次の日の朝、ユーリィがバスターになるという事で鑑定小屋へ向かった。
俺はただの付き添いだ。小屋の中には入らず、外でユーリィの
ユーリィは大丈夫だろうか…。
暫くするとユーリィが出てきた。
「大丈夫だった?」
「問題ないよ。ほら、この通り」
ユーリィが胸元をはだけるとバスターの証である烙印が刻まれていた。
「どうだ?バスターになった気分は?」
「うーん?まだ慣れてなくてよく解らないけど、何だか新しい感覚器官が増えたような?世界が何時もより広く感じられるよ」
バスターは天力を天力を大気中から体内に取り入れ、天撃を放つ。大気中に漂っている天力まで感じ取れる様になったのだろう。
「何とも無かったしハルカもバスターになってみない?」
「ならんわ!」
まだ諦めてなかったのか…。心配なのはわかるけど俺はまだ死にたくない。
それに俺が気付いて無いと思っているのか?烙印するだけにしてはやけに出てくるまで時間がかかった事、微妙に目の周りが赤くなっている事に。
喉元過ぎれば熱さ忘れる理論で道連れを作ろうとするな!
ヴァンデルバスター、か…。
………ユーリィがバスターになった以上、一緒に居られる時間も残り少ない。
今は天力の扱いに慣れてない様だが、慣れてしまえば俺が周りの人間とは異なる存在だとバレてしまうのは時間の問題だろう。
原作でドローマスターが人間に化け、ポアラを騙す場面があったが楽観視はできない。ユーリィは元々狩人なこともあってか気配を探るのが得意だ。天力の扱い方を覚えたら『門』の様に気配の探知すらできそうだ。
そんな事を考えながらユーリィの隣を歩く。チラリとユーリィの顔を窺い見る。天力による感覚の広がりに慣れるためか、目を瞑ってみたり耳を塞いでみたりしている。見ていて少し微笑ましいがリミットは近そうだ…。
「そういえば買い物の仕方を教えてなかったね」
ユーリィが突然そう言ってくる。流石に買い物くらい出来るとムッとする。
「ははっ、そういう意味じゃないよ。買い物といっても旅のための買い物さ。保存食やその他必需品の良し悪し、相場、買い込む量なんかだよ」
……確かにそれは知らないな。
「でしょう?何時でも出発出来るように今日は買い物をしようか」
ユーリィに連れられ市場を歩く。前の世界では見たことのない物も多く並んでおり面白い。
さっきまで少々ナーバスになっていたが異世界情緒溢れる場所に気分も少し上向いた。旅講座買い物編を聞きつつ市場歩きを楽しむ。
買い物を終える頃には夕方になっていた。
「そろそろ宿に戻ろうか」
「そうだね…」
ユーリィと過ごすのは楽しかった。こっちの世界で初めて会った人間で初めての友人だ。別れたくない。
でも俺はヴァンデルで、ヴァンデルはこの世界の人類全てにとっての敵。別れたくはないけどこのまま過ごして正体がバレる事で嫌われるのはもっと嫌だ。
宿で何時もより静かな食事を終え部屋に戻る。
「ハルカ、どうかした?」
「何でも、無い」
「何でも無いって事は無いでしょう?市場から帰る時から元気ないよ?」
「………ユーリィ達と別れたくないなって」
「………確かにハルカは旅に出るだろうけど僕は縁を切るつもりは無いよ。旅に疲れたら何時でも帰っておいでよ、自分の家の様にさ」
「ユーリィ…」
こっちの事情を全部話したわけじゃないけど、それでも俺はその言葉に救われた気がした。
そうだよな、恩も返さず雲隠れなんて男が廃る!恩も
部屋はそれまでの暗い雰囲気が無くなり暖かな空気が漂っていた。
「なぁ?そっちのベッド行っていい?色々話そーぜ」
「ダメです」
後1、2話で考えていたストックが切れそう。
描きたいシーンは色々あれど話に連続性が無い。いつになったらそこまでたどり着けるのか。
修行期間ほんとどうしよう。