私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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コンコン

コンコン

はくびしん((((;゜Д゜)))
ギャグ((((;゜Д゜)))

コンコン

━━━開けて下さいよ。ぼくです、シリアスです。もうすぐ、出番なんですよね?ねぇ?

段々と迫りくるやーつ(*´ω`*)


胆試し系の定番といえばこんにゃく様。紐で吊るして相手の首筋にしゅーとしてひえってね!でもあれって最初はしこたま驚くけど、物に気づいた途端生臭さとの戦いになるよね。の巻き

男子達が肉なし肉じゃがを悲しみと虚しさと共に食し、女子達はお肉多めじゃがを太るーという嘆きと共に食した夕飯後。ぱっぱと片付けを済ませた私達はプッシーキャッツの四人の前に集合していた。

 

━━━というのも、昼間にピクシーボブが言ってたイベント、クラス対抗胆試しをやる為だ。

 

「肝を試す時間だー!!」

 

あしどんが笑顔と共に声をあげる。

突き上げた拳に嬉しさが宿ってる。

他の補習組も皆嬉しそうだ。

 

何のかんのと合宿で一番大変な思いをしてるのは補習組。こんな時くらいはしゃいでも良い気はする。・・・いや、元はと言えば赤点とった補習組の面々が悪いんだけども。それは言わぬがなんちゃやらというものだし。

 

だけど、私的には包帯先生の動きが気になった。

これからイベントに参加しようって感じが少しもしないのだ。なにかを考えてる感じ。

そんな事思ってると包帯先生がプッシーキャッツの前に出てきた。嫌な予感しかしない。

 

「その前に大変心苦しいが補習連中は・・・」

 

あしどん達、補習組の視線が包帯先生へと釘付けになる。この不穏な空気に今更ながらではあるが気づいたみたいだ。

 

「これから俺と補習授業だ」

 

 

 

 

 

「ウソだろ!!!!!!」

 

あまりの出来事にあしどん包帯先生にため口。

もはや恥も外聞もなしだ。

 

よっぽど楽しみにしていたのだろう。

目を見開いたまま完全に固まっている。

このまま石化するんじゃなかろうか。

 

石化しそうなあしどんを含め、逃げようとした補習組全員の体に瞬時に巻かれる包帯。

絶望が足音を鳴らし始めたようである。

 

「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになってしまったので、こっちで削る」

 

「うわぁぁ堪忍してくれぇぇぇ!!試させてくれぇぇぇぇ!!」

 

何故か「ニコぉぉぉぉぉぉぉ」とあしどんが助けを求めてきてるが、勿論スルーしておく。・・・いや、まぁ、確かにね、この面子の中で包帯先生に何かしら出来るとしたら私だよ?リスク度外視で手段を選ばないで何とかしようとしたら、ミジンコ5匹分くらいの可能性はあるよ?でもね、いやだ、すまんな。失敗する可能性のが遥かに高いし、下手に首を突っ込んで巻き込まれたくないの。補習とか言われるやん。

 

だから甘んじて補習してね、あしどん。

君の分も楽しんでくるよ。

南無。

 

泣き叫びながら運ばれていくあしどん達を見送った私らはプッシーキャッツからの追加説明を受ける。クラス対抗の胆試しなんてどうやるのかと思ったら、どうやらA・Bに分かれて脅かす側と胆試しする側を交互にやってく感じらしい。つまりは生徒によるセルフ胆試し大会と言うことだ。

胆試しのルート、脅かす側のルール、勝敗の決定法。

細かいルールも色々あったが、要はお化け役の時に相手組の面子を死ぬほど驚かせて、こっちが胆試しする時に驚かなければ勝ちと言うことだ。

分かりやすいね。

 

「創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!」━━━とのプッシーキャッツのお言葉もあるので、精々沢山漏らさせてやる事にしよう。

 

さっそくA・B組で分かれ行動を始める。

脅かし役のサイドテから「覚悟しとけ、緑谷」と宣戦布告されたので「上等!そっちこそ覚悟しとけ、脱糞させてやるからね!!」と言ったら「脱糞レベルのは勘弁して」とお願いされた。一応分かったとは言っておいたけど・・・まぁ、やるけども。

 

B組が森に入った後、残ったA組で組み合わせを決める事に。かっちゃんと組もうとしたんだけど、くじ引きでやるらしいので大人しくそれに従う。かっちゃんとなら漏らす心配ないから安心して回れたんだけど━━━まぁ、仕方ないね。

 

くじ引きの順番はじゃんけんで勝った順となり、熾烈な争いの果ていまいち振る舞わなかった私は六番目となった。

 

順番を待って引いた番号は三番。

相手は誰だろうかと探せば葉隠だった。

 

「おお!相方はニコやんか!よろしくねー!」

「よろー。お化け屋敷とか大丈夫系?」

「程々かな?普通に驚くと思うよー。ニコやんは?」

「別に大丈夫。お化け屋敷とか、基本的に笑った記憶しかないし」

「そんな楽しい場所ではないと思うけど・・・」

 

葉隠の様子からこれなら大丈夫かなぁと思っていると、突然悲鳴が聞こえた。見ればくじを片手に耳郎ちゃんが震えている。

 

「どったのよ、耳郎ちゃん?」

 

何となしに尋ねると耳郎ちゃんが振り向いた。

振り向いた耳郎ちゃんの顔色は真っ青で、目が死んだ魚みたいになっていた。

その顔にちょっとぞっとする。

 

「み、みど、緑谷・・・」

「お、おう、どした」

「私、一人なんだけど」

 

手にした番号を見れば8番。

補習組を抜いた人数を考えれば、確かに一人はペアなしの筈だ。念のために引き終わった全員に確認をとってみれば、他に8番はいないようで耳郎ちゃんが単独戦士である事が確定する。

 

「いやぁぁぁぁぁ!!無理だからぁっ!!ムリムリムリムリ!!私はいかないからね!!」

 

耳郎ちゃんはそう叫びながら側にいた眼鏡と喋らないくんを盾に首を横に振りまくる。

どんだけ行きたくないんだ、耳郎ちゃん。

 

「マジで無理だから!!マジで!!一人とか!!」

 

取り乱す耳郎ちゃんを見かねて眼鏡が動いた。

 

「おっ、落ち着きたまえ、耳郎くん。所詮は生徒同士の化かしあい。そう大した物では━━━━」

「はぁぁぁぁ!!?なんの保証があんの!?本物出ない保証は!?そういう事やってると本物が寄ってくるって言うじゃん!!ねぇ、保証は!?とりつかれたら祓ってくれんの!?」

 

とりつかれる事も視野に入ってんのか。

 

「そんな非科学的な事、あり得ないと思うが・・・」

「じゃぁ!いない事を証明してよ!!」

「いや、それも出来ないが・・・」

 

胸ぐらを掴まれて揺すられる眼鏡。

そろそろ限界そうなので助けにいく事にした。

 

「耳郎ちゃん、耳郎ちゃん。証明とか保証とかは無理だけど、一人じゃなきゃ行ける?」

「み、緑谷・・・!」

 

凄いキラキラした視線。

どんだけ嫌だったんだ、耳郎ちゃん。

なんだよ、可愛いじゃないか。

 

丁度審判役のいきおく・・・ピクシーボブが近くにいたのでペアチェンジOKか確認しておく。様子を見てたピクシーボブもあまりに可哀想だからとチェンジOKにしてくれた。ただし、一回限りとすると。

 

そんな訳でチェンジOKな人を募集すると、かっちゃん、眼鏡、梅雨ちゃんが名乗りをあげた。百とかこういう時に名乗りをあげそうだと思っていたんだけど、意外と名乗りをあげなかった。らしくないなと百を見たら顔を背けられた。怖いのか、一人は。

 

「で、どう?」

「どうって言われても・・・」

 

耳郎ちゃんは勢いで決めず、名乗りをあげた面子のペアを確認し始める。かっちゃんの相手は轟。相手としては大丈夫そうだけど・・・。

 

「あいつ、いざとなったら平然と緑谷の所いきそうだから無理」

「なんじゃそら」

「兎に角、無理」

 

よく分からない理由で却下されたかっちゃん。

ペアの轟の顔を見て眉間の皺を深くしていく。

 

「・・・それなら逆は?轟を一人にして、かっちゃんとペア」

「やだよ、普通に」

 

「んだと、こらぁ!!何、普通に拒否してんだ耳たぶ!!!」

 

怒鳴るかっちゃんを落ち着かせて次に向かう。

次に耳郎ちゃんが見たのは眼鏡のペアである喋らないくん。数秒眺めた後、首を横に振った。

 

「口田は頼りにならなさそうだから、無理」

 

喋らないくんが胸を押さえて膝をついた。

どうした、そんなにショックでござる?

 

最後に余った梅雨ちゃんのペアであるお茶子。

お茶子と少し話した耳郎ちゃんは戻ってきて首を横に振った。

 

「同類だった、駄目だ。麗日から蛙吹はとれない」

 

そうか、お茶子も怖いの駄目なやつだったか。

 

しかし、そうなるといよいよ誰もいない。

他の人も漏らしたくないのかペアを崩す様子は見られない。ふむふむ。これは、まぁ、うーん、仕方ないか。

 

「葉隠ー、ペアがクソザコになるけどOK祭り?」

 

私の声に葉隠はサムズアップした・・・気がする。

いや、見えんわ。

 

「ニコやんOK祭り!耳郎ちゃんの可愛い姿見てくるぜぇ!!」

 

葉隠からOKが出たのでそれを伝えようと耳郎ちゃんへ視線を戻すと、めちゃキラキラした目で見られた。

 

「━━━━ま、そんな訳で耳郎ちゃんチェンジね。葉隠とペアってよ」

「緑谷・・・!」

 

感極まった感じの耳郎ちゃんにギュッとされた。

ささやかなお胸様の感触が涙を誘う。

 

「私、あんたの事勘違いしてた!!あんたは良い馬鹿だ!!」

「・・・耳郎ちゃん一人で胆試しさせるぞ?」

 

軽く飛ばした半分本気の言葉も今は全然聞いておらず、耳郎ちゃんは感謝の言葉を何度か言った後、葉隠の元へと作戦会議にいった。お化け屋敷系に作戦とか必要なのか甚だ疑問だけど、何も言わずに見守っておく。

面白くなりそうだし。

 

喜ぶ耳郎ちゃんを眺めていると、お茶子達が心配そうにこっちにきた。

 

「大丈夫、ニコちゃん?一人で回るの」

「考えたの。やっぱり幾ら私有地内とはいえ、女の子一人で夜の道は危ないわ。どうにかお願いして三人で回れるようにしましょ?」

 

二人の優しさはありがたいんだけど━━━。

 

「━━━ふふん。実は一人当てがあるのだよ諸君」

 

「「あて?」」

 

一人で胆試ししても面白くない。それはあったり前の事。だから、もし私があぶれるような時があれば、きゃつめを誘って参加出来ないかマンダレイ辺りに聞くつもりだったのだ。

 

 

 

 

 

「私のにゅーかまーフレンズ、洸太きゅんという当てがね!!」

 

 


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