私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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あーーーー!!書くことないなぁぁぁぁ!!


売られた喧嘩は基本的に買ってあげる主義だけど、あんまり安っぽいと弊社の独断と偏見からお断り申し上げる事も御座いますので、その点は十分留意の上お申し込み下さい。世界級美超絶少女委員会会長より。の巻き

ポカポカ日差しが心地よいその日。

清々しい程に晴れ渡った空の下、とある理由から私は下僕とフレンズ達を伴って寮の前にいた。

 

 

 

「うぇるかむ、とぅざ━━━━雄英高校ぉ!!イン、A組寮ぉ!!」

 

 

 

私の鈴の音がごとき素晴らしい掛け声と共に、皆の手元にあるクラッカーがパパパーーンと音を鳴らした。

クラッカーから飛び出したカラフルなテープは宙をユラユラと舞いながら、目を真ん丸に見開いたその子の頭の上や近くにゆっくり落ちていく。皆はそんな様子をみながら私と同じように歓迎の言葉を掛けたり、口笛を吹いたりと一気に騒がしくその子を出迎える。

 

だけどその子はそういう物を気に掛ける事もなく、真っ直ぐに私を見て口を開いた。

 

 

「ふたこさん」

 

 

そんな可愛らしい小さな声の主は、私が小さい頃に着てたにゃんこパーカーを可愛く着こなすエリちゃん。

本当なら文化祭にいきなり呼んで「サプライズ!」ってやるつもりだったんだけど、ネズミー校長から『いきなり人だらけの文化祭に呼ぶのは危ないかもね』との事で、人に慣らす為にこうして一回見学する事になったのである。

私はそんな小さなお客さんに笑顔を返した。

 

「はいよ。いらっしゃい、エリちゃん」

 

私の言葉と笑顔に、エリちゃんは引率してきてくれた黒豆パイセンと包帯先生から離れて、こちらに向かって足早に近寄ってくる。

腰を落として腕を広げながら待ってあげれば、そのまま勢いよく抱き着いてきてくれた。

細くて小さな腕で、ぎゅっと。

 

だからお返しに大人パワーでぎゅっとし返せば、「ふみゅ」とか可愛らしい呻き声が響いてきた。力をちょっと弱めてあげると、胸の所でモゾモゾしてたエリちゃんの顔がにょっきり出てくる。

 

「一週間ぶり。元気してた?」

「・・・うんっ」

 

私は近くの茂みの中からお尻を出して「桃が生ってるよ!!」とよく分からない事を叫ぶ黒豆パイセンを無視して、エリちゃんをそのまま抱き上げて寮へと向かった。ジュースもお菓子も一杯用意してある。見学はそれをちょっと摘まんでからだ。アップルパイもあるんだよー。ムキムキしたおじさんが作ったやつだけど、味は美味しいんだよー。ははは。

 

 

「・・・・・緑谷さん!ここに、桃が生ってるよ!!」

 

 

かっちゃぁぁぁぁーーーん!あそこにいる変質者なんとかしといてぇ!不燃ごみで良いからぁ!包帯先生!不審者ですよ!捕まえて下さい!それ、たまに裸になったりする痴漢でもあるんで!現行犯してください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆と楽しいオヤツタイムを過ごしてから暫く。

私はエリちゃんの手を引いて、当初の目的だった校内の見学を始めた。流石に文化祭も二週間を切ったので、エリちゃんと見学するのは私と黒豆パイセンだけ。お茶子や梅雨ちゃんといったエリちゃんと顔見知り組は同行したがってたけど、そんな余裕など少しも残ってない事をかっちゃんに指摘され、しぶしぶ出し物の練習へと戻っていった。━━━━んで、眼鏡はかっちゃんに出番を取られてショックを受けていた。眼鏡に足りないものは、情熱でも、思想でも、理念でもなくて速さだと思う。速さだよ、速さ。速さが足りない。

 

 

そんな訳でいざ見学を始めると文化祭まで二週間を切った事もあってか、休みの日にも関わらず校内は人でごった返していた。普段なら部活に勤しむ奴等は元より、外へ遊びにいく連中も部屋に籠る連中も、文化祭の準備に引っ張り出されているんだろう。人多っ。

 

手を繋いで一緒に歩いてるエリちゃんも人混みにビビってるのか私の体にピタッとくっついてる。

めちゃ歩きづらい。

 

「休みの日とは言えど、この時期はやっぱり何処も活気が凄いよね!去年もこんな感じだったよ!皆プルスウルトラの精神でやってるから!!」

「そうなんですかぁ。はぁー。そう言えば、パイセンのクラスとか文化祭は何やるんですか?」

「俺のクラス?なんか色々やるみたいだよ!!俺、インターンの事で色々忙しくてあんまり参加してないから分からないんだよね!あははは!」

 

そう言えばこの間も授業中なのに廊下ウロウロしてたな。この人。忙しいのは本当だったのか。まぁ、疑ってた訳でもないんだけど。

 

「お、通形じゃん」

「マジだ、おーい通形ー!」

 

あっちこっち見ながら歩いてると、黒豆パイセンを呼ぶ声が聞こえた。振り返って見てみれば、知らない顔の男子生徒二人が道具を小脇に抱えながら手を振ってる。二人に気づいたらしい黒豆パイセンの表情をみれば友人なんだろう。

 

二人は最初にこやかにこっちに向かっていたけど、近づくに連れて段々と表情を曇らせていった。なんとなく私を見てからな気がする。気のせいかも知らないけど。あっ、いや、気のせいじゃないな。めちゃ見てるわ。

そのまま近くへと来た二人は仮面のような笑みを顔に張り付けながら、黒豆パイセンへと口を開いた。

 

「おい、お前、良いご身分だな。最近学校休みがちって聞いて心配しればよぉ・・・おい、女連れてデートか糞が。はぜろ」

「俺達が文化祭の準備でひいこら言ってる時に・・・・くぅぅ、羨ましい。ていうか、紹介しろよ。誰なんだよ、そっちの綺麗な人・・・あれ?」

 

私の顔を見て、片方の男子が止まった。

凄い思案顔になってから、スマホを弄り出す。

そしてスマホに映った映像と私を何度も交互に見て、酷く驚いた顔で息を飲んだ。

 

「と、通形!略奪愛はやべぇよ!!そいつ一年の緑谷じゃねえーか!!爆豪の彼女の!!あー初めまして、俺通形の友人で、三年I組の━━━━って、つふぇ!お、押すなよ!」

「!?え、あ、マジだ!!誰かと思えば一年の緑谷双虎じゃん!おいおいおい!マジかっ、通形マジか!!お前、お前ぇーー言えよー!」

 

いや、誰が誰の彼女じゃい。

勝手に略奪させるなぃ。

 

文句の一つも言おうかと思ってると、男子二人の視線は直ぐに私の腰にくっつくエリちゃんに向けられた。いきなり二人から視線を受けて、肩をビクリとさせたエリちゃんはさっと私の後ろに隠れる。でもそれだけでは不安だったのか、側にあった黒豆パイセンの手も掴んで自分の方へ引っ張った。

エリちゃんの行動に合わせて動いた黒豆パイセンと私の肩がぶつかる。

 

「えっ、お前・・・・・」

「あ、そういう・・・・」

 

どういう、だ・・・・おい。

言ってみろパイセン共。

 

誤解を解くように黒豆パイセンへ視線を送ると、黒豆パイセンは何も言わずに穏やかな笑みを浮かべて頷いた。

 

「二人共。あのね、この子は・・・・」

 

「あーーーーー!!結構です!!ダイジョーブ!俺達何も見てないし!な!」

「そ、そそそそ、そうだぜ!おれ、お、おれ、おれれ達、何も聞いてないし!!あの、I組の出し物は、親子連れでも楽しめる企画になっておりますので機会があればいらっしゃって下さい!!」

「何宣伝してんだよ!?マジできたらやべぇだろ!!で、では俺達はこの辺りで!!」

 

逃げるように駆けていく二人の背中を見ながら、黒豆パイセンは伸ばしかけてた手を下ろした。

そして神妙な顔で私の方を見て、赤い舌を見せてきた。

 

そう、テヘペロである。

 

「ごめん、テヘペロ━━━━ぶふふっ!?」

 

パイセンの横っ面をビンタした私は悪くないと思う。

おら、走って誤解を解いてこい。心臓張り裂けんばかりの全身全霊の全速力で走っていってこい。

GOだ、馬鹿野郎ぉぉぉ!!

 

 

 

 

 

 

結局二人を取り逃した役立たずも一応連れて、引き続きエリちゃんと校内を散策してると、ペンキの臭いに包まれながら作業してるB組の男共を発見した。

エリちゃんが作ってる物に興味を示したので顔を出す事にした。丁度良くB組の汚点もいたので、エリちゃんに社会見学の一見として見せてようと思ったのも理由だ。勿論、悪い見本として。

 

「やっほー、B組の童貞共。はっぴーかーい?」

 

「げぇっ、緑谷だ!」

「マジだ、緑谷じゃん!」

「やべぇ、緑谷がいる!」

「よしいけ、物間!!」

「だからっ、なんで僕を前に出すんだ!!止めろ!!」

 

なんやかんや前に出てきた物真似太郎は、クラスメイトの視線に歯軋りしながら服装の乱れと息を整え、いつもの人を見下すような顔をした。変わり身の早さにエリちゃんが感心したような声を出す。思ってた反応と違う。

 

「こんな所でっ━━━━━━お、おい、僕はまだ、何も言ってないからな!いま、顔に個性使っただろ!地面にぶつけるつもりだったろ!!」

「?ナンノコトカ、ワカラナイナァー」

「絶対に嘘だろ!!見え透いた嘘を言うんじゃない!!これだから君の相手をするのは嫌なんだ!!何でもかんでも暴力で解決しようとする!ヒーローを目指す者としてなんて短慮なのか!品位が知れるよ!」

 

どうにもキレのない言葉に首を傾げると、物真似太郎は冷や汗を浮かべながらごくりと喉を鳴らした。

そして前髪を横へと流し直すと背中を向け、B組男共がいる方へと戻っていく。

 

「えっ、終わり?」

「今日の所はこの辺にしといてあげるよ!!僕達も暇じゃぁないんでね!!」

 

「ビビってんじゃねえーぞー!物間ー!」

「ガツンと言ったれ!言ったれ!」

「ここからがお前の真骨頂だ!!見てるぞ!」

「骨は拾ってやる、悔いを残すな!」

 

「うるさぁぁぁぁぁい!好き勝手言ってんじゃないぞ!!お前らぁ!!お前らがやれよ!!僕が無敵だと思ったら大間違いだからな!!この女、本当にっ!手加減なしで攻撃してくるんだからな!!割に合わないんだよ、本当に!!」

 

物真似助の逆ギレに「だって俺達、A組に文句ないもん」と団結を見せる他の男共。そういう意味では味方はいないらしい。可哀想に。

 

「ははは!なんだか今年の一年生は面白い人達が多いね!羨ましいよ!!」

「パイセンに言われたくないんですけど」

「どういう意味!?」

「そういう意味です」

 

その後、B組が作ってる物を見せて貰って、出し物についてもちょろっとネタバレを受けた。聞いても内容がよく分からなかったけど、どうやらクラスで劇をやるらしい。公演時間的に私は見れなそう。

あと、B組の姉御イッチーがミスコンに出るとかなんとか。私は出ないので即応援メッセしといた。『ヒモビキニで出たらイケる』、ってナイスアドバイス送ったら『誰がやるか』という言葉と怒ってる謎の中国人スタンプが返ってきた。なんでこのスタンプを買ったのか、後でじっくり━━━━━いや、今から行けば良いか。

 

 

 

 

「という訳で、私達がきた」

「こ、こんにちは」

「俺もお邪魔しちゃったよね!」

 

「うわ、本当にきた」

 

一応アポとってミスコンの打ち合わせしてる場所を訪ねると、ドレス姿のイッチーを発見した。即写メろうとしたら、即断られた。流石、姉御でやんす。反応早い。

イッチーはエリちゃんと目線が合うように腰を落としてにっこりと笑顔を向ける。

 

「エリちゃん・・・だよね?こんにちは、私は双虎の友達で拳藤一佳っていうの。よろしくね」

「け、けんどう、いつか・・・・さん?」

「そう、こいつみたいにイッチーでも良いよ。ねぇ、エリちゃん。私ね、前からエリちゃんの事聞いててね、仲良くしたいなぁって思ってたの。友達になってくれたら嬉しいんだけど・・・・どうかな?」

 

イッチーが顔を覗き込みながら聞くと、頬を染めたエリちゃんが照れ臭そうに私にくっついて小さく頷いた。

その様子にいつもキリっとしてるイメージが強いイッチーの顔が、見たことないくらいふにゃっとする。

 

「可愛いぃ・・・・」

 

分かる。

 

イッチーと一緒にエリちゃんにほっこりしてると「あーー!」っという声が掛かった。なんじゃろかと視線を向ければ、空中をフワフワしながらやって来る、ねじれんパイセンの姿があった。その後ろには天ちゃんパイセンの姿もある。

ねじれんパイセンはエリちゃんの前に着地すると、そのまましゃがみ込んでぬいぐるみが如くエリちゃんを抱き締める。捕らえられたエリちゃんは目が真ん丸だ。

 

「なにこれ、なにこれ!可愛い!緑谷さんの子供?やっぱり爆豪くんの?それとも轟くんの?」

「やっぱりも、それともも、あり得ないですから━━━━と言うか、エリちゃんですよ。今抱き締めてるの。もう忘れたんですか?」

「えっ、あ、本当だ!エリちゃん久しぶり!あっ、初めましてよね!だってエリちゃん気絶してて、私の事見てないもんね!私、波動ねじれって言うの、お友達になりましょう!」

 

圧倒的な押しの強さにエリちゃんは一生懸命に頷く。

早く脱出したくてやった事だろうけど、その仕草はねじれんパイセンの何かを激しく擽ったらしく、触れ合いはより過激になった。抱き締めるだけだったのが、頬擦りまで追加されてる。

そうして騒いでると他のミスコン参加者もゾロゾロ集まってきた。遠目から羨ましそうに眺めていたからいつか来るだろうとは思ってたわ。可愛いからね、仕方ないね。

 

エリちゃんの勇姿を眺めてるとイッチーが肩をつついてきた。どったの?と視線を向ければ、隣に立って口を開く。

 

「双虎、あんたはミスコン参加しないの?今からでも間に合うから参加しなよ。あんたなら絶対優勝出来ると思うんだよね。一位二位一年で独占してやろ、ね?」

「本音は?」

「死なばもろとも、よ」

 

死んだ魚の目でそう言うイッチーに「私が出ると優勝決まるから断る」と伝えれば、「それを公言するくらいなら出るわ」と言われた。なんでなん。ウルトラエクセレントアルティメット可愛いでしょ、私は。

 

因みに第二次エリちゃん争奪愛で撫で大戦は、最終的に睫毛がとんでもない事になってる三年パイセンが止めて終戦を迎えた。イッチー曰く、ミスコンでの最大最強のライバルだそうだ。勝ってるな、うん。

 

 

 

 

 

 

 

あっちこっちを更にウロウロし、なんやかんや辿り着いたのは雄英きっての魔境。サポート科の根城である特別学科棟。入口から所狭しと人が行き交い、展示エリアには既に物が飾られている場所もある。

大きな口を開けてキョロキョロするエリちゃんを連れて歩いてると、景気の良い爆発音が耳に響いてきた。

 

二週間切ってるのに今更何を爆破してるんだかと気になって爆心地を覗きにいけば、煙が立ち昇る二足歩行式の大型ロボットの前で、あくせくと飛び散った部品を片付ける発目の姿を見つけた。

やっぱりお前か、という言葉はこの際飲み込んでおく事にする。

 

エリちゃんを黒豆パイセンに預けて、他のサポート科の面々も交じって行われてるゴミ拾いを手伝いにいけば、気持ちいい笑顔と共に「おや、双虎さんではないですか!」と声が掛けられる。

 

「良いから手を動かせ、手を」

「はい!勿論です!あっ、そちらのベイビーにはあまり近づかないで下さいね!ジェネレータが不安定でまたドカンと爆発するかも知れないので!ドカンです!」

「展示物として、その安全性の無さは駄目なんじゃない?」

「大丈夫です!当日までには仕上げますので!!」

 

自信満々に言い放ったアホに、私は渾身のデコピンを一発食らわせ片付けを再開した。呻き声に返す言葉はない。あえて返すなら「アホめ」が、である。

 

片付けを終えてから改めてエリちゃんの件を話せば、発目自身は忙しくて構ってる時間はないが好きに見ていって良いと許しを貰った。他のサポート科の連中も、作業の邪魔さえしなければ基本文句は言わないだろうとの事。

許可を貰ったので発目のブースを見学しようと思ったんだけど、肝心のエリちゃんは発目に興味を持ったらしく作業姿をじっと見つめて動かなかった。何が面白いのか気になって一緒になってぼんやり眺めてると、小さい声でエリちゃんが呟く。

 

「ふたこさん。みんな、がんばってるね」

 

そう言われて私も改めて発目の横顔を見た。

ゴーグルを付けているから視線が何処にあるのか見えはしないけど、動きを見ていれば目の前しか見えてないのはよく分かる。顔の汚れも服の汚れも気にせず、額の汗を拭いながら手にした工具で配線まみれの基盤を弄る姿は、エリちゃんの言う『頑張ってる』に違わない物だろう。

 

今日見てきた他の連中もそうだ。

うちのクラスメイト達も。

勘違いしたあのそそっかしい先輩達も。

相変わらず無駄に元気なB組の男共も。

打ち合わせ場所にいたミスコンに参加する皆も。

目の前にいる発目達も。

 

 

 

『ごきげんよう、フロイライン。私の名前はジェントル・クリミナル。君の数多くいるファンの一人で、今はまだ有象無象の映像投稿者でしかない、しがないヴィランだ』

 

 

 

誰もが文化祭に向けて、頑張っている。

 

 

 

『突然このようなメールが届き、君をさぞ困惑させ驚かせてしまった事だろう。無作法な手段で連絡先を突き止めてしまった事、不快な思いをさせた事をまずは謝罪しよう。申し訳なかった。私が口にした所で信用など出来ないだろうが、この連絡先について悪用しない事を約束する。さて……こんな真似をしてまで君に連絡を取ったのには他でもない、タイトルにも書いた通り、君を私の撮影会に招待したくて連絡させて貰った。是非とも君にはゲストとして参加して頂きたいのだ』

 

 

『企画内容は簡単、君には私と戦って頂きたいのだ。勿論強制はしない。あくまでこれはオファーでしかない。ただ君が断るとなると、次の投稿予定日にあげる映像がない為、私は本来の崇高なる計画・雄英!!入ってみた!!を実行する事になるのでその点は留意して頂きたい』

 

 

『最後になるが、三つほど注意させて頂きたい。一つ目はこの件について、私達と君とだけの秘密にして欲しいという事。二つ目はこの話を誰かに漏らした事をこちらが把握した時点で、それ相応の報復をさせて頂く事。三つ目は━━━━━私の本意が君達を傷つける事でないという事だ。日取りは追ってお伝えしよう。良い返事を期待している』

 

 

 

『PS、文化祭の準備、是非とも頑張ってくれたまえ』

 

 

 

 

 

 

 

ただの悪戯だと思ってスルーしたけど━━━━━

 

 

 

「・・・・ふたこ、さん?」

 

 

 

隣掛かった不思議そうな声に笑顔で応えると、エリちゃんはホッとした顔をした。

それからエリちゃんは私の袖を掴みながら、また発目を見て呟くように話し掛けてきた。

 

「ふたこさん、できたら、どんなふうになるのかな?」

「ねぇー完成してないでこれなら、面白くはなりそうだよね。ワクワクしちゃうね」

「うん、ワクワク、しちゃう・・・・と思う」

 

 

 

━━━━━私の友達の顔を曇らせるような事をしようっていうなら、許すつもりはない。何処の誰だろうと。


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