私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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シリアス書いた反動だよね( ´∀`)


助けを求める声が聞こえたら勿論助けるともさ。それが授業中だろうともね。だから、私が救援依頼出したら助けてね。この間スルーしたでしょ?プレイしてたのは知ってんだぞ!おいこら!の巻き

「━━━━━はぁっ!!戦友がっ!!私にっ!!助けを求めてる気がするぅ!!」

 

焼き肉祭りの余韻が心に残る、新学期初日。

ブルブルと震えるそれで目が覚めた私は、すかさずポケットからスマホを取り出した。画面に表示されるのは戦場の名前と助けを求めるメッセージ。流れるようにロックを解除。的確に画面を操作しアプリを起動させる。

 

アプリのタイトル画面が視界に入った直後。

オデコへの謎の衝撃と痛み、加えてスコーンという良い音が周囲に鳴り響いた。めちゃいったいっ。 知能指数が2は下がりましたよ。いったい。何投げた━━━チョークか、チョーク!?チョークの痛みじゃないんだけども!?

 

「緑谷、HR中にスマホを開くな・・・・というか、これから新学期初めての授業だと言うのにいきなり寝るとはどういう了見だ。大馬鹿者が」

 

ビシッとチョークで指差され思わずたじろいでしまう。

けれど、双虎ちゃんは負けない!私にもちゃんと言い訳があるのだ!

 

「ちっ、違うんです包帯先生!!思いの外ほか、クーラー効いてて寝やすかったとか、そういうのじゃないんです!!それに、これだって理由があるんです!秋イベ攻略するって言ってた戦友が救援依頼だして来てるんです!秋イベの限定キャラが推しだから、夏のバイト代全部突っ込む所存やって!あたいやるんやって!そんなあいつを、私が助けなくて誰が助けるんですか!」

「どこかの暇なやつが助けるだろ。スマホのデータをサルベージ出来ないレベルで消されたくなかったら、しまえ。二度は言わないからな」

「しゃーせんしたぁぁぁぁぁ!!」

 

敗北を受け入れた私は一礼の後、サシュッとスマホをポケットにIN。ジャンピング着席し、包帯先生の方へ体を向ける。怒ってはないのか包帯先生は私が自分の方を向いてるのを確認すると話し始めた。

 

「馬鹿のせいで話がそれたが・・・蛙吹と八百万から質問があったヒーローインターンについてだが、まぁ後日説明するつもりだったが丁度良い機会だ。先に伝えておく」

 

包帯先生の口から語られたのはネズミー校長が始業式の時にごにゃごにゃっと言ってたヒーローインターンの話。私は半分気を失ってたから知らないけど、皆それが気になって仕方なかったらしい。

包帯先生の言うことにゃ、ヒーローインターンとは平たく言うと校外でのヒーロー活動らしい。以前あった職場体験の本格版で、仮免許合格者はプロヒーローの所でバイト出来るようになるそうだ。因みに強制じゃないし、やらなかったからといって補習とかも当然なし。そもそも任意でやる事で、授業の一環とかでは無いんだって。━━━かっちゃんやるの?たい焼きじいちゃんとこ行くの?ねぇねぇ、かっちゃん。行くの?ねぇってば、かっちゃん。こっち向けや、かっちゃん。ねぇ、こら。おい、無視するな。泣くぞ。幼稚園児ばりに泣くぞ。分かった、よし、そのまま無視するなら背中に書くからね。指で何か書くよ。・・・分かった、般若心経書いてやる!

 

お茶子がインターンについて荒ぶってる姿をぼんやり眺めながら包帯先生の話を聞きつつ、かっちゃんの背中に指で般若心経書いて遊んでると、ふとある事が気になった。取り敢えず質問する為に真っ直ぐ手をあげる。包帯先生の嫌そうな視線が刺さる。そんな顔しなくても良いのに!酷い!

 

「・・・なんだ、緑谷」

「インターンのお給料は幾らですか!」

「お前は・・・まぁ、その指摘自体は悪くはないが。インターンはどちらにとっても慈善事業ではないからな。インターンで発生する賃金についてだが、基本的に各都道府県に於ける最低賃金以上となっているだけで、上限は特別決まってはいない」

「事務所によって違う系ですか?」

「そういう事だ」

 

成る程なぁー。行くならお金持ってそうな所かぁー。

私は可能な限り働きたくないから、そこら辺は関係ないんだけど・・・でも、まぁ、行くならおハゲの所が良いかなぁ。見栄っ張りだからそもそもの時給高そうだし。それに乗せ方は分かるから、交渉したら時給高くなりそうだし。

 

私は包帯先生の目を盗んで、かっちゃんこそっと話し掛けた。

 

「かっちゃんはたい焼きじいちゃんの所で、貧困に喘ぐと良いよ。私はブルジョアに生きる」

「ほざけ、ボケ・・・・あと背中に文字書くの止めろ。何書いてんだ、腹へってんのかてめぇは」

「はぁ?般若心経だけど?」

「般若心経にカルビだの、タン塩だと、ロースだの、トントロだのあるとは思えねぇ」

 

無かったっけ?はんにゃーはらみーって言わない?ハラミがあるなら、ロースもカルビもあるでしょ。ていうか、般若心経とかよく知らんし。ええやん、別に。

 

かっちゃんとじゃれてると、包帯先生はインターンについては教師の間で協議する事が残ってる為、後日また話をする時間を作ると言ってHRを終わりにした。体験談とか聞くことになるっぽい。

 

包帯先生と入れ替わりで入ってきたラジオ先生の元気な声を聞いた私はかっちゃんをからかうのを止めて、教科書を枕にして静かに机へ頭を預けた。

 

「ぐっない、べいべー」

 

すやぁー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっないしてから数時間。

学校の唯一の楽しみであるお昼ご飯の時間。

前期同様に皆と学食でお昼を食べてると、不意にお茶子が神妙な顔で口を開いた。

 

「インターン、どっか受け入れて貰えんやろか」

 

ごはん粒を頬っぺたに付けてはいるけど、顔は真剣そのもので吐き出された言葉には重みがあった。そんなお茶子を見て私はごはん粒の事を教えるのを止めて、話の先を促した。

 

「前回の職場体験で、私は実感した。ヒーローになるっていう事が、どれだけ自分の考えてた物と違っとったのか・・・。訓練は勿論していかなあかんけど、私はヒーローがどんな物なのか、私にとってヒーローがどんな物なのか、改めて見つめ直す必要があると思うの」

「へぇーなるほどなぁー」

「その為には、やっぱり経験をつまなあかんと思う。実際の現場を見て、お仕事を手伝わさせて貰って・・・そうやって見えたもんが、私には必要やと思うんや」

「そっかーなるほどなぁー」

 

お茶子の話に頷いてると、横にいた梅雨ちゃんが「お茶子ちゃん、頬っぺたにご飯粒ついてるわ」と空気を読まず静かに指摘した。お茶子は梅雨ちゃんに指摘されたご飯粒を取り、そのまま顔を真っ赤にして俯く。はい、真剣顔は終了です。鬼やで、梅雨ちゃんは。

 

「それはそうと、皆割と行く気マンマンまん?」

「けろっ、私はインターンに興味あるわ。これから学校側の対応がどうなるか分からないけど、許可が降りるならお願いしたいわね」

 

お茶子同様に梅雨ちゃんもやる気らしい。

そんな梅雨ちゃんを見て切島が「俺もだぜ梅雨ちゃん!」とガッツポーズをとる。切島もやる気マンマンまんらしい。

 

そうなると眼鏡もかと思って顔を見たら、首を横に振った。

 

「僕としては今回インターンをするつもりはない。勿論、実際の現場で一人のプロとして仕事を経験する事は大切ではある。訓練とは違う生の現場で得られる経験は得難いものだろう。だが僕の場合はそれ以前の問題だ。基礎体力面の不安が大きい。今は少しでも鍛え、個性の出力を伸ばすべきだと思っている」

「へぇー・・・・で、轟は?」

「えっ、あ、あっさりし過ぎではないだろうか!?確かに、僕の話はそれで終わりではあるのだが・・・」

 

眼鏡を無視して轟に聞いてみたら、轟は少し考えた後「緑谷はどうだ?」と無表情で言う。心のままに「働きたくないでゴザル」って返したら「そうか」と言って蕎麦をすすり始めた。あんまり乗り気ではないらしい。

 

かっちゃんは聞くまでもなくたい焼きじいちゃんの所に行くだろうからスルー。なんか言いたげにしてたような気がしたけど、気のせいだよね?かっちゃんそういうキャラじゃないもんね。

 

「かっちゃん、儲けたら奢って?」

「てめぇはハイエナか何かか」

「失礼な!誰がハイエナだ!巷で美人過ぎる女子高生と噂になってるのは誰だと思ってるの!何を隠そう、私だよ!!」

「恥ずかしげもなくんな厚かましい台詞吐けんなら、ハイエナでも何でも構わねぇだろうが。てめぇの何処に、俺の言葉が失礼にあたる要素があんだ」

 

んだと、こらぁ!焼き肉定食の焼き肉だけ取るぞ!!貴様の配膳台、キャベツオンリーにしてやろうか!!

 

かっちゃんの焼き肉を奪う為に熱い戦いを繰り広げる事少し、高笑いが背後から聞こえてきた。どこの雛壇芸人かと思って振り返ると、今日も相変わらず元気な物真似野郎とその他B組ボーイズがいた。

 

「ハッハッハッハッ!定食一つを取り合うなんて、A組の暴力夫婦コンビは恥知らずな上に下品で意地汚いなぁ!これでヒーローの仮免許を取得してしまっているのだから、僕は正直恐怖すら感じるよ!栄えある雄英の品位、君達の愚ぅ━━━━へぶっ!?」

「「「物間ァァァァァ!?」」」

 

ムカつく顔面に胡椒を叩きつけてやったら思いの外クリーンヒットしたのか、物真似野郎は床にのたうち回った。売られた喧嘩は大体買う。やられたら八倍返しでやり返す。そして謝らない。それが私だから。

━━━ていうか、誰が夫婦だ。虎刈りにするぞ。

 

「ギャアギャア喧しい。虎刈りにすんぞ」

 

それ私の台詞や、かっちゃん。

 

「・・・物間くんは、相変わらずやな。始業式ん時大人しかったから、少しは落ち着いたんかと思ったんやけど」

「まぁ、あいつのクレイジーさは筋金入りだしな。うちの粗見つけて、嬉々として乗り込んで来たんだろ。楽しそうで何よりだな」

「けろっ。私、物間ちゃんのあの勇気だけは尊敬出来るわ」

「いや、これは勇気とは違うと思うのだが・・・」

 

皆が好き勝手に話してるとB組女子ーズがやってきた。そこには勿論物真似野郎の保護者サイドテがいて、例によって首チョップからの猫掴みをしていく。流れるような淀みのない動きで物真似野郎が鞄みたいに持たれた。

 

「ごめんね、いつも。そう言えばブラド先生から聞いたよ。A組も全員仮免合格なんだって?おめでとう」

「おー、せやで。全員合格ぅー。まぁ、かっちゃんマジでギリギリだったけど」

 

「・・・おいこら、何教えてんだてめぇ」

 

えぇーだっとぅぇー本当のこと・・・ちょ、怖い怖い!なに、オコなの!?そんなに!?でも本当のことやん!だってぇ!いやぁ、怖いぃ!そんなに怒らなくてもよくない!?

仕方ないのでぶちギレかっちゃんを轟でガード。戦えトドロキング!!君だけが頼りだ!!

 

何とかかっちゃんを轟に押し付けた私は、華麗にお話を続行する。

 

「はははっ、相変わらず仲良いね。あんたらは」

「これ仲良いって言って良いの?」

「仲良くなきゃこんな喧嘩もしないでしょ」

 

まぁ、そういう意味では仲悪くはないかなぁ。

 

「前期はお互い別々の授業だったけどさ、後期はクラス混同でやる授業もあるみたいだから、そん時は宜しくね。うちのが色々迷惑かけるかも知れないけどさ。はははっ・・・はぁ」

「あーーー、お疲れサイドテ。後期も宜しくね」

「ありがと。━━━━ねぇ、ふと思ったんだけど、私がサイドテール止めたらなんて呼ぶつもり?」

 

サイドテが、サイドテールを止める?

マジか。なんだろ、ん?んー?

 

「チョップウーマンとか?」

「拳藤一佳。名字でも名前でもどっちでも好きに呼んで良いから、その訳わかんないやつで呼ぶのは止めて。マジで」

「じゃぁ、イッチー?」

「はいよ、もうそれで良いよ」

 

呆れたようにそう言うと、B組女子ーズの一人ポニ子がイッチーの影から顔を覗かせる。ポニ子と割と仲良しで、この間も角を触らせて貰って━━━━。

 

「ニコちゃんさん、後期ィのクラストゥギャザージュギョー楽シミしテマス。ボコボコォに、ウチノメシテヤァりマス・・・ネ?」

 

おっと、ブチキレてる。

全然仲良くなかった━━━とか思ったら、イッチーがしかめっ面で目頭を押さえていた。

 

「ポニー、誰にそれ聞いたの?」

「ネイトさん、デス。友好ノ言葉、キキマシタ」

「変な言葉を教えるなっ!」

 

「━━━ぐえっ!!」

 

二発目のチョップを受け、物真似野郎がカエルが潰れるような声をあげる。可哀想とかはない。ただ、ただ、ざまぁである。

 

ん?イッチーどした。そんな、顔し・・・て。

いやぁぁぁぁぁぁぁ!!あだだだだだだ!頭が割れちゃう!!くそぅ!いつの間にか私のトドロキングを!!止めてっ、やめ、やぁぁぁぐぅぅぅぅあああああ!!

かっちゃんさん!すみませんでしたぁぁぁぁ!もう誰にも話しません!

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