私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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壁|∀・)チラリ


壁|∀・)ジーーー


壁|>>>( ・∀・)_□


壁|=3 □`パカ


シリアス「あいるびーばっく!!」デデンデンデデン



忙しいなんて言い訳にもならないので、言わない!!口が裂けても、絶対に言わないもん!カッコ悪いから、仕事が忙しいなんて、絶対言わないもん!!って愚痴を溢しながらサブタイつけたよ『二人の先生』の閑話の巻き

『気持ちはさ、嬉しいんだ。けどな、俊典━━━あの子の事はそっとしてあげて欲しいんだ』

 

 

『血なまぐさいここじゃなくて、あの子には普通の生活させてやりたいんだよ。危険のない所で。普通に遊んで、勉強して、誰かを好きになって。そうやってさ幸せに━━━━』

 

 

 

 

 

 

「━━━オールマイト、聞いてたかい?」

 

思慮に耽っていると友達の声が耳に響いてきた。

真っ白な天井から声の方へ顔を向けると、困ったような表情を浮かべる塚内くんと、杖をついたグラントリノの姿が視界に入る。

 

オール・フォー・ワンを牢へと叩き込んだ、神野区の悪夢と呼ばれる事件から四日。

私はとある病院に入院させられていた。

厳重警戒された病室で落ち着かない毎日を過ごしていたが、今日は二人が事件の進展について話しにきてくれていたのだが・・・会話の最中に聞いたお師匠の名前に、つい昔の思い出に浸ってしまって会話を聞き逃してしまったようだ。

 

「聞いとらんかったな、俊典ぃ」

 

低い声が病室に響く。

青筋をたてたグラントリノは、徐に手にした杖を弄ぶ。

今にも殴りかかってきそうな雰囲気に、冷や汗が額に浮かんでしまう。青春時代のトラウマが甦る。怖い。

 

グラントリノの迫力に怯えていると、塚内くんが間に入ってくれた。

 

「まぁ、まぁ。落ち着いて下さい、グラントリノ。漸く容態も落ち着いてきたとはいえ、彼はまだ安静にしなければいけない身ですから。しかたありませんよ」

「んなぁ事は百も承知よ。しかしなぁ━━━」

「それにですね、彼の友人としても、警察官の一人としても、グラントリノがしようとする"ソレ"をただ見過ごす訳にはいきませんしね」

「━━━たく、おめぇはこいつに甘ぇな」

 

溜息をついたグラントリノは杖に顎を乗せる。

不満そうな目つきのままだが、何かするような事はなさそうだ。

私は感謝をこめて塚内くんにウィンクしたのだが、何故かひきつった笑みが返ってきた。

 

「しかしな、志村の孫・・・・か。忘れた訳じゃねぇが、今になってその名前が出てくるとはな」

 

グラントリノの瞳に陰りが浮かぶ。

後悔の色がそこに滲んでいた。

 

「約束さえなけりゃ、なんつーつまんねぇ言い訳が浮かんじまうのは歳食ったせいなんだろうなぁ。かもだの、たらだのよぉ。未練がましいったらねぇやな。無かった未来考えてよぉ」

「故人との約束が逆に・・・やるせないな」

 

塚内くんの言葉に、寂しげに笑うお師匠の顔が脳裏に浮かんだ。

 

「グラントリノ、私は━━━」

「んな目で見てくんじゃねぇ、馬鹿タレ」

「━━━った!?」

 

頭を思いきり杖でひっぱたかれた。

ジンジンとした痛みが頭に残る。

 

直ぐ塚内くんがグラントリノを押さえこんでくれたおかげで追撃はされなかったが、しごかれた時を思い出して体が震えてしまう。怖い。

 

「えぇい鬱陶しい。しがみつくんじゃねぇ塚内。ちと小突いただけだろうが」

「止めますよ!今、オールマイトがどんな━━━」

「だからだろうが!!」

 

塚内くんに一瞥したグラントリノの視線が、私に戻ってきた。

 

「俊典、おめぇまだ自分の体がどうなってんのか、ちゃんと自覚がねぇな。限界だよ。ヒーローとして、お前は終わったんだ」

 

医者に言われた言葉が頭を過る。

復帰は望めないという、その宣告が。

 

「ですが、まだ━━━」

「まだ個性を使える。聞いたよ、それもな。医者の予想が正しけりゃ、持続時間五分あるかないかっつーやつだろ。出力の次第によっちゃ十分は持ちそうか?まぁ、そうだな。それでも救える奴はいるだろうよ」

「━━━はい、ですから━━━」

「そうして無理して戦って、勝手に死ぬのがお前の仕事か?お前の目指した、平和の象徴がするべきことか?」

 

返す言葉は見つからなかった。

 

「俊典。理解しろ。お前の肉体はな、もう限界なんだよ。命削って無理すりゃ戦える、誰かを救えもする。けどな、それは本当に、残り少ない命削ってでもお前がやることなのか?お前がしなきゃいけねぇ事なのか?━━━━あの時、お前が踏みとどまったのは、何の為だ?」

 

最後の言葉に心臓が跳ねた。

驚きを隠しながらグラントリノの目を見れば、確信したような意思の籠った瞳がある。

 

「叱ってやろうと思ったんだがな・・・けどそりゃ、あの嬢ちゃんに任せる。お前に踏みとどまらせた、あの嬢ちゃんに」

「グラントリノ・・・」

「情けねぇ声だすな、馬鹿タレ。お前はもう、先生だろうが。導いてやれ、少しでも。そして教えてやれ。あんな姿じゃねぇぞ。お前が目指したヒーローってやつをだ」

 

ドン、とグラントリノの拳が胸を叩いた。

 

「死柄木弔の件は俺と塚内で行ってく。お前はお前のするべき事をしろ。ヒーローのオールマイトとしてじゃねぇ、一人の先生としてだ。言っとくがな、お前がこれからしなきゃなんねぇ事ぁよ、思ってるよか楽な役目じゃねぇぞ。覚悟しとけ━━━」

 

俺も手を焼いたんだからな━━━そう続けたグラントリノは不敵に笑う。

甦るのは私を厳しくも優しく━━━はなかった。危うくよい思い出にする所だった。グラントリノは厳しく更に厳しく、ただただ厳しかった。

 

ああいう風にはならないようにしよう、と私は心を新にする。

 

「━━━えぇ、もしかしたら、私にとってはヒーローより大変な事かも知れませんから」

「お前は指導者に死ぬほど向いてねぇからな」

「そこまではっきり言わないでください。私もさすがに落ち込みます」

「落ち込め、落ち込め。そうやって指導者も一端になんだよ」

 

その言葉が本当なら、私もグラントリノを悩ました事があるのだろう。きっと、あのお師匠も。

まったくもって耳の痛い話だ。

 

「・・・しかしまぁ、ありゃ手が掛かるぞ。俊典」

「は、はい?なんの事ですか?」

「なんの事ってな、お前・・・お前の生徒達の話だ。ビルの屋上にばかでかいスピーカー置き逃げした、大馬鹿連中のな。よく叱っとけ」

 

「苦労したよ、波風立てないように処理をするのは。よく叱っておいてくれ。オールマイト」

 

「は、はははは・・・・」

 

誉めなくてはいけない。

叱らなければならない。

感謝しなくてはならない。

 

彼女に。

彼等に。

彼女等に。

 

今度会った時、初めになんと言うべきか。

私は答えを探して窓から空を眺めた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

監視カメラが出す機械の無機質な音。

通気孔から響く空気の通り抜ける音。

命を繋ぐ生命維持装置の動作する音。

 

聞こえるのはそれだけだ。

あまりの静けさに自身の心臓の音がいやに大きく聞こえる。

 

「━━━ふぅ、少し退屈だなぁ」

 

そう呟き少し身動ぎすれば、あちらこちらに取り付けられた銃がカチャカチャと音を立てながら、その銃口を僕に向けてくる。

 

おお、怖い怖い。

 

「おいおい、体をかくのも駄目なのかい?」

 

返ってくる言葉はない。

人権についてどう考えているか、是非聞いてみたかったのだがお話はしてくれないらしい。

残念だ。会話さえ出来れば、幾らでも時間を潰せただろうに。

 

ここで僕に出来る事は何もない。

なにせ24時間体制で姿や声は勿論、脳波すらも見張られてるのだ。身動ぎ一つで先ほどのレベルの警戒。迂闊に個性を使おうとすれば、間違いなくけたたましい音と共に僕は蜂の巣にされる事だろう。

警告なしとなるのは間違いない。

 

尤も、それで僕が死ぬのかといえば、そうでもないのだが・・・痛いことは痛いしね。ふふふ。

 

それにしても・・・弔には驚かされたなぁ。

あんなクドイ真似をして"わざ"と彼女を見逃した事もそうだが、この僕に向かってあんな事言うなんて。

 

あの時、弔は確かに"それ"を口にした。

決別の眼差しと共に。

 

彼に与えた僕への不信感。

幾度にも分けて、じっくり植え付けた。

そのお陰か、彼は急速に考える力を身に付ける事が出来た。

 

芽生えた自我は根を伸ばす。

僕が作ってあげた下地に深く広く。

彼はもう、僕の代わりではない。

彼はもう、彼自身だ。

 

二度のお膳立ては彼の中に生まれた誇りを深く傷つけたらしい。故に受け取らなかった。千載一遇のチャンスを前に、彼はその機会を投げた。自らの意思で。

 

以前の彼なら考えられない行動。

まったくもって、面白い。

 

僕が他人に感謝する日がくるとは思わなかったよ。

ありがとう、双虎ちゃん。

弔は、君のお陰でまた一つ強くなった。

 

 

 

 

弔、君は戦い続けろ。

自らの意思で。

 

与えた知識を、与えた技術を振るえ。

思うがまま我が儘に、殺し、壊し、奪え。

 

君にもう先生はいらない。

君に導く者はいらない。

君はもう、己の道を歩く者だ。

 

『先生、あんたには感謝してる━━━━━でも、それだけだ』

 

弔、僕の可愛い生徒。

 

『俺は、あんたにはならない』

 

手塩にかけた、僕足りえる大切な存在。

 

 

 

 

 

『俺は━━━━━━━死柄木弔だ』

 

 

 

 

 

思う存分にこの時代に生きろ。

その名を世界に刻め。

 

 

 

 

次は君だ。

 

 

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