私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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最近お時間がうまくとれないでやんす。
感想に返事出来んですまんな( ;∀;)

明日まとめて返すんで、堪忍やで。

感想励みになります、ありがと( *・ω・)ノ


忙しくても手を抜かないでそれなりに頑張ってサブタイつけるよ「ビリビリボーイのドキドキエクスペリエンス」の閑話巻き

青い海、白い砂浜、耳に響くキャピキャピしてる女子の声と暑っ苦しく輝く太陽。それと傍らにはナンパして引っ掻けた可愛い女の子━━━━の筈だったのだが、目の前に広がる光景はそんな考えが吹き飛ぶような暑苦しいまでの人の群れ。群れ。群れ。

 

あっちを見ても人、こっちを見ても人。そっちを見ても人。それもアベックだらけだ。

 

「ここが現世の地獄か・・・」

 

日焼けや暑さへの完全防備を施した常闇が小さく呟く。

内蔵型冷気ファンの動く音がホォンホォンと煩い。

 

「何処で買ったんだよ・・・」

「原生林生い茂る密林の異界にコンタクトし、我が血を以て呼び出した、と言っておこう」

「原生林?密林?コンタクト・・・ん?密林・・・なんだ通販じゃねぇか」

 

「違う、ネットショッピングだ」と訂正する常闇から視線を逸らし、この人混みの中でも女の子を舐めるように見つめる峰田を見た。

その姿を見るだけで果てしなく虚しくなる。

 

「なぁ、峰田。もう無理くね?」

「はぁ!?何言ってんだ!上鳴!これからが勝負時じゃねぇーかぁ!!お昼時!!お腹を空かせた女子を、この右手に持った焼きそばと!左手に持ったラムネで攻略すんだよぉ!!」

「いや、もうそれが無理あるっての。悲しくなってきたぜ、俺」

 

今日俺達は夏の海にナンパしにきていた。

何故かと言えば、クラスの女子達が海に行くという話をしていたのを聞いたのが切っ掛けだ。

 

女子達はナンパ対策として男子も連れてくみたいで何人かに声を掛けているようだった。だけど俺と峰田のみには一言どころか何も無かったのだ。空気ブレイカー青山や無口こと口田の如しな二人にすら声を掛けているというのにだ。

それが無性に気に入らなくて「仲間外れ反対!」と声をあげてみたのだが、企画者の一人である緑谷に「で?」と怖い顔で見られて終わった。隣にいた峰田の「やべぇ、ちびった」という情けない呟きを聞きながら、普段の行いなんだろうなぁと少しだけ反省したけど・・・まぁそれはそれだ。やっぱり悔しい。

 

そのまま何もしないのは我慢ならなかった俺達は、こうして常闇を巻き込んで、女子達を見返す為にナンパして彼女の一人でも━━━と意気込んで来たのだが、釣果は見事にゼロだった。

 

朝からナンパし続け数時間。

面白いくらいに誰も引っ掛からない。

声を掛ければ逃げられ、話を聞いて貰えるかなぁと思えば彼氏らしき奴に絡まれ、チャンスかなぁと思って女子についていけば監視員に捕まり事務所に連れてかれた。要注意された。

 

もうメンタルボロボロだった。

メンタルヘルスして貰いたい。

 

「常闇ぃぃぃ!お前も手伝えよぉ!じゃねぇと、可愛い女の子捕まえても紹介してやらねぇぞ!!」

「手伝わん。紹介もいらん」

「何しにきたんだよ!?」

「お前達が何かやらかさないか監視しに来た」

 

常闇の奴、監視しに来てたのか。

どうりで何もしないで後ろからじっと見てる訳だ。

すごい納得。

 

「━━━くぅ!常闇のあほぉ!少しくらい手伝ってくれても良いだろぉぉ!オイラは!オイラは!水着の女の子の揺れるおっぱいとか、太陽に照らされた柔肌とか見て、そんでイチャイチャしたいんだよぉぉぉぉ!!」

「慟哭するな、恥ずかしい」

 

二人の話を聞いてると酷く萎えてきた俺はフロートボート手に海に向かった。

 

「ん?おい、上鳴!何処に行くんだよ!本当に諦めんのかよ!」

「・・・いや、やっぱさっきの無し。諦めねぇーよ。でもちっと休憩しよーぜ。流石に朝から声かけまくって疲れたしよ。時間ずらして再チャレしようぜ」

「━━━ちっ!!仕方ねぇな。一時間休憩だ、上鳴。ほら、持ってけよ!」

 

そう言って手渡されたのはさっきのラムネ。

まだキンキンに冷えてた。夏のくそ暑い時に飲むと、また格別に上手いだよな。これが。

とはいえ、これで釣られてくれんなら、どんだけ楽かって話なんだよなぁ。

 

「ま、さんきゅー貰っとく。んじゃ、ちょっと行ってくるわ」

「おう、一時間後にちゃんと戻ってこいよ!休んだ後はガンガンナンパすっからな!!」

「分かってるっつーの!今日こそ彼女ゲットすんぞ!峰田!!」

「ったぼうよ!!」

 

一旦峰田と別れた俺はフロートボートに乗って海を進む。こうして海の上から砂浜を見ると、あれだけ暑苦しく感じた人混みも夏の風物詩として見れば悪くないように思う。

 

戻ると思うと憂鬱だけど。

 

程よく人がいない所までいき、適当な場所で横になってみた。波に揺られるのは良い感じだ。疲れてたせいか眠くなる・・・。

 

「・・・いや、寝たら死ぬな」

 

寝たら何処に流されるか分からない。

冷静になった俺は取り敢えず起きておく事にした。

そのままぼんやりと空を眺めるもの良いが、やはり海に来たのだからと泳いでみる。

 

・・・虚しい。

 

「・・・くはっ!駄目だぁ!!これは、あれだ!!峰田の言うとおり、全然楽しくない!」

 

せめて傍らに彼女でもいればあれなのだろうが、なんだこれ、全然楽しくない。息抜きどころか、今まで受けてた所とは違う所にダメージ受けてる気がする。

これならまだ峰田とフラれてる方がマシだ。

 

「ってもなぁ。峰田もどっかいっちまったし・・・いまから合流するのは難しいよな?」

 

生憎スマホは常闇に預けてある。

水中対応のプラスチックの財布は持っているから買ったりなんだりは困らないけど、一人で食ったり飲んだりするのは寂しい。

 

峰田から貰ったラムネに口をつけてぼんやりしていると、少しだけ沖の方へ流されてしまった。まだ大丈夫だけど、放っておくと遭難しかねない。驚いて戻ろうとして浜辺に視線を向ければ矢鱈と空いてる浜辺が視界に入った。俺達がいた浜辺から岩場を挟んだ更に奥の方。ガラガラの浜辺がある。なんでだ?と思ってると、朝来たとき私有地の看板があったのを思い出した。

 

「ああ、それでか」

 

岩場の向こう全部が私有地なのかと納得する。

どんな人がいるだろうかと岸に近づきながら見てると、何人か若い男女が遊んでる様子が見えてきた。随分と楽しげだ。それに何より、距離が離れてるといるのにはっきり分かってしまう、動きに合わせて揺れる大きなバストに目がいった。中でも白の水着をきてる女子の動きは激しく、眺めてるだけで俺の上鳴がこんにちはしてくる程に良いものだった。

でもその女子だけでなく、その近くにあるパレオの女子も凄かった。隠された足がチラチラ見えるのが物凄くエッチで、その上おっぱいも揺れるものだから、俺の上鳴さんはご機嫌なまま。

その近くで胸を隠す女子の恥じらいもまた良かった。肌がピンクといった少し変わった女子もいたけど、うちのクラスにもピンクはいる。この時代、肌の色でどうこう言うのは非常に物知らずといえる、勿論いけた。旧タイプのスクール水着みたいなのを着る女子もいた。それも良かった。独特のエロスがある。

 

それだけに、周りにいる男連中を酷く疎ましく思う。

こっちにこないかな。電気流してやるのに。

 

下心と嫉妬を入り混ぜながら更に眺めていると、一人の女子がそのグループから離れていくのが見えた。

胸はあんまりだけど、肩が丸出しになったセクシーな水着女子だ。あれをなんて言うんだっけか、峰田ならわかんのになぁ。チューブ、チューブ、チューブトッポブラ?違うな。

 

セクシー女子はグループの連中から離れ泳ぎ始めた。

そのまま近くにあった岩場へと向かい、波に打たれていた一つの岩場に乗りあげ腰掛けた。

 

髪についた水を振り払い、長くない髪をかきあげる姿が矢鱈とエロくて、俺の上鳴は元気絶好調である。俺はセクシー女子を放っておく男連中の様子を窺った後、ナンパしにいく事にした。

俺なんかでは落とせないレベルの子なのは分かるけど、こうもお膳立てされたらやらねば男がすたる。ていうか、お近づきになりたい。

 

フロートボートに乗ったまま少しずつ接近し、海を眺めるその女子の背中に気合いを入れてから話し掛ける。

 

「そこの綺麗なお姉さん!一人で暇してない!一緒に遊ばない!?」

 

少し声が上擦ってしまった。

やばい恥ずかしい。

 

童貞丸出しな言葉に笑われるかなぁと心配していたそんな俺の耳に、「うわっ」という驚くような声が聞こえてきた。

 

どうしたのかと視線あげると、何処かで見たような顔が俺を見てた。

 

「何処の馬鹿が入り込んできたのかと思ったら・・・よりにもよって、なんであんたがいんのよ。上鳴」

 

名前を呼ばれた。

名乗った筈はないのに。

以前会ったことがあるのかと、マジマジ目の前の女子を見つめれば━━━━目の前の女子が誰か分かった。

 

「もしかして、雄英高校一年ヒーロー科、耳郎響香さんじゃないですか?」

「ぷっ、なにそれ。どんだけ慎重なのよ。そうですよ、その耳郎響香さんだよ。上鳴電気さん?」

 

クスっと笑う耳郎が凄く色っぽく見えた。

その水着のせいか行動の一つ一つがなんか大人っぽくて、とても綺麗だった。思わず見蕩れてると耳郎が困惑したような顔をした。

 

「あのさ、そんなにジロジロ見られると流石に照れるんだけど?」

「わ、わりぃ!そんなつもりじゃねぇんだって!ただ━━」

「ああ、良いって。自分でもさ似合ってないと思うし。物珍しさは分かる。皆悪のりしてさ━━━はぁ・・・。つまんないの見せてごめんね」

 

そう苦笑いする耳郎に、思わず声が出た。

 

「そんな事ねぇーって!その、なんつーか!超きれーだわ!可愛いとかじゃねぇけど、取り敢えず、今日はすげぇーきれーだわ!」

「・・・っ、止めなってば、そういう慰めとか━━━って、ばっ、馬鹿っ!そういう事、簡単に言うな!」

 

イヤホンでビンタされた。

何故怒られたのか分からない。

おかしい、誉めたのに。

 

顔を真っ赤にさせた耳郎はそっぽを向いた。

よく見れば耳まで真っ赤だ。

 

・・・まさか熱中症とかじゃないよな?

 

「だるかったり、喉が渇いてたりしてね?」

「・・・はぁ?まぁ、喉は渇いてるけど」

 

ほらな、そうだと思った。

飲み掛けだけど無いよりはマシかとラムネを差し出した。いい加減、ちょっと温い。

 

耳郎は不思議そうな顔をしたものの、俺の手からラムネを取ると普通に口をつけた。良かった、良かった。これで少しはマシに・・・・。

 

「・・・あれ、これって間接キス」

「ぶっ!!」

 

思わず言ってしまった言葉に耳郎が噴き出した。

なんか小さい声で「なんでウチが爆豪みたいな事を」とか呟いてる。憎しみが隠ってる気がする。

 

「ごほっ、あ、あー、ん。━━━馬鹿上鳴!いきなり変な事言うな!」

「わ、わりい。あんま気にしないと思ったから。俺とかそんなに気にしないし・・・」

「気にしないなら余計に言うなし!私も気にならないけど、いきなりそんな事言われたら変に意識するでしょーが!!」

「えぇ、ああ、ごめんってば」

 

爆豪並みの迫力で怒鳴り散らしてくる耳郎に平謝りする。平身低頭が効いたのか、直ぐに耳郎は落ち着きを取り戻した。

 

「はぁ、もう良い。あんたに怒ってると、果てしなく自分が馬鹿に思えてくるし」

「おい、耳郎。おい耳郎さんや。酷くない?」

「だったらちっとはその馬鹿な所直せ」

 

言われて直んなら、とっくに直してるっての。

そう言おうとしたけど、それより早く耳郎が口を開いた。

 

「ま、そうしたらさ。上鳴きっとモテるよ。ウチが保証してあげる」

 

潮風に髪を靡かせて、歯を見せて笑う耳郎に俺の心臓は大きく高鳴った。いつもの違う雰囲気がそうさせたのか、こういうシチュエーションがそうさせたのか分からないけど、その時、俺は耳郎から目が離せなくなった。

 

「あのさ、耳郎━━━━━」

 

 

 

 

 

 

「上鳴ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

馬鹿デカい声が浜辺から響いてきた。

視線を向ければ赤髪の男にしがみつく峰田の姿が見えた。

 

 

「見つけたぞぉぉぉぉ!!オイラ達の楽園ぉぉぉぉ!!」

「離せっ、て!お前連れ帰ったら、マジで緑谷に何言われっかわかんねぇだろ!!」

 

 

 

よく見たら赤髪は切島だった。

その様子を見て、耳郎が可笑しそうに笑う。

さっきとは違う子供みたいな可愛い笑顔だ。

 

「━━━はぁ、バレちゃったか。てか、あんたら豪運だね。海水浴場でも色々あるのに、よくピンポイントできたもんだよ」

「て、なると、峰田の嗅覚って馬鹿になんねぇんだな」

「やっぱり峰田か」

 

何とも言えない顔でそう言った耳郎は眉をひそめた後、騒いでいる峰田達を指差した。

 

「フォローしてあげなよ。向こうから監視員来てるからさ」

「まじか!?俺らさっき注意受けてんだよ!!やべぇ!━━━━と、耳郎も乗ってくか?!」

「ウチはもう少しここでのんびりしてくから良いよ」

 

ヒラヒラと手を振る耳郎を背に、俺は峰田達の元に向かった。

 

何となく気になって振り返ってみると、海を眺める耳郎の横顔があって、それはいつもよりずっと大人っぽく見えた。

 

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