
ってはしゃいでますね、一人で。

まぁ相変わらず他人が見て面白いかは自身ないですがね!

という訳で一応人物紹介します!


斯波遼平(しば りょうへい)(34)
 第26フラウンダー中隊、フラウンダー6指揮官。
 階級は中尉。
 厚木撤退戦で負傷し、大阪のEDF軍病院に後送。
 ルールや法を守らず、他人にちょっかい出したり割と碌でもない軍人。
 金に汚く、暴行傷害と窃盗で一度逮捕され、その時に離婚した嫁と子供がいる。
 が、曲がりなりにも小隊長を務める程度は人望と実力がある。

新垣香織(あらがき かおり)(29)
 大阪のEDF軍病院に勤める看護師。
 元大阪総合医療センターの看護師で、建物がEDFに接収されて軍病院に変わったとも務めている。
 レンジャ-2-1分隊員、新垣巌の姉。
 弟の方は筋肉モリモリで厳つい笑顔を浮かべる奇人だが、姉の方は普通に美人で看護師が天職に思える程献身的。
 患者一人一人に親身になる為か、どちらかというと患者の精神をケアしたり案内やサポートをする補助的な役割を務める事が多い。
 その容姿と性格から、既婚者でも全くおかしくないのだが、男運が無さ過ぎて未だ独身。
 
●上杉少将(58)
 厚木市に拠点を置いていたEDF第四師団を纏める師団長。
 厚木市が壊滅してからは静岡県に拠点を移動。
 エアレイダー保坂少佐とは、階級を無視した個人的な信頼関係にある。
 その関係は榊中将と荒瀬軍曹に近いが、その内容はよりグレーに近く、二人の正確な関係性は見えない。
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