私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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こんなにがっつりヴィラン編が来るとは・・・楽しみやで。
ドクターの正体教えてくれたらええなぁ(*´ー`*)


ゲームでも何でもそうだけど、最後の止めだけ持っていくような奴は友達ではありません。ただの報復対象です。まぁ、そういう訳だ友よ。面に出ろ、性根を叩き治してやる。止めは私がさすと言ったよなぁ!の巻き

召集を掛けてから少し。

かっちゃんが合流したのを切っ掛けに、先走り野郎な轟が戦ってる場所へ駆けつけると━━━━アザラシが事故起こしそうになっていた。

 

 

「「何をっ━━━」」

 

 

思わず声をあげると、低い声とハモった。

横目で見れば瓦礫の陰からモジャモジャなパイセンが駆け出してくる。お互いの目が合う。

一瞬のアイコンタクトだったけど、十分過ぎる程伝わった。

 

「━━してんだ、アザラシぃ!!エサ抜くぞ!」

 

即座にベイビースターを射出。

ベイビースターを起点にして、風と炎を対象に引き寄せる個性を最大出力の発動。渦となって落ちるそれから破壊力を削り取る。

 

「━━━しているんだっ!!イナサァァァァ!!」

 

削りきれなかった豪風はモジャモジャパイセンがきっちり受け止めた。モジャモジャの壁、つよい。パイセンかっけーす。

 

 

「双虎ぉ!!先行くぞ!!」

 

 

落ちてくるアザラシの回収を手伝っていると、立ち止まった私の横をかっちゃんが通り過ぎてく。私としてもかっちゃんには先に行って轟に加勢して貰いたい所だからなんの問題もない。だからそのまま見送った。普段は口と態度の悪い爆発野郎だけど、こういう時は本当頼りになるなぁ。サスカツ。

 

モジャモジャベッドにアザラシを叩きつけた後、アザラシの事はそのままモジャモジャパイセンに任せ、私も爆発音が鳴り響くそこへと体を引っこ抜く。

 

 

近づくとまたえらい光景になってた。

 

 

ひび割れや隆起によってガタガタに崩れた地面。その上をヴィラン役の仮面の男達は、地面を這いずり回る炎の蛇に追われ逃げ惑っている。炎によって分断された者には恵みの雨のように爆発物が降り注ぎ、吹き飛ばされては荒れた地面に転がされていく。

 

爆炎が支配する阿鼻叫喚のその地は、さながら現世の地獄だった。

ヒーロー志望の少年達の仕業とは思えない鬼畜ワールドだった。━━━まぁ、その少年というのは主にかっちゃんと轟の事だけど。地割れ?地割れは知らん。

 

 

「チャチョー!これやべぇっ━━━━ぶぁは!?」

「おおぅ!?おい、大丈━━━━びょは!!」

 

 

いや、まぁ、私も参加するけどね。

 

目の前にいた二人の仮面ヴィランをベイビースターで意識を刈り取り、かっちゃんが暴れる中心地へと飛ぶ。

邪魔な仮面ヴィランを何体か狩り進むと、直ぐにシャチマフィアの姿が見えてき━━━━━━うぅん?

 

そこには確かにシャチマフィアがいた。

それと相対するかっちゃんも。

それは良い予想済みだ。

 

けれど、なんか見慣れない・・・一応見覚えのある奴の姿も一緒にあった。

 

 

「━━━っち!!おらァ、クソアマ!!邪魔なんだよ!!散れや!!」

「あははっ、そんなに邪険にしないでよ~。上手く合わせてるでしょ?」

「っせぇ!!いちいち、てめぇは動きが気持ち悪りぃんだよ!!」

 

士傑のあのエロ女だ。

かっちゃんも悪態はついてるけど、動きに無駄があるようには見えない。寧ろ上手く連携が取れてると言っても良い。私程でないにしろ、下手したら轟より上手いかも知れない。

 

そんなレベルの連携。

当たり前だが、そんな事即興で出来る訳がない。

一度戦っただけで、出来る訳がない。

つまりはそういう事だ。

 

 

 

 

「━━━━ふぅ、まったくかっちゃんは」

 

 

 

 

試験中に逢い引きなんて、ぶっ飛ばすぞ☆!

 

最大出力で体を引っこ抜き、空中を加速。

両足を真っ直ぐ伸ばし二人の連携の間をぶち抜いて、シャチマフィアに渾身のドロップキックをかます。

放った渾身の一撃は、二人に意識を割きすぎたシャチマフィアの隙を完全についたのか顔面にクリーンヒットした。大きく体勢が崩れる。

 

「なぁに、いちゃついてんだコラァ!!他所でやれや!!他所で!!はげろ!!」

「はぁ!?誰が何処でいちゃついてんだっつんだ!?ゴラァ!!何処に目つけてんだてめぇは!!」

 

この野郎、まだ誤魔化すつもりかぁ!!

 

「緑谷双虎っ、か!?ふっ、相変わらずのじゃじゃ馬っぷりだ━━━━━ぬおっ!?」

 

こっちに視線を向けたシャチマフィアの隙をついて、かっちゃんが爆撃を叩き込む。

 

「ここに二つ!ついてますけど!?見えませんかぁー?!かっちゃんは節穴ですかぁ!?目玉はお留守なんですかぁー?!もしもーし!!」

 

かっちゃんに向いた意識の隙をついて、ガガンってなるパンチをシャチマフィアの横っ面に叩き込む。

その攻撃にかっちゃんもすかさず爆撃で追撃してくる。

 

「もしもしは耳だろうが、馬鹿が!!つか見えまくりだわボケ!!じゃぁ、頭だな!!てめぇがイカれてんのはよ!!落としたネジ拾ってこいや!!北九州まで!!」

 

北っ、九州っ・・・ふぐぅ!こいつっ、人が言われたら嫌な事を平然と!最低だな!本当最低だな!!あん時、母様にどんだけ怒られたと思ってんだ!!トラウマなんだぞ!!この野郎!!

 

「試験中に━━━喧嘩っ、とは━━━━と注意したいがっ!!ええぃっ、良い連携だ馬鹿共がァ!!!」

 

甲高い音と共に衝撃波が飛んできた。

私とかっちゃんの体が後ろへと弾かれる。

ヴィランと戦ってる姿を見てたから分かっていたけど、この至近距離でこれはズルい。吹き飛ばす威力は然程危険ではないけど、頭にクラっとくるのがヤバい。引き寄せる個性が安定しなくなる。共闘してた時から思ってたけど、このシャチマフィア相性最悪だ。

 

ふらついたこっちにシャチマフィアが拳を振り上げる。

衝撃に備えてガードを上げた━━━━けど攻撃はこなかった。

 

「━━━っ!!ぬうぅっ!!」

「っとー、完全に後ろとったのに。プロは怖いねぇー。謎の超反応。どうやって感知してんの~?」

 

あのエロ女がシャチマフィアの注意を逸らしたからだ。

背後からの奇襲もさることながら、それまで気づかせなかった技術は目を見張る物がある。ムカつくけど。

私ですら、エロ女の位置を間違えてた。

 

「かっちゃん!!」

「っせぇ!!やんぞ!!」

 

エロ女の動きに合わせて、シャチマフィアに攻撃を叩き込む。ガードされたけどエロ女からの攻撃は入った。くぐもった声が聞こえる。

 

エロ女もこちらに合わせるつもりがあるのか目が合う。そう長くないアイコンタクト。何とはなしに腹立ったけど、言いたい事は何となく分かった。

かっちゃんと合わせるのは慣れっこ。見なくても出来る。だから、エロ女の動きだけ見て合わせていく。

 

エロ女に注意が向く隙をついて攻撃する。

こちらに意識が向けば弱点ついてそうな炎とベイビースターで撹乱しつつ視線を誘導、かっちゃんとエロ女の攻撃の隙を作る。

釈然としないものがあるが、エロ女に合わせるのは難しくなかった。妙に噛み合うのだ。

 

「━━━ペース上げますよ、アホ女」

 

カチンとする言葉と同時、エロ女のテンポが上がった。

エロ女がかっちゃんを軸にしているみたいなので、私もそれに合わせていく。本当に腹が立つほど噛み合う。手の届かない所に手が届く感じ。

 

けど、やっぱりムカつく。

 

かっちゃんの爆撃で生まれた隙をついて、シャチマフィアの懐に潜り込むとエロ女も同じタイミングで突っ込んで来ていた。エロ女も嫌そうな表情を浮かべている。

どうやら気持ちまで一緒らしい。

 

私はそのまま引き寄せる個性を使い、全力で拳を振り抜く。息でも合わせたように、エロ女も脚を振り上げた。

鈍い感触が走り、鈍い音が鳴る。

シャチマフィアはたたらを踏んだ。

 

「━━━━ふっ、良い攻撃をするじゃないか。受験生っ!!少し、火が付いたぞ」

 

ゾクリとした寒気に引き寄せる個性を発動。

勘に従ってその場にいた全員を引き寄せ、シャチマフィアから距離を作る。体一つ分離れた所で、また甲高い音が鼓膜を揺らした。それもさっきより大きい。体が飛ばされる。咄嗟に耳を塞いだけど、それでもクラクラする。

 

コントロールが利かない個性は直ぐに解除。

個性なしの自力で着地。体勢は少し崩れたけど、倒れる事なくできた。流石出来る女な私は違う。さすわた。━━━まぁ、他の二人も問題なく着地していったけども。

 

ふと見るとシャチマフィアから威圧的な雰囲気が漂っている。火が付いたとの言葉は冗談ではないらしい。

さてどうしようかと思ってると、波のように押し寄せる氷柱がシャチマフィアの背後から迫った。気づいたシャチマフィアはそれを額から放つ衝撃波で粉砕。

氷が粒となり宙に舞う。

 

その奥にはこっちに駆けてくる轟。

雑魚担当がお仕事終えたようだ。

 

「雄英生徒!!少しばかり見せ場を譲って貰うぞ!!」

 

怒鳴り声に視線を向ければモジャモジャが走ってきてる。背中にアザラシの姿もある。

 

「かっちゃん!!」

「っち!!顎で使ってんじゃねぇぞ!!」

 

そう良いながらかっちゃんは手を前へと構えた。

轟がかっちゃんの姿を見て顔を手で覆い、それを見たモジャモジャ達も視界を塞ぐようにモジャモジャを展開する。

 

カッ、と光が一瞬で周囲を満たす。

そしてシャチマフィアの呻くような声が聞こえてくる。

その隙にかっちゃんの首根っこを掴み、体を一気に引っこ抜く。シャチマフィアとの距離を更にあける。

 

なんか鳥を締めたような声が聞こえたけど、それはスルーして轟に合図を送った。

しめちゃえYO、と。

 

頷いた轟の体から炎が噴き上がる。

アザラシから風が巻き起こる。

 

「━━━━ぬっ、これは・・・!」

 

シャチマフィアの視界が戻ったとほぼ同時、二人の攻撃は放たれた。

 

轟の空気をも焼き焦がす炎、アザラシの嵐のような風。

放たれた二つはお互いを飲み込んで渦を描く。

火力を更に上げ、風力を加速させながら。

 

私はちょっと離れた所から、かっちゃんとその光景を眺めた。巻き上がる炎と風の嵐を。それに閉じ込められるシャチマフィアを。

 

頬を撫でる熱風を感じながら思う。

 

もうこれ、火災旋風とか呼ばれる災害じゃんね、とか。普通に酷い、とか。ヒーローの所業じゃないね、とかも。

 

「・・・・ヒーローに成る為に人の足を引っ張り、人を騙し、人を殴り、人を蹴り、人を焼く。かっちゃん、哲学だね」

「哲学ではねぇな」

 

そうこうしてる内にアナウンスが流れた。

用意された救助者が全員救出された事を告げる物。

つまりは二次試験終了の━━━━━━いや、長かった仮免許試験の終了を告げる、その合図が。

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