私のヒーローアカデミア~わんほぉー、わんほぉーなんだってけかをお断りし続ける私の楽しい英雄物語~   作:はくびしん

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はぁーーー最初のプロットと大分違うなぁ!!なんでこうなったんやろ!なんでやろなぁ(*´ω`*)


割とノリノリで書き上げた『紳士淑女の楽しい撮影会』の閑話の巻き

「━━━━━始まったか」

 

イヤホンをした彼の落ち着き払った声が、車内の中に静かに響く。続いて彼の指先が手元のノートパソコンのキーボードを軽快に叩き、モニタに映った物を見て口を開いた。

 

「目標、アルファ、ベータに他の協力の影はない。繰り返す、目標、アルファ、ベータに他の協力の影はない。警察による人払いが済み次第、プランAを開始する。現場のマップデータを確認後、配置について準備を始めてくれ。━━━尚、先に説明した通り作戦開始後、現場一帯に10分間妨害電波を流す。各チーム連絡があればそれまでに済ませて欲しい、以上だ」

 

その言葉に車に備え付けられていたスピーカーから了解の言葉が返ってくる。それは今日の呼び掛けに応えて集まってくれたヒーロー達の声だ。彼らはヴィラン活性化の現在ただでさえ忙しいというのに、大した益もなく、雄英高校の文化祭を守るというたった一点の為に、私達に協力を申し出てくれた。

 

塚内くんを始めとした警察関係者の対応にも頭が下がる思いだ。密かに動いてくれた彼らからの情報提供がなければ、こんなにも早く犯行現場を特定する事は出来なかっただろう。ヒーロー達を密かに集め移動させる事も、周辺一帯の人払いを行う事も━━━彼らの協力なくしてはあり得ない。

 

隣にいる彼もまた、それは同じ。

まだ傷も完全に癒えていないにも関わらず、彼は二つ返事で頷いてくれた。彼の情報分析能力とプランニングがなければ、ここまで迅速に対応は出来なかった。元相棒であり、友人であるナイトアイの協力なしには。

彼には本当に感謝しかない。

 

「ありがとう、ナイトアイ」

「?いきなりどうしたんだ、オールマイト。まだ感謝される事はしていないつもりなのだが?まだ、これからだ、油断は欠片も出来ない。まずはあの厄介なブレインから確実に捕まえねば、あれは何を起こすか分からないからな」

「HAHAHA、そうだね。済まない・・・だけど、嬉しくてね。協力してくれた事もそうだけど、またこうして一緒に仕事出来るとは思わなかったから」

 

彼女という切欠がなかったら、きっとこの先も話すことは無かったかも知れない。何かと言い訳をして、会う事を駄々を捏ねる子供のように拒み続けただろう。もしかしたらそのまま、彼の何を知る事もなく後悔を抱えたまま別れる事だってあっただろう。縁起でもない話ではあるが、ヒーローという職業柄、それは珍しくない別れだ。

 

私の言葉にナイトアイは義足に触れた。

何かを確かめるように。

 

「私も、そう思っていました。もう貴方と私の道は交わらないのだと━━━━けれど、それは違った。違うのだと、彼女達が教えてくれた。運命など、ない。個性などではなく、私が私の意思で選ぶべきだったのだと。そうして漸く、私は望むべき道を歩く為の"足"を得られました」

 

モニタを真剣な顔で眺めながらも、ナイトアイは僅かに口元を綻ばせた。その横顔に悲痛さはない。あるのは前を向いて歩く、強い意思だけだ。

そんなナイトアイの様子を眺めていると「そう言えば」となにかを思い出したように彼は続けた。

 

「彼らを集める時ですが、貴方の名前は使うまでもありませんでしたよ」

「えっ、ど、どうしてなんだい!?言っただろう、頼んだのは私だ!今回は全て私の責任で行うと!名前くらい好きに使ってくれて良いと!また君は変に気を━━━━」

「いえ、そういう事ではないんです。今夜、要請に応えてくれた大半が、彼女の名前に集まったんですよ。私が最初に伝えたのは緑谷双虎が、雄英のあの問題児が、厄介事に巻き込まれて困ってるという事だけでした。そうしたら呆れた声で溜息を吐く者がいれば、馬鹿だアホだと笑い声をあげる者や、声を荒らげて苦言を呈す者もいました・・・・それでも最後は一言"力になると"。貴方が今回の件での"彼女の保護者"だといえば、尚更と」

「━━━━━それは、はははっ、まったく」

 

思い返せば・・・いや、思い返さなくてもそうだ。

今夜集まった彼らは一度は彼女と面識を持つものばかり。ナイトアイの事務所の面々を始め、現在休止中のプッシーキャッツも、エンデヴァー事務所のサイドキック達も、他のヒーロー達も。

 

「彼らの行動をヒーローらしい、と言えばそうなんでしょう。しかしこの世知辛い時代、得にもならない事へ、こうも簡単に人は首を縦に振らない。声を掛ける者は勿論選びました。ですが、それでも私のように救われた人間ならまだしも、集まった中に迷惑しか掛けられなかった筈の者もいたというのは・・・・何ともおかしな話だと思いませんか。けれど、まぁ、今の私には、何故だか理解も出来てしまうんですが」

「ああ、私もだ。彼女は危なっかしいからね」

「ええ、危なっかしくて見ていられない」

 

悪態をつきながら、言い訳を口にしながら、傷だらけになりながら、それでも真っ直ぐ全力で誰かの元に駆けつけていく。そんな彼女の背中は、いつ見ても危なっかしくて見ていられない物だ━━━━だから、放って置けないのだろう。

 

私も、隣の彼も。

呼び掛けに応えてくれた皆も。

そして後部座席で貧乏揺すりしながら、ずっとイライラを隠さない彼も。

 

「オールマイト、大人の仕事を見せてやりましょう」

「ああ、勿論だとも。そういう事だから、もう少しだけ我慢してて欲しいんだけど・・・・大丈夫、爆豪少年?」

 

「ああ!?何心配してんだ!?こうして待ってやってんだろうが!!見えねぇのか、ああ!?さっさと、やることやれや糞が!!」

 

大丈夫じゃないな、これは。

流石にいの一番に反対して、最後のギリギリまで反対してた彼は違う。少しでも目を離したらすっ飛んでいきそうだ。

 

心配性の彼が飛び出さない事を祈りながら、私は作戦開始の時間を待って時計を見つめた。

秒針は刻一刻と刻まれていく。

その時に向かって。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

『夢は、ヒーローになって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

まだ若さと情熱だけが私を動かしていた時代。ジェルトル・クリミナルではなく、ただの飛田弾柔郎だった頃。

それが私の細やかな夢だった。

教師に怪訝な目で見られても、クラスメートに笑われても、両親に嘆かれても・・・私は私の未来を誰よりも信じ、夢の為に努力を続けていた。

 

苦手な勉学も進んでやった。

留年してしまうほど結果はついてこなかったが、それでも全力で必死になってやった。分からないなりに学び続けた。

身体も個性も独学で鍛え続けた。

効率が悪かったのかあまり身にはならなかったが、それでも一度も諦めず努力した。僅かにであったが、手応えだってあった。

 

成れる。私は、私の目指すヒーローに。

誰もが知るような、そんな偉大な男に。

成れるのだ。

 

この長い努力の果て。

道のりの先に。

きっと━━━━━

 

 

『落下した男性は全治6ヶ月の大怪我。結果として君はヒーローの救助を妨害した。これは公務執行妨害にあたり━━━━━━━』

 

 

━━━━そう、思っていたのに。

突然、私の目の前にあったその道は、私の信じていた夢は消え去ってしまった。何かの冗談のように。

 

事故の現場に偶然居合わせた。

落ちる人を見て、私の個性なら助けられると思った。

だが、私が介入した結果得られたのは称賛でも感謝でもなく、ただ一つの犯歴だけだった。

 

当時通っていた学校は退学。

私の罪を知って私の家は周囲から孤立した。

周囲からの嫌がらせに両親は私に憎悪を向け、ついには追い出された。居場所すら、私は失った。

 

どうして。

 

一人アパートで暮らすようになって何度もそう思った。

私はただ助けようとしただけなのに。ヒーローになりたかっただけなのに。理由など分かっている。私がミスを犯したからだ。救えていれば、何も失わなかった。ならば、黙って見ている事が正しかったのか。思えない。あれが最善だと思った。私にはヒーローの姿が見えなかった。見えなかったんだ。だから助けにいったんだ。間違いなんかじゃなかった。けれど━━━━━。

最低限生きるためのお金を稼ぎにいく時間以外、分かりきった自問自答を何度も繰り返した。毎日毎日、そのことばかりで頭がおかしくなりそうだった。

 

そんな日々の中、彼と会った。

高校時代にクラスメートで、ヒーローになったと聞いていた竹下くんに。サイドキックとしてヒーロー業界に入った彼は既に独立していて、立派なヒーローとなっていた。知り合いの出世した姿に嬉しくて声を掛けた。あの頃の、夢に燃えてた自分を思い出しながら、同じヒーローを目指した者として。

 

『あ━━━━━━・・・・えーっと、誰でしたっけ』

 

クラスメートであった期間はたった一年だけ。

関わりも少なかったから覚えていないは仕方ない。彼とは友人ではなかった。だから仕方ない。仕方ない筈なのに、彼の声が酷く頭の中に響いた。それはいつまでも反響して、鳴り止まなかった。

彼の背中が遠ざかっても、彼のファンが姿を消しても。

ずっと、ずっと、ずっと。

 

 

 

『夢は、ヒーローになって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

脳裏に過った思い出に、吐き気がした。

言い知れない何かが胸の奥から滲み、何処からか沸き上がってくる恐ろしい何かに身体が震えた。

目の前が黒く淀み、何も見えなくなった。

 

 

 

『夢は、ヒーローになって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

止めろ。

 

 

 

 

『夢は、ヒーローになって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

 

止めてくれ。

 

 

 

 

『夢は、ヒーローになって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

 

止めてくれ!

 

今更、私に何があると言うんだ。

何もかも失った、失ってしまったんだ。

生きる事すらギリギリで、個性なんてもうずっと使ってなくて、身体だってもう鍛えてなくて、それに世間は私を犯罪者としか見ない。それがヒーロー?誰が認める。家族も、誰も彼も。私を犯罪者としか見ないのに。私は、ただの犯罪者なのだ。

 

夢など、もう━━━━━なのに。

 

 

 

 

『夢は、※※※になって教科書に載るくらいの偉大な男になる事です』

 

 

 

 

━━━━犯罪者。

 

その言葉が再び頭の中に響いた時、私は天啓を得た気がした。気がついたら走っていた。いけないと思いながらも、心はそこへと流れていった。もう止められなかった。

 

貧しさに喘ぐ己の未来の姿を脳内から蹴飛ばし。

老いと孤独に涙を流す未来の姿を脳内から殴り飛ばし。

私は一心不乱に部屋を漁った。

 

まだ、やれる事がある。

まだ、私にはしか出来ない事が。

まだっ。

 

そして私は見つけのだ。

私の偉大なる夢を。

ヴィランという、選択肢を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━ッヅア!?」

 

衝撃に目の前に光が舞った。

地面へと打ち付けた肩からは激痛が走り、腹部や太腿からも鈍い痛みが走ってくる。何が起きたの言うまでもない。彼女に撃ち落とされたのだ。

 

ある程度まで近づけた所で、何かが撃ち込まれた。

恐らくは側に転がる小石。全部で何発かまでは分からないが、撃ち込まれたのはそれだ。

咄嗟に防いだ。個性を使い、目の前に空気の膜を作った。なのに、当たった。どうして?分かってる。引き寄せる個性だ。しかし問題は別、これが飛んできた位置こそ問題だ。そうそれは死角からだった。私が空気の膜を張り巡らせている筈の、死角の位置から。

驚くべきことに、彼女は空気の膜の隙間を縫って狙撃したのだ。

 

戦闘が始まって、たった三分。未だニコの髪の毛一本触れられていない。なのに、もう把握された。

恐らく広場一帯だけだろうが、それでも事前に用意してた空気膜の位置も、その大きさもニコは知っている筈だ。動きを見ていれば分かる━━━━いや、それだけじゃないだろう。弾性の張力も、下手をすれば強度でさえ掴まれたかも知れない。だとすれば、ニコがそれを利用してくる可能性すらある。

 

「もう、終わりで良い?あんまりやり過ぎると過剰防衛とかになりそうだし」

 

痛みに堪えながら顔をあげれば、少し離れた所からこちらを眺める彼女が見えた。その顔にはまだ余裕が浮かんでいる。それどころか、ラブラバの位置を探ろうとしている仕草すら見てとれる。

 

はっきりと分かってしまった。

個性云々など問題ではない。相性が悪い訳でもない。

ただ、ただ格が違うのだと。

 

 

「はっ、ははははっ、ははははははは!!」

 

 

成る程、これが本物なのか。

何とも頼もしく、何とも恐ろしく。

何とも立派な姿なのか。

 

 

 

羨ましい。

 

 

 

心の底からそう思う、なんと羨ましい姿だと。

才気に溢れる若者の、自信に満ち溢れたその姿は私の夢そのものだった。数え切れないほどの称賛を受け、数え切れないほどの人達から未来を期待され、当然のようにヒーローへとなって、そしてまた当然のように偉業を成していく。

 

何が違ったのだろうか。

記録には残っていないが、君だって中学時代ヴィランと戦ったのだろう。ヒーロー達の手をはね除け、同級生を助ける為に。個性だって使った筈だ。

 

それなら裁かれるべきではないのか。

私と同じように。

何が違う。

 

いや、本当は分かってる。

彼女は私と違い救ったのだ。

違いはたったそれだけ。

 

緑谷双虎、私は君が羨ましい。憎たらしい程に。

私が得られたかも知れない全てを、当たり前のような手にしている君が。

 

 

 

「冗談を言ってはいけない、ニコ!私はまだ━━━━」

 

 

 

全身に力を込めた。

痛みは走り足は震えるが、まだ立ち上がれる。拳に力を込めればどちらもまだ使える。呼吸も落ち着いてきた。戦うには十分過ぎるほど、余力が残っている。

こんな日が来るのを私はずっと望んでいたのだ。そうでなくては困る。

 

 

「━━━━━━この通り、ピンピンしている!!」

 

 

六年、動画サイトで燻り続けた。

聞けば誰もが知っている、そんな世紀の大犯罪者になる事を信じて。動画をアップしながら身体も個性も鍛え直した。全盛期は今だと心より思える程に。

 

 

何の為に?

 

 

「この時の為にさっ、ニコ!!私はまだ立っている!!私の夢は、まだ終わらない!!掛かって━━━━━ッッッヅヅヅヅヅ!?」

 

 

言い終わる前に身体がニコの方へ引き寄せられた。

個性で空気の膜を作ったが、私がそれにぶつかる事はなかった。ぶつかる直前、突然軌道が変わり地面に叩きつけられたからだ。対応しきれず、打ち付けた胸に痛みが走る。息が一瞬止まる。

 

直ぐ様身体が宙へと飛んだ。

私の個性じゃない。

胸辺りから伝わる吊り上げるような感触はニコの物だ。

 

上昇を止める為に個性を使おうとしたが、肝心の手が前方に向かない。ニコの個性で後ろへと引っ張られ固定されているのだ。力が強い。力を込めたがビクともしない。

 

何とか首だけ振り向きニコを確認すれば、頬を膨らまして炎を吐く準備をしていた。その筆舌に尽くしがたい威力は体育祭な映像から知っている。人に向けるのだ。調整はしてくるだろうが、それでも継続戦闘能力を奪う程度の威力はある筈だ。

 

不味い、そう思った瞬間。

声が聞こえた。

 

 

「ジェントル!!」

 

 

そんなラブラバの悲痛な声が。

どんな顔をしているのかなんて見なくても分かる。

六年もの間、一緒に過ごしてきた。共に笑い、共に泣き、共に喜び合ってきたのだ。分からない筈もない。

 

「━━━━まったく。事がなったら、安全な場所へ行く手筈だったのに」

 

彼女の力を借りるつもりはなかった。

それでは意味がないからだ。私だけの力で勝たねば、私は私の過去を振り払えない。私のかつての夢といえるニコを、今の私が屠る事に意味がある。私は間違っていないのだと証明する為にも。

幼き日の憧憬など、もう必要ない。今の私はジェントル・クリミナル。ヴィラン。いずれ、偉大なる男として語り継がれるべき━━━━

 

 

「駄目っ!いや、ジェントル!!負けないで!!勝って!!」

 

 

━━━━そうだった。

 

声の方を見れば、涙で頬を濡らす彼女がいた。

一心に私の身を案じて、勝利を望んでくれる彼女が。

そうしてやっと思い出した。どうして僅かな間でも、忘れていられたのか。

もう、この夢が、私一人の夢ではない事を。

 

 

 

 

「ラブラバ!!君の夢を、今一度!!私にっ!!預けて欲しい!!」

 

 

 

 

勝つ。

ただ、君に。

恥も外聞もない。

私にも負けられない理由がある。

誰が望んでいなくても、どれだけ下らなくても、笑われても馬鹿にされても、彼女が私の勝利を望んでいるのだから。

私の夢を笑わないでいてくれた、応援してくれた彼女が。

 

 

 

 

 

 

「ジェントル!!勿論よ!愛してる!!ずっと!!これからも、貴方が私の夢なんだから!!」

 

 

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

その発言と発動したラブラバの個性『愛』。

他人に依存するこの個性は、ラブラバが定めた対象者の身体能力を一時的に強化させる。個性の効果は、対象者へのラブラバの愛の深さによって決まる━━━━━つまりは、今が最大にして最強という事だ。

体の奥底から沸き上がる力で、拘束を無理矢理振りほどいた。驚くような表情を浮かべたニコは直ぐ様炎を放ってきたが、溜めが足らなかったのか予想より規模が小さい。手刀で切り払えば簡単に霧散して消えていく。

 

目を見開くニコを視界に捉えながら、ラブラバを回収し個性を使って一気に距離を取る。

彼女の個性の射程外へと。

 

「ごめんなさい、ジェントル!私っ━━━」

「いや寧ろ感謝しているさ。ありがとう、ラブラバ。少し、頭が冷えた。さぁ、後は私に任せ観戦していてくれ。君にジェントル・クリミナルの本気をお見せするよ」

「うん!!」

 

ラブラバが離れていくのを横目に、息を吐きながら周囲を改めて確認する。道具は揃っている。後は組み立てるだけ。冷静に。知識は既に頭の中にある。

 

不意に、私の顔を見てニコが笑った。

 

「少しは良い顔するじゃん。最初からそうすれば良いのに・・・・来なよ、まだ遊び足りないでしょ。約束してた通り、顔面にグーパン入れたげる」

「ははっ、そう言えば言っていたね。・・・・ああ、試してみたまえ!!君の拳が届くのかどうか!!!」

 

私達は負けない。

 

「刮目せよ!!ここからが、ジェントル・クリミナルの!!本気の本気!!ニ百パーセントだ!!」

 

私達の夢を、まだ終わらせなどしない。

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