私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~ 作:はくびしん
警報騒ぎから暫く。
ヒーロー基礎学という訳わかめちゃんな授業以外は普通な授業を受けて順風満帆なスクールライフをエンジョイしてきた私、A組きってのスーパーアイドル緑谷双虎はUSJというテーマパークに向かうバスに乗っていた。
席順?眼鏡が煩かったけど無視して適当に乗ったよ!
「包帯先生!おやつ忘れました!途中でコンビニ寄って下さい!!」
「学校の敷地内にコンビニがあってたまるか。あと、授業中だ。持ってても食うな」
なんと冷たい塩対応!私の心はズタズタに傷ついたよ!これは慰謝料貰わないと!
文句を言おうと手をあげようとしたら、隣に座るお茶子に止められた。━━くっ、邪魔するな、お茶子!女には負けると分かっていてもやらねばならぬ時があるのだ!!
「あったとしても、今やないから!絶対!」
パツパツんスーツのお茶子に言われたのでは仕方ない。
今回は折れてやろう、包帯先生めが。
にしても、お茶子はえっちだなぁ。
「なんでそんなにピッタリフィット?えろじゃん」
「あわっ!?今更それ言うん?!あとエロやないもん!」
そうは言っても・・・。
ジロジロリンと頭の上から足の爪先まで見てみるが、おっぱいはメチャ盛り上がってるし、お尻はでてんとしてるし・・・・えろやん?
「これはっ、要望ちゃんと書いてなかったから、その、私の意思とはちゃうし・・・そ、そう言うニコちゃんかて、おっぱいえらい事になってるやん!ニコちゃんこそ、エロやろ!」
ははん?おいおい、何言ってんのお茶子は。
「元よりないすばでぇーな私が、男子からエロい目で見られない訳がないだろ!!平常運行、私!!」
「胸張って言うことちゃう!」
結局私のスーツは最初に間違って届いた奴を使ってる。
オールさんは良い顔しなかったが、これを着なかったらダサジャージなので嫌だ。
それに私が本来頼んでた奴は何かの手違いでそもそも作られてないみたいで待っててもこないし、検査した結果おかしな材料が含まれてた訳でもないし、性能もかなり良いみたいだしで何かと都合が良い。それに何よりお高い品物らしいから普通に欲しい。学校の備品扱いだから、流石に売れるとは思わないけど、使い古した奴なら寝巻きとして貰える可能性はある。結構いい着心地なのである。これ。
え?フィットする系のスーツは嫌じゃなかったかって?
まぁ、好みではないけど、百のヒーロースーツみたら些細な気がしたんだよね。なにあれ、ただのエロじゃん。
「ねぇねぇ、緑谷!麗日とばっか話してないで、私とも話そーよー!」
向かい側に座るピンク女子あしどんが元気に手を振ってアピッてくる。おいおい、私人気者かよ。来るもの拒まずな私は喜んでお相手する。
「いいよー!お話しよー!いえー」
「いえーい、お話しよー!」
そうして見つめあった私達だったが、特に話す事はなかった。なのでアルプス一万尺した。楽しかった(小並感)。
「・・・緑谷、動いてるバスの中で立つな。危ないだろ」
「大丈夫です、先生!私サンチンをマスターしてますので!!」
「お前のその構えは四股だ。男子共の目の毒だから止めろ」
おっと、間違えちゃったぜぇ。
これは四股だった。うっかり。
これ以上ふざけてると包帯先生からチョップを喰らいそうだったので元の席に戻った。すると、お茶子の反対側からついついと袖を引っ張られた。
視線を向ければカエルさんがいた。
そう言えば隣だった。
「けろっ。緑谷ちゃんあまり先生を刺激すると、また怒られちゃうわよ」
どうやら心配してケロたみたいだ。
何この子、めちゃええ子やん。あ、ええカエルやん。
「でもまぁ、大丈夫!私怒られてない方が珍しいくらいだし!!」
「それは胸を張って言っちゃ駄目な奴よ。緑谷ちゃん」
ち、ち、ち。それは違うなぁ、カエルちゃん。
若いうちはそういう無駄な自信が、未来を紡いでいくものなのだよ。
「それはそうと、緑谷ちゃんの個性って見たことないわ。どんな個性なの?」
「おおぅ、ぐいぐいくるねぇいカエルちゃん。そんなに知りたい?知りたい?」
「カエルちゃんじゃなくて、梅雨ちゃんと呼んで。興味はあるけど、言いたくないなら聞かないわ」
「私の個性はね、火を吹く個性と引き寄せる個性の二つだよ。良いでしょ?寝ながらリモコンとったりジュースとったり出来るんだよ」
「案外あっさりと言うのね・・・・・・二つ?」
「「「「二つ!!??」」」」
クラスメートの声が重なった。
なんぞ。
「マジかよ緑谷!普通一つだろ!しかもその個性だと、この間の個性把握テスト殆ど個性なしでやってんじゃねぇーの?!」
切島は勘がいいな。
「かっちゃんが走るときに、妨害で火を吹いたくらいだかんね」
「なんて事に使ってんだよ!?てか、それって自分の成績に関係ない使用法じゃねーか!」
離れた所に座るかっちゃんが舌打ちした。
してやられたあの時を思い出したのだろう。
油断大敵なんだぜ、かっちゃん。
がたっと、切島が椅子にもたれ掛かった。
「普通に、女子に負けてたのか・・・くそぉ」
「元気だして切島ちゃん。相手が悪かったわ」
そうだよ、相手が悪かったのだよ。
この世界で一番美しくてないすばでぇーで運動神経抜群の私と比べる事がまず間違ってる。悔い改めよー!
「にしても二つか。しかも一つは火を吹くなんて見栄えのいい個性。俺の硬化は対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよなー」
「硬化ってあそこも硬化すんの?」
「言いづれぇ事もがんがん来るな、緑谷は。教えねぇよ」
「教えないって事は硬化すんだ。彼女を飽きさせない、魅惑のガチガチおち━━━━」
「ニコちゃん!ストップ!!言わせへんよー!!」
「駄目よ、緑谷ちゃん」
お茶子に口を押さえられた。
梅雨ちゃんにも押さえられた。
「何言ってんだよ緑谷・・・ん?」
「━━━オイラと替われよ、切島ぁぁぁ・・・・!」
「間違っても、お前とは替わらねぇわ」
下ネタ禁止を言い渡された私は渋々普通の話をする事にした。面白くもない、かっちゃんの恥ずかしい過去話だ。途中まで皆のワクワクする視線を受けながらそれなりに楽しく話していのだが、バレンタインデーの話になった途端かっちゃんが爆発しながら中断させにきた。
なんだよぉ!今おもしろい所だろ!かっちゃんが私に貰ったと勘違いしたチョコを突き返しにきた、さいっこうに面白い勘違いシーンだろうが!!
なに、顔伏せてんだ!今更恥ずかしがってんじゃねーぞ!!照れてんのか!照れてるんですかっ?!ねぇねぇ?!つーか、あの時はかっちゃんが悪いですよねぇ?貴方が義理チョコでも学校では渡すなって言うから、私、ちゃんと、放課後に貴方のお家に届けにいく予定だったのにさ!馬鹿ぁなんでぇすくぁぁぁぁ!?
え、なに、お茶子。
え?チョコ?あげてる、あげてる。毎年。普段奢って貰ってるから、こういう時くらいはね・・・?
どうした、お茶子。そんな顔赤くして。なんでもない?それなら良いけどさ?
「・・・俺、爆豪のこと、クソを下水で煮込んだような性格してる癖に可愛い幼馴染みとイチャイチャしてるクソ野郎だと思ってたけどよ・・・なんだその、苦労してんだな」
「・・・・・・んだっ、てめぇのそのボキャブラリーはよ。殺すぞ」
「爆豪の、こんな力のねぇ殺すぞ初めて聞いたわ」
「緑谷、それ以上騒いだら、補習喰らわすぞ」
「双虎ちゃん大人しくしてるにゃん!」