全地球防衛戦争―EDF戦記―   作:スピオトフォズ

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幕間2 北米戦線①:フィラデルフィア攻防戦

 ――2022年7月11日。

 世界同時多発的にフォーリナーの侵攻が開始された。

 衛星軌道上に現れたフォーリナーは、超巨大球体型母艦”マザーシップ”を中心に、浮遊空母”レイドシップ”凡そ千隻以上とみられる衛星軌道上の大艦隊”地球侵略艦隊”を形成し、その一部を地球各地に降下させた。

 同時にマザーシップは降下転送装置”レイドアンカー”を射出し、地球の人口密集地や軍事基地目掛けて激突させた。

 

 ワシントンD.C.、ニューヨーク、ボストンを含む東海岸、

 ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルを含む西海岸、

 その他ヒューストン、マイアミ、デンバー、シカゴなどアメリカを代表する大都市に、レイドアンカーが降り注ぐ。

 都市の一部は落下の衝撃で破壊され、そこから更に未知の怪物……のちに、侵略性巨大外来生物と呼称される巨大な蟻に酷似した怪物が、アメリカ国民を殺戮する。

 即座に、アメリカ軍、各地の州軍、そしてEDF北米方面総軍が即応態勢で出動した。

 

 一方その頃日本では、マザーシップのジェノサイドキャノンによる大爆撃が行われ、首都東京が灰塵と化していた。

 フォーリナーは”害虫”による侵略のみならず、核兵器にも匹敵する圧倒的な兵器を保有している事が判明し、地球人類は戦慄した。

 

 ――7月12日。

 日本での爆撃後、マザーシップを中心とする侵略艦隊は太平洋を東進し、アメリカへ向かった。

 緊急的に展開可能だったアメリカ海軍太平洋艦隊が阻止砲撃を行うも、マザーシップ艦隊はこれを突破し、アメリカ西海岸へと上陸した。

 カリフォルニア州ハンボルト群ユーレカへ上陸したマザーシップ艦隊は、艦隊を構成するレイドシップから巨大生物を投下し、ユーレカを黒い影で覆い尽くした。

 世界で最も高くなる樹で知られるコースト・レッドウッドの原生林や、歴史的価値のあるビクトリア様式建築物は、無残にも巨大生物に食い荒らされた上、更なる被害を抑える為としてEDF・米陸陸海空軍の砲爆撃に晒され、町は跡形も無く消滅した。

 

 しかしその悲劇は、アメリカ全土から見てもほんの一部に過ぎない。

 

 マザーシップ艦隊はアメリカ大陸を東西に横断する形で東進し、その道中で巨大生物を頻繁に投下した。

 ユタ州ソルトレークシティ、コロラド州デンバー、ミズーリ州カンザスシティ、セントルイス、インディアナ州インディアナポリス、オハイア州コロンバス、ペンシルベニア州ピッツバーグ。

 以上のアメリカ中央部に位置する大都市の中をマザーシップ艦隊は西から東へ横断し、その全てに巨大生物を一定数投下した。

 アメリカ空軍、EDF北米空軍はマザーシップ侵略の阻止を全力で行ったが、その全ては(ことごと)く失敗し、都市への巨大生物投下を許した。

 しかしレイドシップは飽くまで都市を通過し、その場に留まる事は無かった為、都市住民への少なくない被害を出しながらも、EDFと米軍は連携して巨大生物の殲滅に成功した。

 

 これらの襲撃は全て同日中に起こっており、通常であれば対処不可能だが、アメリカ軍とEDF北米軍の過剰な戦力保持がこれの撃退を可能にした。

 本来なら海外に展開する能力を持つアメリカ海兵隊の一部や、アメリカ特殊作戦軍もフル活動し、一夜にしてアメリカ全土を軍隊が行き交った。

 

 しかし、目下最大の危機は都市へ投下された巨大生物ではなく、東進を続けるマザーシップである。

 ペンシルベニア州ピッツバーグを通り過ぎたマザーシップの最終目的予測は二か所。

 すなわち、アメリカ最大の都市であり、世界経済の中心地であるニューヨーク。

 そしてアメリカ合衆国首都ワシントンD.C.のどちらか、または双方二か所であると予想された。

 

 パニックを起こし、大脱出が始まる二都市だったが、人口の多さとあまりにも短い時間がそれを許さず、マザーシップは巨大都市ニューヨークの上空に移動した。

 マザーシップは、神々しいまでに赤く輝く巨大砲台を展開し、人々の足を止めた。

 彼らは理解してしまったのだ。

 もはや、異文明の裁きから逃れることなど不可能だという事を。

 

 巨大砲台――ジェノサイドキャノンは恐ろしいまでの熱波を放ち、直後、光は極大点に達し、戦略核攻撃を上回るエネルギーが地上に放たれた。

 ニューヨーク市民900万人以上が一瞬にして焼却され、ニューヨーク全域が灰塵と化した。

 中心部は蒸発し、巨大なクレーターが形成される。

 ニューヨーク市に存在したEDFの上位組織である国連本部を含む、多くの政府機関や施設、そして文化が消滅した。

 

 マザーシップは大爆撃を終えると、ごく近いアメリカ合衆国首都ワシントンD.C.には目もくれず再び東進。

 大西洋を渡りイギリス首都ロンドンに爆撃を加え、以後ロシア連邦首都モスクワ・中国の大都市上海・オーストラリアの大都市シドニーの順に次々と爆撃を行い、その後南米大陸へ侵攻するも、巨大生物の投下以外目立った攻撃は行わず、中南米カリブ海中央の海上50mにて突如制止した。

 

 ――7月13日。

 凄惨な大爆撃の翌日。

 マザーシップ艦隊から分離したレイドシップ船団は、大きく分けて三方向に分散した。

 一つはニューヨーク南西120kmの世界的大都市、ペンシルベニア州フィラデルフィア方面。

 一つはニューヨーク中心街東方に伸びるロングアイランド島方面。

 そして三方面のうち最大勢力が、ニューヨーク市より北東100kmにあるコネチカット州ニューヘイブンに向けて侵攻を開始した。

 

 ――7月14日。

 EDFは、軍事政策を司る最高機関であった国連本部EDF統制理事会を失った為、政治的判断を含めた全ての権限を、南極のEDF総司令部に移行した。

 正確には、移行せざるを得なかったという他ない。

 破滅的な地球侵略が始まった今、政治的・軍事的判断に空白が出来る事態は致命的な結果を生み出す恐れがあり、迅速に組織的な対応が出来るのはEDF南極総司令部を於いて他に居なかった。

 その結果、EDFは地球防衛に対し議会の採決を待つことなく迅速に行動を行う事が出来、”防衛”という観点からは多大な貢献を果たした。

 EDF地球規模戦略軍の積極投入、EDF世界国庫の解放、惜しみない支援物資の投入など。

 また、戦争末期には無政府状態に陥った国家の運営や、内乱鎮圧、治安維持など、国連が存在していたら統制理事会が荒れるだろう多くの事を積極的に行った。

 しかしながら、その強引な行動は軋轢も生み出す。

 国家承認を待たないEDF戦力の移動、全地球防衛戦略観点の判断による一方的な国家陥落宣言、些か強引な他国軍指揮権の強制掌握、フォーリナー由来技術の独占など。

 のちに問題を取りざたされる多くの事をEDFは行うようになる。

 だが、これはフォーリナーから地球を、人類を護る為に必要な事であり、事実として、EDFの私利私欲で行っている事では決してなかった。

 問題は、人類がこれを容認するのか拒絶するのか、この判断が分かれる事であった。

 

 軍事的にも多くの事が動き出す。

 アメリカ軍は直ちに全部隊が核戦争勃発クラスの警戒態勢”デフコン1”に移行し、即応部隊以外の全ての部隊も実戦体制に移行した。

 特に東海岸に大規模戦力を集中的に派遣し、直ちに防衛戦闘が発生した。

 

 それに呼応しEDF北米軍も戦力を集中させ、両軍ともに巨大生物の駆逐と街の防衛戦闘を行った。

 しかし、いずれの方面も人口密集地が近い為、空軍海軍の大規模支援が出来ず、戦闘は都市内での大乱戦へと発展していく。

 EDF先進歩兵部隊での歩兵戦を中心に、EDF主力戦車ギガンテス、歩兵戦闘車キャリバン、装甲戦闘車グレイプなどの機甲部隊が大通りで敵を引き付けた。

 避難中の民間人は大型装甲ヘリHU-04ブルートや歩兵戦闘車を改造した装甲救護車輛(Armored Medical Vehicle)キャリバンAMV、その他の大型輸送トラックが行い、迅速な避難を手伝った。

 

 また米軍も、主力戦車M1A2エイブラムス、M2ブラッドレー、M1120ストライカー装甲車など主に機甲部隊を中心に対巨大生物戦を行い、EDFの背後を護った。

 またEDF以上に高度な輸送ノウハウを駆使し、後方部隊をフル動員し、激戦地からの市民救出を行った。

 

 そんな中で活躍したのは、EDF先進歩兵四兵科のひとつ、空爆誘導兵エアレイダーだった。

 アメリカ軍の統合末端攻撃統制官(JTAC)を更に進化させた兵科であり、彼らの誘導によって、限定的ながらDE-202ホエールによる航空支援や、L155自走榴弾砲ブラッカーの支援砲撃を安全に行うことが出来た。

 

 そうして東海岸を中心に戦火が広がる中、特にアメリカ政府が注視したのはフィラデルフィア方面だ。

 フィラデルフィアを抜けると、その先はアメリカ合衆国の中枢、首都ワシントンD.Cがある。

 フィラデルフィアからの距離は凡そ200km程度しかなく、直ちに政府機能並びに、防衛の中枢を担うアメリカ軍統合参謀本部、EDF北米方面第一軍-第一軍団司令部は機能の移転を急ぎ行っていた。

 当然ながら、避難も開始したばかりであり、最低でも一月は稼がないと致命的な損害が出る事は間違いなかった。

 

 ――7月15日。

 ニューヨークより南東87km、ニュージャージー州トレンソンにて、大規模な戦闘がついに発生した。

 人口は8万人程度と小さい町だが、ニューヨークとフィラデルフィアを繋ぐ交通の要衝であり、当然ながら占領される訳にはいかず、アメリカ軍統合参謀本部、並びにEDF北米方面軍司令部は大規模な部隊を派遣した。

 トレンソンには、本土防衛を任務とするアメリカ陸軍第五軍の即応旅団戦闘団が文字通り即応態勢で防衛線を敷き、続きEDF北米方面軍のうち、ニューヨーク方面を管轄とする第一軍・第五軍の部隊が応戦した。

 また本来は海外展開部隊である米陸軍ストライカー旅団戦闘団も直ちに投入され、トレンソンの防衛にあたった。

 

 ――7月16日。

 ロングアイランド島に残された住民を救うべく、大規模な救出作戦が行われる。

 それを援護すべくEDF海軍とアメリカ海軍に沿岸戦闘艦がピンポイント援護砲撃を行っていた。

 EDF海軍のアクティウム級対地戦闘艦の127mm精密速射砲、米海軍のズムウォルト級ミサイル駆逐艦の155mm先進砲システム(AGS)から放たれる長距離対地攻撃砲弾(LRLAP(ラーラップ))が、その正確さを生かし、エアレイダーと連携し次々と避難民を狙う巨大生物を爆破してゆく。

 

 やがて市民の脱出が完了すると、今度は戦艦群の一斉砲撃が始まる。

 アメリカ海軍の誇る弩級戦艦モンタナ級、アイオワ級のMk.7 406mm砲三連装三基9門や、EDF海軍大西洋連合艦隊-第一艦隊旗艦オーディン級弩級戦艦のEMk.4 508mm三連装四基12門の巨砲が、連続してロングアイランド島に叩き込まれる。

 目的は巨大生物の殲滅、そしてレイドシップの撃沈だ。

 特にEDF海軍の砲弾は、より対地攻撃用に爆破範囲を強化した対地制圧用爆風弾を使用した為、その殲滅力は圧倒的だ。

 また米海軍も、一部の砲弾をより広範囲を攻撃できるクラスター砲弾に換装し、無数の子弾がロングアイランド上空で災害級豪雨のように降り注ぐ。

 そして、砲弾の中心として最も多く放たれたのはやはり対艦砲弾だ。

 人類の歴史の中で、そして現人類が保有する全ての砲弾の中で、最高の装甲貫通性能を誇る508mmEDF超重加速主砲弾は、初速が820m/sであるが、そこからロケットモーターで加速し、1000m/s超まで加速する。

 音速の三倍近くの速度で、重量1200kgの物体が激突する衝撃は、単純な物理運動エネルギーだけでも膨大なものだ。

 そこから更に侵徹体とメタルジェットが標的内部を壊滅的に破壊する、という恐ろしい兵器だ。

 現在、例えEDF弩級戦艦であってもこの攻撃を防げる装甲は存在せず、現時点で最強の通常攻撃方法と言って良かった。

 

 しかし、それの全力砲撃であってもレイドシップの装甲を貫通することは出来ず、徒に周囲の地形が破壊されていくだけでしかなかった。

 

 深夜になっても砲撃は続き、島全体が炎上し、一切の建造物が全て崩壊した。

 ロングアイランド島は地形が変わるくらいの砲撃に見舞われた代わりに、巨大生物を相当数討伐する事に成功した。

 しかしレイドシップから降下する数は無限である為、両海軍は翌朝になって砲撃を打ち切り、ロングアイランド島は放棄された。

 海軍の威信を背負っての全力砲撃で、これだけの巨大生物を討伐しておきながらも殲滅に失敗した事実は、両海軍に深刻な絶望を与えた。

 

 ――7月18日。

 激しい戦闘のあったニューヘイブンでも、住民の避難が完了したことを理由に都市の放棄が決定した。

 決定直後、ニューヘイブンに向けて大火力の戦艦群の砲撃が行われ、この都市も跡形も無く消え去っていく。

 部隊はコネチカット州ハートフォードへ後退し、その手前で新たに簡易的な防衛線を敷いた。

 

 ――7月20日。

 旧ニューヨーク廃墟にて、インセクトハイヴの建造が観測される。

 同時に、地域での巨大生物数が大幅に増加し、周辺戦域はかなりの劣勢となる。

 

 ――7月22日。

 ニュージャージー州トレンソンでの戦闘が激化し、EDFはレイドシップ撃墜作戦を行う。

 しかし作戦は失敗し、直後に起こった大規模地中侵攻により戦線は瓦解。

 トレンソンは突破され、遂にフィラデルフィア都市内での戦闘が発生した。

 フィラデルフィアの避難進捗は僅か30%にも満たず、未だ多くの市民が残る中での戦闘になった。

 

 ――7月29日。

 戦闘により、フィラデルフィア市街の70%以上が破壊される。

 また第75レンジャー連隊の投入により、市民の救出が急速に進む。

 主に正面戦闘をEDF、市民の救出や兵站構築をアメリカ軍が担当し、戦況は有利に進んだ。

 しかし複数のレイドシップが常に巨大生物を投下し続け、フィラデルフィアの巨大生物総数は撃破数を増加数が上回った。

 

 ――8月4日。

 第75レンジャー連隊の半数を投入したことにより、フィラデルフィア市民の避難が完了した。

 ただしその実情は、約半数の市民が犠牲になった事も意味する。

 しかしそれを悲しむ余裕は無く、直ちにアメリカ全土から戦闘部隊が集められ、大都市フィラデルフィアを部隊に凄惨な地上戦が始まった。

 アメリカ空軍戦術爆撃航空団のB-52爆撃機が、苦渋の想いで本土を爆撃し、同じくアメリカ太平洋艦隊も自国の都市を歯噛みしながら砲撃した。

 立ち並ぶビル街は無残にも崩れ炎上し、アメリカが世界に誇る大都市は全域が炎上状態に陥った。

 

 ――8月14日。

 レイドシップ艦隊、並びに巨大生物群が、旧ニューヨーク・インセクトハイヴから新たな梯団を形成し、北西の平原に向けて進撃を開始した。

 察知したEDF空軍は大型爆撃機ミッドナイト、戦略爆撃機フォボスを動員し大規模空爆を行った。

 しかしレイドシップに阻まれ効果は薄く、すぐに地上戦へと発展していった。

 

 ――8月17日。

 コネチカット州ハートフォード陥落。

 敵はマサチューセッツ州スプリングフィールドと、ロードアイランド州プロビデンスの二都市に分かれて侵攻を開始した。

 都市へ入る前にEDF機甲師団とアメリカ陸軍第一機甲師団が展開し、大規模な戦車戦が行われた。

 

 ――8月21日。

 フィラデルフィアでの戦闘は激化し、膨れ上がった巨大生物は南東方面のニュージャージー州ウォートン州有林方面まで広がり、ニュージャージー州全域で激しい戦闘が発生した。

 

 ――8月22日。

 ニュージャージー州マクガイル空軍基地で大規模な防衛戦闘が始まる。

 被害を避ける為離陸可能な軍用機は直ちに離陸し、最寄りの安全な空軍基地へと飛び立った。

 その後、空軍基地内での戦闘が発生し、広大な滑走路にまでギガンテス戦車、エイブラムス戦車が侵入し砲撃戦を行いつつ、空路で脱出が間に合わなかった空軍基地要員の救助と脱出を支援した。

 

 ――8月26日。

 巨大生物、ニュージャージー州ブリジットンよりデラウェア川およびデラウェア湾を渡河し、デラウェア州スマーナへ上陸する。

 これによりデラウェア半島への侵攻が始まり、もはやワシントンDCまで目と鼻の先まで巨大生物が迫る事になった。

 

 ――8月29日。

 この日を以って、首都機能及び軍参謀機能は、アメリカ西海岸の多数の都市へと分散配備が完了した。

 しかしワシントン市民は未だ半数以上が避難の遅れと都市機能の維持の為残っており、侵攻を許せば夥しい死者が出る事に違いはない。

 

 ――9月4日。

 首都ワシントンDCへのフォーリナー接近、そして避難の遅れ、侵攻の食い止めの失敗により、アメリカ国内で米軍海外駐留軍の即時帰還を求める声が大きくなる。

 実際、前線から離れた地域や演習の為の駐留軍は本土や別の前線に移動しているが、フォーリナー侵略から二ヶ月経った現在でも、凡そ100か国以上に14万人以上の兵士や、それらが運用する多くの部隊・兵器・物資が海外で活躍している。

 アメリカ本土、そして首都が危機に曝される中、海外の面倒まで見る道理は一見ないように見えるが、アメリカ軍は前線での戦闘や火力支援の他に、EDFが手の回らない兵站面や情報面、そして細かな人命救助などを海外で主な任務としており、それらの支援から手を引くと、前線が崩壊し、国家の滅亡に繋がりかねない地域も多々あった。

 そうした細かい国家の滅亡は、ひいてはアメリカの戦況にも影響してくる。

 アメリカ軍はEDFを除く世界最高の軍隊だが、地球規模の戦場である以上いずれ影響は出てくるだろう。

 その為EDFと協議し、海外駐留軍の撤退には慎重にならざるを得なかった。

 

 ――9月9日。

 スプリングフィールド、プロビデンス両都市の民間人が0人になる。

 六割の脱出を完了したが、四割は脱出が間に合わず犠牲になった。

 脱出の完了を確認後、アメリカ軍は両都市を放棄、郊外にて砲戦力を展開し、都市への砲撃と爆撃、そして戦車群での射程外からの一斉砲撃を行った。

 フィラデルフィアでも同様の戦術が用いられており、とにかく米軍は、巨大生物の酸の射程に入らないように全軍に厳命した。

 EDFと違い、対人類を意識した米軍には酸を防ぐ装備は無い。

 また兵器も当然ながら対人類を意識したものであり、EDFの規格外の兵装に比べると、最強の国軍であるアメリカ軍でさえも大きく見劣りする。

 そんな彼らが最小の犠牲で戦うには、巨大生物の攻撃の届かない場所から一方的に叩くのが最も効果的だった。

 反面、前線の全てをEDFに任せ、絶対に攻勢に転じる事の出来ない消極的な戦術とも言えた。

 しかし、結果的に以後大幅なフォーリナー支配域の拡大を招かなかったこの戦術は、世界から評価されるべきものとなる。

 




おいおいなげーよ、全然終わらんじゃん……w
でもEDF周りの設定考えるの楽しいなw
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