私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
最初のヒーロー基礎学中、オールマイトによって拉致られた私こと緑谷双虎は、検査がどうとかで着てたスーツを取り上げられたり、保健室で健康診断されたりしてて、結局授業に戻る事はなかった。
ヒーロー基礎学に出た人達はなんかペア組んで実践形式の戦闘訓練したみたい。轟きゅんとか活躍したらしい。かっちゃんはどうしたって?なんかサボって私の所にきたから、あいつも立派なバックレ野郎だ。
オールマイトと何か話してたみたいだけど、何を話してたのやら。どうせあれだろ、どのAV女優が良かったとか、そういう話だろ。これだから男は。
あ、帰りにかっちゃんにアイス奢って貰ったよ。
もち、ハーゲンダッシュ。
そんな翌日。
目が覚めた私の目前にいたのは、不機嫌そうなかっちゃんだった。
あれ?おかしいな、乙女の部屋にかっちゃんがおる。おかしいな、あれ、おかしいな。折角の乙女の部屋なのに、かっちゃんがタンスを漁ってない。おかしいな。
あ、でもパンツは手にしてる。
「・・・ブラジャーもいる?」
「いるかぁっ!!てめぇの部屋でずっこけて、何に躓いたか確認したらてめぇのパンツだっただけだごらぁ!!」
「そんなにぱわー全開で言い訳しないでもいいよ。分かったから。それはあげる」
「何一つ分かってねぇだろぉがぁぁぁぁ!!」
かっちゃんは私の顔面にパンツを投げつけてきた。
洗ったやつだから石鹸の香りがする。
「で、結局何してんの?」
「見たら分かんだろぉ!迎えに来たんだよ!」
「迎えに?」
なんでかっちゃんが迎えに来たんだ?
ちょっと意味が分からない。
まぁ、別になんでも良いけど。
「━━━ぐぅ」
「二度寝しようとすんな!!さっさと起きやがれ!!」
かっちゃんは怒鳴りながら体を揺さぶってくる。
凄く二度寝しづらい。
うっぷ、吐きそう。
・・・やかぁしぃ!!
元気に騒ぐかっちゃんの頭を掴み、動けないように胸に抱き締める。突然の事で反応出来なかったのか、一瞬かっちゃんが完全に硬直した。
けれどそこはナチュラルボーン天才マン。直ぐに飛んでいた意識を取り戻し離れようと抵抗してきた。
「むごぉっ!?むごっ、ごっぉ!!」
「もぞもぞするなぁ。私今ノーブラなんだよ、ちょっとは遠慮しろぉ」
「もがぁっ!?」
ノーブラなのは本当だ。
肌着はきてるけど、たゆんたゆんである。
リアルパフパフにかっちゃん大興奮であろう。
かっちゃんはなんやかんや男女のこういうのに気を使う人なので、こう言えば大人しくなるのは目に見えていた。伊達に幼馴染はやってない。私を起こしたかったら、母様かクソ旨いシュークリームでも持ってくるが良いぞ。ふははは。
しっかし、ういやつよ。
この程度で抵抗出来ぬとは。
かっちゃんのチクチクする頭を撫でながらもう一眠りしようとしたが、不意にドアが開いた。
なんだろうとうっすら目を見開いたら、母様が凄い形相でこちらを見ていた。
「双虎、朝から何してるの?勝己君が起こしにいったから大丈夫かと思ったけど・・・あんた、ベッドに勝己君連れ込んでナニしようとしてるの?」
「ひぃっ!!」
私はかっちゃんを放り投げて土下座した。
「さーせんしたぁぁぁぁ!!」
「起こしにきた勝己君には?」
「さーせんでしたぁぁぁぁぁ!!」
かっちゃんにも土下座する私の肩に、ポンと手が置かれた。
見なくても分かる、怖いやつや。
「さっと着替えていきなさい」
「まむ!いえす、まむ!!」
「ふ、服に手ーかけんな糞ビッチ!!俺様が出るまで待ちやがれぇ!!」
うるせぇ!!こちとら母様に殺される五秒前なんだよ!あそこでもおっ立てて黙って見てろ!!
今更貴様に裸を見られたくらいで、どうともないわ、戯けぇぇぇぇ!
━━━と、思いながら上着を脱ごうとしたら母様からボデェにキツイ一発を貰った。
母様より「勝己君が出てくまで待ちなさい、馬鹿娘」と言われた。あんたが急がせたんやないかいと言いたい。
かっちゃんと一緒に登校すると、教室に入った所で皆に囲まれた。主に女の子達。
どうやら皆、私の事を心配していてくれたみたいだ。
大丈夫みんな、処女は散らされてない。散らされてないから。えっ?そんな心配は流石にしてない?なら、なんの心配してんの?え?乙女が連れ去られたら、そういう心配でしょ?違うの?━━で、あしどんは何故にピンクなの?誰かに虐められたの?え、ああ、なんだただの超人か。
「もうっ、双虎ちゃんはジョーダンがキツイよー。それは流石に心配ないよ!だって連れていったのオールマイトだったし」
縁起悪子もといお茶子が笑いながら言ってきた。
「そう?人は見掛けによらないじゃん?そんな人とは思いませんでしたーてのが、世の中には一杯あるんだよ?」
「そ、それはそうかも知れんけど」
「男はみんな狼。この間みたいに、しれっと痴漢されるかも知れないよ?」
「あう!そ、それは嫌やけど・・・」
「待て待て待て、待ちたまえ!!だから俺はそんな事してないと言っているだろう!!」
仲良くお茶子と話してると眼鏡が混ざってきた。
厭らしい視線がお茶子のお尻を襲う。なのでそれを教えてあげた。
すると「ひぃっ」と声をあげてお茶子が私の影に隠れる。よいよい、盾にすることを許す。
「そういう訳だ。お茶子にセクハラするなら━━━まず轟きゅんを倒してからにして貰おうか!!」
「そこは君じゃないのかね!?」
「俺を巻き込むなよ、緑谷」
二人が綺麗に突っ込んでくる。
トリオになれそうだ、私ら。
「一緒に芸人を目指そうか」
「君は本当にヒーロー志望なのかね!?」
違うけどな。
まぁ、芸人にもなる気はないけど。
「昨日から気になってたんだけど、緑谷ちゃんってオールマイトの知り合いなの!?凄く親しそうにしてたけど!」
透明ガールが元気に聞いてきた。
なんだこの子、おっぱいボインボインじゃぁないか。
確か、葉隠・・・透・・・明子ちゃん。
「答えたら一つお願い聞いてくれる?」
「え、お願い?良いよ!良いよ!私ができる事なら任せてよー!」
「知り合いっていうか、ストーカーなんだよね。はい教えた、じゃ触らせて貰うねぇー」
「ストーカー!?え、触るっ?ひゃっ」
教えてあげたので私は早速透明ガールの顔を両手で掴んだ。ふむふむ、ほっぺはプニプニのすべすべ。鼻は高いな、目は大きいかも?眉毛も整ってるし、前髪は目もとより上か・・・ふむふむ。
「あ、あの、緑谷ちゃん!?ちょ、あの」
「うん、大体分かった!透明ガールは芸能人の━━━」
「うわぁぁぁぁ!?やっ、止めてよ!恥ずかしい!!」
透明な手で口を押さえられてしまった。
どうやら透明ガールの羞恥は認識される所にあるらしい。
素顔を公表しない事を約束に解放された私は他の女子達と軽くコミュニケーションをとった後、次の獲物へと向かう。
「む、悪鬼の視線」
カラス頭が私の気配に気づきこちらを向いた。
手をワキワキさせてる私を見て、静かに身構えてきた。
こやつ、出来る。
「来るなっ、緑谷」
「やだね、行くね。俄然」
捕まえてハグハグしてやろうと駆け出したが、私の体が前に進まなくなった。何事かと思えば、体に包帯が巻き付いている。
こ、これはっ!
包帯の出所を探って視線を動かせば、しかめっ面の包帯先生がいた。めちゃ睨んでくる。
「緑谷。朝から面倒を起こすな」
「違うんです先生ぇ!!あの人が誘惑するんですぅ!私に撫でろって、餌をあげろって、お散歩しろって誘惑するんですぅ!!毎日お風呂にいれて洗ってあげないと病気になるって脅すんですぅ!!」
「クラスメートを飼い慣らそうとするな」
「風呂・・・く、悪しき誘惑!!」
「なんでちょっと喜んでんだよ」
「言うな、切島。俺にも分かる。な、尾白」
「!?瀬呂、なんで俺を!?」
「緑谷って大胆だなぁー。洗うってよ峰田」
「ぐぅぅぅ、オイラを洗ってくれよぉぉ」