絶対に前回のようなヘマは致しません。
失敗をジャップアップの糧として、いざ!参ります!
ということで、HBP第三弾です。
どうぞよろしくお願いします。
希ちゃん、Happy Birthday!!
「ふう。…ここが、イタリア、ミラノ...」
見慣れない街の様子を見回しながら、そう呟く。
私にとっては、この景色すべてが、とても新鮮に思える。
そう言えば、ヨーロッパに来たのはこれが初めてだ。
再度、見慣れない街を見回してみる。
と、そこで。
「…え、絵里ち?!」
久しぶりに見かけた金色の髪に、つい身体が反応する。
が。
「…て、髪型全然違う...。勘違い、か」
髪色だけを見て勘違いした自分が情けない。
最後に会った時のあの人の髪型とは、全く違っていた。
「(…いつまで私は、絵里ちのことを引きずるんだろう)」
その人は今、近いようで遠いような、ロシアにいる。
私は未だに、あの人のことばかり頭に浮かぶことがよくある。
それほどまでに強く想っていた、ということなのか。
「(って、折角のイタリア観光なのに、暗い気持ちになっても意味ない!楽しまんと!)」
下がる気持ちを抑えようと自分に言い聞かせる。
そして私は、知らない街に足を踏み出す。
これからの観光への期待に、胸を膨らませんとしながら。
* * * *
私、東條希は、音ノ木坂学院を卒業後、とある四年制大学の文学部英語英文学科に入学した。
将来はツアーコンダクターになりたいという思いからだ。
大学を特に問題なく卒業し、旅行会社に就職。
始め間もない頃は、未知なことばかりで戸惑うこともよくあった。
けれど、今年でもう二年目。
大事な資格も取得して、本格的にコンダクターとして働くことができるようになってきた。
とある、なんとなくの興味から入った世界だけど、今は自分の選択に納得している。
だけど、やはり。
何かが、足りない。
ふとした時に、そう感じてしまう。
高校の時の親友たちは、全く違う道へと進み、連絡もほとんど取っていない状況。
一人は、東京にいるため会おうと思えば会えるが。
もう一人は、ロシア。会いに行くのはかなり余裕がないと無理である。
そのような気持ちにならないために仕事に打ち込むが、心はそう簡単にいかない。
どこか、心に穴が開いているように感じながら過ごす日々が続いている。
そんな中で舞い込んできた、一つの話。
会社を挙げて、海外の国の観光地を回るツアーを、本格的にやろうという試み。
それが、今回のイタリア観光の大きな目的だ。
私が選ばれたのは、少し経験を積み始めていて、まだ新人ということで、学ぶことが多いから、だと思う。
そんなこんなで、一人海外の地へと飛んできたわけである。
昼間には色々な観光地を回り、夜には、ホテルに戻り一人、残したメモとにらめっこしながらスケジュールについて考えたり、翌日はどこに行くかを決めたり。
忙しく、少し大変なところもあるが、充実しているように思える。
本当に充実していたのだろう、イタリアでの三日間はあっという間に過ぎ去った。
そして私は、日本へと帰るために今、空港にいる。
そこで、また。
「(…あの金髪の
二日前にイタリアの街中で見かけたのと同じような髪色、髪型の人を見かける。
と。
「Ouch!!」
後ろから走ってきていた男性にぶつかられ、手に抱えている荷物を落とす。
「…Oh,Sorry...」
言われて気付いた。
私は、考える間もなくその子の荷物を拾うのを手伝っていることに。
まるで、身体が勝手に、
「…えっ!?」
すると突然、声をあげられ、その娘の顔をふと見る。
「あっ、いえ...その、日本の方、ですか?」
その口から流れてきたのは、なんとも流暢な日本語。
「はい、そうですが...」
と、床に落ちているものの中に、何やらカードのようなものを見付ける。
拾ってみると、学生証だった。
アメリカの、かなり有名な大学のもので、ローマ字で”オハラマリ”と記してある。
「貴女も、日本の?」
学生証を渡しながら尋ねてみる。
「はい、そうです。
…とはいっても、アメリカとのハーフで、大学もアメリカに行ってるんですけれど」
ハーフだったのか...なるほど。…って、何がなるほどなんだか。
「そうなんですね...。あれ、では、どうしてここに?」
「ああ、実は昨日まで、この近くの大学に短期留学していたもので」
「短期留学?」
「はい。イタリアで、商業のABCを学んで来いと、父から」
「なるほどねぇ...」
商業のABC、なんてハーフっぽい響き...って、なんか失礼か。
それにしても、だ。
初対面のわりに、何故か普通に会話しているのはどうしてなのだろうか。
いや、自分ではわかっているはずだ。
でも。
それなら、相手がこちらと話せるのは何故なのだろうか。
「「………」」
ふと考えている間に、沈黙が流れていることに気付く。
でも、今更だな。
落ちた荷物を拾い終わり、確認する彼女。
「…うん、ダイジョブかな。
あの...ありがとうございました!ホントに助かりました」
「いや、ええよええよ。困っとる人には手を差し伸べるものやん?」
…なんで私は今、
ふと気付いた事実に驚愕する。
「あの...すみません」
「…はい?なんでしょう?」
「何か...悩みごとでもあるんですか?」
「…どうして、そう思って?」
「いえ...なんとなく、なんですが」
……。ここまで来たら、だ。
打ち明けてしまった方が、気持ちもすっきりするのかもしれない。
いや。
私は最初から、この人に悩みを話したくて近づいたのかも。
だから私は、自分が今抱えている悩みを打ち明けることにした。
* * * *
もちろん名前とかは伏せたが、話せることは話した。
高校の頃の友達と、卒業以来なかなか会えていないこと。
今でも、楽しかった頃の日々を懐かしんでは感傷に浸ること。
そのせいで最近は、色んな事が少し辛いこと。
話すと、なんだか肩が軽くなったような、そんな感じがする。
話し終わるとマリちゃんは、少しばかり声を震わせながらこう尋ねてきた。
「…失礼ですが、おいくつ、なんでしょうか...?」
「えーと、今年で24に」
「すみませんでした!!」
突然謝られた。
「あの、てっきり、同じ位の年かと思ってまして...。ワタシ、調子乗って...」
そう言われてみて、今気付いた。
この娘は、私より幾分かだが背が高いことに。
でも、幼くみられるなんて...初めてかも。
「いいって、気にせんで。ほら、顔上げ?…ちなみに聞くけど、貴女は何歳?」
「ええと...今年でちょうど20です」
20、か。思ってたよりも、若いなあ。
ということは私は、4つ年下の娘に悩み相談をしたということだ。
なんか、恥ずかしい...。
「…それで、アナタはどうしたいんですか?」
気を取り直したのか、マリちゃんが再度尋ねてきた。
「どうしたいって...その友達のこと?」
「ハイ。やっぱり、会いたいとか、思いますか?」
「う~ん、どうやろ...。なんといっても、ロシアやからなあ。無理じゃない?」
「そういうのはナシで!会いたいか会いたくないか、の二択です!」
…急激になんかアツくなったなあ、この娘。
でも...。
「それはもちろん...会いたいに決まってるやん!」
この娘には、嘘はつきたくない。
だから、正直に。心の内を、晒す。
マリちゃんは、少し嬉しそうに頷く。
そして、こう言った。
「それなら...行きましょう、ロシアへ!」
なるほど...ロシアにね、でも今からは、流石に遅くない?
…って。
「えっ?」
「ラッキーなことに、もうすぐ着くはずです。アナタも、一緒に乗って下さい!」
「いや、え?何の話よ、ちょっと?!」
「ハイ?ですから、今からロシアへ...」
「いやいやいや、おかしいって!てか今からって?どうやって?」
「それはもちろん...あ、キタキタ」
マリちゃんが見ている先を見てみると、そこには一台の小型ジェットが。
こ、小型ジェット?!
「え、もしかしてあれで行くん?」
「モチロンです!さあ、早く!時間は待ってくれませんよ~」
「ちょっ、腕、引っ張らんで~」
ちょっと、どういうこと?!
いきなりロシアに、って。わけわかんないよ。
…でも、なんだろう、この気持ちは。
なんか、面白そうやん!?
そう思いながら、私の腕を引っ張るマリちゃんの顔を見る。
すると、丁度こちらを見てきて、目が合う。
「さあ、Let's go!!デ~ス!」
そこには、私の一人の親友とはかけ離れた表情、でも、見ていて全く苦しくない、屈託のない満面の笑みが浮かんでいた。
「…うん!レッツゴー!!」
はい、ということで。この企画、第三弾です。
今回は、6/9のんたん誕、6/13マリー誕なわけですが、次話は6/11に投稿し、6/13鞠莉視点話にて、ストーリー完結とする流れをとらせてもらおうと思っています。
そこのところ、御理解よろしくお願いします。
少し余談ですが、このHBPの原作名を”ラブライブ!シリーズ”で固定しました。
タグに関しても、少し統一性をもたさせていただきました。
また、先程から、この企画だの、HBPだの言ってますが、イミワカンナイ!というそこのあなた!
ID143602、ID154665の小説に目を通していただけると、私としては大変嬉しく思います(露骨な宣伝)
最後に一つ。今回、結構遅めな投稿になってしまいました。待っていらっしゃった方、申し訳ありません。
次の二話は、もう少し早めに投稿できるように頑張りたいと思います。
では、長くなりましたが、この後の残り二話も、楽しんで頂ければ幸いです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!!